サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
体力トレーニング
blog.livedoor.jp/ikedakayoko
2011年01月25日01:14 カテゴリ社会・世界情勢メディア 「自衛隊員と海兵隊員は血を流す」と菅首相は言った 腹が立ってブログが更新できなかったのは、これが初めてです。今までなら、「怒りのぉ〜コーシン!」という感じでしたが(昔の変身ヒーロー物の掛け声をまねています、念のため)、今回に限ってはそうはいきませんでした。かといって、この話題をスルーするのは良心が許さない。でも更新するには、ある動画を確認しなければならない。それが苦痛で、うじうじとブログを放置していました。 それは、去る20日に行われた菅首相の外交演説です(動画はこちら)。年明け早々、国会召集もほっぽらかして民間の集まりで外交演説とは、ネット番組出演とならんで、新鮮な試みには違いありません。でも、その内容は寒々しいものでした。外務省や経産省の官僚から集めた短冊の切り貼りみたいなそらぞらしさの中に、聞いていて血が逆上するような
2011年01月13日00:00 カテゴリ社会・世界情勢環境 禁句3連発のネットの菅サン、資源エネルギー庁前長官を東京電力に天下りさせるとは! 菅首相は、7日にビデオニュース・ドットコムに出演しました(こちらで無料で見られます)。それは、このブログでも10日にお伝えしました(こちら)。その際、感想は控えると書いたら、掲示板阿修羅に、「池田香代子氏・・自分の感想、意見が先だろう! 後だしジャンケンでないのか?」との書き込みがありました。 いえいえ、そうではありません。私が感想なり書いたら、これから見る方に先入見をあたえてしまうので、ご遠慮したのです。かくなるうえは、ざざっと阿修羅の書き込みを読んだうえで、意地でも阿修羅に書いてないことを書こうと思ったのですが、読んだ結果、あの番組を見終わってすぐに書こうと思ったことを変える必要はありませんでした。阿修羅のみなさんと私は関心が重ならないようで*
2011年01月07日00:51 カテゴリ社会・世界情勢 議論は難しいという議論 たとえば911 「あちゃー」と、うめかよタン風に叫びたくなります(こちらの動画)。ブログをさぼり過ぎてしまいました。今年はまだ2回しか更新していない。ご心配くださる声もぽつぽつ届くにいたって、「あちゃー」なのでした。 じつは、理由があります。いくつかのメーリングリストに入っていますが、そのうちのひとつが炎上。わたしも、よせばいいのに行きがかり上、参戦してしまったために、神経をすり減らしていました。パソコンに向かって、毎日仕事はしていたのです。ところが、同じくパソコンに向かって言葉を綴るにしても、原稿書きや翻訳と、メーリングリストへの投稿やブログ書きは、私の中ではどうも別もののようです。原稿書きと翻訳は時間の限りやっていますが、メーリングリスト投稿とブログ書きは合わせてひとつの容量をなしているようで、両者はゼロ
2010年12月25日00:00 カテゴリ社会・世界情勢 続「文書を示せこのポンコツ」 昭和天皇の沖縄メッセージ きのうの続きです。 昭和天皇の沖縄メッセージは全体が「痛い」けれど、とくに「痛い」文言があります。マッカーサー宛のほうの、以下のところです。 ……United States military occupation of Okinawa……should be based upon the fiction of a long-term lease……According to the Emperor, this method of occupation would convince the Japanese people that the United States has no permanent designs on the Ryukyu Islands…… 訳すと、「米軍による
