ここ1年くらいで、小説の読み方が変わった。良くも悪くも少し距離を置いて読むようになった。 以前はというと、好みに合った本に出会ったら、それはもうどっぷりと浸かり込み過集中状態になっていた。数時間中断せず、逆に中断させられるのがかなりストレスだった。 だから特に日本語の表現だと不自然になりがちな翻訳小説はあまり読まなかった。不自然と感じたところで頻繁に集中が途切れ、それがストレスになるから。 最近再読したサマセット・モームの『お菓子と麦酒』も3年前の初読のときはまったく頭に入らなかったけれど、今客観的に読めるようになったことで初めて内容が掴めた。 めちゃくちゃ好きというわけではないけれど、案外良かった。 お菓子と麦酒 (新潮文庫 モ 5-7) 作者: ウィリアム・サマセット・モーム,William Somerset Maugham,上田勤 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1959/11