サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
TGS2024
www.cultibase.jp
3/12(土)に開催された『組織の「矛盾」を手懐けるリーダーシップの最新知見』のアーカイブ動画です。リーダーが意思決定を行う中で直面する「矛盾」といかに向き合い、創造性や成長につなげていくか。 ゲストに舘野泰一(立教大学経営学部准教授)さんを迎え、安斎勇樹(CULTIBASE編集長)と「矛盾」を活かしたリーダーシップのあり方について解説します。 チャットログはこちら 安斎勇樹と舘野泰一による最新刊『パラドックス思考:矛盾に満ちた世界で最適な問題解決をはかる』(ダイヤモンド社)が好評発売中です!関心のある方はぜひ下記より詳細をご確認ください! パラドックス思考の詳細・ご予約はこちら チャプター 00:11 イントロダクション 06:07 本日のテーマについて・チェックイン・登壇者自己紹介 11:37 現代のリーダーシップ理論の概要解説 23:08 これからのリーダーシップ論を捉える問題意識3
理論と実践が融合した経営・マネジメントの最新知見を学ぶ会員制サービス「CULTIBASE Lab」は、6月4日(火)より無料提供を開始しました。これまで月額2980円の有料会員限定で公開していた動画コンテンツを含む、延べ900本以上のコンテンツを簡単な会員登録をするだけで無料でご覧いただけます。 CULTIBASE Labのこれまで「CULTIBASE Lab」は、人と組織に対する深い洞察と専門知を有する経営コンサルティングファームである株式会社MIMIGURIが、経営・マネジメントに関する独自の最新知見をお届けするサービスです。 MIMIGURIは文科省認定研究機関*であり、経営・マネジメントに関する研究と実践を往復する中で編み合わせた独自の知見をCULTIBASE Labを通して社会に発信してきました。 CULTIBASE Labは、前身のワークショップデザインの専門知を学ぶ会員制コミ
2021年4月、複数の領域に展開してきた国内7つの事業会社を統合することを発表した、株式会社リクルート(以下、リクルート)。同社は「社内外の垣根を超えた協働・協創」を目指し、新たな人材マネジメントポリシーとともに「CO-EN」構想を立ち上げました。 CULTIBASEでは、2022年にリクルート人材・組織開発室室長・堀川拓郎さん(肩書は動画公開当時)をゲストにお迎えしたイベントを実施し、同社を創業期から支える経営論「心理学的経営」について講義をしていただきました。 ▼リクルートを創業期から支える経営論「心理学的経営」に学ぶ──個の創造性と自律性を育む組織文化 同社は、変化する時代に適応しつつ、柔軟で大規模な組織変革を進めています。ただし、これほど大規模な変化に対して、所属する各個人がすぐに理解し、適応することは容易ではありません。特に「これまでの組織の価値観のうち、何が変わり、何が変わらな
組織がイノベーションを生み出すためには、日常から変化をし続けることが必要です。特集「組織学習の見取図」では、組織の変化のメカニズムに迫る「組織学習(organizational learning)」領域の理論と実践知について探究していきます。 組織学習とは、組織における「個人の学習」を発端としながらも、組織として有用な知識が保存され、再現性のあるルーティンが変化することを指しています。あくまで「組織」を主語とした記憶と習慣の変化によって説明されるプロセスです。 前回の記事では、あえて組織学習の起点である「個人の学習」に焦点を当て、長年の実践経験を積んだ「エキスパート(熟達者)」が保有する技の構造について、認知科学の研究知見や、筆者らが行ったファシリテーターを対象とした最新の調査研究の結果に基づいて解説しました。 ある領域に精通して「エキスパート」「プロフェッショナル」「一人前」などと称され
学び続ける組織を作るために、何よりも最初にすべきこと|CULTIBASE Radio|Management #114 「学び続ける組織を作るために、何よりも最初にすべきこと」の概要 CULTIBASE Radioは、人やチームの創造性を高める知見を音声でお届けします。CULTIBASE Radio マネジメントの114回目では、CULTIBASE編集長であり株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOの安斎勇樹と、同じく株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOのミナベトモミが、「学び続ける組織を作るために、何よりも最初にすべきこと」をテーマにディスカッションしました。 感覚的に対話は学習支援に繋がると言うミナベ。今回は、先日のラジオを掘り下げて、対話による学習とは何か、というテーマについて、学習論の専門家である安斎が語る。「学習観」は人によってバラバラで、大人になるとその差は大
