サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
TGS2024
katazuketai.jp
戦時労務動員における朝鮮人の「強制労働」について、インターネット上では、以下のような書き込みをたくさん見かけます。 「一般的に『強制労働』とはシベリア抑留のような『奴隷的強制労働』を指します。給与がもらえる時点で当てはまりません」 「給与帳簿が残っているから強制労働でなかったことは明らかです」… どうも彼らは、「強制労働」とは給与が支払われない労働のことを指すと考えているようです。しかしこれは全くの間違いです。 なぜなら、賃金が支払われていても、そこに強制があれば「強制労働」だからです。 ILO「賃金や報酬が提供されているかどうかは関係ない」 労働者を保護するため、国際的な労働基準を設定するなどの活動を行う国連の専門機関であるILO(国際労働機関)のサイトでは、強制労働について、以下のように定義しています。 強制労働とは、ある者が処罰の脅威の下に強要され、かつ、右の者が自ら任意に申し出たも
◎「強制連行」「強制労働」という表現に関する閣議決定(21年4月27日)を検証する その3:「いずれにしろ」強制労働と呼ぶべきではない?? 戦前の日本で広く行われていた「強制労働」 当シリーズでは、「日本維新の会」の馬場伸幸議員による質問主意書に対する菅内閣の答弁書(閣議決定)を検証してきた。「その1」では、この答弁書が、朝鮮人労働者が日本に渡って来た「経緯は様々」だから「一括りに」強制連行と「表現する」ことは「適切ではない」という、姑息とも言える論法を展開していることを見た。 では、「強制連行」と並んで主題となっている「強制労働」についてはどうだろうか。馬場議員による質問主意書は、「強制労働」について以下のように尋ねている。 要するに、戦時期、動員された朝鮮人に対する強制労働はありましたかと聞いているわけである。 そもそも「強制労働」とは何だろうか。今回もデジタル大辞泉を開いてみると、「
韓国人はみんなうそつき――なのか? 2019年7月、韓国で『反日種族主義』という本が刊行され、話題になりました。同年11月には日本でも翻訳本が出て、出版社によれば2020年1月時点で40万部が売れているそうです。 タイトルの「反日種族主義」とは、韓国人が偏狭な反日意識にとらわれているとして、それを批判的に名付けたもの。著者は韓国の歴史研究者6人。一言で言えば、これまで韓国社会で一般に語られてきた日本統治時代についての歴史認識は間違いだと訴える本です。つまり、朝鮮人がひどい収奪に苦しみ、戦時中には日本の炭鉱で奴隷のように働かされたり、女性たちがいきなり連れ去れて「慰安婦」にされたりしたといった認識を批判し、そうしたイメージを広めてきたとして韓国の歴史学や歴史教育のあり方を批判しています。 そして、日本統治下の朝鮮では、経済成長もあったし、戦時下であっても朝鮮人労働者は自由にお金を稼いだし、「
日本の裁判所が「強制連行」「強制労働」だったと認定 当時の日本の当局者も「人質的略奪」「拉致」だと報告 「徴用工」裁判の原告たちは途中から「徴用」扱いに 日本の裁判所も「強制労働」を認める 韓国の最高裁に当たる大法院は、2018年10月30日、戦時中に旧日本製鉄(訴訟当時は新日鉄住金、現在は日本製鉄)に動員された元「徴用工」4人が損害賠償を求めた訴訟で、新日鉄住金の上告を棄却。新日鉄住金に賠償を命じた高等法院(高裁に当たる)判決を確定させました。これに対して、日本ではさまざまな批判の声が上がっています。 しかしその中には、彼らは実際には「出稼ぎ」だった、戦時中に朝鮮人労働者が「強制連行」され、「強制労働」をさせられたなんて話はうそだ、という主張も見られます。これは明らかな間違いです。 たとえば、今回の大法院判決の原告たちが強いられた経験は、どのようなものだったのでしょうか。実は、韓国の裁判
