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2023年は、音楽やエンターテインメントの世界で活躍したたくさんの偉大な方々がこの世を去り、多くの人々が悲しみに暮れた年でもありました。そんな一年の締め括りに、Mikikiは故人の偉業を邦楽編と洋楽編に分けて伝えています。 中でもYMOのメンバーだった高橋幸宏さんと坂本龍一さんが相次いで逝去したことは、国内外に大きな衝撃を与えた出来事で、傷が未だに癒えていないファンも多いことでしょう。 〈教授〉の相性で親しまれた坂本さんが3月28日に亡くなってから、早9か月。ピアニストとして、ソロアーティストとして、YMOのメンバーとして、映画音楽家として、作曲家として、プロデューサーとして……。坂本さんが遺した多面的かつ膨大な作品や仕事の数々は、そう簡単に総括できるものではありません。 そんな坂本さんの存在や遺産を、ユキヒロさんの記事と同様、タワーレコード各店舗のスタッフに個人的な視点から振り返ってもら
2023年も残りわずかとなりました。今年は、音楽史に大きな足跡を残したミュージシャンやアーティストが数多く旅立ち、特に大きな衝撃とともに深い悲しみに暮れるような訃報が多かった年だったと言えるのではないでしょうか。そんな2023年の振り返りの一環として、彼らの功績をたたえ、後世に残されたマスターピースを振り返ってみましょう。洋楽編は別の記事で掲載し、こちらでは邦楽編として国内のアーティストを取り上げました。 ★2023年末特別企画の記事一覧はこちら チバユウスケ 68年7月10日生まれ、神奈川県藤沢市出身のミュージシャン。 大学在学中にTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTを結成。モッズスーツを纏い、70年代のパンクやブルース、R&Bから影響を受けたパブロック/ガレージロックの流れを汲むロックンロールの音楽性で注目を集め、96年にシングル“世界の終わり”でメジャーデビュー。 そ
はっぴいえんど カタログ再発記念スペシャルトークイヴェント タワーレコード渋谷店 B1F CUTUP STUDIO 出演:松本隆/鈴木茂、安田謙一(司会) きみを燃やしてしまうかもしれません、の永久機関盤。 イヴェント取材後、渋谷マークシティの上りエスカレーターに揺られる。溢れかえる下り集団の他民族率に驚いた刹那、無意識の隧道を抜けて“浮かぶ驛の沈むホームに”の詞が唇のレール上を通過して行った。最新リマスターCD発売記念トークイヴェントに登壇した二人(松本隆/鈴木茂)の談話が、千切れ雲状に流れては脳裡を漂う。 「遠藤賢司さんの詞って割と、松本さんの詞と似ている気がしていた。コトバの選び方とかね」(茂)/「うん、彼は凄い才能だったよね」(隆)、記憶の単線上で“夜汽車のブルース”と“抱きしめたい”がタブレット交換する。音搦みで小坂忠の“機関車”が連結される。世代を超え、50年以上も愛される名曲
NHK総合のドキュメンタリー番組「映像の世紀バタフライエフェクト」で、ビートルズの特集が放送される。 95年からスタートした「映像の世紀」の新シリーズである「映像の世紀バタフライエフェクト」は、蝶の羽ばたきのような、ひとりひとりのささやかな営みが、いかに連鎖し、世界を動かしていくのか、世界各国から収集した貴重なアーカイブス映像をもとに、人類の歴史に秘められた壮大な〈バタフライエフェクト〉の世界に迫っていく番組。 今年6月には、ビートルズの誕生から世界中の若者に与えた衝撃、世界の政治体制にまで及んだ影響を、彼らのベスト盤にちなんで〈赤の時代 1962~1966〉と〈青の時代 1967~1970〉の2つの時代に分けて描き出し、大きな反響を呼んだが、その特集の73分の拡大版が〈ビートルズとロックの革命〉と題して、2023年12月30日(土)に放送される。 70年の解散から半世紀が経った今も新しい
