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最近Apemanさん、hokusyuさんの周辺で盛り上がっているトリアージ・ホロコースト論争。各氏の意見を興味深く拝読しているのだけれど、ホロコーストについて疎いのもあって議論内容の三割位しか理解出来ていない。近いうちに議論の中で取り上げられている本*1の中からどれか読もうと思う。 さて、その代わり、というわけではないが、ハンス・ペーター・リヒター「あのころはフリードリヒがいた」を少し前に読んだ。これは別に今回の議論とは関係なく、ミクシィでとある方が日記で取り上げられていたのがきっかけだったのだけれど。 あのころはフリードリヒがいた (岩波少年文庫 (520)) 作者: ハンス・ペーター・リヒター,上田真而子,岩淵慶造出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2000/06/16メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 200回この商品を含むブログ (33件) を見る ナチスドイツによるユダ
今より人種差別がもっと酷かった頃の1950年代のアメリカで、一人の黒人女性がバスで白人に席を譲るのを拒否し、逮捕された。彼女の名前は、ローザ・パークス。 http://www2.netdoor.com/~takano/civil_rights/civil_04.html 黒人が白人に座席を譲るのが「当然」だった時代、それを拒否するのは「非常識」な行為だっただろうし、その上危険でもあったろう。現に彼女は逮捕されたし、あるいは殺されて「奇妙な果実」として吊るされても不思議ではなかった。「黒人であるという理由で白人に席を譲ることを拒否する」という、今思えば実にささやかな、慎ましやかな行為は、その意味で無謀だったと言える。 それから50年以上経った現在の日本の話。「朝鮮人は出ていけー!」などとヘイトスピーチを公然と撒き散らす団体(在特会)の「デモ」に、たった一人で抗議のメッセージを掲げた在日韓国人
図書館で借りた「<日本人>の境界」をようやっと(返却期限ギリギリで)読み終えた。 「日本人」の境界―沖縄・アイヌ・台湾・朝鮮 植民地支配から復帰運動まで 作者: 小熊英二出版社/メーカー: 新曜社発売日: 1998/07/01メディア: 単行本購入: 9人 クリック: 67回この商品を含むブログ (75件) を見る で、k3altさんのブログを覗いてみたら「日本人って何だろう」という記事を書いておられて、奇妙な縁と共時性を感じると同時に、そのコメント欄を読みながら「今も昔も変わんねえな」と、しばし感慨にふけった。 タイトルにあるように、この本は明治以降「日本人」と「非日本人」の境界に置かれた人々―ある時は「日本人」として取り込まれ(包摂され)、ある時は「非日本人」として排除されたアイヌ、沖縄・台湾・朝鮮出身者―の歴史について書かれている。自分が勉強不足なせいもあってか、初めて知った事実も多
今日、「マンガ嫌韓流4」が発売したらしい。まだ読んではいないが、k3altさんのこの記事を読む限り、まあ、ロクでもないわな。 ということで「発売記念」というわけではないが、以前ミクシィに書いたマンガ嫌韓流の強制連行否定論の検証記事に加筆したものを再掲しておく。 まず「マンガ嫌韓流」の強制連行についての主張は以下の通り。 1.終戦直後には200万人の朝鮮人がいたが、この200万人の朝鮮人は強制連行で日本に連れてこられたわけではない。もし強制連行でやって来た朝鮮人がいたとしてもみんな帰っていったはず。(p83・85) 2.当時「強制連行」という名の政策はなかった。「強制連行」とは朴慶植の「朝鮮人強制連行の記録」(1965年)という本により広まった戦後の造語だ(p85・86)。 3.朴慶植は鎌田沢一郎の「朝鮮新話」の引用に際し、「但総督がそれまで強行せよと命じたわけではないが、上司の鼻息を窺ふ朝
