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喫茶店の王道フードといえば、ナポリタンを置いてほかになし。郷愁を誘う、ケチャップ味と少し軟らかい“スパゲティ”。各店の個性を食らえ。 初出:BRUTUS特別編集「喫茶店好き。」(2017年9月30日発売) edit&text: Yoko Fujimori, Haruka Koishihara, Mutsumi Hidaka / text: Tomoko Imazaki, Rie Karasawa, Tomoko Matsumoto / photo: Kanako Nakamura, Yoichiro Kikuchi, Junichi Miyazaki, Kiyoko Eto, Shin-ichi Yokoyama, Naoki Honjo, Chihiro Oshima
日本のシーンでは、新鋭も次々に出てきている。パプアニューギニア出身でバークリー音楽院を経て、現在日本で活動しているアルトサックス奏者の松丸契は、日本を拠点にし始めてすぐに、さまざまな場所で名前を見るようになった。大友良英や、ヒップホップ・トリオのDos Monos、ロック畑のギタリストでプロデューサーの岡田拓郎や映画『ドライブ・マイ・カー』の音楽を手がけた石橋英子まで。世代もジャンルも超えた“尖った”音楽家が、松丸の演奏を求めている。 そんな松丸は、自身のソロアルバム『The Moon, Its Recollections Abstracted』で音響的なサウンドを聴かせたかと思えば、所属するSMTKではパンキッシュで暴力的な演奏を聴かせることもある。そして彼の周りには前述の高橋佑成やギタリストの細井徳太郎など、面白い存在が集まっている。 松丸契(まつまる・けい) ©Charlie Bar
予約制でゆったり過ごせる! 夢眠書店(下北沢/東京) 予約制で、しかも男性のみでの入店不可(ただし、子連れ、夫婦での入店は可)。2019年、アイドルグループ・でんぱ組.incを卒業した夢眠ねむさんが始めた〈夢眠書店〉は、何かと注文が多い。その理由について、「最近、姉に子供が生まれたんです。それで気づいたのは、子連れの方が気軽に行ける書店があまりないということ。 だから、〈夢眠書店〉は子供大歓迎だし、授乳やデリケートな会話も気兼ねなしにできるお店にしたくて、このようなシステムにしたんです」と夢眠さん。 夢眠さんの本屋体験ルポ『本の本 夢眠書店、はじめます』が発売中。 従って、棚の大半を占めるのは、子供向けの絵本。しかし、その中に、平松洋子さんの著書をはじめ、食にまつわる本もちらほらあるあたり、食いしん坊な夢眠さんらしい選書だ。 また、店の奥には、夢眠さんの蔵書がずらりと並び、実姉で料理人のm
西洋から伝わった文明の大きく花開くさまを間近につぶさに見つめた文人たちが、洋食を求め街を行く。明治、大正、昭和から平成を経て令和の今も愛され続ける洋食の店を巡る誌上クルーズ。「想像の舌は長くて何処迄でも届く」(『御馳走帖』)と書いた内田百閒に倣って、いざ! 洋食の歴史を辿ると必ずや目にするだろう3文字が〈煉瓦亭〉だ。東京・銀座で1895年から続く老舗で、北杜夫は「銀座の昼食バンザイ!」と叫び(山本容朗『文人には食あり 文壇食物誌』)、古川緑波は「煉瓦亭のトンカツは、僕に言わせりゃあ、最も本格的な、トンカツだった」(『ロッパ食談 完全版』)と、連載に、日記に、その名を書き残す。 少年時代には驚きをもって、年を経るごとに愛着と懐旧の情を募らせるように、〈煉瓦亭〉とそこから徒歩数分の場所にある〈資生堂パーラー〉に通い続けたのは池波正太郎。小学生の時分から、小遣いを貯めて百貨店の食堂でビフテキを食
