サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
TGS2024
fnorio.com
このページを印刷される方はこちらのバージョンをご利用下さい。ブラウザーでは見にくいのですが印刷は鮮明です。 動物進化の系統樹(種の隆盛と衰亡) 生物をどのように分類するのかは難しい問題です。生物の事がより詳しく解ってくるにつれて分類体系は改訂・改変をくりかえしてきた。しかし、今日では分子生物学的な遺伝子解析により進化の道筋を厳密に辿ることができるようになった。そのため科学的根拠を持って分類できるようになり、系統樹はより信頼できるものになりつつある。 今日、生物は 原核生物の(原核生物界)、真核生物の(原生生物界、植物界、菌界、動物界) の5界に分けるのが一般的である。原核生物とは遺伝子が核膜に包まれていない原始的な細胞の生物である。真核生物とは遺伝子が核膜に包まれて高度に機能的に収納されており、細胞内には核以外にミトコンドリア、小胞体、ゴルジ体、葉緑体などの高度な膜構造の器官を持つ細胞でで
中学理科や高校地学で気温は高度とともに低下すると習います。温度がどの様な割合で下がるのか理論的に解りやすく説明します。またその応用として温位と相当温位の定義を説明します。 1.静力学平衡 (1)気体の状態方程式 普通、気体の状態方程式は別稿「絶対温度とは何か(積分因子とは何か)」2.(5)で説明したように、単位モル当たりについて示される。 このように定めた1mol当たりの気体定数R’は気体の種類によらずどの気体でも同じ値となる。 しかし、気象学ではモル当たりではなくて単位質量についての状態方程式を用いる。その場合には上記の値R’をモル質量M[kg/mol]で割った値を気体定数Rとする。 この様に単位質量(1kg)当たりで表した気体定数Rは気体の種類ごとに異なった値となる。気象学では普通空気を取り扱うのでMとしては常に空気の平均モル質量M空気=28.966×10-3kg/molを用いる。その
HOME 1.導入(1)(2)(3)(4)(5) 2.運動学(1)(2)(3)(4)(5)(6)1.2.(7)(8)1.2.3.4.(9)(10)1.2.3.(11)1.2.3. 3.電気学(1)(2)1.2.3.4.(3)1.2.(4)(5) 4.文献(Eins、相対、電磁、物理、歴史 フレーム版 アインシュタインの1905年論文「運動物体の電気力学について」をもとにして、特殊相対性理論を説明します。 準備としてBorn文献202.の第Ⅴ章をお読みに成ることを勧めます。私が長いあいだ相対性理論の“光速不変の原理”を納得できなかったのはここに書かれている事柄をあらかじめ学んでおかなかったからだと思っています。 相対性理論を理解するにはこの引用文の最後でBornが述べている認識(旧版の訳はこちら)に到達することが大切なのではないでしょうか。また、Sommerfeldの著書「光学」の§
メガネはレンズの身近で切実な応用です。高校物理の光学に出てきますが、理解するのはあんがい難しい。それは、2枚の組み合わせレンズの問題であり、前方のレンズが作る虚像を2枚目のレンズ(眼球のレンズ)を通して見る問題だからです。その当たりをわかりやすく説明します。 1.近眼鏡(近視の人が掛ける凹レンズのメガネ) (1)近視とは 近視とは、眼球の長さが長すぎるか、あるいは目のレンズが十分薄くなる(焦点距離を長くする)ことができないことにより、遠くの物体の像のできる位置が網膜の手前になってしまうことです。 (2)近眼鏡 たとえば2.0mより遠いところがはっきり見えない近視の人が無限遠まではっきり見えるようにするには無限遠の物体が2.0mの所の虚像として見えればよい。 つまり焦点距離が2.0mの凹レンズをメガネとして用いればよい。 別項「球面レンズの曲率半径と焦点距離(レンズメーカーの公式)」6.(3
