サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
体力トレーニング
blog.livedoor.jp/ikedakayoko
2014年01月26日00:58 カテゴリ社会・世界情勢旅行 漁師 陳春生のこと 台湾からピースボートに乗り込んだ陳春生さんに会ったのは、歓迎のディナーの席でした。浅黒い、筋肉質の陳春生さんは、軽く猫背になってぎろりとこちらに視線を投げ、なにやらひとりごとをつぶやきました。 どこにいても、自前のスタイルを通す人のようでした。テーブルを囲んだ人びとが、陳春生さんのことを紹介してくれます。そのいちいちを、隣に座る通訳さんがかれにささやきます。そのいちいちに、少しふんぞり返り気味に腰かけた陳春生さんがうなづきます。 「陳さんはね、 組合員1万人以上をたばねる漁協の組合長なんですよ」 「小さいほうだ、もっと大きな漁協もある」と陳さん。 「石原が尖閣諸島を都有化するといったでしょ、あのあと陳さんは、漁船千隻出して、尖閣海域をデモしたんですよ」 陳さんが、大きな目をぎろぎろさせながらうなづきます。 こ
2013年12月06日09:57 カテゴリ社会・世界情勢 ファシズムを通すな NO PASARAN 短く書きます。 民主主義からも全体主義は生まれる、とよく言われます。たしかに、当時もっとも民主的と言われたワイマール憲法下で、ナチスは政権をゆるぎないものにしました。けれど、そこには異常不正な選挙があり、異常不正な議会運営がありました。どんな制度も、議会人が率先して民主主義を真剣に実現しよう、謙虚により妥当なものにしていこうという意志がなければ、いっぺんに瓦解することの証左です。 今の国会を構成する議員は、「1票の格差」を言われて久しい、最高裁判所はじめ各地の裁判所で違憲とか、違憲状態とか言われ続けてきた、異常不正な選挙で選ばれた人びとです。 わたしは国会の運営には無知ですが、おととい深夜の、参議院に2人しかいない野党の常任委員長を、本会議の多数決で解任し、与党にすげ替えたことは、議員数に応
2013年11月27日17:00 カテゴリ社会・世界情勢新聞雑誌エッセイ 【転載】憲法骨抜きの手口 特定秘密保護法は、きのう衆議院を通過しました。異例で強引な議事運営だったこと、ネットユーザーはSNSや国会中継をつうじて、リアルタイムで追っていました。いてもたってもいられずに、誰が呼びかけたでもなく、国会正門前に集まってアピールした人びともいました。この動画には、スーツ姿の、お勤め帰りが一目瞭然の方も写っています。 人びとの大多数が反対や懸念を表明している法案なら、国会はルールに沿ってじっくりと議論すべきです。このような、なにごとも数の力を前面に押し出して国会運営をする政府与党に、これから先も国政を託すことが、ほんとうに心配になってきました。 衆議院でこれだけ揉めると、参議院の審議にはより多くの監視の目が注がれるでしょう。同じような乱暴なやり方は許されないでしょう。反対の声はますます勢いを
2010年03月25日00:00 カテゴリよもやま話映画 ハイジ! 「どうしてもハイジのアニメをつくりたくて、会社を興したのです」 30年ほども前になるでしょうか、瑞鷹(ズイヨー)の社長さんのお話を伺ったことがあります。この、「男も惚れる」原作はめでたく名作アニメとして、いまや古典の地位を占めています。古典の条件に、引用される、パロディされる、ということがありますが、ハイジもCMの世界で活躍しています。携帯電話の宣伝で、ロックバンドのうしろの巨大スクリーンにびっくり顔が出てきたり、車の宣伝で、やけに活発なクララや、軽いノリのおんじと空中ブランコをしたり。 数日前のテレビの番組表に、劇場版でしょうか、「アルプスの少女ハイジ」とありました。NHKBSです。春休みだからでしょう。この30数年間、ハイジは何度も再放送され、今では最初にアニメのハイジを見た人びとの子どもたちが見ているわけです。 瑞鷹
