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THE INTERVIEWS ザ・インタビュー「31字に込められたホストたちのコロナ対策」 Posted on 2020/07/18 辻 仁成 作家 パリ ここのとろころ多出していたのが「夜の街」で「ホストクラブ」で感染拡大みたいな記事で、ホストクラブがそんなに問題になっているのだ、と思って、当事者たちの声はどうなのだろうと探してみるのだけど、滅多にホストたちサイドからの反論というか主張がない。片方だけしか報じないのはどうなのかな、と思っていたら、昔、一度会ったことのある歌舞伎町のホストクラブの経営者がいたことを思い出し、電話番号とかラインとか知らなかったのだけど人伝てに調べて、1万キロも離れているのだけど、インタビューをすることが出来ました。すると、メディアが報じていた内容と若干違う新たな一面を見ることも出来ました。歌舞伎町のホストたちの声。 ザ・インタビュー「31字に込められたホストた
JINSEI STORIES 滞仏日記「パリへの帰り道、思わず、息子に説教されてしまう」 Posted on 2020/07/16 辻 仁成 作家 パリ これは夏の物語だ。 その時、ぼくは人間に期待をしないことが、落胆をしない一番の方法だと思っていた。 でも、息子はぼくとは根本から異なる考え方を持っていた。 「パパ、人間は期待していいんだよ」と彼は言った。 某月某日、ちょっと寝坊した。起きたら、チェックアウトの時間だった。ホテルを出て、大聖堂を拝んで、運河沿いを歩き、カフェテラスで朝昼兼用の朝ごはん、クロワッサン、パンオショコラ、カフェオレ、オレンジジュースを食べてから、出発することにした。 息子に、 「これから君のいる村まで迎えに行くけど、いいかな?」 とメッセージを送った。 「ウイ」 と一言返事が戻ってきた。 ずいぶんと長いこと、田舎道を走った。ナビが「目的地が近づいています」と教えて
PANORAMA STORIES 家庭フレンチの定番を「誰もが唸る、世界一のクロック・マダム」 Posted on 2024/06/20 セギュール ちえみ(DS編集部) 料理好き パリ クロック・ムッシュといえば、フランスのザ・軽食。20世紀初頭、パリのカフェで生まれたクロック・ムッシュはこれまでフランス人の小腹を満たし続けてきました。 クロック・ムッシュって、要は食パンにハムとチーズを挟んで温めた、ホットサンドでしょ? と思われがちですが、手作りのベシャメルソースを加え、ワンステップずつ丁寧に作ったクロック・ムッシュは、バターのコクとミルキーな風味、チーズの香ばしさ、カリカリとふわふわのダブル食感、と、とても手の込んだ一品。 クロック・ムッシュに目玉焼きがのったものを「クロック・マダム」と言いますが、卵が嫌いでなければ、ぜひ、ちょっと贅沢なこちらも食べていただきたいです。 今日は、一口
JINSEI STORIES 退屈日記「主夫の知恵、おかずに困ったら、超簡単超安価超美味しい一品」 Posted on 2020/05/07 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、なんか作らないとならないけど、面倒なものは作りたくない、でもなんか作って家族に食べさせないとならない。でも作るなら美味しいものが食べたいし、お金はかけたくない、という贅沢な悩みに父ちゃんがこたえたい。一人暮らしの学生さんから、大家族まで、みんなに喜ばれる『フランス風お好み焼き、ジャガイモのガレット』の作り方を大公開する。家から出られないあなたの三時のおやつに、夕食のお供に、朝ごはんに、夫婦の居酒屋ごっこに最適である。 材料はとっても簡単で、じゃがいも500gに対して、卵一つ、玉ねぎ半分、小麦粉大匙2程度、塩胡椒だけ。じゃあ、作ってみよう。ジャガイモを千切りにし、玉ねぎをスライサーなどでスライスしたら、ボウルにぶちこみ、