この速度で各惑星を出発した探査機の飛行速度vを太陽からの距離rで表すと となる。これは当然のことであるが、上記の脱出速度v2(r)と全く同じ関数形になる。 このとき、各惑星を上記の太陽系脱出速度で出発するとき、その出発方向はどの方向でも良いことに注意、どの方向に出発しても太陽を焦点とする放物線軌道を描いて無限遠の彼方へ到達できる。 この速度以下で出発した場合に描く楕円軌道の場合は、出発の方向によって太陽中心に対して持つ角運動量が異なってくる。そのとき、動径方向の最大値に達したときにも動径に垂直な方向の速度成分を最初持っていた角運動量成分に応じて持たねばならないので、太陽からの最遠到達距離が異なってくる。 これに対して、上記の放物線軌道の場合は、到達動径距離の最大値は太陽から無限遠の彼方だから、出発時に持っていた角運動量成分が異なっていて、無限の彼方での角運動量が有限でも、無限遠での話しだか
地上で初めて光速度を測定した1849年のフィゾーの実験の詳細を説明します。その論文の日本語訳や、アラゴの説明文を参考にしながらお読み下さい。 ちなみに、史上初めて光速度を測定したのはレーマーで二番目はブラッドリーですが、いずれも天体現象からです。だから、フィゾーが地上で直接測定できたことは画期的です。 1.導入 高校物理で習うようにフィゾーは下図のような方法で、光の伝播速度を地上で初めて測定した。 しかし、これを習うとき様々な疑問が湧いてくる。 この時代の安定した光源としてはランプしか無かっただろうが、この実験に用いられた光源はどの様なものなのか? 当時の貧弱な光源で、果たして8km以上はなれた鏡から反射されてくる光をとらえることができたのだろうか?その時の反射鏡の光軸はどの様にして調節したのだろうか? 当時はもちろん電動モーターの様な動力は在りません。使えるのは蒸気サイクルを用いた蒸気エ
ライト・フライヤー号(1903年)のエンジン 人類史上初めて、人を乗せた動力飛行に成功したライト・フライヤー号はあまりにも有名です。このページは、ライト兄弟とテイラーが作ったフライヤー号のエンジンの詳細を紹介するものです。ビル・ガンストン著(川村忠男訳)「航空ピストンエンジン-そのメカニズムと進化-」グランプリ出版(1998年刊)を大いに参考にした。 1.クラーク図による詳細説明 下図はライト・フライヤー号のエンジン(1903年)についてJ.H.クラークが描いたものです。ワシントン・スミソニアン博物館はこれを標準参考図として承認している。[拡大図][超拡大図] 以下の説明は、上図を大きく展開したものと比較しながらお読みください。 ベアリング・キャップ1、2が、クランクケース端部の鍵穴型の穴4のところでクランクケースにネジ止めされている。クランクケース両サイドの鍵穴型の穴はプレート3をネジ止
天球上の天体の位置を議論する位置天文学は、あらゆる天文学分野の基礎です。位置天文学の最も重要なツールが座標回転公式と球面三角法です。高等学校では習いませんが、知っておくと便利なのでここで説明します。 1.座標回転公式 (1)座標軸の周りの回転 下図の様に球面上の点Pを、右手系3次元直交座標系(x,y,z)座標系で表す。 上図の(x,y,z)座標系をx軸の周りに角度θだけ回転させた座標系を(X,Y,Z)とする。その際、右手系の場合反時計周りに正とする。そうすると点Pの(X,Y,Z)の値は(x,y,z)とθを用いると以下のように表される。 同様に、y軸とz軸の周りの回転については と表される。 この3つの回転行列を用いれば任意の回転で得られる新座標系(X,Y,Z)の座標値を旧座標系(x,y,z)の座標値で表すことが出来る。今新しい座標系(X,Y,Z)が旧座標系(x,y,z)をx軸の周りに角度α
レーマーが史上初めて光速度を測定した方法を説明します。その内容を要約した論文(日本語訳)を参考にしながらお読み下さい。 1.事の始まり 木星の衛星は木星のまわりを回っているのですが、地球から見て木星の裏側に隠れること[“食”と言う]が周期的に起こる。しかし、その食が起こる周期が時と共に少しずつ変動することが解ってきた。レーマーは長期間にわたって食が起こる時刻を観測して、その変動の原因をつきとめ、その変動量から光の速度を見積もった。 (1)大航海時代 なぜレーマーはその様な単調な観測の仕事に関わり、また継続したのでしょうか。それには理由があります。当時拡大する新世界との貿易、航海の増大のために、ヨーロッパの国々は遠洋航海中の船の正確な位置を知ることや、新世界の正確な地図を必要としました。 そのときの問題点を、未開地の地図を作る場合で説明する。未開地の緯度はそこで観測される北極星の水平面からの
