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脳や神経系は複雑でわかりにくい器官だが、神経細胞の働きは少しずつ解ってきた。中でも軸索を伝わる神経信号のメカニズムは今日かなり良く解っている。しかし高校生物ではきちんと説明されていない。そのあたりをB.Alberts 他共著「細胞の分子生物学」、D.L.Nelson他共著「レーニンジャーの新生化学(第3版)」、J.Darnell他共著「分子細胞生物学」等を参照して説明します。ここの本質は高校物理で習う平衡板コンデンサーの理論です。 1.神経細胞 (1)形と働き 最初に神経細胞について復習する。場所により形はかなり異なるが、以下の4つの部分からなる事は共通している。 神経細胞の軸索の末端の枝がシナプスと呼ばれる結合部位を通じて他の細胞の細胞体や樹状突起に信号を送る。沢山の細胞からの信号が樹状突起を通して神経細胞の細胞体に送られる。それらの信号の集約したものがある閾値を越えると軸索に信号が送り
複素積分を手短に復習する為のページです。別の稿で利用するために作りました。 1.複素積分 (1)複素関数の積分 f(z)はある領域Dで連続であるとし、その領域内に2点A、Bをとり、これを一つの曲線Cで結ぶ。曲線Cをn等分し、AからBに向かって純にz1、z2、z3、・・・、zn-1をとり、これらの点で区切られる曲線の各部分の上に、任意の点ζ1、ζ2、・・・・、ζnをとる。そのとき次の和のことを積分路Cに沿ったf(z)の複素積分と呼ぶ。 このとき と置けば、実数の積分の定義より が成り立つことが言えるが、実数の線積分が有限確定値に収束することが証明できているので、上記の複素積分も有限確定値に収束することが証明できる。[証明は省略] 積分路Cが点aを中心とする円の場合、以下の式が成り立つ。 (2)コーシーの定理 次は複素積分について最も重要な定理です。 f(z)が閉曲線Cで囲まれた領域SおよびC
話を簡単にするために、流体はz方向には一様でx、y平面上でのみ変化する二次元の流体運動を議論する。そのとき流量や運動を支配する力を取り扱うときは、すべてz方向に単位の厚さを持つ流体の部分について考える。二次元流を考えるのは微分方程式の意味が三次元の場合よりも圧倒的に理解しやすいからです。 さらに、本文中で述べる流線関数Ψや速度ポテンシャルΦの値ををz軸方向に取るとxy平面上での流れの様子を、ΨやΦの曲面の等高線をxy平面上へ射影した曲線を用いて図的・視覚的に解りやすく表現できるからです。 そしてなにより、現実の流れにおいて二次元の取り扱いで十分その本質を説明できる重要な問題(「カルマン渦列」「二次元翼理論」「二次元表面波」など)がたくさんあるからです。 また非圧縮性流体を取り扱うのは圧縮性を考慮すると極めて難しく成るからです。水の様な液体の場合は非圧縮性の取り扱いでほぼ間違いないし、気体状
電磁気学の単位系が難しいのは、何種類もの単位系が並立することの中に電磁気学の本質があるからです。 1.単位系の分類 (1)単位系の種類 歴史的に多くの単位系が提案され用いられてきたが、それらの中で理解しておかねばならないものは下記の四つです。 (1)静電単位系 (2)電磁単位系 (3)ガウス単位系 (4)MKSA単位系(いわゆる国際(SI)単位系) このうち(1)~(3)はCGS単位(cm、g、s)で、(4)はMKS単位(m、kg、s)で表わされる。(1)(2)は歴史的な意味しか無いと思うかも知れないが、(1)と(2)の単位系の定義には電磁気学の根幹に関わる事柄が含まれており、また今日用いられている(4)のMKSA単位系は(2)の電磁単位系が発展したものであるからこれらは必須の習得すべき単位系です。 同種と考えられる量でも、単位系によって次元と数字係数が異なり、電磁気の諸法則(マクスウェル