2010年12月24日00:00 カテゴリ社会・世界情勢 「文書を示せこのポンコツ」 昭和天皇の沖縄メッセージ 先おとといの記事がツイッターで取り沙汰されています。ある方の私の記事からの引用、「『米軍が沖縄に50年以上でも駐留することを希望する』という天皇の沖縄メッセージは、文書が残っています。動かぬ証拠が」に、 別の方が「文書に残っているというのならその文書を示せこのポンコツ」と怒っています。 はい、これが文書です。沖縄県公文書館のサイトに載っています(こちら)。文末に、ブログ「風のまにまに」さんから、英語原文と和訳をコピペしておきます(もとはこちら)。 この外交文書が機密解除されたのは1979年、沖縄「復帰」後7年目のことでした。沖縄は騒然としたと記録にあります。それはそうです。皇国教育をうけ、沖縄戦に巻き込まれ、家族や家や土地を失った人びとはまだ青壮年です。そして、戦場と化した島を逃
2010年12月10日00:00 カテゴリ社会・世界情勢メディア アサンジュ氏逮捕にほっ! その性犯罪の「性」は政治の「政」 ウィキリークスのジュリアン・アサンジュ氏が、7日、イギリスで逮捕されました。出頭の意向が伝えられていましたから、もしかしたら出来レースの逮捕だったのかもしれません。これで一安心です。各国がアサンジュ・アサシン(刺客)を放っているからです。保護を求めるなら、スコットランドヤードのほうが、FBIなんかよりもちろんいいでしょう。 容疑が性犯罪とは笑わせてくれます。と言うのも、身近に同様の経験をしたことがあるからです。2003年2月に星川淳さんたちと語らって、元国連イラク大量破壊兵器査察官スコット・リッターさんをアメリカからお呼びした時のことです。来日直前、リッターさんにCBSの「60minutes」という超メジャーな報道番組から急に出演依頼が来たのですが、そこで根掘り葉掘
2010年11月26日00:00 カテゴリ社会・世界情勢 「ある人びとは子どもだろうがいじめてもかまわない」と政府は言った 北朝鮮軍による延坪島(ヨンビョンド)砲撃で、若い(21歳!)兵士だけでなく民間人に死者が出ました。いかに米韓がきわどい軍事演習をしていたさなかであったとしても、市街地に着弾するかも知れないような攻撃、あまりにもひどすぎます。 韓国軍の実弾が北側の海に落ち、北は事前警告に従って「応戦」した、韓国国防相はその責任を問われて更迭された、という報道もあります(たとえばこちら)。田中宇さん(こちら)とさとうまきこさんに教えていただきました。ですから、このくにのメディアは、金父子が事件数日前に砲撃した軍事基地を視察していた、としきりに報じ、まるで一方的に今回の攻撃を画策していたかのように言いたげですが、あれは米韓軍事演習への自国軍の備えを視察し、「何かあったら反撃しろ」と檄を飛ば
2010年11月12日00:28 カテゴリ社会・世界情勢メディア 悪魔の税制 斎藤貴男『消費税のカラクリ』 きのう、いったんアップした記事を、操作を間違って消してしまいました。がっくりしていたら、ある方がRSSリーダーに残っている、と送ってくださいました。そんな技術があるのですね。ご親切に感謝しつつ、少し手を入れてもう一度、アップします。 読後、あやうく絶望しそうになる、でもこれが現実なのだ、ここから出発しなければならないのだ、と気を取り直す、そんな本にときどき出会います。このブログでも取り上げたい、そうした本が何冊か溜まっていますが、きょうはその1冊、斎藤貴男さんの『消費税のカラクリ』(講談社現代新書)をご紹介します。 以前、「消費税が上がると輸出産業が儲かる」という記事を書きました(6月26日、こちら)。それにたいして、「違うよ!」というご指摘をうけ、「【訂正】消費税のカラクリ、私には