最近の「ミサイル報道」騒動*1やデヴィ夫人の件の盛り上がりで思い出したこと。 一時期、2ちゃんねるなどで、以下のようなコピペが出回っていた。 井筒名言集 日本は北朝鮮に経済制裁とかするな。横田めぐみはパーになって自殺したんやから諦めろ。 だから経済制裁なんか北朝鮮にケンカ売るようなもんや。 だいたい軟弱日本人が侵略戦争で解放された朝鮮人にケンカで勝てる訳がないやろ。制裁叫んでたら戦争や。 絶対に絶対に勝てない。 昔から朝鮮高校生にケンカ売って勝てる訳なかったやろが?安倍も小泉も俺の映画見て勉強せいや蛆虫。 さて、井筒監督は本当にこんな酷い発言をしたのだろうか。このコピペの元ネタがこちら。 ホンマにええんかなあ?ホンマにホンマ、月亭可朝やないけど、ホンマにそれでラチがあくのかな?北朝鮮に…経済制裁、騒がしい限りやね。制裁、制裁の一点張り。そもそも北朝鮮なんて国名はないし、ノースコリアはアメリ
前回に引き続き、もうひとつ「“ようこそ”と言える日本へ」から、入管の実態について書かれた箇所を引用する。 これは、やはり土井さんが関わったアフガニスタン人の話。彼らはアフガニスタンで少数派のハザラ人(ほとんどがシーア派)。ハザラ人はアフガニスタンで差別・迫害されてきた歴史があるため、ほとんどの国で難民として認められている。にも関わらず彼らは強制収容され、一度は解放されたものの、再収容されてしまう。 クリスマスと正月を収容所で越すアフガニスタン人たちが不憫で、私は何度も収容所に面会に行きました。モハマドさんは再収容のショックから摂食障害に陥りました。そして、精神的にも肉体的にも健康はみるみるむしばまれ、日に一○―二○錠もの薬を処方されるようになりました。一週間で数キロも体重が減ってしまいました。 私は最初、彼がハンガーストライキをしているのかと思い、モハマドさんに面会して「ご飯を食べて欲しい
もっと前に取り上げる予定だった話題。 強制退去目前の中国人男性、東京入国管理局収容所内で自殺―東京 1日、東京入国管理局は収容していた中国人男性(36)が先月20日、自殺を図り、翌日死亡する事件があったと発表した。(…) 2009年4月1日、華字紙・中文導報のウェブサイトによると、東京入国管理局は収容していた中国人男性(36)が先月20日、自殺を図り、翌日死亡する事件があったと発表した。中国新聞網が伝えた。 死亡したのは遼寧省出身の楊維剛(ヤン・ウェイガン)さん。1月30日に収容された後、自主帰国を拒否したため、強制退去の手続きが取られていた。楊さんは先月20日午前9時ごろ、収容されていた部屋にあった電気ポットのコードを利用して自殺を図っているのを発見され、すぐに近くの病院に運ばれたが、翌21日未明に死亡が確認された。 楊さんには昨年来日した妻のほか、中国に10代の息子と年老いて病気がちな
mujigeさんも触れているが、明日蕨市で行われる「在日特権を許さない市民の会」のデモに関連して、瀬戸弘幸がこんなことを書いている↓。 「この蕨市にはまったく遵法精神がありません」 「このような市は勝手に滅んでしまえば良いと思います」 http://blog.livedoor.jp/the_radical_right/archives/52212592.html >このような市は勝手に滅んでしまえば良いと思います >このような市は勝手に滅んでしまえば良いと思います >このような市は勝手に滅んでしまえば良いと思います ・・・・・・保守?愛国?馬鹿も休み休み言いたまえよ。 このウスラトンカチは蕨市市議会が全会一致で一家の在留特別許可を求める意見書を採択したことに対して「遵法精神というものがありません」と言っているようだが、「在留特別許可」は不法滞在者、不法入国者の中で特別な事情があると判断され