大空へ飛翔することは人類の最大の夢でした。その夢に挑戦した人々の話です。 1.流体力学の課題 流体力学の最大の課題は 1.流体中を移動する物体に働く抗力や管や水路の中を流れる流体の抵抗のメカニズムを明らかにすること。 2.翼に揚力が発生するメカニズムを解明すること。 です。 1.の問題は流体が絡むあらゆる現象に関係しており、化学工学、土木工学、機械工学、航空工学、地球物理学、気象学、海洋学、天体物理学・・・等々の多くの分野に絡んできて応用上最も重要です。 2.は飛行機の翼の生み出す効果の解明です。航空工学の最大の課題だと言って良いでしょう。空を飛ぶ機械を作ることは人類の最大の夢だったのですから。また翼の持つ優れた機能はは各種流体機械の広い範囲[プロペラ、スクリュー、風車、蒸気タービン、ガスタービン、ジェットエンジン、タービンポンプ、等々・・・]で利用されておりその性質の究明はきわめて重要で
物理量の数値表現で重要な有効数字(有効桁数)についの説明です。つまり、なぜ 1320000 ではなくて 1.32×106 と表現するか?その理由を説明します。 1.有効桁数の意味 有効数字とは何か、またどうやって有効桁数を数えるのか、例を用いて説明する。 有効桁数3桁 有効桁数3桁とは元になる数字の大きさに対して誤差が100分の1以下になる様な数値表現のことである。以下述べるように数字で表現されている最小桁の次の■の値が0~9のどれになるか解らないから誤差が生じるのであるから となる。このとき 0.0132 と 13.2 とでは数値の絶対的な大きさはまったく異なるが、信頼できる数値の桁数はどちらも3桁である。それを有効桁数という。 有効桁数5桁 同様に考えると、以下の二つの数値例の全体に対する誤差の割合はいずれも10000分の1以下だから、有効桁数は5桁となる。 この二つの例の考察から明ら
地球温暖化に伴い暑い夏が続くであろうと予想される昨今、冷房用空調機や家庭用冷凍冷蔵庫は切実な関心事です。ここでは冷凍サイクル(冷凍機と熱ポンプ)について説明します。ガス動力サイクル(「熱機関の効率(ガス動力サイクル)」2.)と蒸気動力サイクル(「熱機関の効率(蒸気動力サイクル)」4.)については別稿で説明しましたのでそちらを御覧ください。 絶対温度・エントロピー・熱効率について馴染みの無い方は、先に「絶対温度とは何か(積分因子とは何か)」をお読み下さい。一般的な準備事項については「熱機関の効率(ガス動力サイクル)」1.導入・準備と「熱機関の効率(蒸気動力サイクル)」3.準備お読み下さい。また、「冷凍・低温技術の歴史」と「ファン・デル・ワールスの状態方程式(クラウジウス=クラペイロンの式、ジュール=トムソン効果)」に関連事柄を記載しておりますので適宜御覧下さい。 1.成績係数 (1)成績係数
1.翼理論の芽生え 大空へ飛翔することは人類の最大の夢でした。その実現には翼の持つ性質の理解が必須です。ここでは流体中を移動する翼が生み出す揚力のメカニズムを説明します。 翼幅(スパン)が有限な翼(三次元翼と言う)の議論はかなり難しくなるため、ここでは翼幅が無限に長く翼のまわりの流れが二次元的に解析できる二次元翼に限って議論します。三次元翼については別稿で説明します。 揚力とは何かを理解するためには、翼の持つ特性が次第に明らかにされてきた歴史的な流れを把握しておくことが必要です。導入として最初に別稿「翼理論の芽生え(リリエンタール、ラングレー、ライト兄弟の飛行)」を御覧下さい。 2.循環理論の芽生え 二次元翼翼理論では循環という概念が中心的な役割を果たしますので、まずその説明から始めます。翼理論への最初の貢献はおそらく1852年にマグナスが観察した事実です。 (1)ハインリッヒ・マグナス(
