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カレーが食べたい
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家づくりの際、機能や目的を追求し過ぎると、いつしか身体も心もこわばってしまいます。思考が型にはまり、身動きできなくなくなることも。理想の体現も必要ですが、曖昧な空間に身を委ねてみることも大切です。グラデーションに内在する色を楽しみ、大きな流れにのってみる。楽しみ方は、無限。本も同じです。本との距離のとり方、物語の捉え方で、心の幅や深さが違ってきます。 Contents. 本屋さんと立ち読みの動線 本が汚れるくらいの読み方 同じ作家の作品を再読する 行き先を導かない本がいい 物語は元々自分の中にある 本屋さんと立ち読みの動線 親しい人との待ち合わせは、本屋さんと決めています。 少し早めに行って棚を眺めることができますし、相手が遅れて来ても、立ち読みをしていれば気になりません。 郊外の大型書店ですと互いに迷子になってしまいそうですが、街なかの本屋さんなら、店内を一周してもしれています。 長くい
親子の間は「信用」ではなく「信頼」で結ばれます。諍いがあっても、裏切りがあっても、取引はできないのです。「信頼」から考えていくと、親子の絆、子ども部屋の原型までも、うっすらと見えてきます。親にとって大切な「見えない壁」についても考えます。 Contents. 家のなか全てが子どもの空間 家族相互でつくる壁について 信用だけで生きられるのか? 子供との関係は取引ではない 西洋と日本の身体性と住まい わずか3坪にも永遠なる宇宙 家のなか全てが子どもの空間 わが家に鍵のあるところは、玄関とトイレ、窓だけです。 寝室はもちろん、子ども部屋にも脱衣場、お風呂、自宅併設の仕事場にも鍵はありません。 子どもたちとは、小さな頃から、互いの部屋に入るときにはひと声かけるかノックをする、という約束事を設けてきました。 鍵のあるなしでトラブルになったことは、これまでなかったように思います(本人たちは苦痛なことも
日本の家はこれまで「LDK」に代表されるように居室=Roomを基本に家づくりを考え、Roomの数で家のステイタスを主張してきました。しかし、小間割りにされた居室の数ではなく、大きめの空間=Spaceで家の有り様を想像してみると、縦にも横にもひろがりが生まれ、新しい光や風、家族の暮らしが見えてきます。 Contents. 大きな家とおおらかな家 空間をあとで仕切る発想 回遊型デザインは楽しい 空間をSpaceで考えよう その壁を取り払う勇気を 名ばかりの書斎など不要 大きな家とおおらかな家 家は不思議です。 30坪でも開放感にあふれた家もありますし、 60坪の広さがあっても、閉塞感を感じる家もあります。 家族の人数分の居室、人数分の書斎や趣味室。 あれをする部屋、これをする部屋。 ほしい空間、機能を居室に 置き換えて考えていくと、 いくら面積があっても足りません。 予算も足りなくなります。
収納の問題はダイエットと同じ。星の数ほどテクニックが紹介されています。どんな方法を試しても、なかなか成功しないのもダイエットと似ているかもしれません。テクニックを学ぼうとすると「学ぶ」ことが面倒になります。しかたがありません。私たちは、そんなに我慢強くないのです。我が家では、片づけや掃除の前に徹底したことがあります。ミニマリストの方々のようにはいきませんが「いい加減」に心地よい暮らしに近付けました。 Contents. 大掃除も「小掃除」もある 本棚に入るだけの本に絞る 10年間一度もふれていない 収納術の前に決断力をもつ 片づかない人のコスト換算 収納スペースを減らすこと 納める・仕舞う・見せる? 削ぎ落とし醸される美しさ 大掃除も「小掃除」もある 家のなか、部屋のなかを 上手に片づけられない、という人はたくさんいます。 私自身、決して片づけは上手な方ではなく、 片づけられない気持ちが
