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今月5月末を持って、約10年お世話になった東映アニメーションを退職する事になりました。 仕事関係だけでなく、作品を好きでいて下さった方々に向けてもご報告をしておくべきと思い、ブログを執筆させてもらいます。 - 理由 退職の理由は一つではありませんが、好きなことを突き詰めるため、先に進もうと思ったのが主な理由です。 東映アニメーションでは様々なタイトルを任せて頂き、映画からテーマパークのアトラクションなど色々な経験をさせて頂きました。 全てやりがいのある仕事でしたが、後半は大人数・大規模タイトルが続きすぎたせいか、メモリーズが終わった後はしばらくそういった規模のものから距離を置きたいなと感じるようになっていました。 私個人としても、規模の大きさやメジャーである事よりも、自分やアーティストの力を最大限生かす事。じっくり丁寧に作品制作に取り組むことに最も喜びを感じるタイプの映像作家です。 もう少
とても長かった映画が、ようやく完成し公開までこぎつけました。 今日は、ネタバレにならない程度に今の気持ちを綴りたいと思います。 ■はじめに 前作映画プリキュアドリームスターズ!では、初めての長編という事であの当時できる限界まで全力で取り組みました。 しかし、アニメの制作現場というのは想像以上に色々な事情で思うように行かない事がたくさんあります。 初長編を終えると同時に、作品のクオリティについては高い評価を頂けつつも、自分の錬度の低さででもっと良くできたかもしれないところも突き抜けられなかった事。コアなファンの期待に答えきれなかったかもしれない事。 全て監督としての自分が未熟な事が原因だと、後悔に後悔を重ねていました。 そんな風に、お世辞にも完璧とは言えないスタートを踏み出した私に、プリキュアの生みの親である鷲尾さんがもう一度チャンスを与えてくれました。しかも、シリーズ15周年記念映画という
(クリックで拡大↓) 先日ポストしたmiRAについて、個別の機能をご紹介していきます。 今回は「bipedBuilder」というツールの紹介です。 miRAは独自の「miRAコマンド」というパイソンモジュールを多数備え、その組み合わせでモジュラーリギングを行います。 基本的にGUI上からのビルドが可能ですが、よく使うものについはテンプレート化を行っているというお話も以前紹介しました。 その中でもbiped(二足歩行)やfacial(表情)のコントローは本当によく使うため、短時間でセットアップが行えるよう関節位置やスキンウエイトも含め短時間でセットアップが可能なデータを用意しています。 そもそもmiRAはキャラクタ専用のリグではなく、プロップやヴィークル、背景などあらゆる要素をセットアップできるように想定してあるトータルリグシステムですが、それを使った上で特化したツールも開発可能・・・という
久しぶりのCGトピックスです。 ■miRAについて 開発のきっかけですが、CG業界でスタンダードになりつつあるプログラミング言語「パイソン」を勉強するため、数年前から題材として「リグシステム」を趣味で書き始めました。結果面白くなってしまいC++にも手を出してしまいましたが・・・ (元々別の名前で開発していたのですが、コアの設計に問題があったため一度全て捨てて書き直したという経緯があったりします。) もう一つの開発理由として、いわゆるハイエンド系のCG用に設計されたリグはアニメ業界での運用にマッチする部分もあればそうでない部分もあると長年感じていました。 そういった部分も含め、何か一つ自分なりの回答となりうるリグを作りたいというのが最も大きな開発理由だと思います。 細かい話は置いておき、とりあえずデモリールをご覧ください。 (※HD720でアップしていますので、可能であれば画質を上げてご覧く
映画プリキュアドリームスターズ!いよいよ公開が来週に迫りました。 私にとって初の長編映画監督作品となった本作。 「全員集合」から「直近三世代」へとリニューアルし、プリキュア映画史上最も3DCGを多く使った映画となりました。 私個人としては、大塚監督から受け継がれてきた全員集合映画を心からリスペクトしています。それだけに、私のような新人監督がここまで色々なものを変えてしまっていいのだろうかと葛藤がありました。 本当に最近まで作業をしていたためまだ自分の中で気持ちが整理できていませんが、せっかくなのでこの場で映画に対する気持ちを語らせてもらいたいと思います。 ■「人数を減らす」という選択について これはいくつかのインタビューで鷲尾プロデューサがおっしゃっているように 「子供のために」 という理由がほぼ全てです。 私自身昔のプリキュアにもとても愛着があり、出したいキャラクタがたくさんいました。(
(※「ながいよ!」という方は、スクロールして「子供たちの笑顔が~」から下だけでも読んでいただければと) ついに10月31日公開になります 「映画Go!プリンセスプリキュア Go!Go!!豪華3本立て!!!」 あちこちでセミナーや取材・告知をさせていただき、感謝しております。 イラスト描いてみまいた(クリックで拡大) この中で、フル3DCGによる中編映画 「プリキュアとレフィのワンダーナイト!」 で、映画としては初の監督をやらせていただきました。 半年という短いプロダクション期間でフルCG映画を作るという無謀な挑戦でしたが、なんとか先日ダビング、オンラインを経て納品となりました。 今までもたくさんのプリキュア作品に関わらせていただいてきましたが、今回は初監督ということもあり自分にとって並々ならない気合と執念で作品制作に望みました。 なんだか自伝のようになってしまいちょっと長いですが、自分がプ
