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ブレゼはフランス料理における基本の調理法のひとつで「蒸し煮」のこと。偉大なる料理人、カレームが『偉大なる調理法』というこの調理法は、料理における二つの目的『食材に風味を与える』ことと、『素材を柔らかくする』ことを同時に達成することができます。 肉を柔らかく煮こむのは意外と難しいもの。柔らか煮込もうとしたのに、肉がパサパサになってしまったり、煮汁は美味しくても肉自体の味がすっかり抜けてしまった、という失敗もあります。しかし、肉の加熱に関する原則を理解すれば、そのリスクを減らすことができます。 鶏のブレゼ トマト風味 鶏 もも肉 1枚 (水 200cc 塩10g 砂糖 5g) 玉ねぎ 半分 トマトペースト 大さじ1 白ワイン 100cc コニャック 30cc ブイヨン 100cc(市販のブイヨンキューブ一個を300ccで溶いたもの) 本来のブレゼには他にもにんじんやにんにくな
スイカの切り方、種が邪魔にならないちょっとしたコツ すいかのシーズンの到来です。 すいかがアンチエイジングに有効というのはご存じですか? その秘密はすいかに含まれるアミノ酸の一種、シトルリン。血管を若返らせ、動脈硬化の予防し、冷え性改善、手足のむくみ改善、新陳代謝改善、疲労回復効果などが期待されているようです。ほかにもカリウムやリコピンなどを多く含むスイカはやはり夏にぴったりです。 今日はすいかの切り方のお話。スイカの切り方なんて習ったことはないと思います。食育通信的なすいかの切り方を考えてみましょう。 まず、このすいか。普通は縦に切ってしまいたくなりますが、まず横に切るのが正解。その理由は後ほど説明いたします。 えいや、と横に切ります。このスイカ、様々な品種があります。昔は切ってみると『なかがすかすか・・・・・・』とか『なかに穴が!』ということがありましたが、現在のものは出荷前に光センサ
「誰も教えてくれない」卵の割り方 先週の目玉焼きのつくりかたに引き続き、卵のお話。 卵の割り方は誰も教えてくれませんが、それにもちゃんとコツがあります。知っていれば料理が上手くなることは間違いなし。 卵を割るコツ。それはテーブルの上や調理台などの平らな面で割る、ということです。間違ってもボウルの縁やテーブルの角などで割らないでください。 平らな面で割ると、卵の殻が大きく割れます。そのため、殻が卵のなかにはいりこむことがないのです。角で卵を割ると、かけらが細かくなり、殻が混入しやすくなります。殻が入ってしまうと取り出すのが一苦労なばかりか、殻に付着したサルモネラ菌などの細菌の心配も出てきます。 卵を割るという作業は実は力のいれ具合など複雑な条件が要求される高等な作業です。手先の器用な猿でもなかなか難しいようですし、小さな子供も上手に割れなかったりします。ところがある段階まで脳が発達すると途
理想のゆで卵をつくるコツは『卵を茹でない?』 料理の基本シリーズです。ゆで卵くらい簡単につくれるよ、という方も多いかと思いますが、今日はおいしいゆで卵の作り方をご紹介します。 イギリスが誇る三つ星シェフで分子料理に精通するヘストン・ブルメンタールさんは「ゆで卵(Boiled Egg)をつくるコツは卵を茹でない(Not Boiled)ことです」と言います。 卵を茹でない、とはどういうことでしょうか。 通常の作り方では卵を沸騰した湯に入れて、お好みの時間、茹でると思います。沸騰した湯ですから100度で加熱することになります。しかし、卵白の凝固温度は100度よりもずっと低いのです。沸騰した湯で茹でると卵白に火が入りすぎ、外側はゴムのように硬くなってしまいます。 また沸騰した湯で茹でると殻が割れてしまうことがあります。なかから白身が飛び出してしまったゆで卵をお客様にお出しすることはできません。 そ
りんごのタルトの作り方〜小麦粉の性質を知る〜 小麦粉にはいくつかの種類があります。代表的なのは『強力粉』『中力粉』『薄力粉』という区分。一体、なにがちがうのでしょうか? まずは成分についてのお勉強。小麦粉にはおおよそ約75%のでんぷん質、7%~13%のタンパク質、2%の脂質、14%の水分、そして灰分、微量のビタミン、ミネラルが含まれています。まず先の3つでは澱粉の粒の細かさが違います。薄力粉は細かく、強力粉は粗いのです。もう1つの違いはタンパク質の含有量。タンパク質は聞き慣れなくても、グルテンという言葉は聞いたことがあるかと思います。小麦粉のたんぱく質はグリテニンとグリアジンという物質で、水を加える事によりグルテンになるのです。 一般的にいって 強力粉はパン用 中力粉はうどん用 薄力粉はお菓子用、天ぷら用 という風に使い分けられます。細かな違いとしては灰分の量によって、準強力粉というフラン