2011年11月11日02:01 カテゴリ社会・世界情勢 続 そしてみんなナショナリストになった 近接性ということ 100人村は現実にはありえない、というご意見があります。おなかをすかせている人が何人、という記述があるが、そんな人がいたら周囲がほっておかないだろう、だから村におなかをすかせている人はいなくなるはずだ、というのです。そのとおりです。身近に困っている人がいたら、ほっておけないのがわたしたちです。それが知人なら、友人なら、ましてや家族ならなおさらです。ここでは近接性がものを言います。身びいき、と言ってもいいかもしれません。 これが社会となるとどうでしょう。すべての人の境遇に家族なみの関心を寄せることはありえなくても、またみずから手を差し伸べなくても、困っている人がいればやっぱり気になります。せめて「行政はなにをしている」とか、「なんとかならないのか」とか言って、自分だって気にして
2011年11月09日00:00 カテゴリ社会・世界情勢 そしてみんなナショナリストになった 5日に有楽町で行われたTPP反対の街頭演説会の動画を流し見していました。 まさに多士済々、超党派と言っていい顔ぶれです。中野剛志さんや田中康夫さんのお話はわかりやすい。みなさん、さまざまな立場や視点から、「日本を守れ」と主張しています。 この一点ではミギもヒダリもないのだ、と思いました。別の会見で、社民党の阿部知子さんと自民党の稲田朋美さんという、政治信条からすればこれまでは両極に位置していたおふたりが並んでいる映像を見たときも、同じ感慨を覚えました。 それは、みんなナショナリストなのだ、という感慨です。ネーション・ステートを前提として発想するのはナショナリズムだ、というあたりまえのことを言うのはしかし、たいへんなことのようです。萱野稔人さんの『ナショナリズムは悪なのか』(NHK出版新書)を読んで
2011年11月06日01:17 カテゴリ社会・世界情勢 みずから独裁への道の敷石となる者 大阪府教育基本条例案とわたし ある新聞の記者さんから電話がありました。 「大阪府の教育基本条例案についてお話を伺いたいのですが」 わたしはこうお答えしました。 「ばかばかしすぎて、ちゃんと報道を追ってないのです。ですから、まとまった意見らしいことは申し上げられそうにありません、ごめんなさい」 けれど、電話を切った瞬間、自分の声が澱(おり)のようなものとなって沈んでいき、心のどこかにひっかかりました。それから何日かたったある日、別の新聞社から同じ取材依頼の電話がきました。こんどは受ける気になりました。あの断った取材が気になっていたからです。そして初めて大阪府教育基本条例案を読み、澱の正体がわかった気がしました。 条例案の7割は、いかに「問題教師」を排除するかに文言を割いていました。教育委員会への、敵愾
2011年10月25日16:00 カテゴリ社会・世界情勢 世界平和アピール七人委員会「辺野古への米軍基地移設に反対する」 きょう10月25日、世界平和アピール七人委員会(サイトはこちら)は、以下のようなアピールを緊急発表しました。そのようすはUST中継され、のちほどアピール本文とともに委員会サイトに載ることになっています。アピールは、発表に先立って官邸に届けられ、他の当該機関には後日郵送する予定です。 ***************************** WP7 No.105J 「名護市辺野古への米軍普天間飛行場の移設計画は直ちに取りやめなければならない」 2011年10月25日 世界平和アピール七人委員会 武者小路公秀 土山秀夫 大石芳野 池田香代子 小沼通二 池内了 辻井喬 1996年、日米両国政府は普天間飛行場返還に合意した。その後曲折を経ながらも、いまだに両政府は、米海兵隊基