名盤に名サイドメンあり、今も新しい愛聴盤の10枚 石若 駿・選 今回の10枚は僕が若い頃にハマって、かつ30歳を迎えた今も聴き続けているアルバムを基準に選びました。 もし今回紹介した10枚の中で気になる音楽に出会えたら、そこからさらにとことんディグって、面白い音楽を見つけてください。一枚お気に入りのアルバムを見つけたら、そこから派生してまた一枚また一枚と、興味の枝葉を広げていく楽しさを知ってもらえると、すごくうれしい。 参考までに僕のやり方を披露すると、気に入ったアルバムのサイドメン、ドラマーやベーシストがほかに誰のアルバムに参加しているのかとか、自分のリーダーアルバムは出しているのかなどを調べていくんです。そうすると、その先に興味をそそられるアルバムと出会える可能性が高くなる。僕はそうやって、10枚すべてと出会いましたから。この10枚は僕の中では間違いなくつながっていて、相関図を作ると面
BLUE NOTE PLACE(恵比寿) ブルーノート新店舗は、新しいJAZZに特化 2022年末のオープニングにはロンドンからブルー・ラブ・ビーツ、カウントダウンでは黒田卓也が出演したことで、話題のガーデンプレイスの新名所。 青山〈BLUE NOTE TOKYO〉に比べると、〈BLUE NOTE PLACE〉ではクロスオーバー系のジャズや、国内で今後活躍が期待できそうな若手など、より最新ジャズシーンが感じられる演奏が楽しめる。
80s:リアリティのあることばでしゃべるようにラップする 81年:桑原茂一と小林克也らによるユニット、スネークマンショーがシュガーヒル・ギャングの影響を受けた「咲坂と桃内のごきげんいかが1・2・3」を発表。 83年:NYのヒップホップシーンを描いた映画『ワイルド・スタイル』日本公開。この時期から原宿歩行者天国でブレイクダンスが流行。 85年:日本のヒップホップの祖、いとうせいこう『業界くん物語』発表。 86年:いとうせいこう&TINNIE PUNX「東京ブロンクス」、近田春夫がBPM PRESIDENTSとして「Hoo! Ei! Ho!」を発表。 89年:いとうせいこう『MESS/AGE』発表。作中のライミングを紹介する付録「福韻書」付き。
岩田さんは、ちょっとしたことでも疑問に感じると、「どうしてそうなるのか」を解決しようとする人でした。そして、まったく考えたことのない新しい疑問にぶつかると黙ってしまうんです。会話の途中でも「聞こえてないのかな?」っていうくらい、ふっと黙って考え始めます。 「自分が知っていること」と「その時の疑問」がつながるかどうかを、一生懸命確かめて整理していたのだと思います。そうやって因果関係を突き詰めるところはいかにも理系っぽいといえるし、棋士に近いといえるかもしれません。手はいくつもあって、それを探しているともいえるので。 本当にわからないことはぐるぐる歩きながら考える その場で答えが出ないような大事なことやまったくわからないことは、家に持ち帰って考えることもあったそうです。宮本茂さん(現・任天堂代表取締役)から聞いたのですが、話をしていると、腑に落ちない感じのまま帰ってしまうことも時々あったそうで
「カラシソバ」は京都の“鳳舞系”の店にしか見られない麺料理だ。鳳舞(ほうまい)系とは、かつて京都にあった広東料理店〈鳳舞〉に縁を持つ弟子たちの店のこと。 大正時代半ばに京都に来た広東地方出身の中国人、高華吉(こうかきち)さんが昭和42(1967)年に開いた〈鳳舞〉は、彼が京都の人々の好みに合わせて編み出した、薄味でだしを利かせた独特のメニューで有名だった。店なき今もその味を求め、弟子たちの店へ通う地元民が後を絶たない。 その高さんが考案したといわれるカラシソバも、やはり独特。ゆでた中華麺をカラシ醤油で和え、その上に鶏ガラと昆布でとったスープのあんをかけるというもので、あんには小エビにカシワ、青ネギにシイタケ、そしてレタスがたっぷり入っている。麺を和えるカラシが水や湯ではなく、京都の地酢で溶かれているのも特徴だ。 また、店の品書きには「撈麺」と書かれていて、その横には「エビカシワソバ」とふり
