サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
災害への備え
blogs.itmedia.co.jp/zenkishimoto
「もの」のインターネットとかIoT(Internet of Things)とか言われている。そもそもIoTってなんだろうか。その他に全ての「もの」のインターネット(Internet of EverythingまたはIoE)とかなんでものインターネット(Internet of AnythingまたはIoA)というものもある。一体それぞれどこが違うのか、今までにあったものとどこが違うのか。単なる既存のものの焼き直しなのか。定義やコンセプトは人やアナリスト会社によって微妙に異なる。いろいろと資料を探していく中で、ABI Researchの議論が一番的を得ているようなので、この会社が昨年2014年の5月に発表した「IoTとIoEの違い」というホワイトペーパーを通じてそもそもIoTとはなにか、IoEとはどこが違うのかの要約を以下に示したい。原文は英文で、ここから登録すると無料で入手できる。 物理的存
筆者の現在の研究の興味は電力系統に対してITと通信(ICT)技術を応用することだ。 ICTの進歩・進展は早い。しかし、ICTだけ独立して動くわけではない。ニーズのないところに投資もついてこない。その恩恵は他の分野にも適用されその 分野の発展や進歩に貢献されるべきである。 センサー技術の発達で、スマートグリッドに付随する装置や機器に安価だが高機能のセンサーが装 着され始めている。それに従って、多くのデータ源から莫大な量のデータがリアルタイムやそうでないペースで生成され、生成されたデータは収集されて解析さ れる。この様な新たなBig Dataの特徴はスピード(velocity)、多種性(variety)、量(volume) (これを3 Vと呼ぶ)で表されるが、今までの relational databases (RDB)では処理出来ない。これが、NoSQLの誕生を招いた。最近参加した NoSQ
NoSQL Now 2013の コンファレンスでは、チュートリアルの他2つの基調講演に参加した。2つとも似通ったテーマだが、少し異なった点を強調した。電力系統は電力だけではな く、電力搬送に関する莫大な量のデータや情報も伝達する。これは、電話のシステムに似ている。電話システムはコントロール・システム(シグナリング)と音 声(データ)だ。電話システムも電力系統も国家の根幹をなす重要なインフラであり、予期できる故障や予期できない故障の際にもサービスを停止することはで きない。電力の提供を絶やさないために、インフラやそれに付随するシステムは冗長性、回復性、自己回復性や,フォールトトレラント 性を備えて設計され構築されなければならない。 コンピュータのシステムも同様だ。大規模な分散コンピュータ・システムをモニターしコント ロールするためには、突然であっても不可避な問題に対応できるように設計・構築さ
NoSQL Now 2013 での2つ目の基調講演はNetflix社の Adrian Cockcroft氏で、講演のタイトルは「Netflixでどの様に、スケールラビリティと複雑さに対応しているか」であった。最初に書いたブログで Nathan Marz氏による講演について解説したが、Cockcroft氏の講演もテーマとしては、大規模、複雑、分散システムにいかに取り組むかを実例で示してい る。しかし、Marz氏とは異なった視点から述べているので面白い。この2つがすべてではないが、大規模、複雑、分散システムは我々が今までに知っていた システムの設計や運用とはかなり異なっているので、実際に設計・構築・運用しなければ分からないが、この2つの講演でその輪郭が見えてきた。 大 規模、複雑、分散システムに関しては想定外の故障はつきものだが、この講演ではそれにも関わらず、いかにしてスケーラビリティを維持し
前回最近のコンピューティングが低電力に向かっていると書いた。コンピューティングというと、チップやその他のハードウエアを連想するが、当然低電力コン ピューティングを実現するには、ハードの上で実行されるソフトウエアも低電力で正しく動作しなければならない。組み込みシステムでない世界では、プロセッ サーやメモリーやストレッジは安いのだから、とにかくソフトは分かりやすく書け、リソースはどれだけかかっても構わないと言われてきた。ここに来て、その 傾向が変わり始めている。例えば、データセンターでのサーバーは安価で性能も低いサーバーを何台も並列に使用するという方向に進んでいる。もちろんこれ は、ウエブやSNSの様なスケール・アウトが必要な環境であり、ハイパーフォーマンス・コンピューティングについてはスケール・アップしなければならない が。 組み込み式システムは過去も今も低電力で作動することが必須だ。最近は
blogs.itmedia.co.jp