「強制連行」説は朝鮮総連の創作? 『反日種族主義』のなかで、いわゆる「徴用工」問題、つまり朝鮮人の戦時労務動員について特に取り上げて書いているのが経済史学者の李宇衍(敬称略、以下同じ)です。同書の第5章、6章、7章の執筆を担当しています。李は、労務動員が「強制連行」「強制労働」だったという認識は事実ではなく、戦後になってから左翼の歴史学者たちが語り始めた神話に過ぎない――と主張しています。しかし彼の議論には、多くの間違いがあります。 ここでは、朝鮮人労務動員についての戦後をめぐる主張の誤りにしぼって説明します。 李は、在日朝鮮人の歴史学者である朴慶植が日本で刊行した『朝鮮人強制連行の記録』(以下、『記録』)こそが、「朝鮮人が日本で奴隷労働をさせられた」という主張の始まりだと主張しています。 李は、『記録』が刊行された1965年当時、朴慶植が朝鮮総連系の朝鮮大学校の教員だったことに注目します
大法院判決も、日韓請求協定そのものを否定しているわけではない そもそも企業と元労働者の民事訴訟であり、いずれの「国」も裁判の当事者ではない 「三権分立」の原則があり、韓国政府が韓国の大法院判決を否定するのは不可能 大法院判決も日韓請求権協定そのものを否定していない 韓国政府が「国と国との約束」を破った――という主張の前提にあるのは、大法院(日本の最高裁に相当)の今回の判決が日韓請求権協定を否定しているという認識です。 しかし、「誤解その2〈リンク〉」で見たように、大法院判決は日韓請求権協定を破棄せよと命じたものではないし、請求権協定を否定したり、無視したりした上に論理を組み立てているわけでもありません。そうではなくて、両者が主張する事実を吟味し、韓国の憲法体系の論理を踏まえて、請求権協定に対する一つの解釈に立って、判断を下したのです。 長期にわたる裁判では、被告の新日鉄住金と原告の元「徴用
1965年に行われた経済協力は「賠償」ではないと、日本政府が強調している 朝鮮支配は「いいことだった」というのが当時の日本政府の考え方だった 当然、植民地支配への賠償も、労務動員された人々への賠償も行われていない 「経済協力であって賠償ではない」と強調した日本政府 「韓国への賠償はすでに行われている」と主張する人々がいるようです。さすがにメディアではそんな言説はほとんど見かけませんが、インターネットの書き込みでは、そうしたことを書いている人をたまに見かけます。 そうした人々の念頭にあるのは、1965年に「日韓基本条約」と「日韓請求権協定」が結ばれた際に、日本から韓国に無償・有償の5億ドルが供与・貸し付けされた事実でしょう。では、この5億ドルは、本当に韓国への「賠償」だったのでしょうか。そうではありません。 そもそも賠償とは何でしょうか。たとえば集英社の『国語辞典』で「賠償」の項目を見ると、
誤解その1 「強制連行、強制労働はなかった」という誤解 2018年10月、韓国の最高裁に当たる大法院で、元「徴用工」の訴えを認めて日本企業に慰謝料の支払いを命じる判決が確定しました。これに対して、日本では批判的な論調が多く出されています。しかし、そのなかには多くの誤解も混じっています。たとえば、「徴用工」とは実際には「出稼ぎ」であって、強制連行、強制労働などなかったという主張です。実際には、朝鮮の若者たちが強制的に動員され、強制労働を強いられたこと自体は、日本の裁判所も認めている事実であり、否定することはできません。 誤解その2 「個人請求権はすでに消滅している」という誤解 元「徴用工」たちは強制動員・強制労働に対する慰謝料を求めていますが、日本政府は、日韓請求権協定によって彼らは賠償を請求できなくなっていると主張しています。メディアのなかには、これを元「徴用工」たちの「個人請求権」はすで
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『「徴用工」問題を考えるために』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く