藤子・F・不二雄には俗に「SF短篇」と呼ばれる作品群があります。いくつかの雑誌に読み切りとして描かれた物で、基本的には大人の読者に向けて描かれ作品です。(いくつかは子供、少年向けに描かれた作品もある)なので、『ドラえもん』や『パーマン』などに代表される子供向けの作品とはまた違ったF先生の面白さが堪能できます。 F先生は以前これらの作品群を『SF風現代アラビアンナイト』などと言っていました。その後、自分の書く作品の根底にあるテーマを「SF」と定義します。これはScience-Fictionの略ではなく、Sukoshi-Fushigi(少し・不思議)の略です。 そしてこの「SF短篇」は全112編もあるにもかかわらず、ほとんどはずれが無くて、傑作が多く、読後にさまざまなSukoshi-Fushigiを残してくれる奇跡の作品群です。 個人的に一番好きなのは、児童漫画のタブーを犯した名作『劇画・オバ