オークションサイトをのぞくと、大量に出品されている古文書の数々…。 落札されず廃棄されているものも多いとみられ、歴史研究者も危機感を募らせている。 ネットに限らず、世代交代や蔵の取り壊しなどで、文書の内容や価値を知らないまま処分し、散逸してしまうケースも相次いでいるという。 地域の歴史を物語る宝となりうる貴重な資料をどうしたら守れるのか。失われゆく古文書の現状を取材した。 (科学・文化部 記者 堀川雄太郎)
【読売新聞】 長岡市の市歴史文書館で、2004年の中越地震で倒壊するなどした土蔵から見つかった資料や避難所に掲示された文書などを展示する企画展が開かれている。展示されている資料は、同館が収集し、整理をボランティアが担う。担当者は「中
菱田東区公会堂で、子安観音が描かれた掛け軸などを調べる北総ネットのメンバーら=千葉県芝山町で2024年7月29日午後2時58分、小林多美子撮影 消えゆく集落には、先人たちのどんな記憶が刻まれているのか――。歴史や建築の専門家らが7月下旬、千葉県芝山町の加茂、菱田東、中郷、中谷津の4地区を巡った。成田空港C滑走路(3500メートル)の新設などの拡張予定地となる地区だ。 メンバーは千葉大などの研究者らでつくる「北総地域資料・文化財保全ネットワーク(北総ネット)」と町教委の職員ら約10人。地区内にある公民館や寺院を訪ね、石塔や地域資料などを調べた。 北総ネットは、空港拡張に伴う住民の移転や建物の撤去に伴う歴史資料の消失や散逸を防ごうと、今年5月に設立された。地元の「しばやま郷土史研究会」や町教委と連携し、資料の所在確認や記録などを進めている。
全国の博物館や図書館で大きな問題となっているのが、書籍や古文書などの紙資料を食べてしまう害虫です。 貴重な文化財を守ろうと、札幌の学芸員がある装置を開発し注目されています。 これが害虫から紙資料を守る装置です。 ペットボトルや断熱材など、安くて誰でも簡単に手に入れられる材料で作られています。 そして作り方も簡単です。 (北海道博物館 高橋佳久学芸員)「これを単にですね、体重をかけて押し込むだけです。接着剤とか何も使っていません。実際に乗っても全然大丈夫なくらい荷重があることは確認してあります」 開発したのは北海道博物館の学芸員・高橋佳久さんです。 きっかけは、全国各地の博物館などで問題となっている、主に紙を食べる「ニュウハクシミ」という虫の存在でした。 このように貴重な文書などの文化財に“虫食い穴”を作る害虫です。 (北海道博物館 高橋佳久学芸員)「(ニュウハクシミが)ツルツルしたところは
文化財保護困った 虫、カビ防ぐ燻蒸ガス 来春販売終了 福島県立博物館 新たな管理法模索 2024/06/20 09:47 燻蒸前の収蔵品を目にしながら、文化財の管理に悩む原さん=県立博物館 文化財に有害な虫やカビを除く燻蒸(くんじょう)について、国内の有力な燻蒸ガスの製造会社が来春の販売終了を発表し、文化財保護の関係者に困惑が広がっている。文書をパックに入れ低酸素化する手法などに移行するようになるが、民具や木材など大型の文化財は対応が難しいのが実情だ。後世に残していく重要な史料の劣化を防ぐため、関係者は虫やカビを発生させない環境づくりを模索している。 販売を終了するガスは日本液炭(東京都)の「エキヒュームS」で酸化エチレンを主成分にしている。DNAに影響し虫やカビを除去する効果があり、半世紀にわたって中心的に使われてきた。原料となるガスの値上がりで収益が悪化した上、環境へ配慮する観点などか
文殊院で見つかった智感版大般若経。寄進した人物と時期について「常州佐都西小野崎」「応永八年」と記している=茨城史料ネット提供 室町時代に木版で刷られた「智感版大般若経」の断片が、茨城県内で初めて常陸太田市天神林町の文殊院で見つかった。当時一帯を支配した佐竹氏に仕えた小野崎氏が大般若経を寄進したと伝えられていたが、初めて現存が確認された。 大般若経は、釈迦(しゃか)の説法を中国・唐代の僧、三蔵法師玄奘(げんじょう)が翻訳した全600巻の経典群。除災招福・国家安泰を願い、広く信仰された。 文殊院には、小野崎氏が薩都(さと)神社(同市里野宮町)に寄進し、第二代水戸藩主・徳川光圀の手により移された大般若経があると伝えられていた。江戸時代後期の国学者、色川三中(1801~55年)による写し書きも残されていた。しかし、近年は存在が確認されていなかった。 市内の郷土史家から天神林町の町会に「探してもらえ
栃木県教委は10日までに、平日のみ開館していた県文書館について5月から試行的に月1回、日曜日も開館すると発表した。 同館は本県に関する歴史的な文書や写真などを保管し、一般に公開している。県民から「休日も利用したい」との要望があり、日曜日の開館を決めた。県立美術館と図書館、文書館を新築移転する「『文化と知』の創造拠点」の整備も見据え、休日の利用状況を確認していく。 原則として月末の日曜日に開館する。平日の開館時間は午前9時〜午後5時だが、日曜日は午前10時〜午後5時とする。5月の日曜開館日は26日。2024年度は日曜日に計11回開館する予定。 25年度以降の対応は、今後の利用状況を踏まえて検討する。
天理大付属天理図書館(奈良県天理市杣之内町)の所蔵する琉球王国の資料「琉球古文書」の修理が終わり、16~20日に特別公開される。 古文書は琉球王国の行政文書など19世紀の資料を中心に、冊子や紙片も含めて計約350点から成る。1961年に同館が古書店から購入した。同館によると、琉球王国の資料は戦災などにより残存数が少なく貴重という。 2019年に那覇市から閲覧の問い合わせが来たが、紙の劣化が激しく、触れるのも難しい状態だった。同館は朝日新聞文化財団の文化財保護助成を受け、23年度に全面的な修理を実施。完了を記念して、文書の中から5件を展示する。 18世紀ごろとみられる官製の漆器の仕様書には、中央卓や食籠(じきろう)の図に「青貝」や「山水」など、材質や図案を示す文字が記されている。19年に焼失した首里城(那覇市)の復元にあたり、この資料が役立つ可能性があるという。 このほか、伝統芸能「組踊(く