南イタリア料理の基本はトマトソース。コロンブスによって新大陸から持ち込まれたトマトははじめは観賞用でしたが、やがてヨーロッパ人をとりこにしました。 トマトソースは家庭でもよくつくられていますが『お店とちょっと違う……』と思われる方も多いのではないでしょうか。今日はトマトソースの作り方をご紹介します。 さて、トマトソースの基本となる材料は ホールトマト 香味野菜(玉ねぎ) オリーブオイル (ハーブ) といったところです。プロとアマチュアではなにが違うか、検討してみましょう。 ホールトマトは市販品ですので、お店と品質は変わりありません。よく言われるのはお店のものと比べて『コクがない』と『油っぽい』といったもの。 その原因はと『香味野菜の量』と『オリーブオイルの量』にあります。 コクが出ないからといって『香味野菜の量』を増やすのは考えもの。 プロは通常、2.5キロの缶詰でソースを仕込みます。大き
サーモンは低温でコンフィをすると滑らかな食感に 魚でも肉でも調理する際に一番難しいのはめざす硬さに仕上げること。 オーストラリア、シドニーに「Tetsuya’s」というレストランがあります。日本人シェフ、和久田哲也氏が創作したオーストラリア食材を用いた料理は世界中から注目され、世界ベストレストランランキングの常連です。彼の有名なスペシャリテに「タスマニアサーモンのコンフィ」があります。 「サーモンステーキの中心のレアな部分、あれをもっと食べたいと思った」と彼は創作のきっかけをこんな風に語っています。たしかに上手につくったサーモンステーキの中心部は柔らかくジューシーです。 それには温度が関係しています。魚のタンパク質は肉とは違い20℃から変成がはじまります。20℃を境にタンパク質の構造がほどけだし、そこに結合している水が離れはじめます。また、コラーゲンもゆるみだします。その変化は温度の上昇と
2つの材料でチョコレートムース〜分子料理学から〜 分子料理学では材料の要素を分解し、料理においてどのように役立っているかを検討しています。今回、紹介する『チョコレートシャンティ』(チョコレートムース)はフランスの物理学者、エルヴェティスさん考案によるもの。 ティス教授は「あらゆる料理は式に置き換えられる」と言います。 食材の状態 G ガス 気体 W ウォーター 液体 O オイル 油脂 S ソリッド 固体 食材のつながり / 分散 + 併存 ⊃ 包括 結合 σ 重層 これらの要素にわけて考えることであらゆる料理の構成が説明できる、と考えたわけです。例えばタマネギなら W/S 生クリームなら O/W 生クリームをホイップすると空気を含みますから (G+O)/W になります。化学式と呼べるようなものではありませんが、このように考えることで料理における先入観を捨てさせ、料理の可能性を広げようとした
ステーキを美味しく焼くには『肉を裏返しながら焼く!』もう一度、説明します! 食育通信ONLINEに以前『古くて新しいステーキの焼き方』という記事を掲載し、ステーキをつくるときには『肉は何度も裏返す』というTipsをご紹介しました。 三十秒焼いたら、裏返します。肉を投入したことで、温度が下がるので、火は強いままです。また、三十秒焼いたら、裏返します。また、三十秒焼いたら裏返します。肉の厚みによっても変わりますが、この作業を計二分三十秒〜三分おこないます。 肉は一度だけ、ではなく、頻繁に裏返します。温度計で測定してみるとわかりますが、フライパンと接していない面の肉の温度はどんどん下がっていきます。頻繁に返せば両面とも熱を吸収したり、放出したりする時間がないため、肉には早く火が通り、外側が焼きすぎる心配もない、というわけです。 この肉を焼くときに頻繁に裏返す、という考え方は調理科学の第一人者ハロ
完璧なポーチドエッグの作り方〜付記、水様卵白の取りのぞき方〜 先日、完璧なポーチドエッグの作り方をご紹介しましたが、「水様卵白ってなに?」というもっともな疑問をいただきましたので、ご説明します。 上の写真は卵を皿に割ったものです。中心に卵黄(黄身)があり、それを包むように濃厚卵白(白身)があります。 その周りにもう一種類の卵白があるのがわかりますか? これが水様卵白です。 で、その取りのぞき方ですが、とても簡単。ザルの上に卵を割りいれればいいのです。 はい、こんな感じで、卵黄と濃厚卵白だけがザルの上に残って、水様卵白は下に落ちます。写真では穴しゃくしを使っていますが、大きなざるでも大丈夫です。 卵とじなどに使う卵液もこの水様卵白をとりのぞくだけで、仕上がりがずいぶん違います。 プロのちょっとした隠し技、ということでご紹介しました。