「ジャズは今、ジャンルの垣根を越えて増殖している」と星野源は言う。幼い頃からジャズに親しみ、現在のシーンを代表する音楽家たちとも交流を持つ彼に、おすすめのプレイリストを教えてもらった。ジャズとの関わりやその楽しみ方を教えてもらった記事はこちら。 photo: Seishi Shirakawa / interior styling: Fumiko Sakuhara / styling: TEPPEI / hair & make: Yoshikazu Miyamoto / text: Yusuke Monma / prop cooperation: PROPS NOW, AWABEES, Compartment, KAKULULU, beatink
「されば朝(あした)には紅顔ありて、夕(ゆふべ)には白骨となる身なり」。葬儀の際によく読まれる蓮如上人の「白骨の御文章」は、美文として語り継がれている。朝は元気だったのに、夕方には白骨となってしまうという、人の世のはかなさが切々と述べられている。 追悼のことばは美しい。この世にいなくなってしまった故人を思い、出会ったのはいつだったか、どんな印象だったのか、一緒に過ごした日々の記憶やエピソード、当時は言えなかったこと、そしてメッセージが綴られている。 宮崎駿の高畑勲に対する尊敬の念や、阿川弘之・佐和子の緊張感と愛情が入り交じった複雑な親子関係。それらが表されたことばには、綴った人と贈られた故人の関係性が滲み出ていて、故人の知られざる一面を垣間見ることができ、生き方や仕事観、思想を窺い知ることができる。 親しい人の死は悲しい。しかし、追悼のことばには、悲しみの中に、遺された人の生きる決意がきら
憩いの場、ワクワクする場、世界の接点としての団地の本屋を 午後3時過ぎ。学校から帰ってきた子供たちがわいわいと店に集まってきた。『コロコロコミック』の新刊を手に取ったり、絵本をめくったり、ドリルを見たり。店先のドリンクカウンターでは初老の女性たちがクラフトビールを手に世間話。体調のこと、病院のこと。ここは団地の本屋。住民の憩いの場なのである。 「こういった大きな団地って、学校やスーパーなど、生活のための施設が整っているので非常に暮らしやすいんです。でも半面、団地の中だけで完結してしまいがち。僕も団地育ちなのでよくわかる。団地に存在していないものを知る機会が少ないんです。ですから、特に子供たちにとっては、ここが外の広い世界との接点としての役割を果たす場所になればいいなと思っているんです」 三田修平さんが営む本屋〈BOOK STAND 若葉台〉は、横浜市旭区の丘陵地、若葉台団地内の商店街にある
裸になれば誰かに受け入れてもらえるはず 「子供の頃、周りから嫌われていてどこにも居場所がなかったんです。声が低くて気持ち悪いと言われてから、言葉を発することが怖くなってしまった。小学校に上がっても一言も言葉を発せず、給食もひと口も食べない。痩せ細って本当に気味の悪い子供だったと思います。勉強も全く理解できませんでした。読み書きができるようになったのは、30歳を過ぎてからです。 そんな感じでしたから、学校ではいじめられて不登校になりました。両親は自営業だったので、ほとんど家にいませんでした。ですから、家は荒れ放題でまるでゴミ屋敷。雨戸も閉めっぱなしで部屋は真っ暗。そんな中で私はずっと女の人の裸の絵を描き続けていました。なぜかというと、大人の男性たちがポルノ雑誌を読んで喜んでいる姿を見ていたからです。いつか大人になって裸になれば、こんな私でも誰かに受け入れてもらえるのかもしれない。そんな憧れが
坂本龍一の2017年までの5年間を追いかけたドキュメンタリー映画『Ryuichi Sakamoto:CODA』には、文字通り“激動”の5年間が刻まれている。宮城で被災したピアノとの出会い。福島第一原発付近の帰還困難地域への潜入。官邸前デモへの参加。自らの身を侵していた中咽頭ガンの発見。そして、新たな音楽への渇望。映画観賞後、自分自身の5年間を思い出すことはお勧めしない。なぜなら、彼の欲望とその才能との差に誰もが打ちひしがれるに違いないから。 初出:BRUTUS No.860『日本一の「手みやげ」はこれだ!』(2017年12月1日発売)
