タグ

ブックマーク / book.asahi.com (20)

  • 「マックス・ウェーバーの日本」書評 ドイツ以上になぜ読まれたのか|好書好日

    マックス・ウェーバーの日 受容史の研究1905−1995 著者:ヴォルフガング・シュヴェントカー 出版社:みすず書房 ジャンル:社会・時事・政治・行政 マックス・ウェーバーの日 [著]ヴォルフガング・シュヴェントカー 書は、日のウェーバー研究の内容を、大正時代から現在にいたるまで詳細に検討するものである。実は、ウェーバーは日で、ドイツで以上によく読まれてきた。にもかかわらず、日人のウェーバー研究はドイツでほとんど知られていなかった。したがって、書がドイツの読者にとって役立つことは当然であるが、日人にとっても、いろいろと考えさせる事柄を含んでいる。 日は、非西洋圏で唯一、近代資主義国家となった。その理由を問うために、日人は特に、ウェーバーの理論を必要としたといえる。しかし、ウェーバーが広く読まれるようになったのは、1930年代、天皇制ファシズムが席巻し、マルクス主義運動

    「マックス・ウェーバーの日本」書評 ドイツ以上になぜ読まれたのか|好書好日
    nebokegao
    nebokegao 2014/08/15
    「日本でこの時代(1930年代)からウェーバーが読まれたのは、根本的に、マルクスを補うためであったといってよい。戦後でも、事情は同じである」
  • 『いま読むペロー「昔話」』書評 グリムと異なり大人に向けて|好書好日

    いま読むペロー「昔話」 [訳・解説]工藤庸子 グリムの童話「赤頭巾」では、少女がお婆(ばあ)さんに化けた狼(おおかみ)にわれたあと、猟師が狼を撃って腹から少女を助け出すことになっている。しかし、ペローの昔話では、少女はたんにわれてしまうだけである。坂口安吾は「文学のふるさと」(昭和16年)というエッセーで、この結末に衝撃を受けたことを記している。童話にあるようなモラルがここにはない。読む者は「突き放される」。しかし、このように突き放されるところに、「文学のふるさと」があるのだ、という。 以来、私はペローの昔話が気になりいつか調べてみようと思っていたが、その機会がなかった。新訳と詳細な解説が付された書は、そのような疑問に答えてくれるものであった。グリム兄弟は19世紀初期ドイツのロマン主義者で、民話を児童文学として書きなおした。一方、ペローは17世紀フランス絶対王制の官僚であった。彼はこ

    『いま読むペロー「昔話」』書評 グリムと異なり大人に向けて|好書好日
  • 書評・最新書評 : 神と肉―日本の動物供犠 [著]原田信男 - 三浦しをん(作家) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    ■米の豊作を願い捧げられた命 肉が好きだ。しかし、日では明治になるまで、ほぼ肉はしなかったと聞いたことがあり、「すみません、動物をばくばくべちゃって」と少々うしろめたく思っていた。 だが書によると、日人は縄文時代からずっと、肉をべてきたのである。「これを持っていれば、肉をべても許される!」という、諏訪大社が発行するお札(ふだ)(「鹿免(かじきめん)」)まで存在した。やっぱりなあ、肉はおいしいもん。抜け道を探してでも、べたいものです。 ではどうして、表立って肉をべにくい風潮があったのかというと、飛鳥時代から国家が殺生と肉を禁じてきたからだ(ただし、当初は猪〈いのしし〉や鹿などの野獣をべるのは許されていた)。禁令が出た背景には仏教思想もあるようだが、一番の要因は、米を安定的に生産するためだった。稲は栽培が難しく、豊作を目指して、さまざまなタブーが人々に科された。「動物を

    書評・最新書評 : 神と肉―日本の動物供犠 [著]原田信男 - 三浦しをん(作家) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
    nebokegao
    nebokegao 2014/06/10
    「禁令が出た背景には仏教思想もあるようだが、一番の要因は、米を安定的に生産するためだった。稲は栽培が難しく、豊作を目指して、さまざまなタブーが人々に科された」
  • コラム別に読む : ヤンキー経済 [著]原田曜平 - 加藤出(エコノミスト) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

  • 渡辺靖(慶応大学教授・文化人類学) - 書評委員別に読む | BOOK asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