マッドマックス、ようやく見れました。 アドレナリン終始出っ放しの、最高のヒャッハー映画でした。 言っていいといわれたので少しだけ昔話を。 IGを辞めてから東映に来るまでの空白の10ヶ月、実はマッドマックスの関連作品に取り組んでいました。 5年前シドニーに出張に行っていたのも、実はジョージミラー監督と打ち合わせに行くというものでした。 詳しく内容は話せませんが、その案件が途中で立ち消えに。 集めていた日本人メンバーも解散となりました。 本当に仕事に燃えまくっている時期に取り組んでいた仕事なだけにその挫折っぷりはハンパではなく、映画に関わっても不幸にしかならないとまで感じていました。 (実はその時期取り組んでいたもう一本の別の映画も、ほぼ同時期に打ち切りに) ただ、その仕事の中心人物である前田真宏さんのイメージボードやアイデアがたくさん採用され、エンドロールに大きく名前が刻まれているのを見て、
3DCGアニメシリーズ「シドニアの騎士」に使われたモデルが、有料、無料でダウンロードが可能と話題に。 シドニア堂 遅ればせながら、自分もダウンロードしてみました。 ■はじめに このモデルデータについて、SNS界隈で色々な意見が飛び交っているのを見ました。 このモデルを見ることで、学生さんやこれからトゥーン系アニメCGをやろうと思っている人がどのような視点で受け取ればいいのか。 一応、実写からトゥーンまで色々な仕事をしてきた自分としての意見も述べておこうかなと思いこの記事を投稿しました。 (※あくまでアニメ会社勤務サラリーマンの個人的感想です) ■会社によって、千差万別なモデリングの考え方 まず、フリーで落とせた3体を読み込んでみました。 造形等については、キャラクタデザイナーの意図、視聴者の好みがありますので私見は述べない事とします。 自分はゲーム会社やアニメ会社、フリーランスとして受注し
久々の更新です。 最近巷で噂の「アーノルドレンダー」について、いくつかの条件つきで画像の公開許可を頂きましたのでブログで紹介させてもらいたいと思います。 機密保持契約の関係で詳しい情報は記載できませんが、この記事でアーノルドというソフトウェアの潜在能力を感じて頂ければ幸いです。 なお、販売価格や入手ルート。具体的なmayaのチュートリアル等は前述した通りNDAの関係でお話できませんので、あらかじめご理解ください。 ■アーノルドとは? アーノルドレンダーは「solidAngle」社が開発・販売しているフォトリアリスティック向けのGIレンダラーです。 ハリウッドのハイエンドVFXでの普及に加え、最近では映画「キャプテンハーロック」でマーザ・アニメーションプラネットさんが使用された事でも有名です。 ■メイキング 今回、4年ぶり?5年ぶり?くらいにフォトリアル系の人間を作ってみました。 仕事以外で
ちょいとえらそうなタイトルですがそんな大層な事を言うつもりはありません。 でも、久々にまじめな日記を書いてみたいと思います。 先日取材を受け、CGWORLD Entryという学生向けのフリー雑誌でインタビューを掲載してもらいました。 http://cgworld.jp/information/cgw-entry.html (最近たくさんCGWORLDさんに載せてもらってありがとうございます) 学生さん向けの雑誌で、これから業界に入るためのイロハを説いたものです。 私は学生時代から、CG業界のここだけは好きになれないという部分があります。 それは、プロが学生に対して厳しさばかりを説くところです。 専門学校で受けた数多くの講演会。プロの方のブログやSNS。私たちが学生のころから 「プロの現場をなめるな」 「厳しい業界なのに君たちに耐えられるの?」 「そんなレベルで通用すると思うな」 など、学生
スマイルプリキュア!が先週から放映が開始しました。 時間がとれなくて更新できていませんでしたが、ブログでのご報告を。 今回、エンディングのフル3D映像で初のディレクターという肩書きでやらせてもらいました。 スクリーンの中でダンス以外の演技をする、後半トゥーンレンダリングだけど本格的にライティングをやる。。。など、今までのEDであまりやってこなかった事を積極的に導入しました。 各所から良い評価をいただいている「表情」については、本当に色々やりました。 しかし、斜めや横顔用のターゲットなど作成せずにどこまでできるか挑戦的な意味合いもあり、基本1エレメント+標準リグを基本にやってます。 (あまり詳しい技術情報はお話できませんが、、、) ただ「キャラクタらしさを出す」という事はテーマにしていましたが、作画にどれだけ近づけるかを目指した映像では決してありません。 冒頭がセルに近い質感なのは「CM前ま
久しぶりにCGについての真面目な日記を投稿しようと思います。 以前から「自主制作やるよ!」と言い続け、未だに発表すら出来ていない始末。 忙しいなんて言い訳にならないとは思いますが、それでも少しずつ前に進めております。 そんな中、今日会社でショッキングな事態に遭遇しました。 今会社にいる元サンジゲンの方に、bipedというmaxの標準的なキャラクタリグを見せてもらいました。 オペレーションを開始して、かなり少ないクリック数でキャラクタの頭身が出来上がり、調整もサクサク。 数分で男性や女性のプロポーションが出来上がり、アニメート可能な状態に。 コネクションサイクルがNGのmayaでは中々難しいと言われている、IKとFKの共存も普通にこなしている。 私の周りで自主制作をやろうとしているmayaの人は、たいていリグで挫折します。 mayaにはcatやキャラスタのような標準リグといわれるものは存在せ
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