2011年10月22日00:32 カテゴリ社会・世界情勢 [動画]「原発てんでんこ」? 補遺 ゆうべ、拙ブログを読んだ永田淳一さんがさっそく教えてくださったインタビュー動画(こちら)は、311原発事故にかんするオーラルヒストリーの第一級史料だと思います。収録が4月2日と事故から日が浅く、話している方はすぐれた記憶力をもち、出来事を再構成する能力に長け、なにより微妙な感情を再現して伝える表現力に秀でておられるからです。またもちろん、これを報じている時代メディアのインタビュアー、MIKE-Tさんのあざやかな手腕が豊かな話を引き出した、ということもあります。まだの方はぜひご覧になることをお勧めします。 オーラルヒストリーとは、出来事の現場にいた人びとの語りを集めて歴史を記述する試みです。体験の、人生の圧倒的な現実感とともに語られるそれらのストーリーはしかし、事実であることはゆるがなくても、全体を
2011年10月21日00:22 カテゴリ社会・世界情勢 「原発てんでんこ」? ずっと心に刺さった棘のようになっているテレビ報道があります。311からまだ日も浅い、ある日のある民放テレビの報道です。でも、いまだに事実として受け入れていいのか、迷うところがあるので、慎重に書きたいと思います。 福島の原発近くには、東電社員の奥さんと地元の奥さんの交流グループがあるそうです。あるいは、あったそうです。東電の肝いりでつくられたもので、地元の人びとに原発への理解を深めてもらうのが目的だそうです。テレビのインタビューに答えていたのは、そうしたグループの地元側のリーダーでした。ご自宅の茶の間とおぼしい畳の間で、 その方は声を絞り出すようにして訴えておられました。およそこんなお話でした。 「地震の翌日(もしかしたら翌々日)、大混乱の中で、東電の奥さんたちは無事かしらと、 電話をかけてみた。そうしたら、一人
2011年10月19日02:46 カテゴリ社会・世界情勢 憲法第95条と修正第2条 このところ、憲法第95条にこだわっています。7月1日にも書きました(こちら)。今日もすこし付け足します。 第95条は、第92条から始まり、4条からなる第8章「地方自治」の最後の章です。この章は、地方公共団体には自治権があり、首長や議会議員は住民が直接選挙で選ぶことを定めています。戦前、県知事は中央政府の内務省からやってくる勅任官だったことからすると、天と地がひっくり返るくらいの変わりようです。 知られているように、日本国憲法は敗戦後の占領期、GHQ民政局の秘密グループが2週間でばたばた作ったものではありません。外形的にはそうでしたが、一国の憲法を2週間で作れたのは、しっかりとしたたたき台があったからです。それは、鈴木安蔵らの憲法研究会という民間人グループによる憲法案でした。 ところが、憲法研究会案は、地方自
2011年10月12日00:07 カテゴリ社会・世界情勢 【動画】「ザ・官僚」は心を失っていなかった イラク戦争検証の集いの柳沢協二 柳沢協二さんは元防衛官僚で、自衛隊のイラク派遣を取り仕切った方です。退官後、イラク戦争に協力したことは正しかったのだろうか、との疑念をもち、後世の研究のためにと、証言したり、さまざまな分野の方がたと対話を重ねています。ジャーナリストの志葉怜さんやわたしとも意見をたたかわせて、それらは1冊の本にまとめられました(『脱・同盟時代 総理官邸でイラクの自衛隊を総括した男の自省と対話』かもがわ出版) 9月24日、柳沢、志葉、池田が語り合う集会を開きました。主催は「イラク戦争検証委員会を求めるネットワーク」です。当日は岩上チャンネルがUST中継し、今はアーカイブで見ることができます。 わたしとは立場も意見も異なる柳沢さんですが、その率直さと公正さには感銘を受けます。それ