究極のスクランブルエッグの作り方 時間がかかるので、普通の食卓にはお勧めできない究極のスクランブルエッグのご紹介です。 スクランブルエッグは『スクランブル(緊急)』と名前にあるように、手早くつくることのできる料理です。作り方はよくかき混ぜて滑らかに仕上げるフランス式と、あまりかき混ぜずにふっくらと仕上げるアメリカ式の二通りがあります。 前者はホテルなどの朝食で、後者は朝食で有名な『bills』などが普及に貢献しましたね。billsのスクランブルエッグはレシピも公開されており、家でも手軽につくることができます。 Bills風のスクランブルエッグの作り方 卵 2個(Lサイズ) 生クリーム 90cc バター 10g 塩 少々 コショウ お好み 1 たまごをボウルに割り入れ、溶く。生クリーム、塩を加えて、よく攪拌する。 2 テフロン加工のフライパンにバターを溶かし、溶けたら1のたまごを加え
出汁の引き方についてのお話 和食が世界無形文化遺産に登録されたことで、日本料理業界が活気づいていますね。 「和食の基本は出汁。家庭でも出汁を」 とはよく日本料理人が講釈を垂れる話。鰹節のイノシン酸とグルタミン酸という旨味成分には相乗効果があり、よりおいしく感じられるためにあわせて出汁をとるととてもおいしく感じられます。 ところで中国から伝わってきた出汁の文化的な歴史ですが、それほど古くはありません。現在のような出汁が成立したのは戦後のこと、江戸時代にも鰹節、昆布出汁などの単独の出汁はありましたが、いわゆる日本料理の「出汁(鰹節+昆布)」というものはありませんでした。あの有名な魯山人も「東京の人間は昆布出汁の味を知らない」と書いています。どうやら明治、大正くらいまで、東京では鰹節だけで出汁をとっていたようです。東京ではグルタミン酸が豊富に含まれる醤油を大量に料理に使っていたため、昆布は必要な
フォトジェニックな野菜たち 私たちの出荷場には、日々、本当に素晴らしいお野菜たちが集まってきます。個性豊かな!ダンボールで届いて、その箱のふたをあけると、大切に梱包され ...
鶏胸肉をしっとりジューシーに 〜21世紀料理教室 その8〜 スーパーで売っている安いお肉と言えば鶏胸肉ですよね。 もも肉に比べて調理しずらい、ということで敬遠されることも多いようです。実はヨーロッパやアメリカではもも肉より胸肉の方が高級品なんです。 昔、知り合ったインド人の方に「日本に来て良かったと思ったことはなんですか?」と訊ねたところ 「鶏肉が安い!」 と言っていました。インドでは水牛の肉が一番安く、逆に高級品は鶏肉が一番の高級品。鶏肉は鮮度が落ちやすいため、生きたまま流通させることが多く、その分価格が高くなるそうです。 余談はさておき、せっかくの安い鶏肉を美味しく食べましょう。ブロガー、Jun Belenさんが紹介している『Brining Chicken Thomas Keller-Style』(鶏肉の塩水漬け、トーマスケラースタイル)は鶏胸肉を美味しく食べるための方法。 トーマスケ
完璧なポーチドエッグの作り方〜21世紀料理教室 その1〜 世界の料理界はここ十年で大きく変わりました。 分子料理学という言葉の登場もそのひとつ。この言葉を聞いて、みなさんはどんなことを想像しますか。エルブリのような奇抜な料理? たしかにこれらも一例ではありますが、じつは分子料理学とはもっと身近なものなのです。 この言葉は1992年に〈伝統的な料理を科学的に分析する〉研究会で生まれました。名付け親はハンガリーの物理学者ニコラス・クルティ。後にフランスの化学者、エルヴェ・テス博士らによって世界に広まりました。 分子料理学とは簡単にいうと『これまでざっくりとしか見てこなかった料理を細かく調べてみましょう』という学問です。分子料理学を積極的に取り入れているイギリスのシェフ、ヘストンブルメンタールさんは著書「Heston at Home」(未邦訳)のなかで、こんな風に語っています。 私は十六歳の時