buyobuyoさんの「そもそも北朝鮮籍なんてない件」に関連して。 このこと、つまり「朝鮮籍」と「北朝鮮国籍」が全く違うものであることは、映画「ディア・ピョンヤン」のパンフレットの解説文で初めて知った*1。 Dear Pyongyang - ディア・ピョンヤン [DVD] 出版社/メーカー: video maker(VC/DAS)(D)発売日: 2007/07/08メディア: DVD購入: 1人 クリック: 31回この商品を含むブログ (22件) を見る つまり、自分がこのことを知ったのは割と最近のことなので、あまり偉そうなことを言える立場ではない。これについてはすでにネット上でも色々な方が書かれていることではあるのだが、まだ知らない人も少なくないようだし、ネット上の情報が増えるに越したことはないだろう、ということで、以前ある場所で書いたものをコピペしておく。 1910年の韓国併合で「日本
2009年3月16日、第59回ベルリン国際映画祭でプレミア上映され、高い評価を受けた映画「ジョン・ラーベ」が、来月28日から中国本土で公開されることが決まった。17日付で東方早報が伝えた。 中国・フランス・ドイツ合作の映画「ジョン・ラーベ」(フローリアン・ガレンベルガー監督)は、1937年の旧日本軍による南京攻略戦の際、多くの中国民間人を助けた“南京のシンドラー”ことドイツ人実業家のジョン・ラーベを描いた作品。日本軍将校2人による「百人斬り競争」など残虐シーンも多く盛り込まれている。 同作品はベルリンで年に1度開催されるドイツ映画界の最高峰、ドイツ映画賞(ローラ賞)で7部門にノミネートされた。日本からは香川照之や柄本明らが将校役で出演している。 http://www.recordchina.co.jp/group/g29604.html この映画、どうやら日本公開の予定は立っていないような
以下は2008年3月12日号の「ニューズウィーク日本版」に掲載された、映画「ジョン・ラーベ」の監督フローリアン・ガレンベルガーと、朝香宮鳩彦役で出演した香川照之のインタビュー。元々ミクシィの『映画『ジョン・ラーベ』が観たい』コミュで紹介したのだけれど、せっかくなのでこちらでも紹介しておく。 「日本人を糾弾する映画ではない」 監督 作品への思いと知られざる舞台裏 2001年にメキシコを舞台裏にした『キエロ・セール』で米アカデミー賞の短編実写映画賞を受賞したドイツ出身の監督フローリアン・ガレンベルガー。今回の『ジョン・ラーベ』にかける思いなどを本誌アレグザンドラ・セノが聞いた。 ――監督、そして脚本家としてジョン・ラーベという人物をどう表現した? ジョン・ラーベという人は矛盾に満ちていた。彼は1937年当時の典型的なドイツ人だった。当時のドイツの人々は、中国人に対して優越感をいだいていた。一方
以前取り上げたセンター入試の件に、案の定「つくる会」が飛び付いてきた。 新しい歴史教科書をつくる会(藤岡信勝会長)は12日、大学入試センターに対し、先月行われたセンター試験の日本史問題について「南京での虐殺事件や、関東軍による張作霖爆殺事件など、学会でも異説がある事柄を歴史事実として扱っており、入試問題として不適切」とする申し入れ書を送付した。2月末までに見解を示すよう求めている。 設問では、3つの文章を年代順に並び替えることを求め、「日本軍が南京を占領するに際し、捕虜や非戦闘員を殺害」「関東軍参謀河本大作らが、張作霖を奉天郊外において爆殺」などが挙げられていた。 同会は「南京で虐殺事件が起き、河本大作が爆殺の実行犯と断定しなければ解答できず、特定の歴史認識を強要、誘導する設問」と指摘している。 http://sankei.jp.msn.com/life/education/090212/
