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まず献本いただいた著者にお詫びもかねて。 本来、夏の甲子園が終わる前に紹介予定だったこの一冊。感想が遅れに遅れて申し訳ない。 だけど、この本ならばいつ読まれても、その価値が損なわれることはないと断言できる。 『ひゃくはち』 は、他のどの作品にも似ていない、すばらしい野球小説だ。 この小説には、三つの裏切りがある。 一つめは、主人公が補欠であること。 経験者とはいえ一般入試で神奈川の強豪校の野球部に入った主人公は、最初は練習にもついていけず、試合ではエラーもするし、サインも間違える。 センバツ甲子園前のメンバー発表では、他のエリート部員と違って当落線上にいる。 平凡な主人公がさまざまな苦難を乗り越え驚異的な成長を遂げる、という「奇跡」はこの本では起こらない。 二つめは、野球部員が「普通」の高校生であること。 タバコは吸うし酒も飲む。たまの休日には合コンもする。セックスもする。 高校球児がそん
これから紹介するのは、担当編集者から献本いただいた一冊。 『根まわし仕事術』 正直、このテーマで一冊丸ごとというのはかなり厳しいんじゃないかと思ったのだけど、始めから終りまで何とか「根回し」だけでもたせている。 その意味では編集者の工夫、著者の力量を感じたのだが…… 失礼を承知で言うけれど、この本、編集者が期待したほどの売れ行きを見せていないはずである。 なぜなら、やはりテーマがよろしくない。 「根回し」というのは、少なくとも今の時代、多くの人にとって「本で読みたいこと」ではないだろうから。 誤解をしないでほしいのだけど、僕自身は「根回し」の重要性はよくわかっているつもりだ。 たとえば、企画を通すときでも、本のタイトルを決めるときでも、僕はここぞというときは「根回し」をする。 というのも、自分の出した企画がどれだけ売れそうなものだろうが、提案したタイトルがどれだけよさげなものであろうが、会
夏休み中も、泣くのを通り越して笑いたくなるほど仕事三昧だった、ある編集者です。 相変わらずやらねばならぬ仕事が多いのですが、ブログの更新もぼちぼちと。 今日は、仕事周辺ネタをいくつか更新します。最初は珍しく「ほぼ日」ソースで。 『人生という名の手紙』 担当編集者/フリー編集者 青木由美子(ほぼ日刊イトイ新聞 -担当編集者は知っている。)タイトルに困ると、電車に乗る。 そこには必ず、読者がいるから。 素のままの普通の人たち。 メールを打つ人、眠っている人、酔っ払っている人。 この人たちの心に、直球で届くタイトルは? 考えるうち、つい自分も眠ってしまう山手線。 もっと困ると、カラオケやDVD屋に行く。 古い歌謡曲の歌詞や、名作映画のタイトル。 「人肌になじんだ言葉」には必ずヒントがあるから。 飲み惚けた目に、蛍光色がまぶしい都内某所レンタル店。 つい関係ないDVD(『トラック野郎』)を借りてし
これは書店を回っていて気づいたことなんですが、最近の「話し方本」、やたら「秒」を争う事態になっています。 まずは、古き良き、「分」の時代の話し方本から。 たった1分でできると思わせる話し方 レビューの酷評っぷりがすごいです… (書名とは関係ないか) それでは、「秒」の世界へようこそ。 30秒でつかみ・1分でウケる雑談の技術 まだ、かろうじて「分」が残っています。 たった20秒!“あッ”という間の説得術 1分で3回も説得できるの?! 言いたいことが確実に伝わる17秒会話術 15秒では、ちと速いんでしょうか… どんな人とも10秒でうちとけて話せる本 本当ならば僕がほしいです。 そのうち「1秒」とか「0・5秒」なんて類書も出てくるんでしょうかねぇ。 (「コンチハ!」ぐらいしか言えないって…) ちなみに話し方本にかぎらず、「秒」がついたタイトルは、最近のビジネス書のはやりです。 *参考 最近の出版