  • 「ミシンと日本の近代」書評 小さなモノに光、大きな歴史照射|好書好日

    ミシンと日の近代―消費者の創出 [著]アンドルー・ゴードン [訳]大島かおり 米国の「知日派」というと、最近は外交・安全保障の専門家のみ注目されがちだが、著者は歴史研究における筆頭的存在だ。 ある日、彼は、ふと1950年代の日の既婚女性が毎日2時間以上も裁縫に費やしていた事実を知り驚愕(きょうがく)する。それが今回の知的探究の出発点となった。 ふつうの日家庭に入った最初のミシンはジョン万次郎が母親へ贈ったもの。シューイングマシネ(縫道具)がマシネと略され、さらに2音節に縮まって「ミシン」となった。 その出現は〈洋裁〉と〈和裁〉という新語を生み、キモノを〈洋服〉に対する〈和服〉とし、〈日〉と〈西洋〉が対峙(たいじ)する独特の世界観を固着化した。 とりわけ「世界初の成功した多国籍企業」と称される米シンガー社の家庭用ミシンは10年代までに日でも無敵の存在となった。それはまた「セールスマ

    「ミシンと日本の近代」書評 小さなモノに光、大きな歴史照射|好書好日
    nebokegao
    nebokegao 2014/03/07
    「米シンガー社の家庭用ミシンは10年代までに日本でも無敵の存在となった。それはまた「セールスマン」という近代的職業、女の「自活」という発想、消費者(割賦)信用という制度の拡張を意味した」
  • http://book.asahi.com/ebook/master/2013101000001.html

    nebokegao
    nebokegao 2014/01/13
    「現代は、「今は壊れている報復=互酬の関係が、将来のいずれかの時点には回復されるに違いない」という期待をもつことが、著しく困難/「半沢直樹」の社会的成功=不可能な理想への猛烈な希求」
  • http://book.asahi.com/ebook/master/2014010900003.html

    http://book.asahi.com/ebook/master/2014010900003.html
    nebokegao
    nebokegao 2014/01/11
    「誰もがマルクスを読むべきだ。マルクスの遺したテクストを読みとくことは、世界の現在を解きあかすこと/宗教批判は継続している/資本主義という経済現象そのものが、実は、宗教現象なのだ」
  • 本の記事 : 自殺はなぜ社会問題か 社会科学者3人が共著 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    自殺はなぜ「社会問題」なのか――。社会科学の研究者3人が、国内外のデータを駆使して自殺の実相に迫る著書『自殺のない社会へ』を発表した。自殺対策には当に効果があるのかも検証。14年続いた「自殺者3万人時代」の意味を問うとともに、新しい政治像の提言にもなっている。 自殺のでは珍しく、経済学者と政治学者が執筆した。開発経済学が専門の澤田康幸・東大教授(46)、米国政治の上田路子・米シラキュース大研究員(40)、政治行動論の松林哲也・大阪大准教授(36)だ。 ■防止策の効果検証 証拠もとに政策必要 社会科学の立場から自殺問題に取り組む動きが少ない、との問題意識が3人をつないだ。「精神科医が書いたばかりでいいのか」と澤田。「効果を問わぬまま自殺対策が進む現実に危機感を覚えた」と上田。「エビデンス(証拠)に基づく研究を踏まえた対策づくりが必要だ」と松林。 自殺については「個人の選択だ」とする考え

    本の記事 : 自殺はなぜ社会問題か 社会科学者3人が共著 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
    nebokegao
    nebokegao 2013/10/14
    「自殺の「負の外部性」/自死による遺族は全国で推計300万人。親が自殺した未成年者の自殺リスクはそうでない若者の3倍近い」
  • http://book.asahi.com/ebook/master/2013061200001.html

    nebokegao
    nebokegao 2013/06/18
    「市場は道徳に対して中立ではなく、ときに道徳を締め出してしまう/市場社会=資本主義は、特定の【目的】よりも、普遍的な【手段】の方に魅力があるように見せるシステムだ」
  • コラム別に読む : 「女の子」の今 松谷創一郎さんが選ぶ本 - 松谷創一郎(ライター) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    ■傍流が主流を侵する混沌 2013年の現在、「女の子」を一括(ひとくく)りに語るのは難しい。00年代には、エビちゃんこと蛯原友里のような強力なロールモデルがいた。フェミニン路線が特徴の女性ファッション誌「CanCam」の専属モデルとして一世を風靡(ふうび)した蛯原だったが、現在は彼女のような主流たる女の子像が不在だからだ。 そのなかで独自の存在感を示しているのが、幅広い若者層から人気を集める歌手でモデルのきゃりーぱみゅぱみゅである。 その特徴は、奇抜で派手なファッション。きゃりーを支持してきたのは、フェミニンな「CanCam」などとは対極のスタイルを好む原宿系の女性たちである。だが、最近ではコンサバファッションに代表される主流とされてきたフェミニン路線のスタイルにも影響を与え始めている。傍流だった存在が、従来の主流を侵している。一言で表せば現在は、こうした混沌(こんとん)状況だ。 ■オ