自律分散な意思決定を実現するために、SmartHRはデザインを特殊能力にしない:連載「クリエイティブ組織の要諦」第6回 本記事は、デザインビジネスマガジン“designing”との共同企画で、双方の媒体に掲載されています。 連載「クリエイティブ組織の要諦」では、デザイナーをはじめとしたクリエイティブ職の組織作りのヒントを得るため、注目企業にインタビューを重ねています。数々のデザイン組織立ち上げを支援してきた株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO ミナベトモミを聞き手に、組織デザイン/組織開発の両面からヒントを探っていきます。 第6回に登場するのは、4年連続で国内シェアNo.1(*1)のクラウド人事労務ソフト「SmartHR」を開発するSmartHRです。同社は2021年にユニコーン企業になり、現在700人を超える組織に成長しています。 組織拡大の途上ではプロダクトに関する意思決定
ビジネス書やセミナーなどで「組織学習」という言葉を目にしたことのある方は少なくないでしょう。 「個人の学習をいかに組織の成長につなげるか」といった文脈で取り上げられることもある概念ですが、その学術的な定義や研究知見をしっかりと把握している方はそう多くないかもしれません。そんな現状に対して、「CULTIBASE」では「組織学習の見取図」という連載を組み、その考え方や応用可能性を紹介・検討してきました。 本記事では経営組織論(組織学習論、組織変革論)、人的資源管理論を専門とする研究者で、『コア・テキスト 組織学習』の著者でもある、南山大学経営学部教授の安藤史江さんを招聘。「組織学習概論:学び続ける組織をつくるには?」をテーマに、組織学習論の定義・条件やよくある誤解から組織学習におけるミドルマネージャーの役割まで、最新研究を交えながら解説してもらいました。 なぜ今、組織学習が必要とされているのか
ブリコラージュで実現する、「対話」と「受動的な創造性」に満ちた組織──文化人類学の知を組織づくりに活かす方法 社会的な文脈のみならず、組織運営においてもダイバーシティの重要性が強調されています。ただ、個人が創造的に働きながら、ひとまとまりの組織をつくることは容易ではありません。 この難題への突破口を示してくれる可能性があるのが、「ブリコラージュ(bricolage)」という考え方です。ブリコラージュとは、文化人類学者のクロード・レヴィ=ストロースが1962年に発表した『野生の思考』で取り上げた概念。フランス語で「ありあわせの道具、材料を用いて自分の手でモノをつくること」を意味し、日本語では「器用仕事」「日曜大工」と訳されます。 「多様な個を生かす組織をつくるためには、ブリコラージュ的なアプローチが有効である」──株式会社MIMIGURIでマネージャーを務め、理念開発・浸透のプロジェクトのフ
漫画でわかる:構成主義とは 構成主義とは何か。教育領域の知見を中心に、ファシリテーターが知っておくべき学習観を、わかりやすく漫画でお届けします。 追記(6/28 12:30) こちら社内向けに共有したいという声を多数いただいており、展開しやすいようにコピーライト付きの切り抜き画像を作成しました。資料等への添付にご活用ください。 なお、下記コマ以外の内容の引用も可としますが、その際は必ず本記事のタイトル・サイト名・URLを併記いただきますようお願いいたします。 「漫画でわかる構成主義」の引用・参考文献 中野民夫『ワークショップ 新しい学びと創造の場』(2001)岩波新書 久保田 賢一『構成主義パラダイムと学習環境デザイン』(2000) 関西大学出版部 同書からは、構成主義の主要な3要素 ①学習とは学習者自身が知識を構築していく過程である ②知識は状況に依存している ③学習は共同体の中での相互
Slackに学ぶ、「全員が高い責任意識を持つ文化」を育む情報流通のデザイン:連載「クリエイティブ組織の要諦」第4回 本記事は、デザインビジネスマガジン“designing”との共同企画で、双方の媒体に掲載されています。連載『クリエイティブ組織の要諦』では、デザイナーをはじめとしたクリエイティブ職の組織作りのヒントを得るため、注目企業にインタビューを重ねています。数々のデザイン組織立ち上げを支援してきたMIMIGURI CO-CEO ミナベトモミを聞き手に、組織デザイン/組織開発の両面からヒントを探っていきます。 第4回に登場するのは、『Slack』を開発するSlack Technologies, LLC(以下、Slack)です。『Slack』がどのようなプロダクトかは、もはや説明するまでもないでしょう。全世界で16万9,000社以上が導入している世界的なビジネスコミュニケーションイ