本日のシメは、ためにためて関係者に顔向けできなくなりだした、献本の山からのご紹介。 読了はしているので、あとは一冊一冊、地道に紹介していきます…… 『ケータイ小説的。』 この本は、以前紹介した『自分探しが止まらない』の著者、速水さんからいただきました。 *参考 「自分」というのは、探すもの? 決めるもの? 作るもの? 僕がノロノロしている間に、弾さん、smoothさんといった(とくにビジネス書業界で)著名な書評ブログでも取り上げられ、ジャンルを超えた盛り上がりを見せています。 さて、この本でとくに秀逸だと思ったのは、ケータイ小説と浜崎あゆみの歌詞の共通点についての考察。 著者はその共通点を次の3つだとしています。 1 回想的モノローグ 2 固有名詞の欠如 3 情景描写の欠如 1の回想的モノローグとは、基本的に3人称で書かれているケータイ小説のなかで、急に挿入される1人称の回想のこと。 たと
例の「生きてます」エントリを書いてから、忙しさがますますハンパない状態になっております。 仕事のグチを書くのは嫌なんですが、やっぱり取材モノは手間かかるなぁ。 しかも、あれだけ原稿に手を入れないと、使い物にならんとは……。 それはともかく、本日、ちょっとだけ更新します。 最初は仕事にまつわるネタ。 名刺活用意識と年収の関係についての調査結果(エキサイトニュース) こちらの記事によると、「名刺使用枚数と年収は比例する」のだとか。 以下がその関係をまとめたアンケート結果です。 ●年収 ●名刺の使用枚数 200万円未満 3.5枚/月 200万円~300万円 12.8枚/月 300万円~400万円 18.4枚/月 400万円~500万円 8.9枚/月 500万円~600万円 10.2枚/月 600万円~700万円 12.8枚/月 700万円~800万円 16.
*この記事には、書籍『最後の授業』の内容に深く関係した記述が含まれます。同書をまだ読んでいない方は、その点、ご注意ください。 「あなたはなぜ、編集者になったのですか?」 ときどき、初対面の人から、こういう質問を受けることがある。 この質問に正確に答えるのは難しい。 なぜなら、それは一言で片付けられるほど簡単な話ではなく、自分でも数え切れないほどの理由や偶然が重なった結果だから。 けれど、そう質問した人は、たいてい単純な答を期待しているものだ。 だから、僕はこう答える。 「僕の親父も、昔、編集者だったんです」 僕の父親は、たしかに編集者だった。 だった、と書いた理由は二つあって、一つは彼がとっくに編集者を辞めているから。 もう一つは、彼がとっくに、この世を去ってしまったから。 ここにも何度か書いているけれど、僕が物心つかないうちに、父と母は別れた。 僕は母に引き取られ、初めて父に再会したのは
コネタを一個はさんで、また献本の感想です。今回は珍しく2冊一緒に。 左:『人生を決めた15分 創造の1/10000』 右:『失敗なんて気にするな!―ビジネスに効く39の言玉』 2冊一緒に紹介するのは、手抜きしたいとか、眠いからという理由ではありません(実際、眠い時間帯ではあるのですが……)。 これらの本は、違う版元から同時期に送られてきたのですが、実は一箇所、同じようなことを書いているところがあるんですよね。 かたや工業デザイナー、かたや中国算命学研究家と、バックボーンが全然違うはずなのに、一緒のことを言っている。 それって、大げさに言えば、万人に通じる「真理」みたいな話なのかなと思ったので、ここにあわせて取り上げます。「壁にぶつかった時」のことだが、僕は「仕事の壁は仕事で破る」をモットーにしている。 人によっては、うまく行かない時は無理をせず、気分転換をしたり、他のことをしたりする方が良
