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自分(左)と新代表の染谷さん(右)2016年5月から自分は株式会社scouty及びLAPRAS株式会社の代表取締役 社長を5年半務めてきましたが、プレスリリースの通り、2022年2月1日の株主総会を以て、LAPRAS株式会社の代表取締役を辞任し、元執行役員COOの染谷さんに交代することになりました。LAPRAS BACKBONEの染谷さんとの対談記事の中で背景などは詳しく説明しているので、この記事では、そこに加えて今後やろうとしていることなどをお伝えしたいと思います。 代表交代の理由一言でいうと、会社が自分が最も価値の出せるフェーズを越え、次のフェーズを迎えている中で、もっと代表としてバリューを発揮できる人にバトンタッチしたいと思ったからです。そこで、CEO・代表として最もバリューを発揮できると思った元COOの染谷さんに代表交代の打診を自分から切り出しました。 自分はものづくりやコンセプト
LAPRAS(scouty)がホラクラシー組織になったのは2018年3月のことで、その時は社員が10数名であったがそれから2年半ほど経つ今は社員が30名ほどになった。その中でホラクラシーとは長い付き合いになるが、ようやく見えてきたホラクラシーの長所と短所(功罪というと大げさだが)、そしてその先に見えるミッションに向けて本当にパフォーマンスを出せる組織のあり方について考えが固まってきたので、書いてみる。 我々もホラクラシーを完全に運用できていない点もあるので運用の問題をモデルの問題と取り違えている部分もあるかもしれない事はご留意いただきたい。また、あくまで会社の代表の視点であることを忘れずに(代表以外からは、別な視点が見えているかもしれない)。また、これはホラクラシー憲法version 4.xを前提にした話なので、version 5.x ではいくつか改善されている箇所もあるようだ。 憲法?バ
日本初のAIヘッドハンティングサービスと銘打ったscoutyの事業を開始しておよそ3年が経った。その3年でサービス運営を行ったり、海外でのトレンドを見ていく中で、採用のあり方の変化や、今の採用方法の限界や、次の採用のあり方がだんだんと見えてきたので、今回はそれをまとめようと思う。 なお、LAPRAS SCOUT(旧scouty, 2019年4月より社名・サービス名変更)は現在はエンジニア採用に特化しているので特に前半はエンジニア採用に限定した話ではあるが、その多くは他の職種にも適用できる話ではあるので、採用全般の未来と考えていただければ良いと思う。 日本のエンジニア採用の現状大前提として、日本は今深刻なエンジニア(IT人材)不足である。IT人材需給の予測では、エンジニアは2018年時点で22万人、2030年までに約45万人不足すると言われている[1]。人材の供給量はほとんど増えない一方で、
前回執筆した ホラクラシー組織への誤解と本当の意味 では、「ホラクラシー組織」という言葉が「ルールがなく、フラットで上司がいない組織」のことではないということを書いた。ホラクラシーとは、ホラクラシー憲法という組織に関する法律に基づいて組織運営をおこなうフレームワークのようなもので、いわば組織構造のOSのひとつだ。ホラクラシー憲法は翻訳すると3記事にまたがるほど長いもので、これを理解するには骨が折れるため、未だその実態が何なのか理解されていないのが現実だ。 そこで、今回の記事ではホラクラシー憲法におけるルールや機能をわかりやすく箇条書きでまとめていく。LAPRASのホラクラシー公開組織図を参考にすると理解が深まるだろう。 基礎の基礎ひずみ(英語だと Tension)とは、理想と現実のギャップのこと。ホラクラシーは、組織内のひずみの最小化を目指している。ガバナンスは、「誰が何をミッションとして
これは、プロダクトマネージャの役割を持つ人材がいないスタートアップや、プロダクトマネージャを任されたが何をすればいいかよくわからない人、あるいは現にプロダクトマネジメントを担当しているがより仕事の質を高めたい人に向けた記事だ。 プロダクトマネジメントをしない開発形態何か製品を作ってサービスを提供する組織において、プロダクトマネジメントというものをせずにサービス開発を行うことは、事実上可能だ。 アーリーステージアーリーステージでのプロダクトマネジメントをしない開発形態というのは、創業者が思いついたアイディアを勢いで創業者かエンジニアが実装して製品化したりするものだ。 その後のステージ製品をゼロからつくるアーリーステージを超えて製品を改善する期間に入った開発形態でも、プロダクトマネジメントを行わずに製品開発を行うことが可能だ。その形態は、社内のカスタマーサクセス担当・セールス担当・エンジニア・