こちらで少し触れた、2004年のセンター入試で「朝鮮人強制連行」に関する問題が出題された件だが、秦郁彦氏が著書「歪められる日本現代史」*1でこのことに触れている。 歪められる日本現代史 作者: 秦郁彦出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2006/01メディア: 単行本 クリック: 7回この商品を含むブログ (5件) を見る 秦氏は、この試験で「不適切な設問があったため、不利益を蒙ったとして」受験生の一人が地裁に仮処分を申請(こちらは却下されたらしい)し、また七月に早大新入生ら七人がセンターを提訴したことを紹介し*2、「しかし強制連行の定義について論争があることを知っている受験生なら、『歴史的事実に反し思想良心の自由を踏みにじられた』(仮処分の訴状)とか、『一種の踏み絵』と不快に感じてもふしぎはない」(p67)と書く。 しかしこれは贔屓の引き倒しというものだろう。前に紹介したように、今
昨日行われたセンター入試の日本史Bにおいて、次の問題が出題された。 第6問 問 4 (…)1920年代から30年代にかけての日本軍の国外活動に関して述べた次の文I〜IIIについて、古いものから年代順に正しく配列したものを、下の(1)〜(6)のうちから一つ選べ。 I 日本軍が中国の都市南京を占領するに際して、捕虜や非戦闘員を殺害する事件が起きた。 II 中国東北部での日本軍の活動に対して、国際連盟からリットン調査団が派遣された。 III 関東軍参謀河本大作らが、中国軍閥の一人である張作霖を、奉天郊外において爆殺した。 (選択肢は省略) 思い返せば2004年のセンター試験の世界史で「強制連行」の問題が出題され、それに対して藤岡信勝が1月22日付産経新聞の「正論」欄および雑誌「正論」2004年4月号にて異議申し立てを行い、「新しい教科書をつくる会」は、大学入試センターに対し、問題作成者の氏名の公
「強制連行」に関する証言というと、とにかく日本の悪口ばかり、登場する日本人は朝鮮人を差別する酷い人ばかり、というイメージがあるかもしれない。 確かにそういう傾向があるのは確かだが、中には良心的な日本人や、朝鮮人に対して好意的な日本人の話も出てくる。 今回紹介するのはそうした日本人の一人、大坪金章氏の証言。大坪氏は負傷して軍隊を除隊後、三井山野鉱業所漆生炭鉱で発破係を務めていた。 私の部下で金山という青年が、ある日、家に訪ねて来た。真面目な青年で、私は最も信用していた。 「先生、折いって相談があります」 そういうと、外のほうばかり気にして落ち着かなかった。 「この部屋には自分だけしかいないから、遠慮せんでいうてよか」 「先生、実は炭鉱というところは、もう一日も勤まりません。早く止めてしまいたい。朝鮮から無理に連れて来られて、残した両親のことが心配です。どうか逃がしてください」 と、片言の日本
以前紹介した「百萬人の身世打鈴」には、戦時動員体験者の他、様々な一世の証言が寄せられている。次の朴四甲さんの証言は、その中でも印象に残ったひとつ。 1927年生まれの朴さんは五歳の時、両親と弟、父方の祖父と共に渡日。しかしまもなく両親と弟が死去。彼は祖父と十五歳年上の従兄弟と共に暮らすことになる。 小学校、高等小学校、中学校へと進みました。中学校は保善中学校といって、安田財閥が経営していた学校でした。その間中、考えていたことは軍隊に志願することでした。そのことで人間扱いされるしかない、と。屈折した軍国少年でした。 今考えると、腹の立つことばかり。ともかく朝鮮人と呼ばれたことないからね。「半島だ」、それから「鮮」。今でも覚えているけれど。 「朝鮮の朝は朝廷の朝につながるからナッ、おまっち呼ぶのによお、朝鮮て呼べねえんだよ」。 はあーッ、なるほどなあと思ったね。 わたしは学校をずーっと朴四甲の
前回紹介した話は、「ちょっと良い話」ではあるが、朝鮮人戦時動員にまつわる話では、やはり悲惨な話、いたましい話が圧倒的に多い。 朝鮮人戦時動員について少しでも調べれば、当時朝鮮人に対する苛烈なリンチの例は、それこそ掃いて捨てるほど出てくる。以下は「消された朝鮮人強制連行の記録」に登場する古河鉱業所の大峰炭鉱の日本人労務係の証言。彼は昭和十九年三月十九日の朝、李山という労働者が仲間の金を盗んで逃亡しようとしたのに気付き、「叩かないことにはしめしがつかん」ため、三十分ほど李山を叩く。以下はその後の記述(太字による強調は引用者。また本文では労務係の実名が書かれているが、ここでは伏せ字にした)。 「○○さん、死んだぞ!」 その声を聞いても李山とは考えないで、寮生の誰かが事故死したと思った。 「おい、誰が死んだとか?」 「決まっとろうが、お前から叩かれた半島たい」 「馬鹿いうな、李山が死ぬわけがなか」