エースメンバーの突然の離脱、取引先の無茶な要求、感染症のパンデミックによるチームの業績不安……チームは様々な困難に直面します。こうした困難の中で今までと変わらぬパフォーマンスを発揮する、あるいは、今まで以上の高業績をあげる上では、チームで困難状況を乗り越える力である「チームレジリエンス」が欠かせません。 チームレジリエンスの高いチームは、遭遇した困難から必ず教訓を得ます。それにより、次に同じような困難に遭遇した時はダメージが低く済むようにしているのです。 チームが困難から教訓を得るための重要な要素の一つに「振り返り」があります。何かうまくいかない出来事があったときに、振り返りをしているチームは少なくないかもしれません。一方で、困難が生じた後の振り返りは意外と難しく、自分たちの悪かったところだけ挙げて終わりにしたり、“犯人”を特定して糾弾するだけだったりになりがちです。この記事では、そうした
何かを見たり聞いたりして、ふと新たなアイデアが浮かぶ。そうした体験や感覚は「インスピレーション(ひらめき、触発)」と呼ばれ、個人や組織が創造性を発揮するうえで重要な役割を担っています。 CULTIBASE Lab会員向けオンラインプログラム「アートゼミ」の第3回目では、そんな「インスピレーション」について取り上げました。 登壇いただいたゲストは、金沢工業大学情報フロンティア学部心理科学科 助教の石黒千晶さん。 石黒さんは、芸術活動におけるインスピレーション、アート鑑賞や表現から育まれる能力について、心理学や認知科学の視点で研究。芸術・文化活動の意義を実証的に解き明かすとともに、学校や美術館でのアート教育プログラム開発にも取り組まれています。 芸術活動におけるインスピレーションとは何なのか、どのような条件が揃ったときに発現するのか。それらは個人や組織の表現や創造性の発揮にどのようにつながるの
人生100年時代。働く期間が長期化するなかで、「決められたゴールに向け邁進する、短距離走形の働き方」から、「変化を楽しみ、ストレスとうまく付き合いながら創造的であり続ける長距離走型の働き方」へのシフトが求められています。こうした長距離走型の働き方をする上で外せない要素の1つに、レジリエンスがあります。レジリエンスとは、困難な状況に直面しても、挫折から立ち直り、前進し続けることができることや、それに必要な力を意味します。本連載では、レジリエンス入門をパワーアップさせ、職場において、チームのレジリエンスを高める方法を紹介していきます。第1回目のテーマは、「困難さを創造的に乗り越えるレジリエンスの4つの戦略」です。 レジリエンスの4つのパターン働くことに関わるレジリエンスにはさまざまな定義がありますが(Hertman et al. 2020)、平たく言うと、仕事に関わる困難な状況や大きな変化に直
外部環境の変化が速く、先行きが不透明な時代を生きる上で欠かせない要素の1つに、レジリエンスがあります。レジリエンスとは環境の変化や仕事上の困難に対処し、回復する力(Noe, et al., 1990)*1のことを意味し、レジリエンスが高いと、変化の多い時代においても高いパフォーマンスを発揮できると考えられています*2。これまでレジリエンスは主に個人の問題として研究がなされてきましたが、近年では「チーム」でいかに逆境を乗り越えるのかということにも関心が集まり、「チームレジリエンス」の研究も進められてきています。「チームレジリエンス」という新しい言葉を耳にすると、「なぜ個人のレジリエンスを考えるだけでは不十分なのか?」「チームレジリエンスとは一体何か?」と言った疑問が生じてきます。この記事では、こうした疑問に関する答えを、最新の研究動向も踏まえながら解説します。 『困難さを創造的に乗り越えるレ