2010年11月01日00:00 カテゴリ社会・世界情勢お知らせ 熊にドングリを 11月になりました。東京は季節外れの台風を境に、秋を飛ばして早、初冬の寒さです。みなさんの地域はいかがですか。今年の季節のめぐりはほんとうにおかしかった。あの暑く乾ききった夏、石畳のあいだに植えた姫龍が枯れたのには驚きました。宿根草のホトトギスも次々と立ち枯れ、残った株も下の方の葉はまばらで、茶色くたれさがり、まるで幽霊のようです。それでも花の付きはよく、木枯らしじみた風にけなげに揺れています。来年は元気にたくさん咲いてくれますことを。 庭の柿の木も実をつけませんでした。どんぐりもさっぱりです。テレビのニュースは毎日のように、熊が人を襲い、射殺された、と伝えています。まるで原稿のフォーマットがあって、固有名詞を入れ替えているかのようにすら感じます。山に食べ物がないのです。それで、冬ごもりを控えて、熊たちは必死
2010年10月29日01:28 カテゴリ新聞雑誌エッセイ 政権はちゃんとしてほしい 事業仕分けと小沢デモ 週の半ばに政府の事業仕分けが始まりました。今回は特別会計が俎上に上っています。去年もこのブログに書きましたが(「あと1週間で丸7年 ある政治家の死」 こちら)、今年も書きます。月曜日、10月25日は石井紘基さんのお命日でした。「石井さんは、特別会計や天下り会社、特殊法人、公益法人に消える巨額のお金を追求していました……石井さんは、国会質問の書類を提出するために持って出たところを殺されました」(去年のブログより)。 特会の不合理や不明朗を正そうとすれば、法律の改正が必要です。菅政権がそこまでするかどうか、目を光らせたいと思います。そこまでやったら、本気なんだと評価します。菅首相には、民主党代表選の決意表明で石井紘基さんに言及した以上、きっちりやっていただきたいものです。 思えば去年の今
2010年10月24日00:00 カテゴリ社会・世界情勢メディア 「小沢が辞職しなければ新聞は『負けた』ことになりはしないか」?! 花岡信昭サンが、日経BSに書かれた記事「新聞は小沢氏を追い込めるのか」(こちら)がアクセス上位だというので、読んでみました。花岡サンは、同紙のプロフィールによると、元産経新聞論説副委員長で政治ジャーナリスト、「保守・革新のどちらにもぶれずに、現代政治、メディア、世相などを独自の視点で分析・解読、この国のありようをさぐる」とあります。 一読、二読、いったいなにをおっしゃりたいのか、私の頭では理解できませんでした。以前、花岡サンがテレビで話されたことをこのブログで取り上げたことがありますが(「『サンケイは社員の身元を公的機関で調査』花岡信昭さんの記者クラブ観」、こちら)、そのときもお話がわかりにくかった。お書き物も難解ということは、よっぽど私はこの方と波長が合わな
2010年10月20日00:00 カテゴリ社会・世界情勢メディア 鈴木宗男という人 朝日ニュースターの「ニュースの深層」は、週末の深夜にまとめて1週間分再放送するのを録画して、雑用をする時に流す、という見方をしています。それで、話題が少し古くなるのですが、10月1日に鈴木宗男さんが出ていました。キャスターは上杉隆さんです。昨今の政治について、そしてもちろん検察の問題もご自身の「事件」ともからめて、縦横に論じていました。鈴木さんは健康が万全でなく、病院で検査をうけながら収監を待つ身です。なのに明るいな、これは虚勢ではない、この鈴木宗男という政治家はなんとタフなのだろう、と思いました。 その中で、驚くような発言がありました。上杉さんも戸惑っておられるようでした。それは、およそこんな発言です。 「ヤマリン事件は松岡さんが仕切った。ヤマリンは、自分より先に松岡さんに報告して、了解を得ている。裁判で