最近、麻生鉱業の捕虜問題が一部で話題になっているが、炭坑と連合軍捕虜というと、林えいだい「消された朝鮮人強制連行の記録 関釜連絡船と火床の坑夫たち」で読んだ次のエピソードを思い出す。 最初に捕虜が収容所に来たのは、一九四三年の四月頃で、水上舎監から話があった。 (中略) 「かわいそうにね」 わしの女房たちは、骨と皮だけに痩せこけた捕虜に対して同情しとりました。 その捕虜を、軍隊が銃剣で追い立てて坑口まで連れて行っとった。日本人が捕虜を見て憎いのと、朝鮮人が捕虜を見て憎いのとはちょっと違う。 わしたちの親とか兄弟が戦死したとなると、少しはその感情は違ったと思うが、いわばどちらも囚われの身だからね、情況というか境遇は同じようなものよ。 「君たちも日本の捕虜か?」 坑内で日本語が話せる捕虜の将校からたずねられて、わしには最初はその意味が理解出来んやった。 「捕虜なんかじゃない、朝鮮人だ」 「捕虜
前回取り上げた雁屋氏の記事にADON-Kという人*1がトラックバックを送っている。 http://adon-k.seesaa.net/article/110996404.html この記事に書かれている内容はネット上の「強制連行」否定論の典型的な例に思えるので、今回はこれについて取り上げる。 どんな資料を見て強制連行や強制労働の記録と言っているのかわかりませんが、いつから炭砿や地下工場で働かせたことが強制労働や強制連行の記録になったのでしょうか? その当時、日本人だって炭坑で働いてる人はたくさんいたでしょ。地下工場で働いている人もたくさんいるでしょ。 最初に言っておくと「炭砿や地下工場で(朝鮮人を)働かせたこと=強制労働や強制連行」ではない。日本で炭鉱労働などに従事していた朝鮮人の中には募集・官斡旋・徴用などの動員政策による者でない自由労働者もいた。こうした人たちは動員政策によって連行され
前の記事に頂いたブックマークをたどっていたら、雁屋哲の美味しんぼ日記 「嫌韓・嫌中について その4」という記事を見つけた。 ここでは雁屋氏に届いた、典型的な嫌韓からのものと思われる投書が紹介されていて、その中に「朝鮮人強制連行も分かっているのは200人程でほとんどが朝鮮からの出稼ぎです」という部分がある。 で、当然雁屋氏はこの点に対してもツッコミを入れ、「この人の書いてきた『200人程度で、ほとんどが朝鮮からのでかせぎです』と言うのは、一体何なのだろう」と嘆いておられるのだが、自分は「ああ、またか」という気持ちになった。 実際、2ちゃんねるやミクシィなどで朝鮮人強制連行の話になると、必ずと言って良い位この「強制連行された朝鮮人は200人くらいしかいなかった」という話が出てくるのだ。 この数字のソースというか根拠は、1959年7月13日の朝日新聞に掲載された、以下の記事と思われる。 大半、自
また、なんともやりきれない事件が起きた。東京のはてなサヨクによる東工大モグリ未遂事件だ。関係当局は事件を徹底的に調べ、糾弾すべきは糾弾してほしい。当然ながらこのはてサは厳罰に処せられるだろう。中学23年生、37歳の中年に一生背負わなくてはならない「ヘタレ」の烙印を押したのだから、これは償いようがない。 以上のことを踏まえたうえで、あえて書かなくてはならない。今年始めの「差分」騒動の再来として、はてな界隈では受け取られている。それは感情論としては分かるのだが、「反はてサ」「自称ポモリベ」勢力が気勢をあげているのは、なんともいかがわしさがにおう。 この事件を持論の正当性のダシにするというのでは、被害中年への思いやりを欠くというものだ。こういう事件を前にしては、人間の尊厳に対してどこまでも誠実でありたい。 「南京大虐殺否定論にも耳を傾けるべきだ」と声高に叫ぶのは言論の自由なのだろうが、そこには責