株式会社scoutyは、4月10日を以ってLAPRAS株式会社に社名変更した。それと同時に、今まで企業側にのみ公開していたクロールにより収集した個人の情報を本人にも公開するサービス「LAPRAS」を公開した。 この記事では、なぜ社名変更に至ったのかという経緯と、LAPRASという社名とロゴに秘めた思い、そしてLAPRASがこれから目指す世界観について書こうと思う。 なぜLAPRASなのかラプラスとの出会い自分の小学校の頃の夢は科学者になることだった。その頃はタイムマシンを創るのが夢で、小学校の読書の時間にはアインシュタインの伝記や相対性理論の本を読み始めた。 そこから興味は相対性理論から量子論へと波及し、たしか中学生のときだっただろうか、「 Newton — みるみる理解できる量子論―相対論と並ぶ自然界の2大理論 摩訶不思議なミクロの世界」という量子論の本を手にとったことがあった。その本の
組織の全員が納得する意思決定は基本的に存在しない。だからこそ、組織において意思決定は難しい。たとえば、あなたがスタートアップのCEO(この記事では今後これを「意思決定者」と読み替えても良い)で、会社で新サービスを作ろうとしたとする。これについて社内で意見を聞いてみたところ、いろいろな答えが返ってきた。 CTOは「リリースしてうまく行かなかった時のために、最初にリリースする機能はできるだけ小さくしてほしい。」と言う。営業マンは「こういう機能があったら絶対に売れる自信がある。この機能をぜひ入れてほしい。」と言う。COOは「今は新サービスに行くべきときではない。既存製品に集中すべきだ。」と言う。投資家(株主)は「今のサービスが頭打ちしそうだから、早く新しいサービスを仕込まないと1年後ひどい目を見る。」と言う。デザイナは「一緒に最高のものを作りましょう。作るのがもう待ちきれない。実は、昨晩素案を作
タクティカルミーティングとは何かホラクラシー組織には、タクティカルミーティング(戦術的ミーティング)というミーティングプロセスがある。これは憲法で規定されている2つのミーティングプロセスのうちのひとつで、もう一方がガバナンスミーティングである。本記事では、タクティカルミーティングを実践するホラクラシー組織や、ホラクラシー組織への移行を検討している組織に向けてタクティカルミーティングを解説しようと思う。 タクティカルミーティングは、各ロールが持っているオペレーション(ガバナンスという型にしたがって執り行われる実際の仕事の遂行)についてのひずみを解決する場である。ホラクラシーでは、人を管理をしようとしないぶん、お互いの情報を透明化し、助けを求めたり自発的に助けたりしないといけない。タクティカルミーティングは、ひとつの問題をじっくり時間をかけて解決するよりは、サークルの持っている情報やひずみをサ
前回記事 ホラクラシー組織への誤解と本当の意味 では、日本で流行っている「ホラクラシー組織」という言葉は実は Bryan.J.Robertson が提唱し、アメリカで発祥した本来のホラクラシー組織の定義とはかけ離れた意味で使われていることを指摘した。 本来、ホラクラシー組織というものは組織の非階層性や情報の透明性などの文化で本質づけられるものではなく、ロール単位のガバナンスの表現と明文化されたホラクラシー憲法に基づき、組織のひずみを解消するプロセスを通じて権限分散を行った組織のことである。これを前述のものと区別して「純ホラクラシー組織」(※ 注1)と呼ぶとすると、日本における純ホラクラシー組織の例は極めて少ない。scoutyは純ホラクラシー組織として2018年3月から半年間ほどホラクラシー憲法を導入し、運用してきた。今回は、その運用の実態を紹介しようと思う。 ※ 注1:もし純ホラクラシー組
ホラクラシー組織への誤解近年、ホラクラシー組織という組織形態が注目を集めている。この単語についてネットで調べてみると、 管理職がおらず、権限が個人に分散されている組織上下関係の無いフラットな組織自由度が高く、ルールが少ない組織情報がオープンな組織といった情報がよく見られる。しかし、これらの特徴はホラクラシー組織の本質から派生した一部の特徴に過ぎないか、あるいは悪く言うと誤解、さらに悪く言うとデマである。実際に、上の4つの考え方のうち、3つは間違った考え方を含んでいる。 ここでいうホラクラシー組織とは、ホラクラシー組織という言葉を作り、「HOLACRACY 役職をなくし生産性を上げるまったく新しい組織マネジメント」[1]の原著を書いた Bryan.J.Robertson の提唱するホラクラシー組織に準じている。彼はHolacracy One のファウンダであり、前回このブログでも日本語訳した