光の三原色と色材(絵の具)の三原色が異なることは良く知られている。なぜ異なるのか、その違いの意味するところを説明します。 また絵の具の三原色を誤って青と赤と黄色としている教科書がありますが、正しくはシアン(空色)とマゼンタ(赤紫)と黄色です。その理由も説明します。 1.光の三原色 (1)三原色 光の三原色は赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)です。そして赤(Red)と緑(Green)の光が混ざると黄(Yellow)、緑(Green)と青(Blue)が混ざると空色(Cyan)、青(Blue)と赤(Red)が混ざると赤紫(Magenta)、赤緑青すべてが混ざると白(White)になる。光は原色の色を混ぜるほど色が明くる区なり、三原色を加えると白くなる。下図は、光の三原色を混ぜたときの様子を示している。 上図には示されていないが、光の場合には赤・緑・青の3つの色の強度を変えて混ぜ合わせ
このページを印刷される方はこちらのバージョンをご利用下さい。ブラウザーでは見にくいのですが印刷は鮮明です。 ボーアの水素原子モデル(1913年) ボーアの原子モデルは高校物理の最後で習います。しかし教科書の説明は今ひとつわかりません。そのわからない所を説明します。ここでは電磁気学の単位系として高校物理でお馴染みのMKSA有理化単位系を用いています。 1.量子条件と振動数条件 すべての出発点は[ラザフォードの原子模型]と[ニュートンの運動法則F=ma]である。それに[電気のクーロン法則]と[円運動の向心加速度式]を適用する。(ラザフォードの原子模型はこちらを参照。またラザフォード模型の困難の詳細はこちらを参照) つまり(B)式は原子がみな同じ大きさを持つべき事実を説明するために導入された。(同一種の原子がみな同じ大きさだということは当時常識となっていた) (A)式はラザフォードの原子模型から
放射能や吸収線量の測定単位はかなり込み入っています。放射線の測定単位の基本は放射線を出す側についてのベクレルですが、原発事故では放射線を受ける側に関係するグレイ、シーベルトが最も関心のある処です。 1.放射能(ベクレル[Bq]) (1)定義 原子核が毎秒1個の割合で崩壊する放射能の強さを1ベクレル[Bq]と言います。個数は無次元量なので単位は[1/s]です。 ここで忘れてはならないことは、ベクレル単位は放射線を出す側に関係する単位であり、その意味は単位時間[1s]当たりの崩壊数であることです。 そのためどれだけの範囲に存在する放射性物質についての値であるかを明示しないと、放射能が何々ベクレルと言っただけでは、放射能汚染の程度をはかる上で全く意味がありません。 たとえば地表に沈着して汚染している放射性物質については、1[cm2]or1平方メータ[m2]or1平方キロメートル[km2]当たりに
高校物理の電流のところで「オームの法則」や「抵抗での電力消費」を習います。そのとき電力を発電所から遠隔地に送るには一旦電圧を上げて高電圧で送ると送電損失が少なく有利だとならいます。ところがその有利さがなかなか理解できません。そこの所をわかりやすく説明します。 1.簡単な説明 後藤尚久氏の講談社ブルーバックス「図説・電流とはなにか」P112~114が非常に解りやすいのでここに採録します。銅の抵抗率ρ=1.72×10-8Ωm程度だから断面積1cm2、長さ10kmの送電線の抵抗Rは となる。(下図参照) ここで100000W=100kWの電力を送電する場合を考える。電力P=VI だから10000Vの電圧で送ると10A、1000Vで送ると100Aの電流を流さねばならない。 このとき10000Vで送電する場合AB、CD間の電圧降下はV=RI=1.72×10=17.2Vとなり、ここでの電力消費はP=V