「アウシュヴィッツと<アウシュヴィッツの嘘>」を読んだ。 アウシュヴィッツと(アウシュヴィッツの嘘) (白水Uブックス) 作者: ティル・バスティアン,石田勇治(他)出版社/メーカー: 白水社発売日: 2005/06/07メディア: 新書購入: 8人 クリック: 42回この商品を含むブログ (20件) を見る 以前Apemanさんがホロコースト否定論と南京事件否定論との類似点というエントリーを書いておられたけれど、実際この本で取り上げられている欧米の「修正派」によるホロコースト否定論と、日本の歴史修正主義的言説には似通った部分が多い。また「修正派」の主張が支持される遠因としての「相殺メンタリティー」についての考察も、日本の歴史修正主義について考える上で興味深い。 その中で、次の記述が気になった。 今日、右翼急進主義者たちの振る舞いは、奇妙なかたちで二つに分裂している。彼らは一方では、なんと
今日、図書館で借りた「朝鮮人強制連行強制労働の記録 北海道・千島・樺太篇」を読了、返却。 朝鮮人強制連行強制労働の記録〈北海道・千島・樺太篇〉 (1974年) 作者: 朝鮮人強制連行真相調査団出版社/メーカー: 現代史出版会発売日: 1974メディア: ?この商品を含むブログ (2件) を見る 非常に多くの資料や証言を元にした研究書で、学ぶところが非常に多かった*1のだけれど、その中に昭和18年8月3日に当時商工大臣だった岸信介が足尾銅山で行った訓示が収録されている(太字による強調は引用者)。 私は只今御紹介を受けました岸商工大臣であります。本日只今足尾に到着いたしました。去る一日から向う二ヵ月間重要鉱物非常増産強調週間が設けられ、私は一日の朝マイクを通じ、全国の山々の人に本期間の設置せられた趣旨と増産期間内に於ける格段の御健闘を御願いしました……。マイクを通じて御願いしただけでは足りなく
中国人強制連行訴訟、二審でも中国人側が敗訴…福岡高裁 http://www.asahi.com/national/update/1020/SEB200810200008.html 第2次大戦中に中国から連行され、長崎県内の炭鉱で強制労働させられたとして、中国人の元労働者ら10人が国と県、採掘していた三菱マテリアル(本社・東京)と三菱重工(同)に損害賠償や謝罪を求めた訴訟の控訴審判決が20日、福岡高裁であった。牧弘二裁判長は、原告側の請求を棄却した一審・長崎地裁判決を支持し、原告側の控訴を棄却した。 訴訟は03年11月、高島、端島、崎戸の3炭鉱に連行された中国人や遺族が1人2千万円の損害賠償などを求めて起こした。07年3月の一審判決は強制連行や強制労働を被告らによる共同不法行為と認定し、三菱マテリアルの安全配慮義務違反も認めた。しかし、不法行為から20年間が過ぎれば損害賠償請求の権利が消滅す
前に少し触れた、ミクシィの南京事件関連のコミュ*1(否定派が多数を占める)での今日のやりとり。とある否定派の人から「在日認定」された上で「ベトナムで韓国軍はどれだけ酷いことをしたか。そんなやつらに日本人の戦争責任がどうこうなんて言われる筋合いはない」という趣旨のことを言われた。ま、在日認定とかベトナム云々は彼らがよく出してくる話なので別に良いのだけれど、その後いくつかのやりとりを経た後、こういう質問をしてみた。 「中国や韓国の、あるいはアメリカでもその他の国でも良いのですが、自国の戦争責任と真摯に向かい合い、その実態を明らかにしようとする人を評価しますか。それとも否定しますか?」 実は以前にも、似たような質問を投げかけたことがあるのだけど、ちゃんとした答えはなかった。普通に考えれば、例えば韓国の戦争責任に文句を言う人が、自国の戦争責任を追求する韓国人を評価するのは当たり前のはずなのに、なぜ