「事前に計画すること」は、わたしたちのいま・この瞬間に焦点をあわせる感覚を弱体化しているのではないか? そんな問いを起点として「計画」に対抗して生きるための知を探索していく、上平崇仁さんによる本連載。その第5回では、世界に応答していくためのインターフェイスである「身体」と「創造性」の関係性について、美術系教育機関における「体操」の事例を紹介しながらひも解いていきます。 何事も事前に計画することが強く求められる時代です。しかし、先回りして決めることで、周囲の余白は消え、「いま・ここ」に生起するありえたかもしれない可能性を見失う危険も伴います。前のめりになってスピードをあげることが是とされる中で、わたしたち生活者は、いかにして一期一会の世界との出会いに応答していくことができるのでしょうか。 この連載では、あえて常識とは逆のフレームから今の時代を探索し、そこから生活者目線のデザインのあり方を探る
「地図」が旅行者の動きをコントロールする時代に、「状況論」から学べること:連載「計画を超えて」 第3回 「事前に計画すること」は、わたしたちのいま・この瞬間に焦点をあわせる感覚を弱体化しているのではないか? そんな問いを起点として「計画」に対抗して生きるための知を探索していく、上平崇仁さんによる本連載。その第3回では、「状況論的アプローチ(状況論)」を起点に、生活者がデザイナーの意図に従うのではなく、世界に応答するなかでよりよくデザインしていく術について考えていきます。 ものごとを「事前に計画すること」。現在のビジネスや教育において支配的な考え方です。しかしながら、計画による先回りが過度に進むと、周囲の余白は消え、いま・この瞬間にしかないライブな感覚は軽んじられていきがちです。 加速するための“前のめり”の姿勢が是とされるなかで、本連載では、あえて常識とは逆の思考フレームに切り替えて今の時
50人で評価額2,100億円を越えたNotionに聞く、少数精鋭のプロダクト組織のつくりかた:連載「クリエイティブ組織の要諦」第3回 本記事は、デザインビジネスマガジン“designing”との共同企画で、双方の媒体に掲載されています。連載『クリエイティブ組織の要諦』では、デザイナーをはじめとしたクリエイティブ職の組織作りのヒントを得るため、注目企業にインタビューを重ねています。デザイン組織立ち上げを支援してきたMIMIGURI CO-CEO ミナベトモミを聞き手に、組織デザイン/組織開発の両面からヒントを探っていきます。 第3回に登場するのは、『Notion』を開発するNotion Labs(以下、Notion)です。2020年4月に企業評価額約2,100億円に達した際、従業員数は50〜60人だったという同社(2020年7月時点)。つい先日の2021年10月9日(日本時間)には、
本記事は、デザインビジネスマガジン“designing”との共同企画で、双方の媒体に掲載されています。経産省・特許庁が2018年5月に発出した「『デザイン経営』宣言」は、ビジネスの世界における「デザインの力」の立ち位置を大きく変化させるきっかけとなった。 しかし、日本におけるデザイン経営の振興に大きく貢献してきた二人の人物は、こう語る。「デザインの力によって企業経営や社会を変えるための取り組みは、まだ始まったばかり」と。 一人は、デザイン・イノベーション・ファームTakramの代表であり「『デザイン経営』宣言」策定のコアメンバーも務めた田川欣哉氏。もう一人は、2020年6月にデザイン会社として初の上場を果たしたグッドパッチ代表取締役兼CEOとして、企業のデザイン経営を支援してきた土屋尚史氏だ。 対談前編では、過去20年のデザイン業界の変遷を振り返りながら、その現在地について語ってもらった。
組織と事業が対峙する多くの問題は、人とチームの「創造性」の問題に行き着きます。すなわち、メンバーひとりひとりのポテンシャルが発揮されていない状態。チームの関係性が固着化し、深いコミュニケーションが生まれなくなっている状態。さまざまな制約によって、組織全体が変わりたくても変われなくなってしまっている状態です。 以前の記事『有機体としての組織をデザインする:二項対立を乗り越える理論的基盤』では、創造的な組織の状態をモデル化した「Creative Cultivation Model(CCM)」を提案し、創造性の阻害要因や、現代組織論が陥りがちな二項対立を乗り越えるための見取り図を示しました。 本記事では、CCMに基づいて、組織の創造性を賦活(ふかつ)するための総合的な実践知である「組織ファシリテーション(Organization Facilitation)」の全体像について解説します。 組織の創