この1月、待望の初来日公演が東名阪でソールドアウト、その後も日本に長期滞在中のミュージシャン、ジンジャー・ルートことキャメロン・ルーが、新宿の昭和歌謡バー〈ヤングマン〉を訪問。本人の希望で、日本語で取材に応えた。 photo: Koh Akazawa / text: Akio Mitomi / cooperation: Hiroko Yabuki, Kazumi Someya / special thanks: YOUNG MAN 大のシティポップ好き、ジンジャー・ルートがついに来日! 「大学生の時に家族旅行で東京に来たことはあるけど、今回が初来日のつもり。大阪や鹿児島にも行けて楽しかった。食べ物では東京・西麻布の〈かおたんラーメン〉がすごくおいしかったね」 シティポップ風味の曲や、歌謡曲番組テイストのMVで、耳の早い人々に知れ渡ったジンジャー・ルート。キャメロンが日本に興味を持ったきっか
世界を聴いた男、小泉文夫 『世界を聴いた男』──これは、世界のあらゆる地域、あらゆる人々の間で綿々と受け継がれてきた「音」を求めて、取り憑かれたように世界中を駆け巡り、その収集/研究/紹介にすべてを賭した男の生涯を綴った評伝のタイトルである。 「民族音楽の巨人」、故・小泉文夫が日本の音楽界に残した膨大な業績は、その死後20年近くが経とうとする現在においても、まさに空前絶後と呼ぶほかない。彼の残した資料や音源の多くは現在、かつて教鞭をとった東京藝術大学音楽学部の「小泉文夫記念資料室」に収蔵されている。 今回、その資料室を十数年ぶりに訪れたミュージシャンの早川大地さんは、まさに「YMOから小泉さんに入った世代」。小泉と同じく東京大学の文学部で美学芸術学を学んだという早川さんは中学生の頃、図書館で小泉の編集したCDを手にし、初めて民族音楽の世界に触れたという。 「最初に聴いたのがギリシャのキプロ
漫画家のますむらひろしさんは宮沢賢治の作品を猫のキャラクターで描くことで知られている。中でも、名作『銀河鉄道の夜』は1983年、85年、そして2020年と3度にわたって描いている。なぜ猫を主人公に描くのか、なぜ『銀河鉄道』を描き続けるのか、お話を聞きました。 本記事も掲載されている、BRUTUS特別編集 増補改訂版 「猫だもの。」は、2023年4月11日発売です! ますむらひろしが猫を主人公に描く理由 「人間を描くより猫を描く方がはるかに楽しいからなんですよ」。宮沢賢治の作品を猫で描き続ける理由を尋ねると、ますむらひろしさんはそう答えた。 「いちばん最初の『銀河鉄道の夜』を出版したとき、一部の熱心なファンから“宮沢賢治を冒涜している”と反発されたこともあったんです。でも、賢治は、あらゆる生き物を主人公に物語を書いているし、生きとし生けるものには命があり、その重さは平等で、人より動物が劣って
聴くことの意味を考えると、耳が受動的な器官であるということを押さえた上で、本でも、映画でも、言えることなんだけど……、新しい体験をしたり、新しい風景を見たり、新しい考えに触れたりするのって、好きじゃない、人間って。自分じゃない誰かの考えとか、体験とか、感覚とかを疑似体験するために本を読んだり、映画を見たりする。それと似た様なことなのかな……、もしかしたら同じと言ってもいいのかも。 ただやっぱり器官として、感覚器としてやはり視覚で認識できるようなものとは違うから、共有しているものは多いんだけど、実は音楽でしか与えられない感情とか、風景の感覚とか、時間の感覚とか、というのもあるんだと思う。それは映像とか、言葉に置き換えることができなくて、なかなか難しいんだけど、音楽でしか得られないものは確実にある。僕の経験から言うと、例えば、中学2年生の時にドビュッシーと出会って、ハマっちゃった。ドビュッシー