特に音色のインパクトが強力で、近年聴いたメタル系アルバムの中でも、とてもズシンとくるロックの歴史を背負った音色だと感じました。 そして、気の重くなるニュースばかりで明るい未来を見ることが難しい大変な時代ですが、ベテランのバンドが決して希望を捨てない生命力を見せてくれた気がして、とても勇気をもらいました。皆叫ばなくなったのに〈この世の中おかしくね!?〉と叫ぶ。大人として、ロックをする人間としての態度がもう格好良すぎる。ですので、これがダントツで1位です。 これを聴いた後に、ウリ・ジョン・ロートが「若い世代は音色について理解不足だ」と話す記事を見たんですよ。全くもって同意ですが、『色即是空』を繰り返し聴いた後だと、より説得力がありますね。 私はもちろん超絶技巧も聴きたいし、現代の感覚の新しい音楽も聴きたいけれど、最初に耳に飛び込んでくるのは音色。音色こそがアイデンティティであり、思想だと思って
2023年11月26日、チバユウスケがこの世を去った。今年4月、食道がんと診断されたことを受け治療に専念するため休養を発表していたチバだが、最期は家族に見守られながら穏やかに息を引き取ったという。 Mikikiでは、長きにわたりチバユウスケに取材を行い、その姿を目にしてきたライターの長谷川誠にチバについてのテキストを寄稿してもらった。読む前に理解しておいてほしいが、これは追悼文ではない。その功績をたたえる記事でもない。あくまで1人の男から見たチバユウスケの姿、ただそれだけが記されている。ぜひ熟読してもらいたい。 *Mikiki編集部 チバユウスケとの出会い チバユウスケは愛をシャウトで表現できる、類まれなミュージシャンだった。なぜ愛を叫び声で表現するかというと、愛とは甘ったるいものでも、たやすく成立するものでもないからだ。自らのすべてを賭け、渾身の力を振り絞り、真摯に対峙することで、初めて
浜崎容子(アーバンギャルド) 平成最後の稀代のウソつき野郎、令和になって過去がカムバック。21世紀の自己愛性人格障害、最終兵器スパンクハッピー。 何年経ってもサウンドはシャンパンの泡のようにキラキラとまぶしく、岩澤瞳さんの声はただ美しく、成孔さんの言葉はきっと誰もが一度は羨望のまなざしを向けた街中ですれ違う高級外車なのだろう。 私たちの国は相も変わらず街中に裸の女の子の写真が溢れていて、年間何億円プレイヤーという男の子たちのトラック走ってる。 アリスとロリータはファーストフードはもう食べない、SNSの世界でしか美少女は見ない。家出した少女は帰ってこない。 今夜も高級ホテルのフレンチのテーブルに座って、年寄りばっかり狙ってる。歌舞伎町にいた成孔さん、この現象はなんと呼びますか? あの女の子は友達の彼とキスした夜は、いつもリストカットしてた。 カッターナイフはまだまだ必要だと思っていたけど、真
2023年12月6日、ほぼ廃盤状態だった第二期SPANK HAPPYのシングルとアルバム、および〈菊地成孔 feat. 岩澤瞳〉名義のシングル“普通の恋”が、ついにサブスク解禁された。第二期SPANK HAPPYとは99~2004年、菊地成孔と岩澤瞳の2人で活動した時期の通称で、その歌・詞・サウンド・ライブ・ビジュアル表現などはカルト的なファンやフォロワーを一部に生んだことで知られている。菊地いわく〈作り出した私の思惑を遥かに超えて、人々を狂わせ、磔にしたまま、永遠に古びない〉二期スパンクスの作品、そして存在それ自体。Mikikiは、そんな二期スパンクスと“普通の恋”に人生を狂わされてしまった音楽家や表現者からのコメントを集めた(掲載は五十音順)。 なお二期スパンクスの全曲をDJプレイするパーティー〈2期スパンクハッピー・レトロスペクティヴ〉が来年、2デイズにわたって開催されることが決定、