レオン・フーコーが行った光速度測定実験の詳細を説明します。1850年に水中と空気中の伝播速度の相対値を求めた。さらに、1962年の実験できわめて正確な光速度の測定値298000000m/sを得た。文献3.と文献2.を参照されながらお読み下さい。 1.空気中と水中における光速度の相対値の測定(1850年) 別稿「フィゾーが光速度を測定した方法(1849年)」の最後で注意したように、フィゾーの歯車の方法では反射光の明るさの変化で光速度を測るのですが、その変化の極値を見極めるのが難しかった。そのため、フーコーは光の速度を測定するのに回転する鏡を用いることにしました。回転鏡による方法では反射光の像ができる位置が観測用望遠鏡の視野の中でずれるので、より精密な光速度の測定が可能に成ります。 (1)着想の起源 回転鏡を用いる方法は、最初1834年にC.Wheatstone(1802~1875年)が電気の
熱力学や解析力学を学ぶとき最も解りにくいのがルジャンドル変換です。その意味についてクーラン、ヒルベルトが文献1.で明快に説明しています。以下でその内容を解りやすく紹介します。 1.一変数関数 簡単に説明するために、まず一変数の関数u(x)を取り上げます。 (1)曲線の二つの表し方 二次元xu空間内の一つの曲線を表すのに二つの方法がある。 曲線が点の集合からなると考えて、関数u=u(x)によって与える方法。 この場合の(x,u)の事を文献1.では“点座標”と呼んでいる。 曲線が、接線の集合の包絡線であると考えて、一つの接線がその曲線に接するための条件を与える。その条件とは、具体的に言うと、[接線の傾きξ]と[接線がu軸を切る切辺の値ω]です。その二つの値の集合(これも別の空間の一つの曲線を表す関数とみなすことができる)によって曲線を表す方法。 この二つの値の集合(傾きの値ξ,切辺の値ω)を文
質点の二次元運動を論じるときに必要な二次曲線の説明です。離心率eの変化に着目すると二次曲線を統一的に理解できる。 1.二次曲線とは 平面上の直交座標(x、y)を用いて、実数係数の二次方程式 Ax2+2Hxy+By2+2Gx+2Fy+C=0 で表される曲線を二次曲線という。係数A、B、・・・ の値により、方程式を満たす点がまったく存在しない(x2+y2+1=0)、ただ1点になる(x2+y2=0)、一つの直線を表す(x2+2xy+y2=0)、二つの直線を表す(x2-y2=0)こともあるが、以下ではこのようにならない二次曲線を考える。 二次曲線は AB-H2>0(楕円)、 AB-H2<0(双曲線)、 AB-H2=0(放物線)に応じて、適当な直交座標(x'、y')を用いることにより、(x'/a)2+(y'/b)2=1楕円、(x'/a)2-(y'/b)2=1双曲線、y'2=4px' 放物線となる。こ
電荷が直線的に振動している電気双極子(ヘルツ双極子)からの電磁波の放出を論じます。この考え方の基礎は1889年にH.ヘルツによって与えられた。 本稿の内容は別稿「調和振動子(自由振動、強制振動、減衰振動、強制減衰振動)」の議論と深く関わりますので、適宜参照されながらお読み下さい。 1.速やかに変動する場と電磁ポテンシャル (1)電磁場の方程式 ここでは完全なMaxwell方程式を用いて、真空の場における議論をする。すなわち全空間にわたってε=ε0、μ=μ0とし、電荷密度ρと電流密度Jは全空間、及びt<t0なる全時刻において与えられているものとする。ここでt0は観測が行われている時刻をあらわす。 Maxwell方程式と付加条件式 から出発する。 ここで(4)式 divB=0だから別稿で証明したようにBはベクトルポテンシャルAのrotで表される(ベクトル解析の公式より任意のベクトルAに対して常