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『作品を支える脚本の魅力とは』 ――文化を伝える放送脚本・台本を未来へつなぐために―― 第一部では『アンナチュラル』『フェンス』映画『ラストマイル(今夏公開)』など数々のオリジナルドラマを手掛ける脚本家・野木亜紀子氏と共に『マッサン』『ちむどんどん』映画『フラガール』のほか演劇ユニット「羽原組」を立ち上げ活躍中の脚本家・羽原大介氏をゲストに、オリジナル脚本の魅力と日本のドラマについてなど切り込んでお話しいただく予定です。司会は日大芸術学部の中町綾子教授。 第二部は、様々なアーカイブ施設からゲストを招き、活動の成り立ちや共通する悩み、活用の将来展望などを語って頂きます。 【日時】2024年2月18日(日) 13時30分~17時 【開催】ZOOMによるオンライン開催を予定 ※Zoomウェビナーの参加手順について ※参加用のURLは前日までにお送りいたします。 【参加無料】定員300名(お申込み
1997年の神戸連続児童殺傷事件など、各地で重大少年事件の記録が事実上の永久保存「特別保存」とされず廃棄されていた問題で、最高裁は27日、記録を「国民共有の財産」とする理念規定を掲げた新たな規則を制定したと明らかにした。問題を受け、5月に公表した調査報告書に基づく初の具体的な再発防止策で、裁判所に対する特別保存の要望は誰でも行えるなどと改めた。 また、少年事件や民事裁判の記録を廃棄する過程では、各裁判所の所長の関与を明確化し、所長の認可を必ず受けるよう運用を変更した。また規則には、法律や公文書管理の専門家ら6人でつくる第三者委員会の常設も盛り込んだ。要望に対して裁判所が特別保存としない場合は、第三者委に意見を求めるとし、保存の必要性を二重でチェックすると定めた。 最高裁はこれらによって、国民共有の財産である歴史的、社会的意義を有する記録を適切に保存する基本的な仕組みを構築したと説明。新規則
坂田さとこさん(63)は、美術工芸品を修理する「装潢師(そうこうし)」として250件以上の修理に携わってきた。夫と開いた大津市小野の文化財修理工房は今年で創業34年を迎え、工房の社長を務める。 大津市の園城寺(三井寺)が所蔵し、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」に登録された智証大師円珍関係文書典籍の修理を昨年から手がける。「文化財に宿る先人の息吹を消さず、伝統的な素材で100年先へ受け継いでいく」と仕事への覚悟を語る。 岐阜県中津川市出身。高校では油絵に熱中した。絵に関わる仕事に就きたかったが「女が絵で食べるのは難しい」と父の反対を受け、2年間の条件つきで、芸術系の短大に進学。卒業後は京表具の工房に就職した。 女性がいない世界で、肌着で働く男性に混じり、懸命に働いた。掃除の時には床に落ちた紙を拾い、先輩がどんな時にどの厚さの紙を使うのか、家で研究した。 1989年、工房の先輩
戦国時代に九州北部を治めた大名の大友宗麟の書状が、広島県三原市が所蔵する史料から発見された。市教委によると、村上海賊三家の能島村上家に宛てた、毛利家と小早川家からの寝返りに感謝を記した内容で、山口県文書館が所蔵する写しの原本という。
図書館で奇妙な体験をした。ある資料を閲覧したいと申し出ると、しばらくしてやってきた職員にこう言われた。 「これは、所蔵しているかどうか、お答えしないことになっているんです」 私は新潟県立図書館で、来年の世界文化遺産登録をめざす佐渡金山について調べていた。検索したところ、かつての鉱山会社が提供し… ","naka5":"<!-- BFF501 PC記事下(中⑤企画)パーツ=1541 -->","naka6":"<!-- BFF486 PC記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 --><!-- /news/esi/ichikiji/c6/default.htm -->","naka6Sp":"<!-- BFF3053 SP記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 -->","adcreative72":"<!-- BFF920 広告枠)ADCREATIVE-72 こんな特集も -->\n<!-- A
老舗ポストプロダクションの東京現像所が11月末で事業を終了し、返却先が分からずに一時は廃棄対象になるとされていた多数のフィルム原版は、TOHOアーカイブ(東京都世田谷区)が引き続き管理することになった。 【画像】東京現像所の告知 東京現像所のWebサイトは12月1日に「全事業終了のご案内」に切り替わり、映像編集事業などはTOHOスタジオ(東京都世田谷区)、そして映像デジタルアーカイブ事業はTOHOアーカイブが承継会社になると告知している。同社のフィルム原版返却作業も終了し、権利者の確認できなかったものは今後、TOHOアーカイブで管理するという。 返却作業を進めていた東京現像所は今年9月、権利者と10月末までに連絡が取れない場合は廃棄対象にすると告知し、SNSなどで「貴重なフィルム原版が失われる」と危惧する声が上がっていた。9月時点では、1970~2000年代前半ごろまでの映画やテレビ番組な
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