はまじあきの4コマ漫画を原作とするアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」、その劇中バンド=結束バンドのキャストが出演したイベント〈結束バンドLIVE-恒星-〉の模様を収めた映像作品が、2023年11月22日(水)にリリースされる。今年5月に開催された同イベントは、原作/アニメファンのみならず、音楽リスナーからも注目され大きな話題となった。 そんな映像作品のリリースに合わせ、後藤ひとり役の青山吉能、喜多郁代役の長谷川育美にインタビューを実施。イベント当日の心境から結束バンドとして叶えたい目標まで、2人の底なしの作品愛を感じてもらいたい。 〈結束バンドLIVE-恒星-〉当日を迎えて ――イベント当日、Zepp Haneda (TOKYO)に足を踏み入れたときはどんな心境でしたか? 青山吉能「Blu-ray&DVDに入っている特典映像(『ギターヒーローへの道 番外編』)にちょうどZepp Haneda
ロイ・ハーグローヴがわずか49歳でこの世を去ってから早5年――稀代のジャズトランペッターである彼の人生に迫るドキュメンタリー映画「ロイ・ハーグローヴ 人生最期の音楽の旅」が命月11月に日本で公開される。監督を務めたのはハーグローヴと同世代で30年近くにわたって親交のあったエリアン・アンリ。2人は2016年から1年半かけて構想を練り、2018年1月から撮影を敢行、結果としてハーグローヴの最後の1年をカメラに収めることとなった。 人工透析を受けながら演奏活動を行う過酷な日々と、そうした病を微塵も感じさせない、窓辺でリラックスしながら、あるいはステージで白熱しながら奏でるトランペットの音色。本作にはそうしたロイ・ハーグローヴのリアリティが刻まれているとともに、映画のエグゼクティブプロデューサーを務めたエリカ・バドゥをはじめ多数のミュージシャンたちのインタビューを差し挟むことで、ハーグローヴの足跡
歌は感情や想いの大切な出口 TOWA TEIやROTH BART BARON、am8らの作品にボーカリストとしてデビュー前から参加し、そのスモーキーでノスタルジックな歌声が話題となっていたHANA。これまでずっと謎のベールに包まれていた彼女が、ついにHana Hope名義でのファーストシングル『Sentiment / Your Song』でデビューを果たした。 音楽好きの家庭で育ち、物心がついたときにはすでに人前でよく歌を歌っていたというHana Hope。とりわけお気に入りだったのは、父親の車の中にあった『Songs For Japan』(2011年)。東日本大震災の復興支援を目的としたこのチャリティーアルバムに収録された、ジャスティン・ビーバーやブルーノ・マーズなどの楽曲を全て暗記するほど聴き込んでいた。 先日、筆者が行ったオフィシャルインタビューで歌が好きな理由について尋ねると、ひと
メディアとしての坂本龍一というプロジェクトへ 1980年代くらいまでのテレビには、岡本太郎や池田満寿夫、黛敏郎や山本直純、大島渚や野坂昭如、少し年齢を下げれば、三枝成彰、村上龍、中島梓、田中康夫など、美術、音楽、文学、映画、などの多くの文化人が登場していた。しかし、そうした文化人たちがその本業において、どのような仕事を成し遂げた人物なのかまでを詳しく知る視聴者はどれほどいただろうか。 本書がテーマとする、(坂本龍一の活動に見る)「マス・メディアの中の芸術家像」とは、そうした本業と乖離したタレント的なパーソナリティを要求されるようなマス・メディアとのかかわりではなく、活動の基盤を、メディアを介することでオルタナティヴに(本書に倣えばゲリラ的に)展開しようとする芸術家の謂と言えるだろう。もちろんタレント的にテレビや広告に登場することもあったにせよ、だからこそ、坂本龍一とは、その当初からメディア