剛体の回転運動について成り立つ運動の法則の説明です。これはニュートンの運動法則を言い換えたものに過ぎないのですが、高校物理では教えません。しかし、知っておくと便利ですし、興味ある応用がありますのでここで説明します。 1.回転の運動方程式 (1)方程式の導出 1.運動の第二法則 ここでは簡単化のために剛体についてのみ取り扱う。剛体とはその質量の分布を変えない硬い物体のことです。そして剛体をつらぬく一本の固定された軸のまわりにのみ回転できるとする。 この条件の下では剛体の各部分は下図の様に回転軸のまわりの速度成分、加速度成分と、回転軸の方向を向く加速度成分しか持てない。 剛体の各部分の最初の位置からの回転角をθとすると、このθの時間的な変化は剛体のすべての部分に於いて共通である。この共通のθを用いると、剛体の各部分の速度の大きさは と表せ、その方向は上図の赤矢印の方向を向く。また各部分の加速度
このページを印刷される方はこちらのバージョンをご利用下さい。ブラウザーでは見にくいのですが印刷は鮮明です。 古典天文学(プトレマイオス、コペルニクス、ケプラー) 天文の話は高校物理では万有引力の説明のときに少しだけ出できますが、今の高校生はほとんど習いません。とても面白い所なのでここで説明します。 1.古代宇宙論 古代の人にとっての宇宙は、それぞれの場所から見たままの経験に基づくものだった。 地平天平説 地平天球説 である。まさに地域的宇宙論である。このとき月、太陽、星々の動きから天が半球状をしているという考えは早くから存在した。つまり右図の様なものである。しかしこの宇宙論には重大な3つの疑問が生じる。 太陽や月は大地の下側ではどこに行くのか? 天球の外はどうなっているのか? 大地の果てに行くと、その縁から落ちてしまうのか? その後の宇宙論はこの疑問に答えるかたちで発展する。 (1)地-球
変分法におけるラグランジュの未定乗数法を解りやすく説明します。統計力学では必須の手法です。 1.二変数関数の条件つき極値 簡単に説明するために、まず二変数の関数f(x,y)を取り上げます。 (1)因関数定理による解法 1.理論 変数x,yの関数f(x,y)が存在するとする。 そのとき、 なる関係式[これを条件式と言う]の制約の基で、関数f(x,y)の極値を求める問題を考える。 今、点P0=(x0,y0)においてf(x0,y0)が、極値f(x0,y0)=α0を取ると仮定する。 さらに、P0において(∂φ/∂x)、(∂φ/∂y)のうち少なくとも1つ以上が0でないとする。[すべてがゼロなら後で説明する勾配ベクトルが定義できない特異点になってしまうのでこの仮定は必要です。] 例えば点P0=(x0,y0)において(∂φ/∂x)≠0とすれば、因関数定理により(1)からP0の近傍で となる Ψ(y) が
このページを印刷される方はこちらのバージョンをご利用下さい。図がより精細・鮮明に印刷できます。 ファン・デル・ワールスの状態方程式 (クラウジウス=クラペイロンの式、ジュール=トムソン効果) ファン・デル・ワールスの状態方程式は原子・分子間力、実在気体の熱的性質、クラウジウス=クラペイロンの式、ジュール=トムソン効果、気体の液化技術に絡む極低温物理学への貢献・・・等々に深く係わった、きわめて霊妙な式です。その当たりを解りやすく説明します。 以下の議論は全て1モルの気体についての数式表現です。そのことを明示するために絶対温度T以外の量を全て小文字で表す。絶対温度・エントロピーについて馴染みの無い方は、先に別稿「絶対温度とは何か(積分因子とは何か)」をお読み下さい。 1.ファン・デル・ワールスの状態方程式 (1)状態方程式 オランダの物理学者ヨハネス・ディーデリク・ファン・デル・ワールス(Jo
1.地衡風 普通の温帯低気圧や温帯高気圧に伴って吹く風は、圧力傾度とコリオリ力がつり合った流れで“地衡風”と言います。コリオリ力については、別稿「コリオリ力」を復習して下さい。 そのとき低気圧や高気圧の半径は比較的大きいため気圧傾度も小さく、風速は比較的穏やかです。そのため向心力(あるいは遠心力)は小さくて普通無視できて、[圧力傾度力]と[コリオリ力]がつり合った流れになり、図5の様に等圧線に沿って平行に吹きます。 地衡風・地衡流についてのもう少し詳しい説明は別稿2.(1)をご覧下さい。 2.傾度風 台風(熱帯低気圧)は非常に強い風速を伴った非常に強い回転運動があるので、圧力傾度はコリオリ力と共に遠心力ともつり合った流れになる。そのような流れを“傾度風”と言います。 台風の様に風速、気圧傾度が大きく半径が小さくなると円運動のための向心力との釣り合いが重要になってくる。 (A)大地から見ると