中古品に感じる妙な落ち着き 物心ついたときから中古品に惹かれてきました。 底抜けしないよう折り曲げたチラシが敷いてあるLPジャケット。黄ばんだスリーブだけに保護されたEP盤。帯がラミネート加工されプラケースと一体化したレンタル落ちのCD。 新品よりも他人の手元にあった形跡を感じられるモノに妙な落ち着きを覚えます。 ブランキー・ジェット・シティのインタビュー集『ワイルドウィンター』を古本で買ったとき、表紙をめくったページに、干からびた四つ葉のクローバーがセロハンテープで貼ってあるのを見つけました。前の持ち主が貼ったものでしょう。モノとモノが結びつくと、新たな何かが生まれることを強く実感した出来事です。 『ワイルドウィンター』に貼ってあった四つ葉のクローバー。 8トラックとの出合い 中古品を買っていると様々な記録媒体と再生機器に出合います。 数年前いいラジカセがないか探しているとき、カセットテ
「ビズ・マーキーの『Just A Friend』を(1989年頃に)聴いて、ビートやサンプルに最初に惹かれたことを覚えている。でも、本気になったのはア・トライブ・コールド・クエストを聴いたときだね。Qティップが作るドラムのザラつき感やフェンダーローズのサンプルの美しさに惹かれたんだ。その後、サンプラーのMPC2000を手に入れてからサンプリングに本腰を入れ始めて、チョッピングやサンプリングを理解し始めた。その頃J・ディラが頭角を現してきて、僕も彼のような音を出したいと思うようになったんだ」 ヒップホップのビートをドラムセットで演奏すること 一方で、彼はドラマーでもあり、ドラムでヒップホップのビートを叩く手法にも惹かれていく。 「ヒップホップドラマーを初めて耳にしたのはザ・ルーツのアルバム『Do You Want More?!!!??!』を聴いたときだね。そこでクエストラヴの天才ぶりと彼がブ
BRUTUSのジャズ特集、そして4月に開催されるイベント「BRUTUS JAZZ WEEKEND 2023」と連動した特設ページがオープン! ここでしか読めないオリジナル記事や、厳選した過去の記事を特別公開。ジャズの魅力をさらに深掘りできるコンテンツが満載です。
パンデミックを契機に注目された「ケア」というワード。世話や対処を意味するもので、医療従事者や介護福祉士など社会に欠かせない仕事・ケア労働に従事する人たちの過酷な労働環境や多大なリスクがたびたび報道されたことで、話題となった。英文学者である小川公代は新刊『ケアする惑星』で、古今東西の文学作品を起点に「ケア」をめぐる現代の事象について論じた。ネガティブな文脈で用いられることもあるこの言葉を改めて語ることに、切迫感を持って向き合ったと小川は話す。 ないがしろにされている声に、耳を傾ける 「日本では悲しいことに、育児、介護、看護など私的・公的な場面を問わずケアの価値がないがしろにされ、自分のことは自分でするという”自助”思想が広がっています。“セルフケア”や“主体性”などと言葉が美化され、中でも“ケア”は最も都合よく使われていると感じていました。 ケアは生活を支える重要な仕事なのに、当然のこととし
人気スタジオA24で史上最大のヒットを記録した『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』がいよいよ3/3(金)に日本公開される。アメリカで大ヒットした本作は、アジアでどう受け入れられるのだろうか?竹田ダニエルが監督ダニエルズに話を訊いた。
さて、まず最初に雑誌っていうものがどういうものか考えてみようと思います。見れば分かることだけど、まず表紙があるよね。そして、中のページ。ひっくり返すと裏表紙というものがある。すごく還元的に言ってしまうと、雑誌って表紙と裏表紙に情報が挟まれたものだと言える。さらに極論すれば、何でも挟んでしまえば雑誌の体裁になる。この「挟む」ということが、雑誌にとっては非常に重要な要素と言えます。 でも、それだけだと、書籍と一緒。雑誌になるには、どんな要素が必要か。そのことを考える時に重要な言葉を、僕が雑誌の編集者として働いている時に先輩から聞きました。僕は大学を卒業した後に講談社という出版社に就職して、『Hot-Dog PRESS』という雑誌を作ることになりました。講談社には2年半ほどいたのだけど、新米の僕に、先輩たちが言うんだよ、「雑誌は雑じゃなきゃダメだ」って。それは正しいと思う。雑多な情報が挟まれたも
