はじめに 筆者が常勤講師(臨床心理学講座・社会福祉学講座)として勤める民間の社会人専門予備校では、所属生徒によって一人ひとり進路が細かく異なるので、随時進路相談を実施している。また、入学希望者に対しても進路相談を同様に実施している。しかしながら、その話しの内容によっては、単に進路相談だけにとどまらず、個人的な様々な悩み事にまで相談が及ぶ場合が多い。そうなると進路相談というよりはむしろ、個別のスクールソーシャルワーク的な援助の様相を呈してきたり、さらに臨床心理学でいうところのカウンセリングの状態になったりもする。進路相談では、ふつう面接を通して生徒の話を聞く。そして、その過程において、生徒が抱える問題の原因となっている感情の抑圧を明らかにしていく。これは、生徒の立場からみると、自分の抑圧してきた感情に気づき、その感情を援助者に話すということになる。つまり、あるがままの感情を表現して、それを