波動現象に内在するメカニズムの説明です。波動方程式とは何か、伝播速度は何によって決まるか説明します。 1.偏微分 ここでの議論には、高等学校では習わない偏微分の概念が必要になる。偏微分自体そんなに難しいものではないのでここで説明する。 一般に2変数の関数は、その2変数をx軸、t軸(これを時間軸とする)の方向に取ると、その関数値をy軸の値として表した一つの曲面で表すことができる。下図は高校物理で出てくる波を表す関数 y=sin(t-x) をそのようにして表したものです。 関数y(t、x)の点(tn、xn)におけるtについての偏微分係数とはx=xnの平面で切り出した曲線のt=tnにおけるt軸に沿った方向での微分係数のことです。すなわち上図のA点における曲線のt軸に対する傾きを意味する。また二階の偏微分係数とは、その傾きの変化分を意味する。 偏微分係数がt-x座標のあらゆる点で定義できる場合、一
惑星探査機の航行に利用されるスイングバイ航法について説明します。これは運動量保存則の例です。 1.簡単な説明(運動量保存の法則) スイングバイ理解の[第1の鍵]は“運動量保存則”です。 (1)m1>>m2の場合 となり、m1はその速度を維持し、m2はぶつかる前の相対速度で弾き跳ばされるので、m1が持っていた速度との和になり増速する。例えば最初m2が静止していたらv2'=2v1、m2が左方向にm1と同じ速さ-v1で動いていたらv2'=3v1となる。 (2)m1=m2の場合 となり、速度を交換する。 (3)m1<<m2の場合 となり、m2はその速度を持続し、m1はぶつかる前の相対速度で弾き返されるので、m2が持っていた速度との差になる。そのためm1の速度は最初持っていた速度より遅くなる。 これは高校物理の練習問題ですが、(1)が、スイングバイの原理を示している。m1が惑星、m2が惑星探査機と考
このページを印刷される方はこちらのバージョンをご利用下さい。ブラウザーでは見にくいのですが印刷は鮮明です。 潮汐力(起潮力) 様々な教科書に書かれている潮汐力の説明は不十分でわかりにくい。ここでは高等学校で習う知識を用いて厳密で解りやすい説明をします。そのとき必要な予備知識が1.2.3.で本論が4.です。 1.球対称に分布した質量が外界に及す万有引力 球形をしており、かつその中心に対して球対称の密度分布を持つ球の場合、球の外にある質量に及ぼす万有引力は、その球の質量がすべてその球の中心に集中して存在する質点とみなした場合と同じである。この証明には少し高校レベルを超える数学的な知識が必要ですが、別講「万有引力の法則への補足」にて高校生でも理解できる説明をします。 2.恒星系に対する地球の運動 (イ)地球は自転している 赤道上では自転軸を中心として地球半径r=6.37×106m、周期T=24×
光の偏光について説明します。これは高校生に取って解りにくいものですが、光が横波であることと深く関係しています。 1.光(電磁波)の電場ベクトル (1)電場ベクトルの方向 光の性質を決めるのが電場ベクトルである。一方向に進する光(電磁波)とは別稿「電磁波の伝播」2.(2)や「線型振動子(電気双極子)による電磁波の放出」2.(3)で説明したように進行方向に対して直角な方向を向く電場ベクトルEの変化が波となって進んでいくようなものです。 そのとき電場ベクトルに対して磁場ベクトルが存在しその方向は進行方向に垂直な面内で電場ベクトルに対して進行方向を回転軸として右90度の方向を向いている。また、別稿で説明したように電場ベクトルと磁場ベクトルの大きさの比率は常に決まった値を取る。それこそ、電磁気学におけるマクスウェル方程式が示唆する電磁場の性質についての一つの表れです。 磁場ベクトルは電場ベクトルに対