誰もが老いて、やがて死を迎えます。その過程に医療ががり、介護があり、それぞれに在宅、施設・病院など最期の「場」があります。終末期、その先に見えてくる「死」をどう捉え、迎え、受け入れていくか。場はどこか。そこには、本人と家族の意志、覚悟が深く関わってきます。「胃ろう」をきっかけに見えてきた生命の閉じ方、死のありよう。 Contents. 寝たきりがつくられる ベルトに拘束された命 自然死へのアプローチ 寝たきりが少ない北欧 介護に医療を望む誤解 家族で死に方を考える 「あちらの国」はどこ 寝たきりがつくられる 友人のA君のお父さんが入院し、胃ろうをすることになりました。 70代後半ですが、誤嚥性肺炎を繰り返し、もはや口から食べることが危険との判断からです。 胃ろうとは、おなかの外側から胃に達する孔を開け、そこに管を通して胃に直接栄養を送る方法です。 栄養剤を流し込むためのチューブは点滴に使う
2000ccのSUVから軽自動車に乗り換えて7年目。当初、乗り心地、安全性などに不安はあったものの、乗ってみればSUVに負けない快適な運転ができることがわかりました。安全装置も進化し、少し速度を落とすだけで、高い安全性を確保できる可能性も。ガソリン代やタイヤ、車検、保険、税金など維持費の安さも大きな魅力です。クルマに関するコストも光熱費と同じように「省エネ」「省コスト」。そして「交通事故」というカテゴリーのなかで「安全性」についても考えてみました。 Contents. 初めてのSUV購入後の大震災 年間15万円前後もの経費削減 速度を守れば安全性は高まる クルマの維持費は光熱費並み 生活の質を落とさずコスト減 ココロザシから世界を変える 初めてのSUV購入後の大震災 一度は大きなクルマに乗ってみたいという、そんな夢をかなえたのが10年前のことでした。 2000ccの4WD・SUVを購入しま
日本の住宅寿命は30年前後。欧米諸国の数分の1しかない短命な住宅のためにローンを組み、世代を超え、住宅のために働き続けます。近年「100年住宅」という言葉を耳にしますが、まだまだ実現までは遠い道のり。また「100年」には憧れても「1000年住宅」はというと、心の中は複雑です。なかなか高まらない省エネへの意識と、耐久性との関係。そこには、日本人の生命観も微妙に影響しているかもしれません。 Contents. カビのある家が日本の標準? 温熱環境には無関心な日本人 日本の住宅を短命にする結露 障子の弱さが伝えることとは 化学物質でいいもの悪いもの 生命あるものを慈しむ気持ち カビのある家が日本の標準? もう10年以上も前。 東京の出版社で行われた編集会議でのことです。 20年以上の経験を積んだベテラン編集者が集まる会議でしたが、たまたま、日本では「100年住宅」や「カビのない家」「省エネ住宅」
家づくりの際、子ども部屋をどんなふうに計画したらよいのか悩んでしまう、という話をよく聞きます。子どもが独立したあとは物置になってしまった、という話も珍しくありません。子どもにとっても、親にとっても、生涯、無駄にならない子ども部屋にするために「可変性」という観点から考えます。 Contents. 子どもの個室は必要なのか 日本人のプライバシー感覚 機能を決めつけない可変性 あとで仕切れば済むはなし 吹き抜けで気配をつなげる 子どもが巣立ったあとには 互いを察し合える家族空間 子どもの個室は必要なのか 新築の際、ほとんどの家族が人数分の子ども部屋を考えてしまいます。 2人で2室ならまだしも、3人だから3室というお宅もあります。 思春期が近い子どもを抱えるお宅だと、子どもから個室がほしいという要望を突きつけられることも想定されます。 子どもにとっては、自分の縄張りを得ることも夢の一つ。 誰もが、