料理の基本、チキンブイヨンをつくってみよう! ブイヨン=ストック=出汁は料理の基本です。いつもは市販品のキューブや粉末で済ましてしまいがちですが、一度くらいはご自分で出汁をとるというのはいかがでしょうか? 今回、ご紹介するのは『ブラウンチキンストック』 チキンストックには焼いてから出汁をとる『ブラウン』とそのまま使う『ホワイト』の二種類があります。焼いてからスープをとると、ソースなどにも使う力強い味のストックがとれます。薄めればスープに使えますし、オニオングラタンスープなどにも最適です。 材料(1L分) 鶏手羽 1kg 玉ねぎ 一個 にんじん 一本 にんにく 一かけ バター 大さじ1 スキムミルクパウダー(あれば) 大さじ1 胡椒 秘密の材料は『スキムミルクパウダー』です。肉が焼けるいい匂いのもとはメイラード反応による副産物ですが、スキムミルクパウダーに含まれる乳糖は肉のタンパク質を結び
塩の味 〜21世紀料理教室 その3〜 分子料理学によく寄せられる批判に「化学物質を料理に使うのは正しいことではない」というものがあります。 その意見も一理ありますが、実際、食べ物は様々な化学物質で構成されています。 まずは水。ご存知、H2O。砂糖の主成分はショ糖、C12H22O11ですね。酢の主成分、酢酸はCH3COOH・・・・・・etc。 油もコーヒーも野菜も肉も、分子レベルまで観察すると、すべて化学物質の塊です。 なかでも最も身近で、もっとも 古くから存在している化学物質が、塩──NaClです。 今日のテーマは塩。 小学校の授業のおさらいのようですが、塩はナトリウムイオンと塩化物イオンの結合物です。水中ですとイオンは分離し、固体では結晶になります。 塩は海水からつくられるほか、山で採れる岩塩もあります。 人体に塩は不可欠で、欠乏すると死んでしまいます。 さらに塩味は5つあ
電子レンジでつくるカラメルソース 〜21世紀料理教室 その6〜 これだけ科学が進歩していても、いまだ解明されていないことが、身近な現象のなかにもあります。 その一つが今日のテーマ「カラメル」です。 カラメルは濃い褐色、独特の甘くて香ばしい匂いと、弱い苦みがあります。主に洋菓子──プリンのあのソースです──やコーラのような飲料のフレーバーとして利用されています。これだけ身近にあふれていても、カラメル化がどうようなメカニズムで起こるのか、まだ謎の部分が多いのです。(ご興味のある方はHarold McGeeのブログ『curious cook』の記事『Caramelization: new science, new possibilities』が参考になります) どのようなメカニズムで起こっているか、に関わらず、カラメル反応について理解を深めることはお菓子作りがうまくなることへの第一歩です。 カラ
アルポルト、片岡シェフにリゾットの作り方を教わる 前回、食育クラブのメンバーでもある『ヌキテパ』の田辺シェフの講習会の模様をレポートしました。今回は『アルポルト』の片岡シェフによる料理講習会が服部学園で開かれていました。『アルポルト』もまた食育クラブのメンバーです。見学してきたのでご報告します! アルポルトのご紹介は食育クラブホームページをご参照くださいい。http://www.shokuikuclub.jp/members/member_detail?id=145 さて、片岡護シェフはご存知、イタリア料理界の重鎮。授業でつくられた料理は三品ですが、ここではイタリアンの定番、リゾットの作り方を教わります。まずはレシピです。 リゾット ミラネーゼ Risotto Milanese 材料 2人前 米 100g 玉ねぎのみじん切り 大さじ2 白ワイン 50cc ブイヨン
古くて新しいステーキの焼き方〜21世紀料理教室 その2〜 〈分子料理学〉によって、これまでの《料理の常識》とされていたものが覆されたものがあります。 「肉の表面を焼き固めても、肉汁の流失は食い止められない」 というのもそのひとつ。 〈肉汁が逃げないように表面を焼きつける〉という方法は1850年頃、ドイツの化学者ユストュス・フォン・リービッヒによって考案されました。この考え方は1930年代に行われた実験によって否定されましたが、最近までまことしやかに語り継がれてきました。 そうではない、という事実も大分、広まりましたが、まだ時々「表面を焼き固めて、旨味を閉じ込めましょう」と書いている料理本や、教えられている料理研究家の方はおられますね。 表面を焼く理由を定義すると 肉の表面を焼き付けることによって褐変反応物質を生成し、風味を増すため です。 メイラード反応によって生成される風味は唾液の分泌を
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