生物の進化論の高校レベルの説明です。ただし、初期の進化論はいずれも科学的・体系的とは言い難い断片的知識に基づいたこじつけの推論に依存している。そのためそれらの正当性を吟味する議論に拘泥するよりも全体的な流れを理解することが大切。つまり進化論の理解とは今までに蓄積されてきた様々な科学的知識と照らし合わせて最も確からしいメカニズムを探し出す作業。 1.進化論の変遷 (1)天変地異説(キュビエ) 「天変地異が地質時代を通じて幾度か繰り返され、そのたびに前の時代の生物群は殆ど死滅し、地球の片隅に残存した生物群が新たに広く分布した」という説。キュビエはパリ盆地に於ける白亜紀と第三紀の地層中の化石の違いを例証とした。彼は世界各地の化石脊椎(せきつい)動物を現生動物と比較して記載分類し、比較解剖学を通して古生物学の基礎を確立した。 (2)用不用説(ラマルク 1809年「動物哲学」、1815年「無脊椎動物
1.開平法 開平法の本質は以下の代数式展開ができるところにある。 (a+b+c+d+・・・・・・)2=(a+b+c+d+・・・・・・・)(a+b+c+d+・・・・・・・) =a2+2ab+2ac+2ad+2ae+・・・・ +b2+2bc+2bd+2be+・・・・ +c2+2cd+2ce+・・・・ +d2+2de+・・・・ +e2+・・・・ =a2+b(2a+b) +c{2(a+b)+c} +d{2(a+b+c)+d} +e{2(a+b+c+d)+e} +・・・・・ このように展開できることは下図からも明らかである。 開平の筆算法はこの展開を利用したものである。例として125689の平方根を計算してみる。実際の手順はたいていの高校物理教科書の付録に記載されているのでそこを読んで下さい。 2.開立法 開平のメカニズムを拡張すると開立の筆算法が確立できる。開立法の本質は以下の代数式展開ができると
ビオ・サバールの法則(1820年)を見つけた方法 これはビオとサバールが発見した有名な法則ですが、高校物理の授業でこれを習うとき、電流は繋がった長い導線を流れるのに、どうしてこの様に電流の一部分の要素について成り立つ複雑な法則を見つけることができたのか疑問に思うところです。彼らがこの法則を見つけた手順を解りやすく説明します。 1.ビオ・サバールの法則 エルステッドが1820年7月に電流が磁石に作用を及ぼすのを発見して報告した。この発見は直ちにヨーロッパ中に広まり科学者の間に大きな興奮を呼び起こして電磁気学研究の幕開けとなった。それを知った、ジャン=バティスト・ビオとフェリックス・サバールは1820年10月に電流による磁場の強さを求める実験を開始して、定常電流のまわりの磁場について次の法則を発見した。 電流Iが流れている導線のΔSの長さ部分は、それから距離r離れた場所に以下の値で示される磁場
このページを印刷される方はこちらのバージョンをご利用下さい。ブラウザーでは見にくいのですが印刷は鮮明です。 アボガドロ定数の測定法 導入.アボガドロ数測定の核心 高等学校で習うように、アボガドロ数が数えられるということは、目に見えないほど小さくて軽い原子や分子の一粒一粒の大きさや、質量が測定できることと同義です。だからアボガドロ数の測定法には様々ありますが、どの測定法でもその測定理論のどこかで原子レベルの大きさ、質量、電気素量また原子数を直接、または間接的に測定する事が必要です。たとえば 放射性崩壊を用いる場合は、崩壊していく原子を一つ一つカウントしなければならない。 電気素量を用いるのであれば粘性流体中の帯電微小油滴の落下の様子が電気素量一つ一つの違いで異なった動きをするところを、これまた顕微鏡で測定しなければならない(ミリカンの油滴の実験) X線回折を用いる方法でも原子の大きさに迫る微
以下の復元図は Derek E.G.Briggs、Douglas H.Erwin、Frederick J.Collier著、Chip Clark写真、Larry Isham、Marianne Collins、他復元図「バージェス頁岩化石図譜」(大野、鈴木、瀬戸口、山口 訳)朝倉書店(2003年)から引用。写真と復元図が素晴らしく、とても欲しくなる本です。
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『FNの高校物理(分野別目次)』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く