JINSEI STORIES 滞仏日記「今、あなたは人生が楽しいのですか?」 Posted on 2020/06/18 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、今日は朝から絶不調で全く起き上がれなかった。鬱というわけでもないのだけど、根本から力が出ない。ベッドから出られない。ご飯も作れないので、隣の部屋にいる息子に「動けないから、自分でなんか作って食べて」とSMSを送った。眠いわけじゃないし、目は覚めているのだけど、気力というものが出ない。エッセイの締め切り日なのだけど、書くことさえ思いつかない。毎日、起きたら退屈日記を書くのが日課なのだけど、本当に珍しいことに、何を書いていいのかわからない。どうしていいのかわからないのだ。だからと言って、誰にも励まされたくはない。相談したくもない。こういう時は何も考えちゃいけないと思って横になっていたのだけど、何も楽しいことはない、自分はもう若くない、60歳の自
JINSEI STORIES 滞仏日記「コロナをめっちゃ怖がっていたヒトナリへ」 Posted on 2020/06/05 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、ヒトナリ、君はなぜ、あんなにコロナを怖がってしまったのだろうね。君の怖がり方は尋常じゃなかった。カッコ悪くて、日記には書けなかったことがあったよね? ロックダウンがはじまり、少ししてからのことだ。無症状の感染者からも感染するというニュースが出回った日、学校に行った子供を媒介にして親に感染をする可能性があると分かった頃、ワクチンもなく、特効薬もなく、テレビでは感染症の医者たちが敗北宣言を繰り返していた時期、どうやってももう予防出来ないと思ったあの瞬間、君はまさに地球に隕石がぶつかるの待つくらいの絶望感の中にいた。パリはロックダウンに突入していたし、感染者、死者数はうなぎのぼりだった。しかし、今の君はもう怖がっていない。それは新型コロナのこ
JINSEI STORIES 暮らし日記「フランス、夏の定番、ラタトゥイユとタブレサラダ」 Posted on 2022/07/31 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、毎日暑い。今日は暑い日にも最適なラタトゥイユとタブレサラダを作ることにした。一気に作って、キンキンに冷やしてから食べるのがおすすめである。 ラタトゥイユは、南仏在住のナタリーおばさんに教えてもらった作り方でやる。ナタリーおばさんは誰かって? 僕の友だちのおばあちゃんだけど、細かい説明は省きます、笑。 「ヒトナリさん、とにかく、美味しく作るコツはね、じっくり時間をかけることよ。それが一番のコツ」 ナタリーおばあちゃんはかく語りきであった。 ラタトゥイユというと、野菜をざっと炒めて煮込んだものと思われがちだが、ポイントは、野菜を個別に炒めることにある。これがコツの第二だ。 野菜を一種類ずつ、オリーブオイルでしっかり炒め、個々の味を
JINSEI STORIES 退屈日記「息子の夢がかなった日、辻家初のUBER EATSで注文」 Posted on 2020/05/25 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、「あのさー、今日のランチ、何が食べたい?」 「あのさー、パパは世界で一番頑張ってるし、最高の料理人だと思うんだけど、ぼくはちょっとお願いがあるんだ」 「なに、どうした?」 なんか、イヤーな予感がした。 「あのさー、ちょっと手の込んだ立派なパパの絵にかいたような豪華なランチを毎日毎日食べるの正直飽きた」 「えええええええ! な、なんて、贅沢な野郎だ」 ぼくは5メートルくらい後ずさりしてしまった。 「ごめん。ぼくは美食って言葉が大嫌いなんだ。パパの料理に対する熱意とか本気度とかよくわかるんだけどさ、ぼくはまだ16歳なんだよ。普通の高校生だ。たまにはマクドナルドが食べたいんだよ」 ぼくは、震える心を必死で抑え込んで、マ、マ、マ