梅雨の時期から猛暑の夏、寒い冬の間、共働きの家族の場合など、外干しが難しい状況に置かれることは少なくありません。部屋干しするにはそれなりのスペースも必要です。でも、エアコンを上手に使えば、快適な洗濯&室内干しができるかもしれません。 Contents. 美しい外観と洗濯物のある風景 世界各国で異なる外干しの事情 先進国は室内干しに徹する文化 室内干しにも意外なメリットが 梅雨の時期と冬のエアコン活用 美しい外観と洗濯物のある風景 いつも通る道路沿いに新しく家が建つことになり、 完成まで毎日、建築工程を眺めていました。 ちょうど信号があり、よく止まる場所でもあります。 基礎は、構造は、断熱材は、窓は、 ドアは、外壁は…と現場の前を通るたび 変わっていく様子を見るのは、ちょっとした楽しみ。 完成後はこんなふうになっているといいなあと、 ある日から 自分のなかで賭けをすることにしました。 一つは
ネットで、こんな言葉に出合いました。2012年ころにFacebookやツイッターで拡散した言葉だそうです。Facebookもツイッターも好きではないので、今日の今日まで知りませんでした。遊び半分、自分の考えと比べてみました。読まれている方も、ご自分なりの考えを差し替えていけば、ちょっとした楽しい時間になるかもしれません。 Contents. 1.性格は顔に出る 2.生活は体型に出る 3.本音は仕草に出る 4.感情は声に出る 5.センスは服に出る 6.美意識は爪に出る 7.清潔感は髪に出る 8.落ち着きのなさは足に出る 9.教養は「鼻筋」に出る 10.育ちは「口元」に出る 11.やさしさは「沈黙」に出る 1.性格は顔に出る 自分の場合は性格より その人の書く「言葉」や「文字」 に出やすいと感じています。 短いメールの短い一言、 連絡メモのちょっとした一文。 顔ではどんなに装っていても その人
衣食住のなかでも、日々の「食」と健康との関わりは密接です。1日に2キロ前後も体内に入るのですから、水にも食糧にも健康的な素材は欠かせません。しかし、1日に20キロも体内に取り込まれるものがあります。空気です。空気の質によってはシックハウスも懸念され、健康との関わりは無視できません。食材、水以上に関心を持ちたい空気の質と住まいと健康の関係。 Contents. 突然始まった頭痛の原因 常に発散される化学物質 1日に吸い込む空気の量 自然素材がほとんどない 昔の家も換気はできない 気密性を高める意味とは 3種類の換気を理解する ベイクアウトで発散する 突然始まった頭痛の原因 A町のあるお宅を訪ねました。 話を聴いているうちに目頭がじゅわっと痛み始め、そのうち頭痛が始まりました。 最初は風邪かなと思いましたが、帰り際になって原因がわかってきました。 芳香剤です。 玄関、居間、廊下、トイレ(確認の
同じ風景でもカメラで切り取るのと、スケッチをする、あるいはメモをし言葉に残すのとは違います。スケッチも、メモも、私たちは全身で感じることだけを無意識に選択し描いているのです。家づくりも同じ。解答ばかり求めるのではなく、いったん全身をアンテナにして感じ取り、その全身から搾り出した言葉でスケッチを描けるかどうか――。 スケッチブックの意味 祖父は大工であり、画家でもありました。 ほんとうは絵だけで食べていきたかったのでしょうが、何しろ、戦後で子だくさんの時代。 その日暮らしがやっとで、絵どころではなかったと思います。 大工仕事の合間に油彩画を描き、自分の建てた家の施主さんには屏風や襖の絵を描いてプレゼントするなど、粋なところもありました。 わが家には、いまも数十年前に祖父が描いた襖絵や屏風が残っています。 父の弟、つまり伯父の一人も画家となりました。 冬の日本海が好きで、ひなびた漁村を訪ねては