筆者はヒューレット・パッカード (HP) の事となると思わず力が入ってしまう。1985年9月から1991年1月まで勤めていて、今でも株式を保有している。在職中はHPは地味な会社で会社内の競争もあまり激しくなかった。今はHPの一部となったDECと市場で激しく争ったときでも、HPは公家集団のようでDECは野武士のようだった。それが今DECがHPの一部(ComPaqに買収され、そのComPaqがHPに買収されたため)となっている、なんとも皮肉だ。外から来たコンサルタントに「ここに来ると、皆ギラギラしていなくて、気持ちが良い。」と言われた。裏を返せば、SUNなんかに比べて覇気がなかったのか。 シリコンバレーでは職場を変わるのは日常茶飯事で、変わるのも簡単だ。なにせ、周辺には一杯ベンチャー企業や中堅や大手がごろごろしている。昼休みやちょっとした時間を取れば面接に行くことが出来る。技術を中心とした色々
以前、ITは新しい技術を開発するだけではもう生き残れないと書いた。そしてスマートグリッドにはICT(ITと通信)を応用するチャンスがあるとも書いた。震災以前の日本ではスマートグリッドの位置づけは特殊なもので、米国のスマートグリッド技術をそのまま適用するわけにいかなかった。だが震災で東日本の電力不足が起こり、その対策としてスマートグリッドの活用が現実味を帯びてきている。そこで今回は、米国の大手IT企業によるスマートグリッドへの取り組みなどについて述べてみよう。 スマートグリッドは、多種・多数のデータを実時間で収集・解析して有益な情報に変換し、その情報に応じて種々の機器やシステムを制御することで円滑に運営される。そのため、ITと通信の技術(ICT)の応用が必須だ。以前述べたように、最近データの発生源が増加している。普通のコンピュータ環境でもデータは増加する傾向にあるが、モバイル分野と人間を介さ
以下は、決して今回の震災による被害を矮小化する意図で書いたものではなく、あまり日本で報道されない事実(筆者の感想)を述べたものである。こちらで受け止めている災害の規模は本当の姿と違う。そのことが莫大な影響を日本全体に及ぼす可能性について述べたい。 会う人会う人に聞かれるので、もう説明するのが嫌になったが、アメリカでの報道だけを見ていると、小さな国の日本では今、大地震と津波と放射能で、人々は食べ物も飲み水も無く避難所で寒さに震えながらばたばたと死んでいる、と思えてくる。ともかくあの津波の映像は人々の心に張り付いている。確かに東北の被災地はこの通りなのだろう。しかし日本といえば東京しか知らない彼らから見ると、日本の被災すなわち東京の被災なのだ。大都会の東京で毎日震災の影響で人がばたばたと死んでいると思っている。確かに、これから何年も続くであろう電力不足で東京の生活は混乱している。また次々と出て
今回の大災害で犠牲となられた皆様に深く哀悼の意を捧げる共に被害者の皆様にお見舞いを申し上げます。 今回はカリフォルニアから見た震災について書いてみようと思う。まずCNNやその他のメディアはこのニュースを殆ど途切れなく流しており、ネットでも日本のTV番組を無料で見ることができる。更にATTやその他の電話会社は日本への安否確認の通話を無料にしている。日本の震災への関心が高いことの証明だろう。特にシリコンバレーやロサンジェルスは何時大きな地震が起こっても不思議ではないので、明日は我が身と災害に備えるようメディアが注意を喚起している。 驚いたのは、日本のニュースで、日本からの放射能の影響を心配して西海岸では買占めなどパニックに陥っていると伝えていたことだ。本当かと思って近くのスーパーに行ってみたが、店は平穏そのもの、人々もいつもどおりだ。店に行く車の中で、ロサンジェルスの市長か誰かがロサンジェルス
中国やインドの台頭が著しい。その他韓国やシンガポールの追い上げもある。日本再生のためには、外国に市場を求める他、日本市場を活性化させることも大切だ。 日本はデータセンターの市場としてどうなんだろうか。それを知るには米国から進出しているデータセンター事業者に話を聞くのが一番手っ取り早い。米国を中心に全世界でデータセンター事業を展開しているEquinix社の東京のデータセンターに大槻顕人氏(セールスエンジニア)を訪ねた。Equinixのファウンダーのひとり、Bill Norton氏を知っていることもあり、サンホゼにあるそのデータセンターは何度か見学したことがある。Equinixが東京ではどんなセンターを運営しているのか、また日本市場はどうなのか、興味のあるところを今回大槻氏に伺った。 大槻氏 大槻氏は日本の銀行や外資の通信関係企業での経験をお持ちで、日米どちらのビジネスも実際に体験されてきたの