普通のネタも書きたいのですが、献本がたまってるので、そちらの感想を先に。 ここで取り上げるのは、担当編集の方からいただいた、 『凶暴両親』 この本の感想、正直、書くのが難しいです。 別に悪い本だとは思わないんですよ。 いわゆる「モンスターペアレント」の実像に迫るため、各種の事件や関連図書を調べ、教育関係者への取材もしているし、わりと丁寧な作り方の「良書」だと思います。 しかし、その「優等生」っぷりが、かえって本としては「弱い」とか、「まわりくどい」印象を与えてしまうような気がします。 たとえば、本書の第1章では、映画の「誰も知らない」、2006年に起きた秋田連続児童殺害事件、その他の児童虐待事件、亀田史郎の『闘育論』とその極端な教育法などについて、30ページ以上がえんえん割かれています。 けれど、これらはあくまで親のネグレクトや過保護・過干渉の例であって、「モンスターペアレント」を語る「前
堅苦しい文章のあとは、さらっと読めるコネタをお届けします。 最も多い社名は?(Business Media 誠)会社の“顔”といえば社長や商品などを思い浮かべるかもしれないが、やはり「社名」という人もいるだろう。全国260万社で最も多い社名は「アシスト」(429社)であることが、東京商工リサーチの調べで分かった。というわけで、日本一多い会社名は「アシスト」なんだとか。 <あなたの●●な生活をアシストします>というベタなキャッチコピーが浮かびますが、どの業界・業態でも使いやすいということでしょうか。 ちなみに、ベスト10は以下のとおり。 1 アシスト 429社 2 ライズ 382社 2 サンテック 382社 4 佐藤工務店 380社 5 アドバンス 363社 6 田中工務店 356社 7 鈴木工務店 348社 8 トラスト 347社 9 アクト 341社 社名から、建築関係の会社(下請け?)
今回取り上げるのは、知人を通じて著者から献本いただいた本。 (桜の咲く季節にいただいたのに、いまごろの紹介で申し訳ない…) 『公務員の異常な世界』 この本には、タイトルどおり、公務員の「異常」なまでの厚遇が書かれている。 その厚遇ぶりは、出版社といえども、(やたら給料の高い御三家と違って)しがない中小企業に勤めている僕には、にわかには信じがたいほどである。 だからこそ僕は、今回あえて、この本と対極にある本を(こちらは自腹で)購入した。 同じく新書で出ている、 『実は悲惨な公務員』 がその本である。 両書を読み比べて、公務員の待遇は「異常」なのか、思ったよりも「悲惨」なのか、自分なりの結論を出したかったのだ。 で、結論から先に言う。 公務員は、(民間の僕から見ると)やっぱり「異常」である。 ここでは一つだけ例を挙げる。 例が一つでは説得力に欠けるとは思うけれど、両書の一番対照的な面が出ている
最近、とくに深い理由はないのだけど、岩波新書を集中的に読んでいる。 何というか、最近の岩波新書には「当たり」が多いのだ。 今から紹介する本も、その当たりの一冊である。 『疑似科学入門』 *アマゾンに画像がないんで書名だけ。ていうか、アマゾン画像は必須でしょうが… この本の内容については、疑う者を信じよ - 書評 - 疑似科学入門あたりでおさえてもらうとして、ここでは個人的に「なるほど」と思った言葉を引用しておく。科学とは、知れば知るほどわからないことが増えてくるものである。自分は何も知らなかったと思い知らされるのが科学者の日常と言える。つまり、科学者は研究を極めれば極めるほど謙虚になる。自分の無知さを知って謙虚にならざるを得ないのだ。(同書190ページ)この言葉、科学者だけにあてはまるものではないのではないか、と僕は思う。 恥を忍んでいうが、去年の今頃、僕は有頂天だった。 なぜかというと、
