モードジャズ(Modal Jazz)という「レッテル」―― 普段は蔑称として用いられることのないこのテクニカルタームをレッテルと呼称するのは腑に落ちないかもしれない。しかし、このコンセプトがやたらと一人歩きしてしまったがために1960年代以降のジャズを却って捉えづらいものにしてしまったというのもまた事実なのだ。このことを、最も的確に説明したのは音楽学者キース・ウォーターズだろう。 2011年に出版された彼の著書『The Studio Recordings of the Miles Davis Quintet, 1965-68』(Oxford University Press; New York, Oxford)を読んでいただくのが最善なのだが、そう簡単にはいかないので抜粋を掲載しているページをご紹介しよう。英語が苦手な方もご安心いただきたい、主に見てほしいのは掲載されている2つの画像なのだ