2011年07月04日00:00 カテゴリ 【動画】地上波がいっせいに脱原発に舵を切った? どうしたことでしょう。この週末、民放の4つのネットワークが脱原発にかんする報道をしました。まさに、堰を切ったよう、という表現がぴったりです。あまりテレビを見ないので、いつの間にこういうことになったのかと、驚きを禁じ得ません。 金平茂紀さんがメインキャスターをつとめるTBSの番組が、50分近く、脱原発へのさまざまな動きを伝えたのはさすがと思いましたが、かの日テレ系が祝島をまっこうから取り上げ、辛坊治郎さんがそれを報じる図には、感慨深いものがありました。フジテレビの須田哲夫さんが、「原発に頼らなくても」と主張する葛巻町を紹介する図も、その画面の隅にスタジオにいた海江田さんと甘利さんの固い表情が交互に映し出される皮肉な図も、目を疑いたくなる光景です。なにしろ、このおふたりはむしろ原発推進ないし容認派である
2011年07月01日01:59 カテゴリ 憲法第95条と保守主義 9条ではありません。95条です。この条項の意味するところを、ちょっと考えていただきたいのです。 「第95条 一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。」 特定地域に関係する法律のことを言っていますが、ようするに、中央政府がある地域をどうこうできない、ということだと思います。中央政府が、国家の全体の利益──国策とか国益とかいうことばが使われます──のためにある地域になにかをしようとしても、そこの住民が「うん」と言わなければ、中央政府はすごすごと引き下がらなくてはならない、というわけです。ここでは、国家よりも地域住民の意向のほうが優先されています。しかも、「住民の投票」です。地方公共団体の首長の決
2011年06月28日12:23 カテゴリ 「ずっとウソだった」ってマジで言ってる? 6月11日の「脱原発100万人アクション」、岩上安身さんは全国ネットを構築し、朝から晩まで中継しました(アーカイブはこちら)。イベントは全国と海外で100カ所以上、中継現場は60数カ所にのぼったそうです。各地でボランティアの「中継市民」が、ノートパソコンどころかiPhonや携帯電話まで駆使して映像をネットにあげ、岩上チャンネルがそれらを束ね、拡散する場を提供したのです。市民による市民のためのメディアはここまで来たか、それにしても若い人びとがネットを駆使する技術や創意工夫のすばらしさ、そしてなにより、時間を惜しげなく投入し、お金など度外視して、今自分がすべきと思うことを淡々とこなす自然体のたくましさには、見ていて胸が熱くなりました。 私は、朝一で新宿に特設されたメインスタジオに行きました。このたびのテーマソ
2011年06月22日00:22 カテゴリ 政治家への幻想が霧散した 福田さんと菅さん 元外交官の孫崎亨さんがツイッターを始めました。多くは朝一番に、その時どきの政治の動きを連続ツイートで鋭く分析しておられます(こちら)。18日には、直近のウィキリークス報を踏まえて、福田首相辞任は、アメリカがアフガンへの陸上自衛隊派遣を要請したのを断ったことが原因、と断じています。 「今私は確信する。福田首相は自分の首と米側要請拒否を引き換えにしたのだ……福田首相『国民生活のために新しい布陣で政策実現を期してもらいたい』と述べ辞任。多くの日本人にこの説明は意味不明。皆唐突な政権放出の福田首相を非難……意味不明に見えた『国民生活のために』は重要なメッセージを内蔵していたのだ。」(孫崎) 「巨額の資金」とは200億ドルだそうです。「あなたとは違うんです」と、高飛車に苛立ちを隠そうとしなかった最後の記者会見で、
2011年05月21日01:04 カテゴリ 「乱世の子」、ソフィーを再び世に送る 『ソフィーの世界』の新装版が、今月末に上梓されます。今この時に出すべき本と、出版社が決断したのです。その提案をうかがうまでは、思いつきもしなかったのですが、なるほど、そうだ、今この哲学の物語はきっと誰かのよすがになる、と思いました。2分冊のソフトカバー、表紙は最初のハードカバーと同じ、高橋常政さん描く、少女がまなざしをひたとこちらに向けている、あの絵です。 作者のゴルデルさんは、来日時に福島に行ったこともあって、このたびの地震と津波そして原発事故にたいへんなショックを受けています。新装版に、心のこもった一文を寄せてくださいました。原発事故を受けての哲学の立場からの真摯な問いかけに、私は改めて明日を思い描く力をもらった気持ちになりました。 ゴルデルさんのエッセイは本で読んでいただくとして、ここでは監修者と翻訳者