なんか、大和や三笠の恋愛本にありそうな見出しになりましたが…… ゲーリー・クーパー方式で女も仕事も好転する(livedoor ニュース)たった3語の相づちで女という女をモノにしたという。往年のハリウッドスター、ゲーリー・クーパーは天性の「聞き上手」だった。聞き上手のノウハウ本が世間にあふれ返っているが、それだけ聞き上手が少ないってことだ。“クーパー方式”は女だけじゃない、仕事にも使える。 「まさか」「ほんとかい」「そんな話、初めて聞くよ」――。クーパーはそう相づちを打って、女の話に耳を傾けたという。それで落ちた。大女優のグレース・ケリー、イングリッド・バーグマンらと噂になった。 (中略) 作家の塩野七生氏は、著書「人びとのかたち」の中でクーパーのエピソードに触れ、こんなことを書いている。 〈自信のある女、気の強い女、自分は仕事ができると思っている女に対して、話を聴いてくれるということくらい
献本がだいぶたまってるので、隙があればどんどん紹介していきます。 今夜紹介するのは、版元の方からいただいた、 『駅弁スーパーレディ―駅弁女将細腕奮闘記』 有名な駅弁の調製元の「女将」9名のインタビューが収められている本書は、<一風変わった駅弁ガイド>として楽しめそうです。 ただし、僕自身は、この本を「ものづくり」の書として読みました。 一日の大半を調理や販売に費やす女将たちの駅弁づくりにかける思いは、どれもとても熱いです。 中でも、「モー太郎弁当」をつくるあら竹の女将の言葉が特に印象に残ります。現在、あら竹商店で扱う駅弁は、特別限定品の「極上松坂牛ヒレ牛肉弁当」まで含めると14種類。新作が出れば旧作はメニューからはずされると考えがちだが、中身やパッケージに多少の変更はあるものの、これまで発表してきた駅弁のすべてを味わうことができる。 「かつて家族旅行は列車で行くという時代がありました。お父
久しぶりの更新が、こんなネタからというのもなんですが…… ロナウドがホテルに女装した男性を連れ込む 特徴と見分け方(アメーバニュース)女装した男性には以下の特徴があり、見分けるにあたっては下記特徴の内、4つが重なるとほぼ間違いないのだという。 【1】化粧が濃い 【2】背が高い 【3】胸が大きい 【4】体の露出が多い服を着ている 【5】怒る時はアゴを突き出して怒る 【6】ノドボトケが出ている 【7】手が大きい 【8】足が大きい 【9】肩幅が広い 【10】日本語を喋る場合は「アナタ~」と言う。 *注 タイにおける「女装男」の見分け方ですこれらの4つに当てはまればほぼ間違いないとのことですが、単なる大柄の女性だった場合はどうすればよいんでしょうかねぇ…… まあ、イザというときのために、覚えておいても損がないのかもしれません。
サイバラの漫画を見ていると、高須さんって、とんでもない金の使い方する人だなぁ、という印象しかなかったんですが。 下の記事を読んで、だいぶ印象が変わりました。 西原理恵子さんを救った、高須院長の言葉(いやしのつえ)西原「子供ふたり抱えて仕事しながら家にアル中(注:元夫→鴨志田穣)がいるとね、もう何をどうしていいかわからなくなるんです。そこに落とし穴があるのに、自分から入っていっちゃう感じ。やっぱり体力が一番きつかった。とにかくのどが乾いてたって記憶がありますね」 そんな大変な生活をそれでも6年続けたが、長男2歳、長女4ヵ月の時に離婚。母親として子供を守るための決断だった。 西原「ガンと同じなのよ、アル中って。家族の愛情で治そうってことがもう間違いなの。専門の医師じゃないと治せないんです。それがわかるのに6年かかった」 『毎日かあさん』は破天荒な夫を持った妻の子育て現場ルポでもある。最新刊「出
1丁300円の豆腐、1個472円の納豆、700円以上の山菜そば……。 主婦の方はもちろん、一人暮らしの独身男性が見ても、これらの価格は高いと思うかもしれない。 かくいう僕自身も、きっとそう思ったことだろう。そう、この本を読むまでは。 『日本の「食」は安すぎる』 本書は、このブログがすごい!BLOGなどでおなじみの編集者・岡部敬史さんから送っていただいた。 *本書の関連エントリー 多分、送っていただかなかったらスルーしてしまったジャンルの本なので、感謝している。 本書には、冒頭で取り上げた食品の「高いワケ」が余すところなく書かれている。 同時に、われわれが安い(あるいは適正だ)と思っている食品の「安いカラクリ」も書かれている。 個々の例については、ぜひ本にあたって読んでほしいが、思い切り大雑把に言ってしまうと、安い食品はそのぶん、「味」や「鮮度」や「安全」を犠牲にしている。 また極端な例だが