「百人斬り競争」と南京事件―史実の解明から歴史対話へ 作者: 笠原十九司出版社/メーカー: 大月書店発売日: 2008/06/01メディア: 単行本 クリック: 25回この商品を含むブログ (7件) を見る 以下はミクシィレビューに書いたもの。 南京事件についてはそこそこ詳しいつもりではあったのだが、そんな自分にとっても本書は圧巻だった。日本刀が(一部で流布している俗説に反して)白兵戦や捕虜殺害などに対して非常に「実用的」であったこと、また当時の日本では「○○人斬り」が残酷な行為ではなく、勇敢さ・勇猛さを示す行為として受け取られていたこと(当時、若い女性ですら「十九人ナデ斬りですって?マア、素敵だ!」と喜びの声を上げていたことが紹介されている)、また、新聞で「○○人斬り」があたかもスポーツ選手が好成績を挙げたかのように報道されたこと、そのことが兵士を鼓舞し、ますます「○○人斬り」に拍車がか
続々・「『朝鮮人強制連行の記録』再考」再考―朴慶植は北朝鮮に「遠隔操作」されていたのか? 前回の記事では、鄭大均氏が金英達氏の記述を恣意的な形で取り上げ、朴慶植氏の「〜記録」が「方法論的いかがわしさ」に満ちた書籍だという印象操作を行ったことを明らかにした。今回は、「〜記録」に対するもうひとつの印象操作について検証していきたい。 在日・強制連行の神話 (文春新書) 作者: 鄭大均出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2004/06/22メディア: 新書購入: 2人 クリック: 94回この商品を含むブログ (43件) を見る 鄭大均氏は、「〜神話」に関する「これまで指摘されることのなかったいくつかの問題点」のひとつとしてその「政治的性格」を挙げる。鄭氏は朴氏が「〜記録」執筆時、「北朝鮮労働党に遠隔操作される組織」である朝鮮総連のメンバーであったこと(後述するが、朴氏は70年代に総連を脱退してい
さて、前回の記事で、金英達氏が「強制連行」という言葉に対して慎重な態度を取り、「戦時動員」という呼称を提案したことを紹介した。今回はそれに関する補足。 前回示したように、金英達氏が「強制連行」という用語の使用に慎重だったのは、その「範囲」があいまいだから、という理由による。「強制連行」という場合、だいたい「国家総動員法に基づく『募集』(1939年9月〜1942年2月)、『官斡旋』(1942年2月〜1945年3月)『徴用』(1944年9月〜1945年3月)」を指す。ただこれらの動員先は日本(内地)の他、サハリン、南洋、朝鮮半島内部など、さまざまな地域に分かれている。また、戦時中の朝鮮人に対する動員は上記のものだけではない。女子勤労挺身隊や徴兵、志願兵、軍要員(軍属)などもある。 これらを「強制連行」に含めるかどうか、あるいは募集・官斡旋・徴用などの内、日本内地に動員された者のみを指すのか、そ
さて、少し前に予告したように、今回から何回かに分けて鄭大均「在日・強制連行の神話」(以下「〜神話」と略す)について検証していきたいと思う。 在日・強制連行の神話 (文春新書) 作者: 鄭大均出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2004/06/22メディア: 新書購入: 2人 クリック: 94回この商品を含むブログ (43件) を見る この「〜神話」を取り上げる理由はいくつかあるのだが、ひとつには「私が共感するのは『強制連行』論よりは、それに対する批判のほうであり、『強制連行』という言葉の使用には懐疑的である」というこの本*1が新書という(廉価で、手に取りやすい)形で出版され、強制連行についての書籍の中では現在最も広く読まれていると思われるから、というのがある*2。 その前に、個人的な話を少し。この本を読んだのは去年のことだった。強制連行についてはネット上の否定論をざっと読んだことがあるく
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