2010年10月19日00:00 カテゴリ社会・世界情勢メディア デマとしての国連「恵まれた日本の子どもは黙ってらっしゃい」 またもや「デマとしての」です。 ツイッターに、「国連で女子高生が『制服じゃなくて着ていく服の自由がほしい』というスピーチを特別にしたとき、ロシア代表から『あなた方は制服を着れるすばらしさを理解した方がいい。世界には着る服すらない国がたくさんあるのだから』という返答があったらしい」という書き込みが出まわっているそうです。ブログ「香港ボロ株ウォッチング」さんがこれを追跡して、どうも事実とは異なるようだとの興味深い記事を書いていらっしゃいます(もとはこちら)。それによると、話は1998年にさかのぼります。ずいぶん息の長い都市伝説ということになります。 「子どもの権利条約」は、アメリカとソマリアをのぞく国連加盟国が批准していますが、締約国は国内の子どもの権利状況について、国
2010年10月16日00:00 カテゴリ社会・世界情勢メディア デマとしての中国のレアアース「禁輸」 中国が世界市場をほぼ独占しているレアアースを、尖閣騒動へのいやがらせの一環として、日本向けは禁輸状態にした、まだ禁輸が解けないと、連日、政府が発表し、メディアが報じています。ところがこれ、とんだ言いがかりかも知れません……いえ、言いがかりです。 たしかに中国はレアアースでは「世界シェアの95%を占め……日本は世界の需要量の半分を占めるが、ほぼ100%を中国に頼っている。だが、今年は、中国の輸出政策の転換からなのか、その4分の1にも満たない3万8000トン程度しか輸出されない見込み」という現実があります(中国ニュース通信社 「Record China」、もとはこちら)。 ところが、ここで「今年」と言っているのは2009年、去年のことなのです。輸出政策の転換には、環境問題が影響しているそうで
2010年03月31日00:00 カテゴリ社会・世界情勢よもやま話 勝連沖案、なんでこんなに大きいの?&今月のアクセス 勝連沖につくるという米軍基地がどのくらいの規模なのか、映像ジャーナリストの小林アツシさんが地図に示してくださいました。 面積は、上のほうの三角で示された辺野古沖案の6倍以上だそうです! これで沖縄の負担軽減とは、よくも言ったものです。これはいったいどういうことか、この図を見て考えてほしい、と小林さん。こちらの図には文字も入っています。どんどん広めてください、とのことです。 勝連沖案は、完成までに時間がかかるので(10年続く土木・建設工事!)、暫定的に辺野古陸上を削って(ここでも土木・建設工事!)、滑走路をつくるのだそうです。あっちもこっちも、自然をとりかえしがつかないほど痛めつけて、巨大な基地をアメリカに貢ぐ、いったいそのどこにどんな合理性があるというのでしょう。 この地
2010年10月13日00:00 カテゴリ社会・世界情勢環境 続々・アフリカに子供服を送らないで エシカルファッション きのうは、おとといのアクセス数に驚いた、と書きましたが、きょうは、きのうのアクセス数に恐れをなした、と書かざるを得ません。みなさん、こういうこと気にしておられるのですね。きょうは「止め」として、少しだけ補っておきます。 まず、自著『幸せを届けるボランティア 不幸を招くボランティア』のことに触れている田中優さんのブログをご紹介します。まとめて入手する方法も載っています。あれ、デポジットの対象になっているのは、ここでは空き缶です。本ではペットボトルも取り上げられていたのではないかなあ……きのう、本を貸してしまったので、確認ができません。缶もペットボトルもデポジット、ということでお許しください。 「『ボランティアってなに?』田中優のメルマガより〜」 (こちら) 「絶望にきく薬は
2010年10月12日00:00 カテゴリ社会・世界情勢環境 続・アフリカに子供服を送らないで ボランティアの光と影 きのうの記事に思いの外たくさんのアクセスがあって、正直、驚きました。おとといの「竹島から尖閣を考える 領土とは何か」は満を持して書いたのですが、こちらのアクセスはそれほどでもありませんでした。複雑な心境です。 ともあれ、きのうの記事への付け足しです。「じゃあ、アフリカのお母さんを応援するにはどうすればいいのか」「ちいさくなった子供服をもらってくれる人がいないばあい、それを寄付するのはいいことではないのか」というようなDMを、複数いただいたためです。 子供服はバザーで売って、そのお金をNGOを通じてアフリカなどの開発支援に役立てていただくのがいい、と私は思います。子供服を配るなら、NGOはそのお金で現地生産のものを買い、配るのです。そのほうが、さまざまな意味で効率がいいのです
