鳥瞰図の原画を囲み、約70年前の市街地の様子などを語り合う町民=鹿追町で2025年3月15日午後1時46分、鈴木斉撮影 北海道鹿追町の下鹿追公民館の中に掲示されている鹿追村(当時)の古びた鳥瞰(ちょうかん)図が、大正から昭和にかけて国内各地の鳥瞰図を描き、浮世絵師の歌川広重になぞらえて「大正の広重」と呼ばれた京都出身の絵師、吉田初三郎(1884~1955年)の作品だと分かった。長年、ひっそりと掲示されていた作品が貴重な資料であることが判明したきっかけは、ある町職員の直感だった。 鳥瞰図は上空から斜めに見下ろしたように描く図法で、地形や建物が立体的に表現されている。初三郎は大正から昭和初期の観光ブームで鳥瞰図の人気が高まる中、観光関係や自治体などの依頼で1600点以上の作品を描いたとされ、鳥瞰図制作の第一人者と言われている。