藤井 風や宇多田ヒカルら魅了するA.G.クック(A. G. Cook)――PC Music設立からJ-Popでの活躍まで、そのキャリアを振り返る 藤井 風、宇多田ヒカル、チャーリーXCX、ビヨンセ......これらのアーテイストを繋ぐキーマンがA.G.クックである。直近でも藤井 風“花”、宇多田ヒカル“Gold ~また逢う日まで~”のプロデュースを手掛け、J-Popシーンだけを眺めていても着実にその名を見る頻度が増えている。 〈A.G.クックとは?〉〈改めてA.G.クックの作品をチェックしたい〉――そんなリスナーに向けたテキストを、ライターのノイ村に執筆してもらった。今に続くA.G.クックのキャリアを、特にターニングポイントとなる楽曲や作品とともにチェックしてもらいたい。 *Mikiki編集部 「ポップな人たちと話すと、『ああ、あの実験的な人だね』って言われる。そして、実験的な人たちと話す
〈レジェンド〉ことシンガーソングライター/アイドルの小日向由衣が、前作『世界が泣いてる』(2021年)から2年、ニューアルバム『恋愛ハラスメント』をついに完成させた。〈短冊CDの日〉にリリースしたシングル“天の川ぶち壊す!”などを収録しているほか、故PANTA(頭脳警察)が小日向由衣にインスパイアされて作った“虹のほほえみ”のカバーもボーナストラックとして収めた、キャリアの集大成的な内容になっている本作。曲作りのスランプを乗り越えて作り上げたというアルバムの背景に、プロインタビュアーの吉田豪が迫った。 この調子でアルバム作れるのかな ――2年前のアルバムのときは、小日向さんが自腹を切ってボクをインタビュアーとして雇って記事を公開したんですよね。 小日向「そうなんです。noteで公開したんですけど、訳あって今は有料にしてます」 ――パブ記事なのに(笑)。今回はちゃんとした記事です! この『恋
はまじあきの4コマ漫画を原作とするアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」。2022年10月~12月にかけて放送された同作は、原作ファンやアニメ好きはもちろん、声優キャストが歌唱する主題歌や劇中歌などを通じて音楽ファンからも愛され、その余波はアニメ放送開始から1年が経った現在でも広がりをみせている。 なぜ「ぼっち・ざ・ろっく!」の人気は衰えないのか? 原作そのものの面白さは当然として、そこには映像化に際して付け加えられた〈音楽〉が強く関係しているのではないか。アニメ放送1周年を迎えた今、同作を深く知るライターのs.h.i.に改めてその魅力を考えてもらった。 *Mikiki編集部 〈結束バンド〉を入り口としたアニメ人気も 2022年を代表するアニメの一つとなった「ぼっち・ざ・ろっく!」は、本放送が終わった後も熱烈なファンを増やし続けている。今年の5月21日に開催されたイベント〈結束バンドLIVE -
Mr.Childrenが通算21作目のオリジナルアルバム『miss you』をリリースした。全て新曲で埋め尽くされた同アルバムは、デビュー30周年を経て、桜井和寿、田原健一、中川敬輔、鈴木英哉の4人の絆を感じさせるとともに、次なる航海へと挑むバンドの覚悟も刻まれた作品である。 〈国民的バンド〉〈モンスターバンド〉といった言葉で形容されるMr.Childrenは、どんな旅を経て『miss you』に辿り着いたのか。本記事では『miss you』にいたるまでの道のりをオリジナルアルバムとともに辿っていく。前編に続く後編では、『シフクノオト』から『SOUNDTRACKS』までの10作品を紹介する。 *Mikiki編集部 『シフクノオト』(2004年) “Replay”がポッキーのCMソングだったり“CROSS ROAD”がドラマ「同窓会」の主題歌だったりと初期からタイアップが多く、そのため90年
電子音楽の枠を超え、AIや生楽器表現を鋭利な耳で更新した異世界的自伝 実験的な電子音楽の鬼才として知られる一方で、ザ・ウィークエンドのプロデュースなども手掛け、ポップミュージックのフィールドでも活躍しているOneohtrix Point Never(以下、OPN)ことダニエル・ロパティン。Warpからの新作『Again』のリリースに合わせて、強烈なインパクトを放つ、新曲“Barely Lit Path”のミュージックビデオが公開された。 暗闇に覆われた森の中を、自動運転車が猛スピードで進む。フロントシートには、2体の心肺蘇生マネキンが縛り付けられている。車内には、核ボタンを連想させるボタンや、AIを思わせるチェスボード、〈エレホン〉(約150年前にシンギュラリティを予見した古典的ディストピア小説)といった意味深なアイテムが映し出される。ミニマルなアルペジオを基調としたストリングスとシンセに