日本の家は「用」を限定しないからこそ、無駄のように見えて実は広く、すっきりと美しい空間の使いこなしがなされてきました。機能よりも「間」=余白や隙間、曖昧さが重視され、そうした感性が家づくりに生かされてきたのです。「用と美」という言葉があります。数ある「間」のなかでも中心を為が茶の間。LDKの文化で失われつつある茶の間本来の「用と美」について。 Contents. サザエさん家族が集う茶の間の意味 かたちよりも余白を重んじる文化 小津安二郎が描く茶の間と家族 世界に例のない「LDK」の家 足が短い人のソファの座り方は? アメリカ人と日本人の身体特性 テレビ中心の「間」になっていないか 茶の間に倣った新しい空間を サザエさん家族が集う茶の間の意味 あまり使われなくなった「茶の間」という言葉。 子どものころは当たり前に使われていた言葉ですが、いまの若い人たちに「茶の間」といっても、どんな空間なの
目で見て、耳で聞き、肌でふれる。味覚や臭覚を含め、私たちは、常に五感を駆使して、目の前の現実を捉え、リスクを回避しながら生きています。なかでも「音」はときに視覚以上に動作や意思決定に影響を与え、長い時を経てもなお記憶に刻まれます。懐かしい音、騒音、誰かを救済し、自らを癒す音についての雑感。 時代と暮らしを象徴する音 向田邦子のエッセイ集「夜中の薔薇」(講談社文庫)のなかに「刻む音」という短い一文があります。 朝、目を覚ますと台所の方から必ず音が聞こえてきた。 母が朝のおみおつけの実を刻んでいる音である。 実は大根の千六本であったり、葱のみじんであったりしたが、包丁の響きはいつもリズミカルであった。 目を覚ますと音が聞こえたと書いたが、この音で目が覚めたのかもしれなかった…。 昭和初期の話ですが、大正、昭和以降に生まれた日本人のおおよそは、こうした音の記憶を持っているはずです。 現代の家の朝
色には温度もあり、重さもあり、心理的に与える効果も数多くあります。お世話になったペンキ屋さんからうかがった色の「講義」は、いまも大事な宝物です。中学を出てから70年近くにわたり、黙々と現場から学び続けた職人さんの、珠玉の言葉とその生き方。 Contents. 希望が持てる時代は「白」 色には機能も重さもある 皮膚で心でも感じる「色」 白の下着が身体にいいわけ 感謝する言葉は慎重に使う 希望が持てる時代は「白」 親しい知人の一人に、ペンキ屋さんの職人さんがいます。 職人さんではありますが、いまは何人もの職人さんを使う塗装店の親方です。 最初にお会いした日に、なぜか「俺、ただのペンキ屋だから」というので、以来、そう呼んできました。 80代前半ですが、お会いするときはいつも、スーツ。 ビシッときめた姿には、ほれぼれしてしまいます。 現場には出ることは減りましたが、指揮をとるときは、頭にタオル、ニ
どんな家づくりにも予算があります。その予算のなかで、大半の家族が少しでも大きな家をと望みます。しかし、すぐに壁に突き当たり、いくつもの夢を諦めてしまってはいないでしょうか。はじめから、小さな家の選択肢が除外されているのが原因の一つかもしれません。これまで、世界中の名建築家たちが、小さな家で個性と技、ノウハウを競ってきました。工夫次第でどんな空間にも変化するゆたかさを内包した、もう一つの家の有り様、小さな家。そこには、ミニマムな暮らしの原点、混乱の時代を生きる哲学が潜んでいます。 Contents. 住み慣れた我が家を25坪に建て替え 限りなくワンルームに近い家がいい 世界の建築家たちが挑んだ小さな家 LDKの概念を捨てることから始める 日本人と欧米人のプライバシー概念 相手を察する日本の感性を生かして 子育て終了後の30~40年を生きる家 目には見えない家族の強いつながり 住み慣れた我が家
仕事で新築の家におじゃましますと、仏壇のない家、仏壇の代わりに簡単な祭壇を設けた家が増えていることに気づきます。核家族化、少子高齢化、狭小な家が増えている影響ともいえますが、私たちの家づくり、先人たちへの思いは、どんなふうに変わっていくのでしょう。 Contents. 仏壇・葬儀にこだわらない現代 仏壇よりも写真が身近に感じる 日本家屋の変遷と仏壇との関係 機能をかたちで考えない選択肢 ありがとうの気持ちだけでいい 仏壇・葬儀にこだわらない現代 仏壇のない家が増えています。 小さ目の家が増えて、 そもそも仏間がなくなったこと、 核家族化が進んだこと、 マンションやアパートに住む人が増えて 仏壇を置くスペースのないこと、 理由はいくつかありそうです。 仏壇があったとしても、 デザインが大きく変わってきたことにも気づきます。 キューブ型のかわいいデザイン。 お位牌だけが入る、A4サイズのもの。
