fig.1──アトリエ・ワン 『空間の響き/響きの空間』 アトリエ・ワンの『空間の響き/響きの空間』[fig.1]は、ヒトという生き物の面倒臭さを別の力に変換するための知性と技の宝庫である。本書にいたるまでのプロセスでアトリエ・ワンが公にしてきた『メイド・イン・トーキョー』(鹿島出版会、2001)、『ペット・アーキテクチャー・ガイドブック』(ワールドフォトプレス、2001)、『「小さな家」の気づき』(王国社、2003)、『アトリエ・ワン・フロム・ポスト・バブル・シティ』(INAX出版、2006)[fig.2]などの調査・研究活動は、単体としての魅力に乏しい狭小建築=「ダメ建築」が密集する「トーキョー」の猥雑さを面白がり、より有効に活用するために提案された「環境の読み方」だった。本書には、こうしたこれまでの彼らの試み、そして彼らの実作品を支える発想の凝縮されたエッセンスが、ヒトという生き物の
![書評:今こそ生態学的批評性を!](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/99ef4a678fcfdab95a8e42ba84112ec3cb03cdea/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.10plus1.jp%2Fimg%2Flogo_10plus1.gif)