ご来訪ありがとうございます。このHPは、高校の理科教員をしていたとき、授業の補講用に2002年5月から作り始めたものです。2009年に定年退職しましたが継続しています。 最新更新情報 2023/10/20 光の屈折(水中の物体の見え方)(2009年版に追記) 2023/10/10 パレスチナとイスラエルの戦闘を愁う(2021/5/17、 2023/10/10追記) 2023/09/19 ギブズの自由エネルギー(化学ポテンシャル)とは何か(2014年版を改訂) 2023/09/12 電気化学ポテンシャルと熱力学第三法則(ネルンストの熱定理)(2014年版を改訂) (1)力学 楕円軌道の発見と万有引力の法則(「プリンキピア」の説明) ニュートンの「プリンキピア」第Ⅰ編第1章~第3章の説明です。ファインマンの証明も説明しています。 キャベンディシュの地球の重さ測定実験(1798年)における”ねじ
このページを印刷される方はこちらのバージョンをご利用下さい。ブラウザーでは見にくいのですが印刷は鮮明です。 キャベンディッシュの地球の重さ測定実験(1798年)における”ねじり秤”について 1.はじめに 重力定数を定めたキャベンディシュ(H.Cavendish)の実験は実際のところ、その当時すでに疑う余地のないほど確かなこととなっていた万物が引力を持つことや、その逆二乗法則を示すために行なわれたのではなくて、地球の重さを知りたい。そのための正確な重力定数の値を得たいがために行なわれた。そしてその当時までに得られていた重力定数の値1),2)とは、その精度において比較にならないほど正確な値を得ることができたという所にその実験の意義があった。そして.その精度の達成に“ねじり秤”が本質的な役割を果たした。しかしねじり秤の威力を持ってしても引力は非常に小さく、その実験は非常に微妙なものだった。なぜね
「黒体の総放射(すべての振動数を含む)エネルギーは絶対温度Tの4乗に比例する」という法則。シュテファン(J.Stefan 1839-93)が1879年に実験的に見出し、弟子のボルツマン(Ludwig Boltzmann 1844-1906)が1884年に熱力学の理論からこれを導いた。この法則により、黒体の単位表面積から単位時間に半空間に放射される放射エネルギーSはS=σT4で与えられる。この比例定数σ=5.67×10-8W/m2・K4をシュテファン‐ボルツマン定数と言う。 ボルツマンは空洞に閉じこめられた輻射場について熱力学的な考察をする極めて巧妙な方法で、この法則を導いたのですが、そのとき必要になるのが輻射場の圧力の概念ですので、これから始めます。 1.輻射場の圧力 輻射を完全に反射する完全導体の壁で囲まれた空洞が輻射で満たされているとき、輻射が壁に及ぼす圧力pは、空洞内の単位体積当たり
HOME 1.人力機 2.翼芽生え 3.二次元 4.三次元導入(1)渦と抵抗(2)揚力と地面圧力(3)吹き下ろし(4)分離面 5.揚力線理論(1)循環(2)翼型[ 楕円翼 矩形翼 taper翼 ](3)極小(4)アスペクト比 6.付録 7.文献 人力飛行機を実現する原理[プラントルの揚力線理論] (アスペクト比と揚力/誘導抗力比) 翼のアスペクト比を大きくすれば揚力/誘導抗力比を改善できます。ここでは、そのメカニズムを解明したプラントルの揚力線理論(1918年)を説明します。 1.人力飛行機 人力飛行機の研究・制作に関しては永い永い歴史がありますが、人力で空を飛ぶことを真の意味で実現した人はポール・マクリーディ(Paul B MacCready)であると言って良いでしょう。彼は、1977年8月23日にクレーマー賞を獲得することになった飛行を実現したゴサマー・コンドル号を制作し
流れが絡む多くの場面に出現し重大な影響を与える有名な渦列の説明です。この現象を理解するにはかなりの準備が必要ですが、なにとぞ御容赦ください。渦についてなじみのない方は、先に別稿「二次元・非圧縮性・完全流体の力学(ラグランジュの渦定理とは何か)」をお読み下さい。 1.渦列とは (1)渦列が生じるメカニズム 1.渦シート 流れの中に物体を置くと、物体の背後に回り込む角の部分では、流速は無限大、圧力は負の無限大になる。 これは運動方程式から導かれたラグランジュの渦定理を適応した渦なし完全流体の流れに対する連続の方程式の要請によるものです。 しかしそのような状況は物理的には不可能です。実際には角の部分で急に曲がるような流れは起こらないで、いわゆ止水領域が形成される。 流体が静止した陰の部分(止水部)が物体の背後にでき、流れはその表面を滑って流れようとする。そのとき止水部と物体の周りを流れて去って行