人類が初めてエネルギーとしての【火】を利用するようになったのは、いまから約50万年前のこと。暖かく、煮炊きもできる【火】はやがて、暮らしに欠かせないものとなり、その【火】を雨風から消さないために屋根ができ、囲いが工夫され、家の原型ができました。眺めているだけで落ち着くのは、私たちの家と暮らしの原点を感じるからかもしれません。 Contents. 日本の家の中心【竈=かまど】 家にいながら異界と交信する 暖炉が創った全館暖房の文化 暖房よりも採暖を選んだ日本 キャンドルで1/fゆらぎを満喫 日本の家の中心【竈=かまど】 文字通り、釜をかける場所であり、囲炉裏とともに家を象徴する火所とされてきた「竈(かまど)」。 囲炉裏は主に東日本に多く、竈は中国から入ってきたことから、最初は西日本を中心に広まったといわれます。 古い民家では、いまも囲炉裏が残っていますが、調理だけではなく、照明や暖房を兼ねた
地震、水害など、大規模な災害が起きるたび、自分には何ができるだろうかと考えてしまいます。しかし、ボランティア、募金など、すぐに行動を起こせる人ばかりとも限りません。いま、この場でできることを考えてみました。 被災地で歓迎された「本」 東日本大震災から8年。 その後も、たびたび熊本地震、大阪北部地震など大きな地震が起こり、九州北部豪雨や西日本豪雨をはじめ、日本各地で水害が発生して、その都度大きな被害が出ています。 いまは九州の雨が心配です。 被災地、ましてや避難所にいる方々は、不安を抱えたまま毎日を過ごされているのではないかと思います。 心から、お見舞い申し上げます。 災害に関するニュースを聞くたび、すぐにボランティアに参加できるわけでもなく、何百万円も寄付できるわけでもない。 なんて自分の力は小さいのだろうと、自分を責めてしまうことも少なくありません。 被災地にはたくさんの物資が届けられ、
インテリアと聞くだけで興味はあるものの、何から手を付けていいのかわからなくなってしまいます。もともと日本の住まいには飾りを削ぐことで「美」が醸される文化のなかで、私たちは育ってきたのです。それでも何とか、お洒落な空間にしたい。そんなふうに迷ったときには、壁の攻略から始めてみるといいかもしれません。 Contents. 日本の美意識と Interior 昭和の家にあった「美」 西洋と日本の住宅の違い 置き去りにされてきた壁 洋「風」の空間で戸惑う 壁面を飾るアイテムとは 日本の美意識と Interior たくさんのお宅を拝見してきましたが、日本の家のインテリアコーディネートはまだまだ未熟、というのが率直な感想です。 自戒を込めてのお話です。 理由があります。 日本の家屋には家具がなくても暮らせる工夫があって、そもそも装飾する、つまりインテリアという文化も概念もなかったのです。 いい悪いのお話
視覚障害のある家族のために、動線にLEDを埋め込み、自活性を高めた工夫。 バリアフリーというと段差の解消や手すりの設置などが思い浮かびますが、その人の持つ障害によって、対処すべきバリアは大きく異なります。特に、足腰が弱くなったり、視力の衰えなどは加齢とともに進み、誰もが避けて通ることができません。それだけに家のなかのバリアとその解消には、早目に対処したいところです。 Contents. 階段を踏み外しそうになる 40歳を超えると「高齢視」 色を判別できないハンディ ほぼ全員が経験する白内障 コントラストの淡さの危険 交通事故死より多い家庭内 階段を踏み外しそうになる 左目がかすんでいます。 まったく見えないわけではないのですが、食品用のラップを二重に眼球に貼りつけたような状態でしか見えないのです。 重度のドライアイに、直線が歪んで見える黄斑前膜、飛蚊症が重なります。 白内障の症状もあります