活動休止の最中、桜井はPro Toolsを導入してより自由な制作スタイルを獲得する。全体的にメンバー4人のバンドアンサンブルが重視され、レディオヘッド『OK Computer』(97年)をはじめとした外的な影響を音作りやポストプロダクションに織り込んだ意欲作だ。現在まで続くバンドイメージそのものとも言えるロックアンセム“終わりなき旅”をクライマックスに据え、ラップのごとく軽快に韻を踏むファンクナンバー“アンダーシャツ”、サンプリングやエフェクトを多用しつつ、ラウドな演奏を半ば強引にミックスさせたかのような“ニシエヒガシエ“(これが当時ドラマ主題歌だった事実にも驚愕)あたりを聴くに、活動休止による停滞感は一切なく、むしろこれまで以上に現実的な視点とサウンドに舵を切ったことで、バンドは大きく前進する。ファンを中心にメンバーからも愛される楽曲へと育った“Simple”など、次世代に向けて必要なノ
Mr.Childrenが通算21作目のオリジナルアルバム『miss you』をリリースした。全て新曲で埋め尽くされた同アルバムは、デビュー30周年を経て、桜井和寿、田原健一、中川敬輔、鈴木英哉の4人の絆を感じさせるとともに、次なる航海へと挑むバンドの覚悟も刻まれた作品である。 〈国民的バンド〉〈モンスターバンド〉といった言葉で形容されるMr.Childrenは、どんな旅を経て『miss you』に辿り着いたのか。本記事では『miss you』にいたるまでの道のりをオリジナルアルバムとともに辿っていく。今回はデビュー作『EVERYTHING』から10周年の節目にリリースされた『IT’S A WONDERFUL WORLD』までの10作品を紹介する。 *Mikiki編集部 『EVERYTHING』(92年) 記念すべきメジャーデビュー作品。7曲入りのミニアルバムだが、ファーストアルバムと位置づ
サブスク問題の真相 吉田豪「今日は宣伝色強めのトークをするようにと事前に言われたんですけど、無理ですよね(笑)。川本さん、できます?」 川本真琴「私、宣伝自体が得意じゃないので(笑)」 吉田「フフフ。わかりました。では探り探りいきましょうか」 川本「吉田さんは宣伝、得意ですか?」 吉田「ボクが宣伝を得意なわけないじゃないですか! ボクのインタビューはなるべく宣伝色をなくすのがテーマで、Twitter(X)でも宣伝が苦手なんですよ。感想をリツイートするのがせいぜいで」 川本「ホントですか!? そんな2人でトークを始めさせていただきます(笑)」 吉田「では、まずはサブスク問題※について!」 川本「いきなり(笑)!?」 吉田「昨日、『アフター6ジャンクション』(TBSラジオ)でこのイベントの告知をしてましたけど、えらい怯えてたじゃないですか」 川本「何かが起こるんじゃないかってね。吉田さんの記事
現在日本在住、現代音楽やミニマルミュージックの巨匠として知られる作曲家・音楽家のテリー・ライリーが、ついにニューアルバム『Terry Riley STANDARDⓈAND -Kobuchizawa Sessions #1-』をリリースする。タイトルどおり山梨・小淵沢で録音された本作は、ジャズのスタンダードナンバーとオリジナル曲で構成された一枚。ここに刻まれた大らかで穏やかな音楽は、御年88にして保ち続けているオープンマインドな姿勢と懐の深さ、即興演奏や音楽そのものへの愛を強く感じさせる、とても雄大で柔和なものだ(録音当時は84歳)。〈現代音楽やミニマルミュージックの巨匠〉というパブリックイメージからまったく自由な瑞々しい新作を作り上げたテリー・ライリーに、ライターの松永良平(リズム&ペンシル)がインタビューを行った。 *Mikiki編集部 すべては偶然の流れ ──まず、今回のアルバム『Te