『夜がきた』と書いてはいけない(花村萬月公式ホームページ ブビヲの部屋) *時期が来るとトップページから削除されてしまうはずなので、かなりの長文ですが引用します 夜がきた。 と、書くのは説明。べつに文才がなくても、誰にでも書けます。また、誰に対しても意味が通じます。 けれど『夜』という言葉を遣わずに『夜がきた』ということをあらわす──描写するのが、小説家の基本的な仕事です。 強く意識してください。説明は誰にでもできます。小説家を志すあなたが成し遂げなくてはならないのは、描写です。描写、描写と口を酸っぱくして言ってきた所以です。 以後、『夜がきた』と書くべきときに、『夜』を遣わずに、『夜』を表現してみてください。 たとえば『夜のとばりがおりた』などと書くのは説明としても鬱陶しいし、描写としても紋切臭くて陳腐すぎる。 こうなると説明としてはうざいし、描写としては三流という最悪なことになってしま
これ、あながち間違いではないんじゃないかと思っています。 新社会人(ポリスジャパン)「成功者」と云われる一流の企業経営者は皆「スケベ」であります。スケベは想像力が豊かであります。スケベは冒険や失敗を恐れません。一度や二度の失敗に恐れて腰を引くことなくクドき続ければ、最後は必ず女性に腰を入れることが出来ることを知っています。スケベは創意工夫が大好きです。それによって女性を大きく悦ばせた成功体験が何回もあるからです。スケベに見られる「旺盛」な気質は、一流企業人にとっての欠くべかざる「資質」であります。ちなみに、僕も仕事柄(「一流」とはいいませんが)企業の経営者に会うことが多くあります。 やっぱり、「スケベ」な方、多いんですよねぇ。 見るからに精力旺盛だし、ある程度つっこんで付き合うと、女性の話がボロボロ出てきて。 ただ、企業のトップに立つとか、自ら会社を興すような人は、それぐらいのパワーがない
突然の報告で驚かれる方も多いでしょうが、僕の初の著書、『出版人の品格』が本日4月1日から大手書店を中心に並び始めます。 以下に発行元のライ・パブリッシングのリリースを転載しますので、ご興味のある方は詳細を確認してください。 現役編集者が出版界に物申した話題作、 『出版人の品格』本日発売! このたび、株式会社ライ・パブリッシング(東京都新宿区)は、現役編集者ブロガー「ある編集者」の初の著書、『出版人の品格』を発売しました。 ここ数年、「品格」と名づけられた本が数多く発売される出版業界。 しかし、そもそも出版業界、そして、そこで働く人々にどれだけの「品格」があるのでしょう? 本書は、その問題意識のもと、ブログ「ある編集者の気になるノート」(http://aruhenshu.exblog.jp/)の管理人「ある編集者」が、出版界の偽装と欺瞞を暴き、「品格」を問いただす一冊。 某美人著者の写真と実
この本が出版社の方から献本されてきたとき、正直、「荷が重いな」と思った。 何せ、タイトルからして、 『正義の正体』 だもの。 普段、そういう小難しいことをほとんど考えない僕としては、全然的外れなことを書いて、馬鹿にされないか心配になった。 そして、その心配は、キーボードをたたいている今も変わらない。 でも、僕は書く。 「外務省のラスプーチン」と「闇社会の守護神」 ――ともに、一見「正義」とは対極のところへ行ってしまった人たちが語る「正義の正体」を目の当たりにした今だからこそ、僕は僕なりに、力不足を承知の上で、「正義の正体」を追ってみたい。 本書の中盤(109ページ~)に、元検事の田中森一が、「自分の正義」を貫いた話が出てくる。 ある収賄事件で、不動産会社の社長を取り調べている最中、社長の妻が末期癌で危篤状態になった。 社長の弁護人から「一時間でも拘留を執行停止にして、最期を看取らせてやって