2010年10月11日00:00 カテゴリ社会・世界情勢 アフリカに子供服を送らないで ボランティアの光と影 子供服メーカーが店舗を窓口としていらなくなった子供服を回収し、女子受刑者たちが仕分けなどをしてタンザニアの女性に届ける、という事業が新聞に載っていました(10月9日付東京新聞夕刊)。配るのは、世界各国でお母さんと子どもの命を守る活動をしているNGOです。子供服を配ることで、産前産後の検診に来てもらおう、ということのようです。 女性から女性へ。法務省は、「『受刑者の半分は母親。母子の命が十分に守られない国に衣服を届ける社会的事業への参加を通して、共感することもあると思う』と教育効果を期待している」とのことです。 いいことづくめのように思えます。でも、ちょっと立ち止まって、明治以来、このくにが工業を発展させてきた道筋を思い出してください。最初は絹糸、綿織物、縫製製品と、「いとへん」の軽
2010年10月10日00:00 カテゴリ社会・世界情勢 竹島から尖閣を考える 領土とは何か 搦(から)め手から行きます。 1904年に日露戦争がはじまり、日本軍はますます朝鮮半島に入り込みます。日清戦争もそうでしたが、日露戦争も、地上戦の大部分は朝鮮半島が戦場になったのです。このまま日本に支配されるのではないかと、李朝宮廷が危機感をつよめていたさなか、05年、伊藤博文は朝鮮に渡って「保護条約」締結を迫り、翌年には朝鮮統監に就任します。 そういうどさくさのなかで、日本は竹島をどこにも属さない地として、無主地先占の原則にのっとり、その領有を国際社会に宣言したのでした。領有宣言がなされたら、異議のある国は一定期間のあいだに異議を唱えなければなりませんが、当時、朝鮮はそれどころではありませんでした。その結果、どこからも異議が唱えられなかったとして、日本は竹島を版図に組み入れたわけで、私は韓国の人
2010年09月28日00:00 カテゴリ社会・世界情勢 「若者がチマチマしている」 『「新卒で就職に失敗したらそれっきりどこまでも派遣地獄だぞ」 「正社員になれなかった人間は一生涯底辺の暮らしが決定だよな」 「失職期間が半年を超えると、そこから先はホームレスだぞ」 「アルバイトの時給って、十代でも四〇代でも一生同じなわけだし」 「っていうか、プログラマとかって、デジタル労務者なわけだろ?」 「転職と離婚って数を重ねるごとに俗悪化するよね」 「自己都合で休むとかあり得ないでしょ。職にとどまりたいんなら」 「子供? 冗談じゃないよ。育ててほしいのはオレの方だぜ」』 (「小田嶋隆のア・ピース・オブ・警句 バーベキューという名の格差」より 日経ビジネスONLINE9月24日配信号より。もとはこちら) 小田嶋さんによると、若者が恐怖に縮こまって、チマチマしてしまっているそうです。小泉サン一派が格差
2010年09月26日00:00 カテゴリ社会・世界情勢メディア クリントンは本当に「安保」と言ったのか ひやっとした新聞記事がありました。真相をさぐらねば、と思っていたら、すでにバンクーバーのサイト、「ピースフィロソフィー」さんが日米のメディアを比較分析してくださっていると、さとうまきこさんが教えてくださいました。 その記事とは、訪米している前原外相にクリントン米国務長官が、「尖閣は安保条約の適用対象」と言った、というものです。けれど、「ピースフィロソフィー」さんの綿密な報道分析によると、どうやらこれは事実とは微妙にずれているようです。ようするに、前原外相が、「尖閣は安保条約の適用対象ですよね?」と水を向け、クリントン長官がうなずいたか、あるいは「ですね」と思わず同意してしまったか、のどちらかのようなのです。それを、このくにのメディアは、長官が尖閣は安保の対象と「明言した」だの「強調した