プロダクトマネジメントの名著 Inspired: 顧客の心を捉える製品の創り方[1] によれば、プロダクトマネージャの役割は2つある。 製品の市場性を評価すること開発すべき製品の定義このふたつをまとめると、プロダクトマネージャの目的は「 市場性の高い製品(≒売れる製品)を定義すること」ということになる。 前半の市場性評価は、市場要求仕様書(MRD, Market Requirements Document)というドキュメントにまとめられ、MRDは主にソリューションではなく課題にフォーカスしたものだ。製品がどんな問題を解決するか(バリュープロポジションはなにか)、誰のためにこの問題を解決するか、その市場が大きいかといったことを書く。 後半の開発すべき製品の定義に関しては、製品要求仕様書(PRD, Product Requirements Document)がその役割を担う。PRDはMRDで明
scoutyはホラクラシー組織として運営しているが、実際にホラクラシー組織を作る上でロール(Role)の管理方法や組織体制を実践する機会が多くなってきて、それらを学習する機会も増えた。ホラクラシー組織については、その概要やメリットを説明する記事は多いが、細かい規定やルールの作り方を解説する記事が少なかった印象であったので、今回はそのようなことを中心にまとめて記事化を行なった。 ホラクラシー組織というのは、簡単に言えば役職や上下関係をなくし、従来の階層構造とは異なるフラットな組織体制のことで、組織に必要な機能を役職ではなくロール(役割)として分解していることに特徴がある。その概要については下記のような記事を参考にされたい。 参考記事:役職なし、上司なし、管理なし!「ホラクラシー」は近未来の組織スタイル!?- Fledge (2018年9月10日追記:上記に書いた定義は憲法の翻訳や学習を続ける
ユースケース駆動デザイン製品や機能を作る際の失敗の主な原因は、「ユースケースの存在しないものを作ってしまう」ことだろう。完全に存在しないわけではなかったとしても、少数の人により特定の状況でのみ使われるといった「細い」ユースケースしか存在しないときは、たいていその製品や機能は使われずに終わる。多くの人にとって使い道が確実に存在するような製品をつくることが、ある意味プロダクトマーケットフィットを達成することとも言えるだろう。 「作ってみたら実はユースケースが存在しなかった」ということを避ける最も良い方法は、当然ながら「ユースケースを先に想定し、そこに合わせて製品の要件を決定し、デザインする」ことである。これをユースケース駆動デザインと呼ぶことにする。 当たり前のことを言っているようだが、これを実際に行なうのは難しい。プロダクトマネージャは、「これを機能に組み込むのは当たり前」「もともと組み込む
日々ビジネス上の会議(ミーティング。特に断りのない限り、この記事では社内会議を指すが、社外会議にも応用できる。)を行なう中で、良いプラクティスと悪いプラクティスを学んだので、良い会議とは何か、またそれを行なうにはどうすればよいのかを考えてみた。 良い会議とは基本的に、ビジネス上の会議は、やる前と後で行動が変わっていなければ無意味である。「新しい知識や知見が得られる」という効果もあるが、最終的にそれによって行動が変わっていなければ特に意味がなかったことになる。 その意味で、有意義な会議とは、その会議をやる前と後で変わった行動の総量が大きい会議である。したがって、議論の前と後での行動の違いを意識することで、有意義な会議にすることができる。 さらに良い会議とは、より短く、有意義な会議である。つまり、会議時間あたりの行動量の変化が大きい会議である。アンディ・グローブがHIGH OUTPUT MAN
プロダクトマネジメントにおいて「製品仕様を合議制(多数決)で決めてはいけない」というルールがあるが、それは何故なのか。そして、だとしたらどのように人の意見を取り入れるのが良いのか、を考えてみた。 なぜ製品仕様を合議制で決めてはいけないのか。合議に参加している人たちは、その問題の責任者ほど制約条件や問題の背景を深く理解をしていないから。合議制や多数決で物事を決めると、必ずその結果に満足している人たちの方が満足していない人たちよりも多くなる。これは素晴らしい手法だ。 しかし、製品開発の目的は社内の人を満足させることではない。正しい製品をつくることだ。製品にとっての正しさとは、「その製品を顧客(市場)が求めていること」であり、これを満たすためには様々な調査や知識が必要だ。 製品仕様のように、問題の複雑さが一定を超えると、知識を持っている人と持っていない人の意見に違いが出始める。世の中(「社内」と
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