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災害への備え
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日本語の国際化 ―小笠原諸島欧米系島民の言語生活の歴史と実態― ダニエル・ロング 日頃は私より若い学生を相手に話しをしているので、今日のように年輩の方を前にお話をするのは大変緊張します。 私は、アメリカの南部、テネシーで生まれ育った人間です。最初、中学で旅行した時、私の英語を笑われて「お前はどこの人間だ」と言われたことがあります。 その時、或いはその前からでしたが、言葉というものに興味を持って、言葉の美しさ、言葉の醜さ、面白さ、武器としての言葉、人を傷つける言葉、喜ばせる言葉等々、いろいろな側面に興味が湧いていきました。日本では、千葉から関西に行って、また、関東へ来て、再び関西に戻り、大学院に行って今の仕事に就いたのです。ですから、日本でも割合いろいろな地域に暮らしたので、その地方地方の言葉の違いに気付くようになりました。アメリカでの言葉の違いにも興味が湧いたのです。 こうして、日本の方言
日本語の方言が始めて西洋の文献に登場するのは、17世紀初期のキリシタン文献においてである。ロドリゲス(Joao Rodriguez)著の『日本大文典』(1604)には、「京へ筑紫に坂東さ」という俗諺が紹介されており、また、『日葡辞書』(1603)には、「方言」と記されたことばが400語以上収録されている。 以来、世界の言語学者が日本語の方言について研究しているが、海外の学者にとっては、日本語の方言はいまだに未知の世界である。方言学研究の国際会議に出席すると、そのような印象を受ける。いろいろな人に日本の方言について質問されるが、本稿では、こうした質問を含め、日本語の方言を専門にする外国の言語学者たちが知りたがっていることに回答するかたちで、以下のべてみたい。 �@ 日本の方言はいくつあるか? 日本の方言の数、分類(つまり、日本で言う方言区画)について尋ねる人は決して少なくない。これは
ダニエル・ロング(東京都立大学)dlong@bcomp.metro-u.ac.jp 1. 本稿の問題点 本稿では、うわさと外国人との関係について考察する。日本では、外国人とうわさと言えば、多くの人が思い出すのは、1923年9月1日の関東大震災の直後に広まった「朝鮮人が攻めてくる。井戸に毒を投げ入れる」といううわさである(奥山1980:48)。このうわさはまったく根拠のないものであったが、これが流れた結果、数千人の朝鮮人(および朝鮮人と間違われた中国人や日本人)が殺されたという(南1985:Z)。 「うわさ」と「流言」を同義語とする学者は多いが、社会学では、デマと流言は区別されている。「デマは、意図的に流す虚偽の情報、それに対して、流言やうわさは意図的ではない情報で、必ずしも嘘とは限らない。」(奥山1980:48)また、民俗学では「都市伝説」(英語のurban legendの訳)という用語が
・各地に国語伝習所開校 ・国語学校、国語学校付属学 校設立 ・高砂族の国語伝習所開設 ・『新日本語言集甲号』 ・『台湾適用会話入門』 ・『台湾適用小学校読方作文 教授掛図指針』 ・『台湾適用国語読本初歩上 巻』 ・『小学よみかき教授書』
東京都立大学の「日本語教育学特殊講義U」(2000年度、ロング担当)の学生が作成した資料 石川県(越田みつ美) 鹿児島県(久保) 東京都及び近郊(柴崎貴子) 沖縄県(小橋川統) 山口県(梁井久江) 香川県(林信哉)
日本語教育における性差の扱い 教育学専攻 椎林 美樹 「I」を日本語で訳すと、私、俺、ぼく、うち、といろいろ出てくる。 そして「俺」という言葉は、(とくに東京の場合は)女性はほとんど用いない。ぼくという言葉もまた同様である。日本語には女性がよく用いる言葉と男性がよく用いる言葉が微妙に違っているように見える。 そこで日本語における性差を日本語教師は教えているのか、また教えているとするならばどのように日本語を学ぶ外国人に日本語の性差を教えているのかを考えてみたい。 <日本語の性差> 日本語のように性差が目立つ言語は少ない。「あら、雨が降っているわね。」とあれば、これが女性の発言だとわかる。しかし、「Wow、It’s raining.」、この発言が男性の発言か女性の発言がどうかを判断するには声を聞いてみないとわからない。文字だけで判断するのは至難の技である。日本語は男性がよく用いる
初出:『日本語研究センター報告』第6号,特集「小笠原諸島の言語文化」1998(大阪樟蔭女子大学日本語研究センター発行) 0. 世界中に見られる言語接触と接触言語 世界の多くの言語は他の言語との接触によって生まれた言語である。むしろ、言語接触を起し、他の言語体系の影響をまったく受けていない言語はおそらく存在しないであろう。人間のさまざまな民族の歴史は他の民族との接触の繰り返しの歴史である。そのために、この地球上で話されている言語のほとんどは、それぞれの長い歴史の中で、何らかの形での言語接触によってその姿を大きく変えていると考えられる。 英語は、千年近く前に、フランス語から大量な単語を取り入れた。このように他言語から導入された単語を借用語(borrowings)と言う。現在の英語では、これらのフランス語起源の借用語を一つも使わずに会話をするのがほとんど不可能なほど、それらは英語の不可欠な一
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