2010年09月16日00:00 カテゴリ オスプレイ配備で沖縄の「重要性」は蒸発する 「垂直離着陸ができる一方で、水平飛行が可能なオスプレイは飛行経路が大回りとなり、騒音も拡大するとの指摘がある。」(9月2日付琉球新報社説、こちら) 8月末、2種の滑走路案を併記した辺野古報告書が発表されました。その交渉過程で、飛行経路をめぐって日米が火花を散らしたそうです。そりゃそうでしょ、と思われるかも知れませんが、もしかしたらあなたは、米側が陸に近いルートを主張し、日本側がそれを少しでも海側に押し出そうときびしく交渉したのだ、と考えたのではありませんか。違うのです。日本側は、交渉はせず、飛行ルートを報告書に盛り込まなかった、つまりごまかしたのです。それを、「隠し事はやめてくれ」と米側が咎めたのです。実際に基地を使用した時、「こんなに集落の近くを飛ぶとは」と住民からクレームがつくことは火を見るより明ら
2010年09月15日00:00 カテゴリ社会・世界情勢 祭のあと 幻の小沢総理大臣 「抑止力は必要だが、武力で平和がつくれるわけがない。国連が安保理決議をしたら、国際貢献すべきだが、米のアフガン、イラクの失敗を見てもわかるように、ほとんどの紛争は貧困が原因。貧困は武力では解決できない。これを解決するには、食べられる環境をつくること、農業だ。鋤と鍬を持ってともに田畑を耕し、食料をつくり、できたものをともに食べる、それがこれからの国際貢献だ」 こう主張してきた政治家は、与党の代表になれませんでした。辺野古で、「この青い海を埋め立てていいのか」と言っていたこの政治家は、総理大臣になりそこねました(6月13日の記事「小沢さんってそんなに悪い人なんですか?」はこちら)。最終的には、天下り法人の闇にメスを入れようとして暴力に倒れた石井紘基さん、みずから癌を告白して癌対策基本法の制定に力を尽くした山本
2010年08月12日00:00 カテゴリあとがき図書館 あとがき『夜と霧』 霜山徳爾訳『夜と霧』は、戦後最大のベストセラーであり、ロングセラーです。私は縁あって2002年にその第2版を訳しました。出版社は、霜山訳と同じみすず書房です。この新版が出たことで、霜山訳もまたあらためて読まれるようになり、うれしい限りです。霜山訳は、戦後すぐの世相を反映した、緊迫した文体の、歴史的名訳だからです。私は、高校生に読んでいただきたいと思って、訳しました。 その「あとがき」を転載します。 ********************** 本書は、 『……trotzdem ja zum Leben sagen』(一九七七年、KOSEL-VERLAG)所収の「Ein Psychologe erlebt das Konzentrationslager」を訳出したものである。タイトルはそれぞれ、『……それでも生にし
2010年07月10日00:00 カテゴリ社会・世界情勢 成熟過程のもやもや選挙 私は大学紛争の世代です。でも当時は、デモにも集会にも参加したことがありませんでした。それは、冷戦時代だったために、ミギとヒダリが主張をパッケージにして、截然(せつぜん)と対立していたからです。たとえば、ベトナム戦争や安保条約に反対しようとすると、アメリカを「米帝」と罵(ののし)り、資本主義を極悪非道のシステムと断定し、ソ連や文化大革命進行中の中国に好意を寄せ、社会主義を理想とする心情の人びとの中に入っていかなければなりませんでした。さらには、そういう人びとは大学を批判し、教師を権力の手先と非難していました。でも、私の先生たちは、どう見ても権力の手先には見えませんでした。そう言うと、「学習が足りない」「意識が低い」と叱られました。 もっとまじめに探し歩けば、たとえばベ平連はベトナム反戦だけを掲げていることが理解