日本人なら誰もが幼少期に手にしたことがあるであろう国民的ノート、ジャポニカ学習帳。表紙を飾る花や昆虫の写真、「世界特写シリーズ」は1978年に誕生、最近では数年のサイクルでリニューアルされているが、この表紙の写真、実は1人の写真家によってその都度、撮り下ろされている。世界中を飛び回り学習帳の表紙を撮影してきたのが昆虫植物写真家の山口進さんだ。 初出:BRUTUS No.821『まだまだ珍奇植物』(2016年4月1日発売)
黎明期、日本のロックは日本語という障壁によって閉ざされていた。だが黒船・ビートルズ以降、日本からも海外を目指すミュージシャンが現れたのである。その先駆者の1人、高橋幸宏と小山田圭吾、海外での演奏経験豊富な2人が語る、日本のロックが国境を越えた瞬間。前編はこちら。 初出:BRUTUS No.680『日本のロック♡愛』(2010年2月15日発売) photo: Yasuhide Kuge / text: Kyoko Sano(Do The Monkey) / thanks: kongtong@mishuku
黎明期、日本のロックは日本語という障壁によって閉ざされていた。だが黒船・ビートルズ以降、日本からも海外を目指すミュージシャンが現れたのである。その先駆者の1人、高橋幸宏と小山田圭吾、海外での演奏経験豊富な2人が語る、日本のロックが国境を越えた瞬間。後編はこちら。 初出:BRUTUS No.680『日本のロック♡愛』(2010年2月15日発売) photo: Yasuhide Kuge / text: Kyoko Sano(Do The Monkey) / thanks: kongtong@mishuku
昭和の時代。ジャズを聴き始めるなら、専門誌を読み、ジャズ喫茶でレコードを聴き、クラブで生演奏に触れるという流れが一般的だった。しかし、雑誌は廃刊、店舗も減少しつつある現在。初心者は一体、どの音楽家の、どんな作品から聴き始めればいいのだろうか。伝統のある音楽ゆえ、門外漢からは口が裂けても言えない現代の入門方法を、菊地成孔さんがズバリ答えてくれた。 現在、ジャズの魅力をさらに深掘る特設サイト「JAZZ BRUTUS」もオープン中! 2020年代的検索から入る、新しい入門 「ジャズをまったく聴いたことのない人にとって、クラシックや歌舞伎などと同様、歴史のある音楽だから、ハードルが高い印象があると思います。さらに、ジャンルは耳にすることはあっても、しっかりした流行がないため、初心者がアクセスしづらい。情報源が雑誌から電子版へ、お勉強の場がジャズ喫茶から動画へ移行しつつある昨今を鑑みて、初心者に限り
勉強したいことはあるけれど、学校に通ったり誰かに習ったりするのは時間も労力も捻出が難しい。でも諦められない。そんな人に残された手段が「独学」だ。その実践者として、長年の勉強技術をまとめた『独学大全』の著者・読書猿が伝授する、アイデア管理法から検索ワードの見つけ方まで、ここに公開。「『独学大全』の著者・読書猿が伝授。好きなものを好きなだけ学ぶ「独学」のススメ〜前編〜」も読む。 独学者の強い味方は 図書館と書誌にあり。 現在も会社勤めをしている彼は、本を読んだり原稿を書いたりするのは大抵通勤電車の中。工夫しているとはいえ、今も本を読むのは決して速くないという。 「ただし、独学において一番時間がかかるのは本を読むことよりむしろ、読むべき文献と出会うことです。知らない文献は永遠に読めません。本当に自分が知りたいことが書いてある本に辿り着く方法を見出す必要があります。そこで役に立つのが書誌や図書館の
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