神様がいる。掃除をすると運気が上がる。金運、強運、何でも期待できる。トイレ掃除には、なぜか、スピリチュアルな言葉がついてまわります。それだけアンタッチャブルな空間といえるのかもしれません。トイレに関する、けっして汚くはないお話のあれこれ。 Contents. ホテル滞在中もせっせと掃除 お店の掃除には負けたくない タイのホテルで目撃した客室 家のなかは土足禁止のラオス トイレットペーパーは流すな トイレ掃除と金運の相関関係 見えないところだから清潔に ホテル滞在中もせっせと掃除 年間数十日、 出張先でホテルのお世話になります。 部屋のドアを開け、早速荷解き。 靴を脱いでクローゼットに入れ、コートやジャケット、 着替えをハンガーにかけ、 洗面道具を洗面所に並べ、持参した薬やサプリがあれば デスクに置き、ノートや筆記用具も 整理してカウンターに並べます。 備え付けの洗面用具は使ったことがありま
スケジュールが埋まっていないと不安でしかたがない日々。日々の暮らしはモノに囲まれ、都市にも地方にも隙間がなくなり、隙間や余白が罪であるかような家やインテリアが主流です。私たち日本人は、何もない「間」に宇宙を感じ、沈黙に言葉を聴き、「余白」に映像を観る文化を育んできました。私にはとてもできないことですが、ミニマリストと呼ばれる人たちに代表されるように、一部の人たちが問題に気付き、原点に戻り始めています。何もないことの、豊穣について。 手書きの原稿にあってないもの 記者のタマゴだった時代のこと。 まだワープロもパソコンもなく、13字×10行という専用の原稿用紙を使って原稿を書いていました。 縦長です。 なぜ10行かといえば、何行か書いて間違ったらすぐに、ジャッと破いて捨てられるから。 400字詰めの原稿用紙ですと、5、6行書いて捨てるにはもったいないわけです。 私たちが育った時代の記者の書くス
日本には古くから「腹八分目」という言葉があります。何事も、ほどほどのほうがいい結果を招く、少食が健康を保つなど、短いその一言に哲学さえ感じます。最近は「腹七分目」が健康だけでなく、長寿のもとになるとの説が相次いで発表されています。 Contents. 長寿遺伝子を発動する行動 食事もエネルギーも3割減 少し肉を減らすだけの効果 100%と150%の七分目とは 日常は世界と直結している 長寿遺伝子を発動する行動 満腹よりも八分目程度に抑えていた方が健康によく、医者いらず、といった意味で使われてきた「腹八分目」。 食べ物がいまほどゆたかでなかった時代は、食べたくても満足に食べられず、八分どころか三分、四分で我慢することもあったでしょう。 そんな時代を知る人も少なくなり、日本中、世界中の先進国がダイエットできずに苦しんいるのが現状です。 しかし、最近になって、「腹八分目」どころか「一日一食」ある
在宅介護の先に見えてくる、老いと死。国はすでに「在宅看取り」の定着のために大きく舵を切っています。家族に迷惑をかけたくないからという理由で病院を選択しても、それができない時代がやってきます。介護も看取りも住み慣れた我が家でできるのが理想。しかし、現実には、暑さや寒さ、車椅子で1メートルも移動できない、トイレで回転もできない、ベッドの周りに人が立てないないなどのバリアが立ち塞がります。「在宅」における介護や看取りを希望したときに、その願いが叶わないことが問題なのです。「在宅」を阻む家のバリアや制度について考えます。 病気・貧乏・孤独という老後の大問題 老後の三大課題は「病気・貧乏・孤独」といわれます。 神さまから、どれか一つだけ除外してあげますよといわれたら、自分はどれを選ぶか。時折、そんなことを考えます。 難しい選択肢ですが、誰もが例外なく、これらの課題を突きつけられているのです。 病気に
