北海道内で16日、新たに35人の新型コロナウイルス感染が確認され、計6万942人となった。新規感染者が30人を超えるのは10月17日以来、約1カ月ぶり。死者の報告はなかった。クラスターの発生が相次いでいる旭川市では、13日に公表された住宅型有料老人ホームで1人増え計9人となった。市保健所によると、10月1日以降の感染者222人のうち、約8割に上る176人が新型コロナワクチンを未接種だという。
新型コロナウイルスに感染し、本来必要な医療や健康観察を受けられないまま自宅で死亡した人の家族が遺族会を発足させた。身内が死に至った経過を知り、情報交換を図る。感染拡大期に関係機関の業務が急増し、感染者の対応が後手に回ったことも背景にあり、会の共同代表を務める高田かおりさん(46)は「多くの救えたはずの命が放置され、失われた。同じ目に遭う人を出してはいけない」と訴える。 コロナに感染した患者について国は当初、「原則入院」を掲げた。しかし、感染者の急増により各地で入院調整が困難となった。家族に感染を広げないために自治体が用意したホテルなどに隔離する宿泊療養、続いて自宅で療養を余儀なくされる人が増えていった。 高田さんは那覇市で自宅療養中に死亡した男性(43)の姉にあたる。男性は大阪府出身で、約10年前に沖縄県に移住。那覇市内に1人で暮らし、個人で居酒屋を営んでいた。 県などによると男性は8月5
文部科学省や日本学術会議がまとめた、研究不正などへの対応指針。「研究スキル売買」には触れられていないが、専門家からは不正につながる危険性が指摘されている=2021年9月24日、鳥井真平撮影 研究者が研究技術を販売するビジネス「研究スキル売買」が広がっている問題で、インターネット上で実験データなどの分析・解析支援スキルを販売している関東地方の私立大教授を名乗る40代男性が毎日新聞の取材に応じた。男性は、大学での自身の将来に不安を感じたといい、「自分で稼ぐ力が欲しかった」と明かした。本業をおろそかにしていると指摘されることを恐れ、所属大学に副業を申告していないという。 男性は2020年2月からネット上のスキルマーケットでデータの統計解析を支援するサービスを始め、「大学教授が支援します」などと依頼を募っている。基本料金は、持ち込まれるデータの分析で1万円。解析のためプログラムを作る必要がある場合
8月に予定されていた国内最大級の野外音楽祭「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル(ロッキン)」が茨城県医師会の要請で中止となったことを巡り、主催事務局が開催決定前に、県内の医療機関などに相談していなかったことが分かった。事務局は「(開催可否に関する情報は)守秘性が高い」とし、決定後に地元病院に説明し理解を得ていたとする一方で、同会の鈴木邦彦会長は「コロナ禍では医師会との緊密な連携が必要だった」と指摘する。【韮澤琴音】 ロッキンは8月に計5日の日程で、ひたちなか市の国営ひたち海浜公園での開催を予定していた。事務局は6月1日に開催決定を公表。7月2日に県医師会が新型コロナウイルス感染対策の強化などを求める要請書を提出すると、同7日に「要請に十全に応えることができない」として中止を発表した。
「自分史」の分野を開拓した歴史学者で東京経済大名誉教授の色川大吉(いろかわ・だいきち)さんが7日午前2時43分、老衰のため死去した。96歳。千葉県出身。葬儀は密葬で行う。 中学教師をしつつ社会運動に携わり、「明治精神史」を刊行。市民らで地域史研究を行う「多摩史研究会」を結成した。 庶民の立場から記した「ある昭和史」はそ…
オンラインで配信された「デジタル彦八まつり」の様子。総合司会を務めた桂小文枝さん(右)とアシスタントの露の紫さん=天満天神繁昌亭のユーチューブから 上方落語協会のファン感謝イベント「デジタル彦八まつり」が5日に開かれ、落語や対談などをオンラインで配信するなどして、ファンと交流した。「彦八まつり」は1991年から、上方落語発祥の地とされる生国魂(いくくにたま)神社(大阪市天王寺区)で開催し、第1回の実行委員長は、8月に84歳で亡くなった笑福亭仁鶴さんだった。この日の配信でも仁鶴さんをしのぶ声が聞かれた。 「彦八まつり」は、上方落語の祖とされる米沢彦八を顕彰する行事。90年に生国魂神社に建立された彦八の碑は、五代目、六代目笑福亭松鶴の悲願で、仁鶴さんが一門の筆頭として製作に尽力した。その翌年に祭りが始まった。境内では落語家たちが落語会やコンサートなどを開き、屋台も出して、多い時には約11万人が
小敷田遺跡から出土した古墳時代後期の準構造船の部材=埼玉県立さきたま史跡の博物館で2021年7月18日、中山信撮影 5世紀後半~7世紀中ごろの150年以上にわたり大型古墳が連続して造営された埼玉(さきたま)古墳群(行田市)にある県立さきたま史跡の博物館で、企画展「運ぶ―埼玉古墳群とモノの動き―」が開かれている。【中山信】 現在は平らな地形の埼玉古墳群周辺は、古墳造営当時は、河川によって形成された複雑な地形だったと考えられている。西側を当時の利根川が流れるなど、北関東西部地域から流れ出る河川が集まり、ここを通過しないと南関東や東京湾に出られない水上交通の要地でもあった。発掘された出土品の調査により、埼玉古墳群には遠方から河川を通じてさまざまな品物が運び込まれ、埼玉県内で作られた物も遠方まで運ばれていたことが明らかになってきた。 企画展では、小敷田(こしきだ)遺跡(行田市)から出土した、古墳時