先日、中経出版さんから4冊献本いただいたと書きましたが、そこで紹介していなかった最後の一冊をご紹介。 『一問一答3秒でわかるコンプライアンス』 *アマゾンに書影ないけど、大丈夫ですか?→現在はバッチリですね 「コンプライアンス」はよく「法令遵守」と訳されていますが、企業が経営・活動を行う上で、法令や各種規則などのルール、さらには社会的規範などを守ること、を指します。 この本では、そのコンプライアンスをクイズ形式で学べるというわけです。 本の中には70問のクイズが収められていますが、僕が気になったのは以下の2問。 Q34 会社で個人のブログを更新した →どうなる!? A懲戒処分の可能性がある B懲戒処分にならない Q36 ブログに新製品の開発ウラ話をのせた →どうなる!? A懲戒処分の可能性あり B懲戒処分の可能性なし さて、これらの答えは、どちらも「A」。 詳しい解説は本文にあたってほしい
先日、生まれて初めて、ケータイ小説を読んだ。 できることなら、この手の本とは一生無縁でいたかったが、知人を通じて発行元から献本されてしまった以上、しかたがない。 俺はお前を一生愛す [上]/俺はお前を一生愛す [下] 上下巻あわせて500ページ近くもあるこの本を、休みも使って読ませてもらった。 この本は、ケータイ小説としては、比較的「読める」ほうだとは思う。 意外と言っては失礼だが、文章には編集者や校閲者がしっかり手を入れた跡がうかがえる。 また、サクラとかアサガオとか名づけられた各章は、それぞれの「花言葉」と関連した内容になっており、コワザが効いた構成だ(ちなみに作者の名前も「花穂」という)。 けれど、それはあくまで「ケータイ小説として」の話である。 僕は数多く小説を読むほうではないけれど、それでも、これまでに読んできた小説と比べて、この作品は内容としても表現としてもあまりに幼い。 「ケ
えー、見出しを見ただけでは何のことやらサッパリわからん、という方もいそうなので、ご説明を。 じつは、2年ほど前に、 最近の出版界で流行している7つのキーワードで、「最強のタイトル」をつくってみた。 という記事を書きまして、これが(一部業界人の方々に)わりとウケたんですね。 で、さきほど、アマゾンのランキングやら何やら見ているときに、この2年間で「出版界の流行のキーワード」もだいぶ変わったし、もう一回あの企画をやってみるかと思い立ったわけです。 というわけで、2年の沈黙を破り(大げさ)、久々に「最強のタイトル」を作ってみます。 *あくまでネタですからね キーワード1:レバレッジ*別格 例:レバレッジ・リーディング もともと金融用語だったこの言葉も、いまではすっかりビジネス書用語に。 <少ない労力で多くの成果を出す>程度の意味で、読書術・時間術から勉強法にいたるまで枕詞として使われています。
ひそかに読んでいる、日経BP社の割と偉い人(なんですよね?関係者のみなさん)の日記から。 他者評価はいつも自己評価の3割引き 他(日経ビジネスAssocie Online)僕は常々思っているのだが、仕事の成果への他者の評価は、自己評価のおよそ3割引きだと考えていいのではないだろうか。これはビジネス誌の編集記者としての20数年の経験と、作家としての数年の経験を踏まえての実感である。 3割というギャップの理由は、自己愛だと思う。人は自分の顔を他者が見るよりも2、3割グッドルッキングに感じているそうである(ホントらしいですよ)。仕事も思い入れがあるほど自己が投影されるので、客観視するのが難しくなっていく。結果、自己愛がうぬぼれ鏡の役割を果たし、成果がより大きく見えてしまうのではないか。僕はけっこう「自己採点」が厳しいほうの人間ですが、それでも、まわりからの評価より高い点をつけていることがままあり