JINSEI STORIES 滞仏日記「解除後初の週末、あのパリが戻って来た。これは幻想か?」 Posted on 2020/05/17 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、ロックダウンが終わって最初の土曜日、ぼくは太陽を求めてセーヌ河畔を散策することにした。途中まで息子も一緒だった。彼は2ヶ月ぶりに友人のイヴァンと会う約束をしていた。最初の頃はぼくとジョギングしていた息子だが、ロックダウンの中ほどから「怖い」と言い出し家に引きこもった。今日は久々、彼自身のロックダウン解除日となった。 「パパ、やばいね。この人たち。マスクもしてないし、間違いなく第二波が来るね」 「仕方ないんだよ。見てごらん、みんな大学生くらいだろう。家に2ヶ月も閉じ込められていたんだ、これ以上我慢させるのは酷だよ」 ぼくらは広場に屯する若者たちの間を進んだ。ワインを持ち込んで、酒盛りをするグループがいた。上半身裸で日光浴をし
JINSEI STORIES 退屈日記「2006年にこの世界を完全予言していた仏作家」 Posted on 2020/05/16 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、この下記の映像をご覧いただきたい。特に観ないでも構わないけれど、ようは、2006年に放映されたテレビ番組に出演した小説家が司会者や視聴者の前で、今日現在世界で起こってるコロナ危機を連想させることをそっくりそのまま喋っているのだ。彼女はそのために全身合羽が必要だと言うが、司会者たちは大笑いをし、誰一人信じていない。「あんたら、信じないかもしれないけど、そうなったら笑えないんだからね」と作家は言い続ける。まずは、このやり取りを以下に翻訳するので、読んでもらいたい。作家の名前はフレッド・ヴァルガス。詳しくは後述する。 司会者 「簡単に感染してしまうんですよね」 ヴァルガス 「そうです。その時、マスクなんてないのよ。わかるでしょ? 生産す
JINSEI STORIES 滞仏日記「日本らしさは孤独である。哲学者アドリアン、かく語りき」 Posted on 2020/05/16 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、パリが解放されたので、うろちょろしていたら、出会い頭にアドリアンとばったり出くわした。ぼくを見つけるなり、笑顔を浮かべ、ここであったが百年目みたいな顔をした。手を振り上げ、よお、エクリヴァン(作家)、と大げさに言った。ぼくは急いでいたので、やあ、フィロゾフ(哲学者)と呟き、行こうとしたら、通せんぼされ、 「マスク、マスク、マスク!見て見ろよ、日本の作家よ、このフランス人の体たらく」 と吐き捨てた。2ケ月に及んだロックダウンが解除されたのだ、しかも、快晴が続いている。人々が外を歩き回りたくなるのは普通のことだった。しかし、たしかに7割から8割の人がマスクをつけていた。 「フランス人は歴史的にも集う文化だった。握手なんて生ぬる
JINSEI STORIES 滞仏日記「欧米に比べ日本人のコロナ犠牲者が圧倒的に少ない理由」 Posted on 2020/05/04 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、いったいぼくらはどうなるのだろうと考えながら、外出証明書を持って外に出たら、公園の入り口に哲学者のアドリアンがいた。やあ、エクリヴァン(作家)、と言うので、やあ、フィロゾフ(哲学者)とぼくは言った。 「浮かない顔しているな」 とアドリアンがニヤニヤしながら言った。彼はベンチに座っていつものごとく葉巻をふかしている。 「哲学者的にはこの迷路に迷い込んだような状況から、われわれ人類はどうやって精神を保てばいいと思う?」 と訊いてみた。彼は不敵な笑いを浮かべて、道は二つある、と即座に言った。 「深刻にならないか、深刻になるかだ。前者が俺で、後者がお前だ。違いは、俺は悩まない、お前は悩んでいる。悩んでいることでお前の方が分が悪い」