拡張するデザイン、もしくはデザインではない何かへ──「Designs for the Pluriverseを巡って:デザイン、人類学、未来を巡る座談会」前編 モダンデザインを確立したバウハウスの設立から約100年。その中でデザインの対象は、従来のグラフィックやプロダクトから、サービスや組織といったより社会性を持つものへと広がり、いまや政策や社会システムにまで拡張されようとしています。 シンプルな問題から、より複雑な問題へ。この変化は人への深い理解を要求し、デザインは人類学などの他分野と影響し合うことで適応してきました。デザインがエスノグラフィーを用いたプロダクトの開発や改善を行うようになった一方、人類学はその活動にデザインすることを取り込み、社会や文化へ積極的に介入する。これらの実践が交差する領域はデザイン人類学と呼ばれ、近年注目を集めています。 これからの人や社会、そしてデザインのあり方
多様なメンバーで構成されるチームをファシリテートしていくと、その多様性ゆえに、良かれと思って行ったファシリテーションや場づくりが、特定の参加者をモヤモヤさせてしまったり、互いに「わかりあえない」という感覚を生み出してしまったりすることがあります。 チームの多様性を現す指標は無数にありますが、モヤモヤの原因になりやすい変数である「ケイパビリティ」の属性の違いについて、ファシリテーターは理解をしておく必要があります。本記事では、チームのケイパビリティ傾向ごとのファシリテーション方略の違いや、多様なケイパビリティで構成されるチームをファシリテートする際の注意点について、考察します。 2つのケイパビリティケイパビリティとは、資質や潜在能力を指す言葉ですが、具体的な技術的な能力よりも、どのような状況を受容しやすいのか、心構えやものの見方のようなニュアンスを含んでいます。組織の対話を促進するファシリテ
全体的個人よ、ネットワークよ、システムに負けずに立ち上がれ――文化人類学者・小田亮さん、スマイルズ代表・遠山正道さん対談(前編) 「企業は単なる収益を生み出す道具ではなく、知の創造体である」。これは、“ナレッジマネジメントの生みの親”とも称される経営学者・野中郁次郎さんの言葉です。1990年代、彼はイノベーティブで生産性の高い組織の特徴を、工業的システム下で全体が統制された構造ではなく、知識創造のサイクルを絶え間なく回し続ける小さなチームの集合だと捉え、昨今のアジャイル開発の基盤となった「スクラム」という概念を打ち立てました。 大きなシステムから、小さなネットワークへ。経済合理性ばかりではなく、知識創造や個人の当事者性にこそ重きを置く……近年の組織論の文脈で盛り上がりを見せるこうした視座は、かつてレヴィ=ストロースが示した「真正性の基準」に象徴されるような、人類学者たちが持つ共同体への眼差
本記事は、デザインビジネスマガジン“designing”との共同企画で、双方の媒体に掲載されています。昨今、クリエイティブ職の人材を社内で集約し、「デザイン組織」「エンジニア組織」といった、機能別組織を組成する流れが強まっています。ただ、クリエイティブ職は成果を定量的に計りづらく、他職種に比べマネジメントコストや難易度が高いといわれ、組織作りも従来と同様にはいかない場面も少なくありません。 本連載『クリエイティブ組織の要諦』では、こうしたクリエイティブ職種の組織作りに取り組む企業にインタビュー。デザイン組織立ち上げを支援してきた株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO・ミナベトモミを聞き手に、組織デザイン/組織開発の両面からヒントを探っていきます。 初回に話を伺ったのは、世界的デザインコンサルティングファーム『IDEO』。デザイナーを中心に、世界9拠点で700名を超えるメンバーがお
人と組織の創造性を高めるファシリテーター、マネージャーにとって「問いのデザイン」のスキルは必要不可欠です。新連載「問いのデザインの思考法」では、日々の業務において良い問いを立てるための手がかりや、問いのデザイン力を総合的に鍛えるためのトレーニングの方法について解説していきます。 第1回目となる本記事では、問いのデザインのスキルを支える最も基礎的な考え方である「異化」という思考法を紹介します。 教室は、まるで標本のようである!?小説などを読んでいる際、本来であれば何気ない日常の状況が、独特の言い回しで大袈裟に表現されていて、印象に残ったという経験はないでしょうか。 たとえば、よくある「学校の教室」の、何気ない「授業」の風景を思い浮かべてみてください。 教師が前に立ち、黒板に板書をしながら、講義をしています。それを、生徒たちは熱心に聴き、黒板に書かれた情報をノートに書き留めている。 こんな様子