戦国武将・織田信長の最愛の女性で、信長との間に後の岐阜城主となる信忠らをもうけたとされる側室、吉乃(きつの)の墓がある久昌寺(きゅうしょうじ)(愛知県江南市田代町)が近く取り壊されることが分かった。老朽化に伴い維持管理が難しくなったためで、跡地は市に売却され、公園として整備される見込み。市民や歴史ファンらからは「貴重な歴史遺産を残してほしかった」と惜しむ声が上がるが、630年以上とされる歴史に幕を下ろすことになる。【川瀬慎一朗】 「江南市史」などによると、吉乃は地元有力者だった生駒氏の娘。寺は1384年創立で生駒家の菩提(ぼだい)寺にあたる。吉乃は生駒家の屋敷で暮らしていた時に信長と出会い側室となった。長男信忠、次男信雄、後に徳川家康の長男信康の妻となった徳姫をもうけたとされる。信長は正室、濃姫との間に子どもがおらず、吉乃は織田家の中で存在感があったとみられる。若くして亡くなったとされ、冷
国の文化審議会は23日、日本で初めて開業した鉄道遺構の「高輪築堤」(東京都港区)を「明治日本の近代化を象徴する」として史跡に指定するよう萩生田光一文部科学相に答申した。同じ時期に建設された史跡・旧新橋停車場跡(同)に追加する形をとり、「旧新橋停車場跡及び高輪築堤跡」として、近く答申通り指定される。考古学などの学術団体は「全面保存」を訴えてきたが、現地を再開発中のJR東日本が4月に公表した「一部保存」の方針を受けた形での史跡指定となる。 「現地保存」を提案するも 今回の史跡指定は、都市遺跡の保存の難しさを改めて示した。 高輪築堤の高い価値は、特異な指定の経緯からも明らかだ。萩生田文科相に続き菅義偉首相も現地を視察。文化審議会の分科会も3月、文化庁に「緊急的に保存に取り組む必要がある」と極めて異例の建議を行った。こうして、通常は秋に複数の史跡指定を検討する審議会が今回、この1件だけを対象に開か
口上を述べる桂米朝さん(右)。左は笑福亭仁鶴さん、中央は桂春団治さん=大阪市中央区のなんばグランド花月で2010年4月28日午後8時17分、三村政司撮影 笑福亭仁鶴さんが17日、84歳で亡くなった。「四角い仁鶴」の復帰を待ちわびていたのだが。仁鶴さんこそ、東西の壁を越え、売れに売れた上方落語の先駆者だった。【油井雅和/デジタル報道センター】 あの「四角い笑顔」の仁鶴さんが、桂米朝さん、三代目桂春団治さんと並んだ口上の写真がある。2010年4月に開かれた「上方落語まつり」でのひとコマだ。 上方の落語界は吉本興業、米朝事務所、松竹芸能と、落語家が所属する事務所が大きく三つあり、当時は定席の天満天神繁昌亭が06年に開場したばかり。東京で「落語ブーム」と言われる追い風が吹いているのは、もちろん上方には伝わっていた。
「奈良時代の僧も魚に舌鼓を打った?」――。称徳天皇(718~770年)が創建した西大寺の旧境内(奈良市西大寺本町)の発掘調査で、当時の僧侶が食事を取った食堂(じきどう)院跡の井戸から、アジやタイなど現代の食卓にも並ぶ海産物の残骸が大量に見つかった。奈良文化財研究所が4日に公表した紀要に調査成果を掲載した。奈文研は「菜食が基本と考えられていた奈良時代の僧侶が、多種多様な魚を食べていた可能性を示す発見」としている。【加藤佑輔】 2006年の調査で井戸の遺構から見つかった魚や動物などの残骸計369点を分析。うち、魚類について京都大総合博物館(京都市左京区)や奈文研環境考古学研究室の所蔵標本と比較・分類したところ、コイ▽アジ▽タイ▽サバ▽ボラ――など複数種にわたることが判明した。
体育館のトイレや倉庫、玄関ロビーなど避難場所になり得ない「非居住スペース」を避難所面積にカウントし、収容人数が過大に算定された日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)の広域避難計画。この計画は原発から30キロ圏内の住民約94万人を茨城県内や近隣5県に避難させるものだが、計画策定を支援した内閣府の担当者が関係者を集めた会合で「30キロ圏内全域が避難という状況は考えづらい」などと、避難範囲を小さく見積もる発言をしていたことが判明した。過大算定の影響で、避難所の収容人数不足は県内分だけでも約2万人に上っている。最悪の事態を想定しない内閣府の担当者と、実効性を度外視した茨城県。記者(私)は双方の姿勢がずさんな計画につながったと感じている。【日野行介/デジタル報道センター】 会議の議事録を入手 毎日新聞は、2014年9月26日に原子力規制庁で開かれた「東海第2地域ワーキングチーム第2回会合」の議事
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