    コラム別に読む : 「女の子」の今 松谷創一郎さんが選ぶ本 - 松谷創一郎(ライター) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
  • 杉田敦「政治的思考」書評 平易な文体、炯眼に満ちた言葉|好書好日

    政治的思考 [著]杉田敦 巷(ちまた)に溢(あふ)れる政治の時局解説とは百八十度趣を異にする一冊。具体的な政党や人名は一切登場しない。目先の政策提言ともまるで無縁だ。あくまで〈政治〉の原点に私たちを誘い直すことに著者の想(おも)いはある。 「直接投票も一種の代表制なのではないか」「薄っぺらな現実主義は、現実そのものによって復讐(ふくしゅう)される」「私たちが政治から逃げたからと言って、政治は私たちを逃がしはしない」……。文体は極めて平易ながら、炯眼(けいがん)に満ちた言葉を読後も何度も反芻(はんすう)した。 「新しい憲法さえあれば、すべてうまくいく」と期待するのは「政治という営みの特質をふまえていない考え方」と保守派を牽制(けんせい)しつつ、国家と市場を過度に敵対視しがちなリベラル派への違和感も隠さない。冷静沈着な思考展開が説得力を増す。 「政治」と聞くと条件反射的に持論を披露し始める方々

    杉田敦「政治的思考」書評 平易な文体、炯眼に満ちた言葉|好書好日
  • 本の記事 : 法哲学者ドウォーキン氏を悼む 長谷部恭男・東京大教授 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    14日、81歳で亡くなったロナルド・ドウォーキンは現代の法哲学・政治哲学界に屹立(きつりつ)する巨人である。革新的かつ論争的なスタイルで英米圏のリベラルな思潮を主導し、合衆国最高裁の動向にも大きな影響を与えた。 アイザイア・バーリンやジョン・ロールズ等のリベラリズムの主流は、価値の多元性を強調し、多様な世界観の公平な共存を提唱する。これに対してドウォーキンは、価値の世界は全体として整合していると言う。自由と平等、社会生活の道徳と個人的倫理とは衝突しない。何が責任ある態度か、何が正しい政策か、すばらしい人生とは何かは、すべて矛盾なく支え合っている。人が自分の生を意味あるものとして生きるには、すべての価値は統一された姿で捉えられなければならない。 1977年に出版された最初の論文集『権利論』は、支配的思想であった法実証主義と功利主義を根底的レベルで批判した。法実証主義によれば、法は社会的事実で

    本の記事 : 法哲学者ドウォーキン氏を悼む 長谷部恭男・東京大教授 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
  • ウラジーミル・ソローキン「青い脂」書評 文学の未来映す“低俗”ギャグ|好書好日

    青い脂 [著]ウラジーミル・ソローキン 昔の人は、小説のヤワなエッチ描写ごときで発禁だ裁判だと大騒ぎしたもんだが、モロ出し動画がネットでいくらでも見られる現在、もう小説ごときで、下品だエロだ低俗だと騒ぐ時代ではありませんわオホホホホと思っていたところに降って湧いた衝撃作。笑っちゃうくらいのお下劣お下品全開ぶりでありながら(いやまさにそれ故に)いまどき文学への希望と確信を力強く語るという、時代錯誤なのに目新しく、古くさいのに新鮮な代物が書だ。 未来ロシアの研究所でスカトロ両刀づかいの変態どもが中露混合の悪態をつきつつ、文学クローンを作って小説を書かせ、謎の物質「青脂」を生産。それがスターリンとフルシチョフがグチョグチョの愛欲相関図を繰り広げる変な二十世紀に送り返され、そしてヒトラーとの野合と対決の末スターリンはついに青脂を自ら……というのがストーリーなんだが、これを知ってもあまり意味はない

    ウラジーミル・ソローキン「青い脂」書評 文学の未来映す“低俗”ギャグ|好書好日
  • 【レビュー・書評】スピノザの方法 [著]國分功一郎 - 書評 - BOOK:asahi.com(朝日新聞社)