中塚武の活動20周年を飾る、7年ぶりのオリジナルアルバムとして話題の新作『PARADE』。同作から、トヨタ〈プリウス〉のCMに起用されたことで多くの人にとって聴きなじみのある名曲“Dreaming of the Future”がシングルカットされた。その12インチ盤には、FPM(田中知之)、in the blue shirt、原口沙輔という世代の異なる豪華なプロデューサー/トラックメイカーが参加し、三者三様の解釈が施されたリミックスが収められている。 今回はこれを記念して、中塚と、音楽家の先輩として彼を深くリスペクトするin the blue shirtこと有村崚の対談をおこなった。収録は、2023年8月20日に開催されたイベント〈中塚武 20th Anniversary Party『PARADE』〉の翌日に実施。ハッピーなバイブスに溢れたライブで有村が受けた感動から対談はスタートし、2人
高橋幸宏、ムーンライダーズ、清水靖晃他が参加した伝説のコンサートが40年の時を超えてリリース! 1982年にリリースされたピエール・バルーの『ル・ポレン(花粉)』というアルバムをご存知だろうか? 加藤和彦と高橋幸宏、清水靖晃が書き下ろし曲を提供、高橋、清水、鈴木慶一等が編曲、主にムーンライダーズやマライアが演奏を務めた日本制作盤だ。 その『ル・ポレン(花粉)』のリリースから約一ヶ月後の82年10月15日、アルバムの発売を記念したコンサートが東京芝郵便貯金ホールで行われた。このときのライヴ音源はずっと行方不明とされてきたが、このほどアルバムとコンサート両方のプロデューサーである立川直樹の事務所で奇跡的に発見され、『ル・ポレン~伝説のライヴ1982』として初めて陽の目を見ることになった。 ライヴ音源には、アルバムのレコーディング・メンバーであるムーンライダーズ、清水靖晃(サックス等)、大空はる
2023年8月9日、ザ・バンドのギタリスト/ソングライターとして知られた北米音楽界の重鎮ロビー・ロバートソンが、80歳でこの世を去った。前立腺がんとの闘病を長期間続けていたという。 ロビーの音楽家としての深く豊かな才能は、ザ・バンドで遺した多くの名曲はもちろん、ボブ・ディランとの共演作、ソロワークスや映画音楽の仕事の数々で聴ける。一方でザ・バンドの元メンバーたち、特にリヴォン・ヘルムとの軋轢があったことは知られているとおりで、彼の音楽人生は起伏に富んだものだ。 そんな彼への追悼の意を込めて、ミュージシャンの谷口雄がロビーとザ・バンドの物語を綴った。全3回に分けて掲載するうち、第1回に続く第2回はザ・バンドの伝説的デビュー作『Music From Big Pink』から解散コンサート〈ラスト・ワルツ〉まで。 *Mikiki編集部 デビュー作『Music From Big Pink』と名曲“T
ヒットチャートを見るとき、好きなアーティストの順位を確認するだけでなく、全体の男女比を気にする人はどれくらいいるだろうか。さらにいうと、チャートにおける男女比が常に歪であると知っている人は、そのなかの何%であろうか。 現状のヒットチャートでは、男女比が5:5になることはほとんどない。これが実力や才能に基づいた純粋な評価であれば何の問題もないが、そこに性別による偏見や忖度がないと誰が断言できるのだろう。ギターを弾く女性をあえて〈ギタ女〉と呼んでみたり、女性だけのバンドをわざわざ〈ガールズバンド〉と呼称したり、音楽シーンで女性はいまだに枕詞をつけられる側だ。 そんな音楽業界における男女不平等に、音楽チャートを運営しているBillboard JAPANが切りこんだ。アメリカのBillboardが開催している〈Billboard Women In Music〉というアワードをもとに、女性をエンパワ