PANORAMA STORIES パリ最新情報「今、フランスを揺るがすロックダウンより難しいこと」 Posted on 2020/04/27 Design Stories ロックダウン解除が行われる5月11日まであと2週間。今、フランスでは”その後”の生活について毎日議論が繰り広げられています。明日、4月28日にフィリップ首相が具体的なプランを国会に提出し、その日のうちに投票を行うということになっていましたが、「こんな大事な決定は1、2時間で判断できるものではない」という各議員からの不満がニュースで取り上げられていました。とはいえ、おそらく、ここ数日で私たちは5月11日以降の新しい「決まりごと」を知ることになります。中でも、国民の一番の関心事は学校再開。政府はリモート教育環境の整っていない子供や、十分に食事がとれていない子供、家庭内暴力が増えているという現実を考慮し、最大限の注意をした上で
PANORAMA STORIES 医療に従事される方々へ食事を届けたい。 Posted on 2020/04/25 Sakura FRANCK シェフ パリ 医療に従事される方々へ感謝と励ましの気持ちを込めて食事を届けたい。 そんな思いでスタートしたパリ市内近郊の病院へお食事を届けるボランティアが続く日々です。 3月14日夜、突然の「営業停止令」が、そして翌々日16日月曜日には17日火曜日の正午からの「外出制限令」が発表されました。突然、人生の幕を降ろされたようなショック。そして諦め。そんな気持ちが少し落ち着いて、最初に思ったことは「ご高齢の方やお身体不自由な方はお買物や毎日のお食事作りが大変だろうな」ということ。そして、「病院で働く方々は食堂が閉まってお食事に困るだろうな」ということでした。 すぐに近所に住むご高齢の方達に「もし困っていたらお買物に代わりに行くし、温かいお食事を届けます。
PANORAMA STORIES パリ最新情報「不意にくる、新型コロナ、重症化へのシグナル」 Posted on 2020/04/24 Design Stories フランスでも、自宅で経過観察をしていたのに、患者さんの容体が急変し、亡くなられるケースが多くあります。そこで、フランスでは早い段階から、医師との遠隔診察が出来る仕組みが整えられました。重症と判断されたら、すぐに救急車が患者を迎えに行く体制が整っています。急変からわずか20分でICUに入らないとならないほどに悪化するケースも少なくありません。不意に訪れるシグナルは様々ですが、見逃さないことが重要となります。 新型コロナ感染症の主な症状は、発熱、喉の痛み、咳、倦怠感などと言われていますが、感染者が増えるにつれて、頭痛、目の痛み、鼻水、脱力感、疲労感、筋肉痛、吐き気、腹痛、嘔吐、下痢、臭覚、味覚の喪失、結膜炎など、様々な症状が次々と
JINSEI STORIES 滞仏日記「終息はないという現実を直視する生き方」 Posted on 2020/04/23 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、収束はありえると思う。分裂や混乱が次第にまとまって収まりが付いていくという意味なので、この新型コロナ戦争混乱状態は現実を受け止める、ある程度の医学的成果が出始めれば一定の収束を見るだろう。ロックダウンの解除などが行われているので、世界が収束へ向かいつつあるという言うことは出来るかもしれない。しかし、物事が終わって完全に終える、止むという終息に関しては、ぼくは悲観的な意見しかもてない。それは単純にこの世界から風邪やインフルエンザが消え去らないことを考えれば理解貰えると思う。 実は誤解しがちだけれど、風邪を死滅させる風邪薬は存在しない。対処の薬はあるけど、頭痛をおさめたり、のどの痛みをとる薬はあっても、のんだら風邪ウイルスが消えるというものは
JINSEI STORIES 滞仏日記「フランス人のパパ友、ママ友が作るロックダウン飯、完全版」 Posted on 2020/04/23 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、昨日、思いついてパパ友、ママ友に「ねー、ロックダウンも一か月になるけど、いったい皆さんは家でどんなもの毎日、食べてるの? 日本のみんなに紹介したいのだけど、写真頂戴な」とお願いしたところ、思わぬ回答率であった。依頼した人全員から写真が戻って来たのである。ロックダウン中じゃなかったら、ぜったいこの確率は無理だ。ということで思わぬところで、フランス人の食卓が覗けたし、フランス人がロックダウン中に何を食べているのかがよくわかった。昨日、真っ先に送ってくれたリサとロベルト夫妻のも新たに追加が届いたので、加えておく。でわ、まず、このプラ(お皿)から。 まずはワイン屋(キャビスト)のエルベなのだけど、彼のランチは近くで有名なレストラ