鉄は鐵とも書く。これは”金(カネ)の王なる哉(カナ(感嘆の助辞))”という意味で、例えば新日本製鐵株式会社の社名に、自分たちが工業の根幹を支える産業であるという自負と気概を感じる。それゆえ製鉄の歴史は面白い。その面白さ伝えたい。図は最後に掲げる参考書から引用した。 [2012年11月追記] 新日本製鐵株式会社は、2012年10月1日に住友金属工業株式会社と合併されて、新日鐵住金株式会社となられました。それに伴いまして第7章で引用していた刊行物のURLが変更になっています。合併前の技術系刊行物はhttp://www.nssmc.com/company/publications/monthly-nsc/index.htmlにて紹介されています。引用したもの以外にも貴重な情報が有りますので、こちらのURLをぜひ参照されて下さい。 [2019年4月追記] 新日鐵住金株式会社は2019年4月に社名を
ここでは作動流体が蒸発と凝縮を交互に繰り返す蒸気動力サイクルについて説明します。ガス動力サイクルと冷凍サイクルについては、別稿「熱機関の効率(ガス動力サイクル)」2.と「熱機関の効率(冷凍サイクル)」で説明しましたのでそちらを御覧下さい。絶対温度・エントロピー・熱効率について馴染みの無い方は、先に別稿「絶対温度とは何か(積分因子とは何か)」をお読み下さい。一般的な準備事項については別稿「熱機関の効率(ガス動力サイクル)」1.をお読み下さい。、 熱効率は絶対温度K(ケルビン)が深く関係します。しかしここでは多くのグラフを工学の慣習に従って摂氏温度℃で表現していますので、計算するときに注意して下さい。 またほとんどの結果は単位質量について計算したものです。それを明示するために示量性変数は小文字で記しています。大文字で表した示量性変数は装置全体についての量だと思って下さい。 3.蒸気サイクルのた
熱機関は熱力学の最も重要で興味深い応用分野です。できるだけ解りやすく説明します。 絶対温度・エントロピー・効率について馴染みの無い方は、先に別項「絶対温度とは何か(積分因子とは何か)」をお読み下さい。ここでの議論はそこの「まとめ」で説明した、最初からt=T、dT/dt=1と置くものです。そのためここでの温度は、すべて-273.15℃を0Kと置く絶対温度Tです。 また以下の議論は作業物質の単位質量当たりについてのものです。そのことを明示するために絶対温度T以外の物理量は小文字で記します。大文字は装置全体についての量だと思って下さい。 物理学では定圧比熱cpと定積比熱cvの比をγ(ガンマ)を用いて表しますが、工学では、圧縮比:r=vmax/vminとの混同を防ぐために、κ(カッパ)を用います。ここでは工学の慣習に従って比熱比:κ=cp/cvとする。 蒸気動力サイクルと冷凍サイクルにつきましては
1.放射性物質の量が指数関数で表される理由 放射能というのは、井戸型のポテンシャルの中で右往左往している核子(特にヘリウムの原子核の塊が安定)が確率論的にたまたま大きなエネルギーを得て、その井戸から飛び出すのにたとえることができる。 それは丁度、たくさんのサイコロを準備して(その数がt=0で存在する放射性元素の数N0とみなせる)、サイコロを転がす事が核子の乱雑な運動であり、それを何回も行うことが時間の経過を表すと考えることができる。すべてのサイコロを同時に、1秒に1回の割合で転がし、1の目が出たサイコロは別な元素へ崩壊したと考えて取り除くとする。そうすると となるが、この様子をグラフにすると以下の様になる。 以上の議論で崩壊の確率を1/6にしたことや、サイコロを1秒間に1回の割合で振ったことは重要でない。いずれにしても必ず の形で表される。 2.半減期と物理量の関係 上記の公式から以下の事