    スピノザの方法 [著]國分功一郎[評者]斎藤環(精神科医)[掲載]2011年4月10日著者:國分 功一郎  出版社:みすず書房 価格:¥ 5,670 ■哲学を可能にした「方法」を問う 神に酔える哲学者、スピノザ。汎神(はんしん)論やコナトゥスといったその“肯定性の哲学”は日でも人気が高い。超訳ニーチェに続き超訳スピノザが売れたとしても私は驚かない。 ところで書は単なる「スピノザ入門」ではない。その哲学を可能にした「方法」をひたすら問うこと。それがこの異様にリーダブルな哲学書の通奏低音である。 私はこれまで、デカルト的二元論の「切断性」にスピノザ的な「連続性」を対立させて考えていた。しかし著者によれば、これはよくある誤解らしい。デカルトの哲学は説得のための哲学である。スピノザは説得を放棄することでデカルトの限界を乗り越えようとした。スピノザは命令しない。ただ「一緒にやりましょう」と誘惑す

  • 書評・最新書評 : フロイト講義〈死の欲動〉を読む [著]小林敏明 - 柄谷行人(評論家) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    ■分子生物学の研究成果で裏付け フロイトは63歳になって『快感原則の彼岸』(1920年)という論文を発表し、その中で「死の欲動」という概念を提起した。それまでの精神分析では生の(性的)欲動が主であったから、画期的な変更である。彼がこれを書いたのは、第1次大戦後に出てきた多くの戦争神経症者の治療体験にもとづいてであった。つまり、そこに見いだされる死の欲動や攻撃欲動は、歴史的・社会的な問題と切りはなすことができない。 にもかかわらず、フロイトはそれをもっぱら生物学的な観点から見た。つまり、人間はすべての有機的生命体と同様に、無機物に帰ろうとする欲動をもつというのだ。それが問題であった。以来、フロイト派の多くは死の欲動という概念を拒否するか、それを受け入れる者も、ラカンがそうしたように、フロイトの生物学的説明を文字通りに受けとることを避け、それを自己流に解釈してきたのである。 書で著者は、フロ

    書評・最新書評 : フロイト講義〈死の欲動〉を読む [著]小林敏明 - 柄谷行人(評論家) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
  • 「ミシェル・フーコー講義集成」書評 「真の生」開く哲学、ソクラテスに探る|好書好日

    ミシェル・フーコー講義集成 13 真理の勇気 著者:ミシェル・フーコー 出版社:筑摩書房 ジャンル:哲学・思想・宗教・心理 パレーシア(=勇気をもって真実を語る)概念についての考究を深め、ソクラテスやキュニコス派を独創的なやり方で提示。ギリシア・ラテン思想とキリスト教との関係も展望する。哲学者… ミシェル・フーコー講義集成13 真理の勇気 自己と他者の統治2 [著]ミシェル・フーコー 書はフーコー最晩年(1984年)の講義録であり、その主題は「パレーシア」である。それはギリシャ語で「真理を語る」という意味だ。真理を語るといっても、いろんなケースがある。真理を語ることによって、相手との関係が損なわれたり、自分の身が危うくなる場合がある。パレーシアとはそのような場において真理を語ることである。だから、パレーシアには「勇気」がいる。 なぜフーコーはこのことを考えるようになったのか。それは哲学の

    「ミシェル・フーコー講義集成」書評 「真の生」開く哲学、ソクラテスに探る|好書好日
  • コラム別に読む : 暇と退屈の倫理学 [著]國分功一郎 - 長薗安浩 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

  • http://book.asahi.com/ebook/master/2012030600001.html

    nebokegao
    nebokegao 2012/05/21
    「あきらめれば不幸が消える」をめぐって
  • 刑罰の社会的コスト|好書好日

    刑務所の経済学 [著]中島隆信 300円のパンを万引きして逮捕、裁判を受け、6カ月服役したら130万円の税金を使うという。果たしてこれは社会全体にとって「割に合う」のか。刑罰の犯罪抑止力はよく論じられるが、刑罰の社会的コストについても実証研究をすべきではないか、と主張する。 受刑者の更生の度合いを刑務所や刑務官の評価に反映させる、障害者作業所の仕事を奪いかねない刑務作業にきちんと賃金を払うなど、具体的な提言も。 弱者を社会から排除するのは経済学的にも得策ではない、経済学的な視点を欠いた司法は持続可能ではない、という。徹底的に損得から考える姿勢が新鮮だ。 ◇ PHP研究所・1470円

    刑罰の社会的コスト|好書好日
  • 1