PANORAMA STORIES パリ最新情報「フランスメディアを騒がす、新型コロナの正体」 Posted on 2020/04/18 Design Stories 某月某日、パリで連日、CNEWSやBFMTV、パリジャン、ルモンド紙など、フランスのほぼすべてのメディアが取り上げているのが「新型コロナは本当に武漢の市場から出現したのか?」という話題。この件について、マクロン大統領までもが、中国は何かを隠している、と匂わせる発言をし、今、テレビはどこを付けても、このニュースばかり。もともとあった話しだが、ここに来て再度、コロナウイルスの出どころが実は市場ではなく、武漢のウイルス研究所だったという流れに戻って来た。ノーベル賞を受賞したエイズウイルスの権威が登場し、新型コロナは人工的に作られたものだ、と言い切ったものだから、騒ぎに火がついた。 エイズ ウイルス(HIV)を発見したことで2008年
JINSEI STORIES 滞仏日記「みんなで力を合わせて乗り切るために」 Posted on 2020/04/18 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、朝起きてツイッターをチェックしたら、8割おじさんこと厚労省クラスター班の西浦博先生からお返事が入っていて、びっくりした。西浦さんへの公開質問(昨日の日記を参照されたし)は簡単に言うと「緊急事態宣言だけで人との接触8割減が実現できると思われますか?」というものであった。この先生の生き方を調べる限り、日本や日本人や世界の人々のことをまず何よりも必死に思ってくださる損得のない方だと思ったので、実は心のどこかでお返事が戻ってくるのじゃないか、と思ってもいた。そして、実際によく理解出来るお返事が戻って来たので、ここにご紹介させていただく。 『@TsujiHitonari より強い方策についても頭の体操をしてもらいましたが日本の特別措置法の45条1項だ
JINSEI STORIES 滞仏日記「8割おじさんは本当に正しいのか?」 Posted on 2020/04/17 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、安倍総理が、緊急事態宣言をこれまでの7都府県だけじゃなく40道府県すべてに発令拡大した、というニュースを読んだ。しかし、緊急事態宣言はロックダウンじゃないので、感染者がどんどん増えつつある今、どれほど有効なのだろう。このことはあとでお話しをするとして、イタリアが当初、ロンバルディア州などで爆発的感染拡大が始まった時、北イタリアだけをロックダウンしたのだけど、東京の方々が軽井沢の別荘に避難するような感じで、北から南へ感染者があっけなく移動してしまい、結局、すぐに全土を封鎖しないとならなくなったし、その後のイタリアの感染爆発の流れは周知の事実である。 今日、新型コロナに使える人工呼吸器が国内に1300台しかないという記事を読んだ。これは正直、ちょ
JINSEI STORIES 滞仏日記「ZOOのサビはなぜ、愛をください、なのか」 Posted on 2020/03/21 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、今日はコロナウイルスの話しじゃない。コロナにちょっと疲れたので、気分を変えたいと思って、ロックダウン前にパリ市内のレストランでやったライブの映像を息子と二人でカウチに寝転がって観ていたら、パパ、なんで、愛をください、なの、と息子が言い出した。 「え?」 「だからさ、なんでこの曲、サビでいきなり、愛をください、になるわけ? ぼくたちはこの街じゃ夜更かしの好きなフクロウ、とか、本当の気持ち隠しているカメレオン、ってのはよくわかるんだけど、そのあとのサビでいきなり、愛をください」 ああ、その質問、誰にもされたことがなかった。お前、目の付け所がシャープだな、と肩を叩いてやった。 「これ、パパが何歳の時に作った曲なの?」 「25とか26歳の頃だ