2011年05月11日13:43 カテゴリ 「決死隊になるな」 けさの東京新聞、『「決死隊」被ばく』という大見出しが目に飛び込んできました。東電原発事故を検証する連載が始まり、その第1回目が1面トップになっていて、その見出しがこうなのです。21世紀になって、「決死隊」などという言葉にこのようなところで出くわすとは、2カ月前には夢にも思いませんでした。 あの311の午後3時前、揺れがおさまったかどうかという時、私は、「このくにの時計は1945年にリセットしたかも知れない」と口走ったそうです。そうです、と言うのは、自分では憶えていないからです。後で人に言われて、知りました。東京がこれほど揺れたなら、震源がどこであれ膨大な犠牲者が出る、広大な地域が甚大な被害をこうむる、私たちの生活や経済が立ち直るには、私たちすべてが何年もの苦しい努力をしなければならない、と思ったのです。私はその時続けて、「孫子
2011年05月10日08:07 カテゴリ 20ミリシーベルト問題 山下教授の論理に乗ってみる 5月3日、山下俊一・長崎大学教授は、福島の二本松で住民に向けて講演しました。その、主に質疑応答から教授の発言を抜き出し、論理の流れに沿って語句を補いながら組み立てたのが以下の文章です。福島県立医科大学の入学式での記念講演(記事はこちら)からも引用しました。私のでっち上げだと思われるなら、文末にその時の動画を載せましたので、あとでご覧になって確かめてください。教授が言いたかったことを論理立てて並べるとこうなると、私は思います。 ようするに、教授は非常時における国民の受忍義務を説いているのです。この論理、どこかで聞いたような気が……そうだ、311の3日前に参加した、東京大空襲集団訴訟の集会で、生き残った高齢の原告の方がたが涙ながらにおっしゃっていたのが、裁判所から冷たく言い放たれた、この国民の受忍義
2011年04月25日14:45 カテゴリ 【動画】チェルノブイリ25年 広河隆一の凄味 25年前のあした、チェルノブイリ原発で深甚な事故がありました。この日をこのような状況で振り返ることになるとは、思いもしなかった、と言うのもおかしいし、予測していた、と言うのはもっとおかしい気がします。25年前、私は高木仁三郎さんの原子力資料室の会員になり、それが長らく、2001年に911事件が起こるまで、市民として社会問題に接するたったひとつの窓でした。以来、地震と原発という高木さんの心配を共有はしていたので、チェルノブイリ25年目をどんな思いで迎えるか、にわかには名状しがたいものがあるのです。 フォトジャーナリスト広河隆一さんの大きなテーマは、パレスチナとチェルノブイリと言っていいと思います。広河さんが18年前、チェルノブイリ事故から7年目に現地を取材したテレビニュースの映像を保管し、このたびyou
2011年04月23日00:30 カテゴリ 続々 福島原発で作業にあたっている人の状況は 若葉に照る陽光に目が眩(くら)みます。光の奥に暗闇を感知する瞬間です。進学進級した子どもたちに目を細め、幸多かれと願う心の奥にどうしようもない鬱屈が居座っています。耳の奥では、「ラ・ソ・ミ」とゆっくりと念を押すように降下する音程にのせて歌われる「よん・に・さん」という声がエンドレスに繰り返しています。 これは、1996年の暮れに発生し、およそ4カ月後の97年4月22日に解決を見たペルー日本大使館占拠事件を歌った中島みゆきの「4・2・3」という作品です。なぞめいた数字は、事件終結の日本時間の日付。歴史に記録される日付ではなく、作者があくまでもわがこととして引きつけた結果、選ばれたのかこの日付ということだろうと思います。中島みゆきは、テレビの実況中継を見ている人の視点から、犠牲となった兵士が担ぎ出されてい
