フロイトとベルクソン渡辺 哲夫 岩波書店 2012-06-28 売り上げランキング : 572093 Amazonで詳しく見る by G-Toolsフロイト全集訳者のひとり渡辺哲夫先生によるフロイト論。話は小林秀雄の講演から始まる。講演のなかで、この希代の天才は「フロイトとベルクソンは人間の本質に気づいていた」と述べる。いったい何に気づいていたのか。「人間の本質」とは何なのか。確かに、この同時代人の類似性を指摘した者は少ない。ほぼ、いない。狭い了見の専門家たちしかいないからだ(ドゥルーズがやってた気がするけれど、ここは渡辺先生のノリで)。だから、この小林秀雄の言葉は後代の宿題として残されている。この本は、この「謎」を解く推理小説のような著書である。 とはいえ、渡辺先生の力量不足が目立つばかりで、話は進展しない。面白い「謎」なんだけどね。ダメだわ、「ただのお医者さん」じゃあ。年表を並べて二人