PANORAMA STORIES 「免疫力とは何か? 改めて、コロナ禍だからこそ、知っておきたい免疫力について」 Posted on 2021/12/04 Design Stories 毎日更新される新型コロナウイルス感染のニュース、じゃあ、一体どうすりゃいいの? となってしまいますね。 そこでDS編集部一同が無い知恵を振り絞って出した結論とは! 「自分にできることはウイルスに強いカラダを作ること」これです。 もちろん、健康な身体が、イコール、コロナウイルスを跳ねのける、とは単純にならないかもしれません。 でも、免疫力について考えて暮らしている方が、考えないより、罹りにくい環境をわずかに確保できるのじゃないか、・・・ ならば、免疫力をもっと手に入れたい。 たまたま、フランスは世界的にも免疫予防医学の先進国です。大先生ではないけれど、DS編集部にもよく出入りしている漫画オタクで免疫予防学を学
JINSEI STORIES 滞仏日記「哲学者が語った、コロナとの驚くべき向き合い方」 Posted on 2020/04/11 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、どこの町にも仙人みたいな浮世離れした人がいる。我が町にも、いつも葉巻をくわえ、よれよれの革ジャンを着て、プロレスラーみたいな体躯、ギャングみたいな風貌、スキンヘッドで、不敵な笑いを浮かべ、近寄りがたい男がいた。ある日、たまたまカフェで隣同士になり、よく通りですれ違う顔見知りだったので、話しかけたら、南アの大学の先生だった。しかも哲学の博士である。人は見かけによらないというけれど、確かに、その典型的なパターンかもしれない。 夕ご飯を済ませ、仕事場の窓際から月を見上げていたら、よー、エクリヴァン(作家)、と声がしたので下を見下ろすと、アドリアンだった。きっと、外出証明書など持たずにうろうろしているのに違いない。葉巻をふかし、いつもの不
JINSEI STORIES 滞仏日記「価値観が一変した世界」 Posted on 2020/04/10 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、ふと思いだすことがある。いつもの街かどのカフェで、ピエールやアドリアンなど地元の仲間たちと「サヴァ?」と言い合い、握手して、コーヒーなんかをすすりながら、くだらない冗談を飛ばし合っていた、あのなんでもないけどとっても幸福だった日々。外はずっと快晴が続いているので、あの日みたいに、そこへ出かけたくなるのだけど、次の瞬間、外には出られないことに気が付いて、茫然となる。終息は見えない。3月17日にはじまったロックダウンはきっと一月後か二月後、解除されるとは思う。経済が成り立たなくなるからだ。 (集中治療室へ搬送される患者の数は減少してきているので、ロックダウンの効果はじわじわ出始めており、ピークが過ぎれば死者の数も減じるはず)しかし、ある日、突然、前のような日
JINSEI STORIES 滞仏日記「新型コロナ、軽度の感染から快復された方の手記」 Posted on 2020/04/10 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、今日、編集部に大変貴重な手記が届けられた。パリ市内で新型コロナに感染をし、そこから快復をされた人の実に詳細な記録である。この方は重症化されることもなく、よって集中治療室に入ることも、入院もされていない。実は、このような軽症の方ばかりなのである。知っている人たちの中からも感染者が出はじめ、新型コロナの広がりに驚いていたところに、舞い込んだのが、感染から快復までを細かくつづったOさんからの手記であった。ご本人が日々不安な思いで悩んでいる日本の皆さんに届けたいということで実名を伏せてご紹介させていただく。 日本と同じで、今日現在のフランスは簡単にPCR検査を受けることが難しい。(感染者が多いからというのが大きな理由のようだ)じゃ、どうや