「昔は私も、”本を読む”ということを難しく考えていたことがあった」(活字中毒R。) 昔は私も、”本を読む”ということを難しく考えていたことがあった。読書は立派なこと、偉いこと、勉強なんだと構えていたからいけなかった。 今は私にとって、本を読むのは音楽を聴いたり映画を見たりするのと同じである。文学的価値があろうがなかろうが、そんなことはどうでもいいことなのだ。売れていようと売れていまいと、まわりのひとが皆つまらないと言っても、自分さえ面白ければそれでいい。自分さえ夢中になれればそれでいいと思っている。 冊数だってそんなに重要なことじゃない。時々こんなに私は本を読んでいると自慢する人もいるけれど、冊数をのばすだけなら誰でもやろうと思えばできることだ。その中で何冊心に響く本があったか、一冊でも人生を変えるような本に出会ったのか、その方がよっぽど重要なことだと思う。 *『そして私は一人になった』(
最近、ある人に振られた。 こう書くと、いつもの冴えない(?)恋愛話を期待する人がいるかもしれないけど、そうではなくて。 僕が振られたのは、ある著者である。 このブログをよく読んでくれる人はご存知だと思うけど、僕の本業は「ビジネス書」の編集者だ。 ビジネスマン(&ウーマン)対象の本を作るのが仕事だから、折を見ては、コンサルタントやら企業の社長、各種士業の先生に本を書いてくれと頼みに行く。 けれど、僕が最近振られた著者は、そういった職業の人ではなく、まったく異分野の人である。 いままでビジネス書など書かなかった人なのだけど、彼の専門分野の話はビジネスにも生かせるところが多い、とふんで会いに行ったのだ。 彼が指定した喫茶店で、いくらかの世間話と専門分野の話を聞いた。 その話はめっぽう面白くて、またビジネス書としても全然いけそうで、僕は最後に、今日聞いたような話を、ぜひビジネス書として作らせてほし
たまには、出版業界を目指す学生さんに役立つ(かもしれない)記事でも書いておきましょう。 というわけで、最近、雑誌で見つけたこちらの金言をご紹介。 編集者マグナ・カルタ九章 読め。 耳を立てろ 。 眼をひらいたまま眠れ。 右足で一歩一歩歩きつつ、左足で跳べ。 トラブルを歓迎しろ。 遊べ。 飲め。 抱け、抱かれろ。 森羅万象に多情多恨たれ。 補遺一つ。女に泣かされろ。 (「日経ビジネスアソシエ08年3月18日号」より) これは、開高健氏が、旧知の編集者が雑誌(注 「週刊プレイボーイ」)の編集長になったときに贈った言葉なのだとか。 一見、本作りに関係ない教えもあるように見えますが、編集という仕事に関わった人間なら、これらの言葉の重み(そして、あたたかさ)は、よくわかると思います。 ただし、出版社の面接で、この「マグナ・カルタ」について熱く語ったりするのは、逆効果かもしれません。 平社員の僕が言う
正直に書こう。 僕はいま、緊張している。 なぜか? それは、いまから、この本の感想を書くからだ。 『はじめての課長の教科書』 この本は、じつは発行元の出版社を通じて、「著者」が僕に送ってきた。 偶然にも、著者は僕と同じエキサイトブロガー(ブログ名:NED-WLT)で、以前から当ブログを読んでいたらしい。 そんな、細い、でも不思議な縁で、この本は僕の手元に届いた。 逆に、僕がこれから書く感想は、確実にこの本の著者の元に届くはずだ。 こういうたとえが適当かどうかは知らないが、僕はこの感想を「僕と著者との真剣勝負」だと思っている。 本を、書きました。(NED-WLT) でこの本にかける著者の想いを知り、僕は、この感想は「ガチンコ」で書かなければいけないと思ってきた。 必要以上に褒めるわけでもなく、必要以上に貶めるでもなく、他社の編集者である僕の「政治的な立場」もひとまずおき、いまの自分がこの本を
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