五十嵐夢羽さん、宇野友恵さん、横山実郁さんの3⼈による新体制で活動を続けているRYUTist。2023年9月8日(金)にはSHIBUYA PLEASURE PLEASUREで結成12周年記念ライブを開催、今秋にはニューシングルのリリースを予定しています。そんなRYUTistの友恵さんによる、本にまつわる連載がこの〈RYUTist宇野友恵の「好き」よファルセットで届け!〉です。今回は、いつものスタイルから一転、映画「ドキュメント サニーデイ・サービス」と書籍「青春狂走曲」をきっかけに、友恵さんは東京・下北沢への旅を敢行。その記録をお届けする特別編の前編です。 *Mikiki編集部 ★連載〈RYUTist宇野友恵の「好き」よファルセットで届け!〉の記事一覧はこちら 7月末、新潟のシネ・ウインドで映画「ドキュメント サニーデイ・サービス」を観ました。 CDデビューから30年を迎えたロックバンド、
Nao☆「すみません、あのときはお世話になりました! 豪さんと(嶺脇育夫)社長がいれば大丈夫だっていうことで(笑)」 ――結婚もあったりで、Negiccoとしての活動を控えめにしつつ、ソロでそれぞれやっていこうみたいな5年間だったと思うんですけど。これは、どういう流れで決まったんですか? Nao☆「まず〈リーダーから〉ってふたりが後押ししてくれて私が結婚して。ハッキリは言われてないんですけど、ふたりが私を待ってくれてるというか、〈まずNao☆ちゃんからでしょ〉っていう感じを出してくれて……出してはいないんですけど」 ――そういう話はなんとなくメンバー間でしてたんですか? Nao☆「Negiccoの活動もやってたので、いいタイミングというか。そんなにうまくいくものでもないので、どうなるかなっていうところはあったんですけど。 私の子宮内膜症もあって、2年も治ってなくてけっこうたいへんな時期もあ
「相当前ですね!」 ――コロナ以降は全然会ってないし、つまりみなさんが結婚してから会ってなかったわけです。 「そうでしたっけ? 私、豪さんに先に〈結婚します〉ってお伝えしたのは覚えてるんですけど。そうか、ご無沙汰してます。私はSNSで豪さんのこと見てるから、感覚としては久々じゃないんですけど」 ――5年前は、ちょうどぽんちゃ(Megu)の病み期で。〈私はNegiccoを辞めなければいけないのでは〉ってぐらい歌の不調で悩んでましたね。 「インタビューでも泣いたりしてましたよね。それはすごい覚えてます」 ――その後どうなったんですか? 「ウイルス禍でNegiccoも活休(活動休止)になったりして、その期間はほとんど練習してました。先生とかつけないで自分の歌と向き合ってるみたいな感じでひとりで練習してて。乗り越えたというよりも、また新しい形として」 ――この歌い方ならイケるかな、みたいなやり方を
2023年7月20日に結成20周年を迎え、『午前0時のシンパシー』(2020年)以来3年ぶりの新作であるミニアルバム『Perfect Sense』を配信リリースしたNegicco。8月13日(日)にLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で記念公演の開催を控える3人に、プロインタビュアーの吉田豪が5年ぶりの個別ロングインタビューをおこなった。初回はKaede編をお届け。 *Mikiki編集部 ひとりで歌うことが楽しい ――本当にお久しぶりです! 「お久しぶりです。5年も空いてると思わなかったですね」 ――そうなんですよ。このインタビュー企画自体が2012年に始まって、それから2014年、2016年ときて、2018年に『MY COLOR』が出るタイミングで取材したのが最後で。イベントもアイドル対バン的なものにそんなに出なくなって、コロナもあって、まったく会う機会がなくなったという。ソ
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