JINSEI STORIES 滞仏日記「数字からみる、日本のことが本当に心配な理由」 Posted on 2020/04/08 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、20時に教会の鐘が鳴るのと同時に人々が窓から顔を出し、手を叩く。毎日、同じ人たちと顔をわせるのだけど、悲壮感があり、目があっても目を逸らされ続けてきた。となりのマダムだけが「こんばんは」と言ってくれていた。ぼくと息子はアジア人なので、仲間に入れてもらえないのか、と思って、でも、毎日、ぼくは窓を開け、命がけで働く医療従事者の皆さんへの感謝を込めて手を叩いていたのだ。するとむかいの建物の最上階に住む老夫婦がぼくにはじめて手を振ってくれた。かと思うと、その隣の建物の一つ下の階の若いご夫婦とそのお子さんがぼくに笑顔を向けてくれた。そして、いつもぼくと視線が合うと窓を閉めていた中年の男性が今日初めて、笑顔で、しかも手を振ってくれたのである。こ
JINSEI STORIES 滞仏日記「終息へ向けて、これからの未来についての想像」 Posted on 2020/04/06 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、陽性であることを告白していていた英国のジョンソン首相が病院に搬送された。世界は目まぐるしく動いている。そして、いよいよ日本も緊急事態宣言が出る準備に入るらしい。ロックダウンのようなものとは全然違うし、今まで出ている自粛要請と大きく変わらないのだけど、日本国民はまじめなので、緊急事態宣言によって、それまで出歩いていた人たちの意識も変わるかもしれない。けれども、その後も様子をみつつ感染爆発が起こったら、政治判断が求められる事態になるので、緊張感は依然持続することになる。昨日、日記で書いた居酒屋を経営するZ氏から先ほど連絡があり、結局、現状の政府のコロナ貸付などのスピード感では経営継続は難しく(彼の店はどこも満席だったのに)、結局、今月い
JINSEI STORIES 退屈日記「これは役立つ、辻家の外から持ち運んだ商品の完全消毒術」 Posted on 2020/04/05 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、「パパ、スーパーに行って買って来たものがすべて安全と言えないでしょ」と息子が言い出し、二人で研究を重ね、辻家では買ったものを全て消毒することにしている。皆さんも不安だと思うので、参考になるかわからないけれど、以下、まとめてみた。そこまでやるのかという意見もあるだろうが、コロナ戦争下で家族を守る、自分の身を守るためにやり過ぎはない。「神経質な奴ら目、病気じゃん」と笑っている人から感染していくことを覚えておくこと。ぼくはコロナ潰しゲ―ムと息子と命名し、割とゲーム感覚で日々取り組んでいる。そうすることでストレスもなく、日々を乗り越えられてきた。がんばろう。 「辻式商品完全除菌術」 1、 買って来たものは消毒液をキッチンペーパーに
JINSEI STORIES 退屈日記「東京の居酒屋のおやじが苦しい現状を嘆いた、その問題」 Posted on 2020/04/04 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、東京都の感染者数が上がっているので、仲間たちを励まそうと思って昨日アップした曲を送ったら、いろいろな反応が戻って来た。一番驚いたのは、都内で居酒屋レストランを展開するZ氏からのメッセージである。彼は地元の市議会議員を目指したこともあるバリバリの自民党応援団だ。ぼくは政治宗教の垣根を越えていつも人と向き合っているのだけど、Z氏はその中でも政権寄り思考を強く持つ、地元を愛し、祖国を愛し、困った人がいたら助け、日本人が大好きで、首相を中心に日本をどこまでも盛り上げて頑張るしかないんです、辻さん、と言い続けてきた熱血中小企業事業主(居酒屋のおやじ)だった。彼から届いたメッセージはこのようなものである。原文のママ。 「お疲れ様です。有
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