事業の成功の裏側には、必ず「組織開発(Organization Development)」がセットで必要です。しかし「組織開発」のスコープは非常に曖昧で、その定義は立場によって様々です。そもそも「組織開発」とは何を指すのか。その定義について考察した以下の記事では、その理論アイデンティティが「プロセス」に対する働きかけにあることを指摘しました。 本記事では、改めてイノベーションの源泉としての組織の「プロセス」の重要性について、掘り下げていきたいと思います。 目次 組織における「プロセス」と「コンテント」 トップダウン型の改革で蔑ろにされる「プロセス」 事業開発では途端に軽視される「プロセス」の価値 創造性の土壌としての「プロセス」を耕す 組織における「プロセス」と「コンテント」 組織開発における「プロセス」とは、組織開発の源流の一人であり、グループ・ダイナミクスの専門家であるクルト・レヴィン
企業内部で自社のビジョンやミッションの問い直し、カウンセリングやコーチングの現場における「問いかけ」、「問い」を起点に新しい事業を考えるなど、さまざまな場面で「問い」が用いられるようになってきました。 『問いのデザイン』の共著者である『CULTIBASE』編集長の安斎勇樹がホストを務める連載企画「『問いのデザイン』を拡張せよ」では、「問いかけ」の技法や、これからの時代における「問い」の重要性を深堀りするべく、さまざまなゲストを迎えて対談を行います。 その第1回では、cotree/CoachEdのCEOを務め、カウンセリング・コーチングの事業を手がける櫻本真理さんに登場いただきました。 第2回は株式会社ZENTech 取締役を務める石井遼介さんをゲストに迎えました。今年(2020年)の9月に『心理的安全性のつくりかた』を上梓されたばかりの石井さんは、安斎と大学の同期であり、学生時代、共同で起
新商品開発のための会議やワークショップを繰り返し、何十枚もの付箋やワークシートに「アイデア」が立ち並び、あとは「有望なアイデア」を選び、実行するだけ!こういったアイデア発想の「収束」をさせる場面では、いわゆる「合意形成」の壁が立ちはだかります。 イノベーションプロジェクトにおける「答え」とは、客観的な基準による「正解」ではなく、あくまでチームの主観的な「納得解」です。チームにおいて「これが私たちにとっての答えである」と合意できることが、何よりも重要になります。 しかしながら、イノベーションプロジェクトにおいてチームの合意を形成することは容易ではありません。同じチームのメンバーであっても、所属する一人ひとりのメンバーの価値観は多様であり、「絶対にアイデアAがよい!」という人もいれば、「Aには違和感がある。Bのほうが良いのではないか…」という人もいれば「Bだけは絶対にイヤだ!B以外なら、Aでも
「効果的なチームにとって、圧倒的に重要なのが心理的安全性」 グーグル社の発表したリサーチ結果によって、「心理的安全性」という言葉が注目を集めるようになりました。グーグルだけではなく、20年以上の歴史のある「チームの心理的安全性」に関する研究では「業績向上に寄与」「意思決定の品質向上」「チームの学習が促進される」など、ビジネスにおいて有効であるという結果が次々と報告されています。 今回は2020年9月に『心理的安全性のつくりかた』を上梓した 株式会社ZENTech取締役、石井遼介さんに「心理的安全性の誤解と本質」と題し、CULTIBASE Lab会員に向けて講演をしてもらいました。その内容をレポートします。 石井さんは「チームの心理的安全性」や「リーダーシップとしての心理的柔軟性」を専門に慶應義塾大学 システムデザイン・マネジメント研究科で研究をされています。研究者であると同時に、株式会社Z
デザイン思考という言葉はかなり浸透したと言っても過言ではないでしょう。2018年に経済産業省と特許庁によって発表された“「デザイン経営」宣言”は、経営においてデザインの考え方がなぜ大切になるのかを示した、日本のデザイン政策における大きな転換点であったと言えます。しかしながら、デザイン経営やデザイン思考に対する理解は、さほど深まっているようには思えません。 それもそのはず、そう簡単に理解するのは難しいのです。デザイン思考という考え方は1965年のブルース・アーチャーに始まり、多くの研究者や実践者による検討が行われてきた歴史のあるもの。もっと遡れば、バウハウスの思想や行き過ぎた工業化への反省など、幅広い背景の中で生まれてきた考え方です。単にトレンドとしてまとめられるようなものではありません。 全3回の短期連載「デザイン思考のルーツから、その本質を探る」は、こうした背景を事細かに記述することは主
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『CULTIBASE | 人と組織の探究メディア』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く