依存というとあまり聞こえがよくありません。自立というと、ちょっとカッコがつく気がします。しかし、子どもにとっては、「おなかいっぱい」というほどに、依存が必要な時期もあります。そんな自立と依存をはいけいに、再生する家族の小さな話。 子どもの万引き事件がきっかけに C子さん夫妻は、 長い間深刻な不和の状態にあり、 互いに離婚は 時間の問題と考えていました。 お子さんは中学生の男の子。 ある日、スーパーで万引きをして 補導されてしまいます。 夫妻は「どうして自分たちの子がこんなことを…」 と戸惑い、途方に暮れました。 C子さんは毎日、 涙が止まりませんでした。 が、この事件がきっかけとなり、 いつの間にか、 夫妻は以前より話をするようになっていました。 振り返ると、 家族の再生は、家の計画から始まりました。 C子さんが、ある日、 ご主人に「家を建てましょう」と意志表明したのです。 C子さんの強い
どこかで会ったような気がする人がいます。どこかで見たような風景、家。思い出そうとしても、なかなか記憶が甦らない。それは既視感=デジャビュかもしれません。曖昧だけれど、どこか懐かしく、温かい。ひょっとして、前世で出合った風景や人なのでしょうか。 Contents. 既視感と未視感の狭間 人類には共通した記憶 シェーカーの家に学ぶ 消化不良になる家とは 自分だけの物語を辿る 既視感と未視感の狭間 初めて訪れた街や風景、お寺、民家などに、なんだか懐かしい、どこかで見たことがあるかも、という感覚を覚えることがあります。 このように、いま自分が見ている風景が、いつかどこかで見た風景のような気がする感覚を「既視感」といいます。 風景と書きましたが、ときには形であったり、ふれた感触、色、動き、音、物事の流れ、会話などさまざまです。 フランス語では「déjà vu=デジャビュ」。 フランスの超心理学者エミ
住宅の広さが延床面積=㎡で示されてもなお、私たちは「坪単価」を建築コストの目安にしてしまいます。しかし、ビルダーや設計者によって、どこからどこまでが標準仕様で、何がオプションなのか、明確な判断基準はありません。「坪単価80万円」を目安にしたものの、図面があがってきたら「坪単価100万円」というケースが多々あるのもビルダーと施主の解釈の違いによることが少なくありません。いざというとき、慌てないために「坪単価」の考え方について。 Contents. 計算に何を含めるかで変化する 設備の種類やグレードも考える 総額で判断するのはいけないか ローン+光熱費/月で判断する 計算に何を含めるかで変化する チラシでよく目にする「坪単価」。 「坪単価で家の値段を判断してはいけません」 と、あちこちで書かれているにもかかわらず、ついつい業者さんに「おたく、坪、ナンボですか」と聞いてしまう「坪単価」。 ご存じ
家を建ててから、少しずつ家具を買い揃えていく。家の計画と同時進行で、購入する家具も検討する。これまで、家具が最小限で済んだ日本家屋で育ってきた私たちは、家具の選択が苦手なのです。しかし、暮らしも住まいも、洋の佇まいが主流となってきました。そんな時代の家具の考え方。 Contents. 建築費の3~4割が追加費用になる 家具なしで空間デザインはできない ビルダーは家具の専門家になれるか 建築費の10%を家具に充てる考え方 家具のための空間ではなく生活空間 クルマより家具にお金をかける価値 立式なしでは成立しない日本の住宅 建築費の3~4割が追加費用になる 家を建てるときの費用は、建築費だけではありません。 この家は坪60万円、70万円…といった話をよく聞きますが、実際には、どこまで含んでの「坪単価」なのか、はっきりしないのです。 建築費のみならず、外溝工事費、インテリア、家具、家電、工事の諸
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