2011年04月22日02:18 カテゴリ 「福島の母の声を聞け」 きのう、福島から50人ほどの市民のみなさんが上京し、政府の担当者と交渉しました。担当者のお名前は、記録しておく意味があるでしょう。内閣府原子力安全委員会規制調査課事務局のまるやまさん、文科省科学技術技術学術政策局のねはしさん、文科省スポーツ青少年局学校健康教育課のたじまさん、大臣官房総務課のえざきさんです。そして、福島から来られたのは、ほとんどが女性でした。 冒頭の方の発言を、週刊MDS編集部の浅井健治さんが書き起こしてくださいました。感謝して、転載します。 これは、このブログにきのうおとといと続けて書いている問題と密接に結びついています。「棄民と棄土」によってしかつじつまをつけられない原発国家の醜悪が、ここに告発されている、ということです。 「私はただの主婦です。5人の子どもを育てている主婦です。ここにいる方のような学問
2011年03月28日02:09 カテゴリ 菜の花革命 おととい、東京には強い北風が吹きました。そして、放射線量は今のチェルノブイリ原発から20キロ地点と同じになりました。もちろん、立ち入り禁止地区です。核種によっては、チェルノブイリより多いものもあったそうです。私たちの命はうっすらと軽くなりました。不公平なことに、このうっすらには濃淡があって、若い人ほど命が軽くなった。若者より子どもの、子どもより赤ちゃんの、赤ちゃんより胎児の命が確実にうっすらと軽くなりました。日比谷公園の、今にも咲きそうにふくらんだ白木蓮の花、枝によっては八分ほども咲いている桜、忘れられない日になりました。 反原発銀座デモには、マスメディアによれば1000人、参加者によれば、1300人、いや1500人はいたと言い張る方もいて……でも、ドイツはたしか26万人でした。それでも、とにかく私たちは歩き出したのです。今まで、どち
2011年03月25日01:12 カテゴリ モスバーガーはえらい、と言わなければならない情けなさ (ご指摘をいただいたので訂正というかご説明:文末に書くべきですが、目立つようにここに書きます。タイトルにある「情けなさ」とは、モスバーガーはあたりまえのことをしているのに、それをえらいと言わざるを得ない状況が情けない、という意味です。表現力のなさを痛感しています。16:00) 野菜が売れ残っています。山のようなほうれん草には、誰も見向きもしません。チンゲンサイも水菜もレタスもパセリもブロッコリーも。私はほうれん草を1束買いました。トイレットペーパーなんて、争うように買っても食べられないのになあ、と思いながら。 個人の買い物でもそうなのだから、ただでさえお客さんが減っている外食産業は、来てくれた人にすこしでもいやな思いをさせまいという気遣いでしょうか、上にあげたような野菜は敬遠するお店もあります
2011年03月07日13:14 カテゴリ社会・世界情勢メディア NHK「死刑執行 法務大臣の苦悩」 ダメな人 ネガティヴなことを書くのは気が重いものです。だったら、書かなければいい。ここは、書きたいことを書きたい時に、書きたいだけ書くブログです。でも、それとは別の機微があります。自分にたいして自分が課した義務のようなものでしょうか。誰ひとり読まなくても、私が言葉でしてきたことの落とし前は言葉でつけなくてはいけない、という思いです。まあ、勝手な思いこみとどのくらい違うのか、客観的には測れません。 去年の7月30日と8月2日、千葉元法相のもとでおこなわれた2件の死刑について書きました(「法相が見るための死刑執行」こちらと「死刑のことまだ考えています」こちら)。そして今月に入って、NHKのETV特集「死刑執行 法務大臣の苦悩」(放送は2月27日)を録画で見ました。ブログに書いたからには見なけれ
