要約: ゴアの本は売れているけれど、結構いい加減な話だらけだし、まともな情報源には成り得ない。環境の話であればロンボルグ本、議論の仕方であれば飯田『ダメな議論』、そして人がなぜまちがった情報に流されるかについてはエインズリー本を参照。 アル・ゴア『不都合な真実』は、たいへんに困った本/映画だ。温暖化の話を初めてきく人には新鮮な話も多いのかもしれないけれど、多少なりともこの問題に中立的な関心を持って見てきた人には、お馴染みどころかすでに論駁されたような話が平気で登場するのですもの。 たとえばpp.42-5のキリマンジャロの雪が減っている話。減っていること自体は事実だ。でも実際には減少は1880年代、人工二酸化炭素が急増するかなり以前から起きている。実は森林減少で周辺が乾燥化した結果で、地球温暖化とは関係ないようだ。あるいはpp.82-3の日本の台風話。2004年の台風上陸が史上最高だったと騒