形而上学〈下〉 (岩波文庫 青 604-4) 作者: アリストテレス,出隆出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1961/02メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 26回この商品を含むブログ (18件) を見る アリストテレスはその著書『形而上学』の第9巻第3章を論敵との批判的対決によって開始する。その対決はメガラ派に向けられている。 メガラ派について メガラ派とは何者か。メガラ派は、プラトンやアリストテレスの同時代人で、ソクラテスから発した一つの哲学上の流れである。メガラ生まれのエウクレイデス(前450年〜)が創立し、彼らは、ソクラテスのように哲学することをエレア派(パルメニデスとゼノン)の教義に結合することを試みた*1。 この派の主要な関心事は運動の実在の可能性の問いである。彼らはその実在性を否定するのである。この問題の背後には、「哲学すること」の根本問題が隠れている。それは、ある