2010年07月06日00:00 カテゴリ社会・世界情勢メディア 無残なり日本外交 NHK「密使若泉敬 沖縄返還の代償」 6月19日に放映されたこの番組のことを、ようやく書きます。いまやNHKは、沖縄に向きあい続ける希有なテレビメディアではないでしょうか。先週からはNHK教育で「歴史は眠らない 沖縄・日本400年」が始まりました。小森陽一さんを起用するところに、番組の意図は鮮明です。第1回では小森さんの、「沖縄と日本の歴史は戦争で始まった、それがその後に影を落としていく」という締めくくりの言葉が心に重く残りました。 NHKスペシャル「密使若泉敬 沖縄返還の『代償』」が描く世界の印象をひとことで言えば、無残、です。いくつもの無残がここにはあると思いました。 まずは、日本外交の無残です。アメリカは、日本の非核三原則を最大限に利用し、沖縄を「返還」することで、米軍基地を固定化し、より自由に使える
2010年07月05日00:00 カテゴリ社会・世界情勢メディア 犯罪報道はテレビニュースのふくらし粉 おととい(こちら)の補足です。犯罪一般も少年犯罪も、国際的に低いうえに減っているのに、なぜ私たちは治安が悪いと思い込んでいるのか、今、著作にテレビに大忙しの池上彰さんのご意見を、『日本がもし100人の村だったら』(こちら)のあとがき対談から引用します。 ************************** 池上彰「今の日本の姿で、ひとつ特徴的なのは犯罪が少ない、治安がいいということです」 池田香代子「ところが『体感治安』は悪くなって。『最近、なんだか物騒ね』なんて会話が出ます。こうした漠然とした不安が私たちにあるのはなぜなのだろうと思うのです」 池上「メディアの責任が大きいと思います。テレビでは、昔に比べてニュースの時間が増えています。するとニュースをたくさん集めなければいけない。しかし
2010年06月24日00:00 カテゴリ社会・世界情勢 沖縄 国連人種差別撤廃委員会が日本政府に勧告 きのうは沖縄慰霊の日でした。私は愛知県にいました。重苦しい気持ちで。と言うのは、私も6月12日にご紹介した東京新聞の「沖縄独立論」、それを読んだとおぼしい関西の男性から沖縄県庁に電話が入ったというのです(沖縄タイムス6月21日付社説)。東京新聞は名古屋に本拠を置く中日新聞と一体なので、愛知にいてこのことを思い出さずにはいられませんでした。 「独立しても米軍基地は持っていてください。申し訳ありませんが…」 異見を言う気にもなれません。ただひとつ、これが沖縄県外の人に広く共有されている気持ちだとだけは思いたくありません。とんでもない例外だと思いたいのです。思いたいのですが、先頃のあるマスメディアによる世論調査で、「米軍基地、沖縄、しょうがないんじゃないの」みたいな意見が50%をびみょうに超え
2010年06月17日00:00 カテゴリ社会・世界情勢 【動画】「海兵隊はグワムへ行け」と簡単には言えない理由 米軍の計画では普天間の海兵隊はグワムに行くことになっている、グワムやテニアンの首長も誘致に積極的だ、だから海兵隊はグワムに行くべきだ、という主張がなされてきました。民主党を中心とする181人の国会議員さんたちが、鳩山首相(当時)に要請文を渡した、ということもありました。1カ月も前のことではないのに、なんだか遠い昔の出来事のようです。 けれど、どこかひっかかる。首長が誘致に動いていても市民はそうとは限らないという光景を、これまで沖縄を始めとする各地で見てきたからです。グワムのチャモロ族が基地に反対していることは、早い時期に伝わっていました。 アメリカの独立系テレビ「デモクラシー・ナウ」は、商業局からはまずお声のかからない紛争当事者やNGO活動家、ジャーナリスト、学者、政治家などの
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『blog.livedoor.jp』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く