高校で習う静電気学の最も興味ある応用が雷の科学で、自然探究の醍醐味を教えてくれる。参考文献に記した本を参考にして説明する。 1.大気の電位と電界強度 (1)大気の電位 晴れた天気の良い日には、地表や海面から上空に移動するにつれて1m当たり100Vくらいの割合で増大する電位勾配が存在する(下左図)ことが知られている。この大気電位の存在は1700年代の後半から様々な人々(Lemonnier、Volta、Kelvin、・・・)により明らかにされ研究されてきた。我々自身は、人体が電気の良伝導体のために地表と等電位(下右図)になり、その電位差を実感する事ができない。そのためこの事実に驚かされるが、この電位勾配は晴天時には地球上のどこの大気にもほぼ普遍的に存在する。(大気電気学では普通下向き電界を正、上向き電界を負とするので以後注意) この電位勾配は簡単な実験で測定する事ができる。 一つの方法は、二つ
このページを印刷される方はこちらのバージョンをご利用下さい。ブラウザーでは見にくいのですが印刷は鮮明です。 ラザフォードのα線散乱実験と有核原子モデル(1911年) ラザフォードの原子模型(有核原子モデル)の根拠となった有名な実験の説明です。原子核の存在を確信する鍵は、なぜトムソンの原子モデルではα粒子の大角度散乱を説明できないのかを理解するところにあります。このページは様々な文献を参考にして作りました。 1.α線の本性 ウラニウムからでる放射線は物質をよく透過する性質と気体をイオン化する性質をもっている。ラザフォードは放射線に、透過性の弱いものと強いものがあることをみとめ、透過性の弱い方をα線、強い方をβ線と呼んだ。(E.Rutherford、Phil.Mag.47(1899)、109) α線の物質による吸収の性質から、α線は正電気をおびた粒子(α粒子)と考えた。(R.J.Strutt、
1.RLC直列回路 (1)キルヒホッフの法則 電気工学の大部分の問題はゆるやかに変化する場に関するものである。ゆるやかに変化する場とは振動の一周期の間に光りが進む距離が、装置の大きさに比べると遙かに大きいと言うことである。つまり回路のあるところで起こった変化は瞬時に回路全体に及び、回路を構成する各部分は互いに力の関係を調整しあって同期して動く。 だから交流により回路中を右往左往する電荷も、各瞬間瞬間を見れば力はつり合っており、電荷に働く合力は常に零であると見なせる。実際はごく僅かの力のバランスの崩れが電流や電位を変動させるのだが、各瞬間のそれらの変化を実現するために動く電気量は、回路全体を流れる電流の電気量に比較したら無視できるほど少量であり、また各瞬間の各部分の電位を実現するための電荷分布のやり直しに要する時間は、交流の変動周期に比較したら無視できるくらいに短い時間におこなわれる。 つま
ナンバ走りの本質 ナンバ走りの本質を図で説明します。これは古武術研究家の甲野善紀氏が早くから色々な書物で紹介されており、最近では桐朋高校のバスケットボール部が取り入れて成果を上げたことで有名になった走り方です。 甲野氏の書かれたものや桐朋高校の金田伸夫氏が書かれた本やビデオを見て、色々試していたのですが、最近(2003年)そのメカニズムが解ったので報告します。以下の議論には矢野龍彦、金田伸夫、織田淳太郎 共著「ナンバ走り」光文社新書 が参考になるので購入されて参照されることを勧める。 (1)普通の走りのイメージ 最初に今まで良いとされてきた走り方について復習しておく。今までの走り方は右(左)足で地面を蹴るときには右(左)手を前に振りだし、右(左)足を前に運ぶときは右(左)手を後ろに振るといったふうに、足と手を逆に動かす走りだった。なぜこのような走りが良いとされたのか?それはおそらく以下の2
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