2011年03月01日00:00 カテゴリ社会・世界情勢 植民地なき帝国の落日 属国のゆくえ 「アメリカ帝国」を意味する「アメ帝」という言葉は、サヨクさんの、一部、口の悪い方がたがつかってきました。でも、今や「アメリカの帝国主義」は、けっこう目にします。いろんな方が、「アメリカの単独覇権主義(ユニラテラリズム)」と違わない意味でつかっています。先おとといの2月26日にご紹介した『天皇とアメリカ』の吉見俊哉さんとテッサ・モーリス・スズキさんも、特別サヨクな学者さんではありませんが、ふつうに連発しています(サヨクウヨクなんていうのも時代錯誤の気がしますが、行きがかり上、言ってしまいました)。 第二次世界大戦後、アメリカは西側の盟主として、国際機関をつくったり国際的ルールを定める際に主導権を握り、ドルの世界の基軸通貨としての地位を確固たるものにし、またいろんな国で親米政権のたちあげに陰に陽に助力
2011年02月26日02:15 カテゴリ社会・世界情勢 抑止はユクシ(嘘)の続きのような続きでないような 2月13日、ハトリークスがウィキリークスにも負けないスピードで「抑止は方便だった」と明らかにしたことで、沖縄世論は硬化どころか激高し、県外の、とくに東京の一隅、霞ヶ関と永田町では火消しにやっきでした。 ハトリークスによって暴露されたことには、もしかしたら「抑止は方便」より深刻な衝撃として残っていくことがあるように思います。それは、このくにの官僚組織はひそかに独自の国家をつくっている、ということです。しかもこの影の国家は、日本という国家のまさに中核に位置しているにも拘わらず、アメリカという国家の外部機関として営々と機能してきた、ということです。内閣も国会も撮影所のセットのようなもので、中央マスメディアはそれを知りつつ照明をあて、カメラを回して、あたかも内閣や国会が国政について重要な決定
2011年02月10日00:00 カテゴリ社会・世界情勢 与那嶺路代のワシントン便り2 「普天間は一刻も早く閉鎖しなければならない」 琉球新報ワシントン特派員・与那嶺路代秘書(広報担当)ないしPTAの池田香代子です。 TBSの金平茂紀さんがアメリカにいた時は、太平洋の向こうからは多様な声が聞こえていたと思います(金平さんが高校の5年後輩だということが、根拠なくうれしい)。金平さんが国内に拠点を移されたいま、与那嶺さんが頼りです。 きょうも「世界」2月号所収の与那嶺路代「経済危機が揺るがす在外米軍体制 経済問題化する軍事費」から、ワシントンの軍事・安保専門家の言葉をひたすら打ちまくります。 3人目は、「日本政治学の第一人者、リチャード・サミュエルズ・マサチューセッツ工科大学教授」です。 「米国は沖縄の政治的困難性を理解し、ヘリ部隊をグアムなどどこか別の場所で訓練させることを検討すべきだ。普天
2011年01月30日00:00 カテゴリ社会・世界情勢旅行 すごいのができてきました 「911事件を検証する公開討論会Wiki」 これまでに書いたように(こちらとこちら)、ただいま911をめぐる一連のイベントを準備中です。論点整理も進んでいます。それをまとめたWikiがかなりできてきました。まさに超弩級の内容とヴォリュームで、この10年に出されたほぼすべての論点や疑問を網羅しています。私は、お手伝いできるようなスキルはもちあわせないので、作業チームの周りでおろおろしているだけですが。 3月19日の公開討論会に向けて、Wikiはより充実させていきます。つきましてはお願いです。Wikiはご意見を募集しています。とくに、米公式見解を全面的に懐疑する側のご意見が不足しています。メインページにフォームを用意しました。お寄せいただいたご意見は、精査の上、匿名で掲載させていただきます(お名前明記をご希
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『blog.livedoor.jp』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く