クラウドはどうした?今週も「オオカミ中年」を。。。。 ITからGreen/Clean Techへと軸足を移して以来、ITだけをモニターするということはあまりしなくなった。しかし最近偶然、「モバイル インターネットの津波」というコンファレンスに参加した。いろいろな面からモバイルの分野を議論していてそれなりに面白かったが、一番面白かったのはGuy Kawasaki氏による基調講演だった。モバイルと直接関係はないが、表題にあるように、IT業界でエバンジェリストとして成功する秘訣についての話だった。英語の題は「Enchantment」。魔法で魅了というところだろうか。自社の製品やサービスをプロモートするには10の心得が必要だというものだ。その心得のポイントを下にまとめてみた。これは、会社のマーケティングに利用できるだけでなく、個人についても応用可能だ。 その1:好感度を上げよう まずは好かれなけれ
仮に筆者が中堅から大手の企業のCIOだとしよう。あちこちのデータを基に、稼働率が平均5%だったサーバを仮想化して廃統合し(稼働率は今60%)、更に10あったデータセンターを3ヶ所に統合したとしょう。これで運営費が大いに減少して電力消費も低下したとしょう。それでもCEOがやって来て、「巷にはクラウドというものがあるらしい。それを利用して更にITに掛かる経費を削減してくれ」と言ったとしよう。さてどんなオプションがあるのだろうか。 まず、パブリックかプライベートかを考える。パブリックだとSaaS、PaaSまたはIaaSだ。手っ取り早いのはSaaSだ。最近メールのトラフィックが増加しているので、ストレッジやサーバを増加しなけばならない。経費が掛かるし、スケールするのが苦しい。そういえば、メールなどのコモディティはSaaSに向いているらしい。と言う訳で、MSのExchangeを引っ剥がしてGoogl
Joint Venture Silicon Valley,シリコンバレーの現状を示す、Silion Valley Index 2015年を発表 - その2
一昔前はITの技術そのものに注目が集まり、それだけで商売になった。最近はITそのものだけでは食ってゆけなくなりつつある。社会貢献とかそういう話はここでは置いておくとして、企業は商売をして金を儲けて利益を出すために存在する。商売の内容がITそのものならIT至上主義になるのだが、全企業に占めるIT企業の数はたかが知れている。ほとんどの企業は、IT以外のネタで商売をしている。つまり、ITは企業の主目的である商売をサポートするために存在する。 最近のシリコンバレーで見てみると、確かに新しい技術がないわけではないが、なにやらITは元気がない。米国のIT雑誌では、今後望まれるIT屋という特集が組まれたりしている。それをちらりと見ると、簡単に言えば、専門馬鹿ではだめだということだ。技術が理解できるのは当然として、その企業のビジネスを理解してITがどのような形でそのビジネスをサポートできるのかを知っている
三十数年の間、米国のIT業界で、採用のために面接したり面接されたりしてきた。採用の面接は、する方もされる方も難しい。こうしたら絶対採用されるという方法はないが、こういうことを言ったりしたりしたら採用されないというのは比較的簡単だ。最近協業している市場調査会社で、筆者のGreen IT関連サービスを売る営業担当者を採用するための電話による面接を行ったが、今回の候補者にはこれでは採用されないという問題点がいくつもあった。その経験を中心にまとめてみる。但しこれは中途採用の場合。例によって独断と偏見に満ち溢れたコメントであるので、御了承を 履歴書が怪しい:米国では一般に過去10年程度の職歴を書く。それ以前のことはあまり問題にされない。現在の職を一番詳細に書くのが定石。即戦力を期待されるからだ。この候補者は現在の職についてたった3行ほどで、何をしているのか全く分らない。全面的に怪しいのは、大手の市場
今回は最近参加したグリーン・ソフトの集まりについて述べる。会の内容よりもその集まりの運営の仕方に重きを置いて述べる。 この集まりの趣旨はグリーンを達成するためのソフトの役割について話合うためであった。普通この手の集まりは、プログラムを決めて、スピーカを集めてパネルであればモデレーターを中心にパネリストを探し、その日が来ればそのプログラムに沿って粛々と会が運営される。これでは、参加者の考えと主催者側との考えが必ずしも一致せず、参加者の不満が溜まることが多い。これを解決すべくアンコンファレンス(Unconference)という方式が考えだされた。この形式せいぜいここ1年くらいの間にはやりだしたと思う。 つまり予めプログラムを決めずに、その日になってからプログラムを決めてその場に応じて会を進行しようというものだ。もちろん、何も決めずに単に集まっても仕方がない。どころか、それでは人が集まらない。こ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『blogs.itmedia.co.jp』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く