令和6年(2024)は、安政元年(1854)に横浜で日米和親条約がむすばれてから170周年にあたります。この条約の締結によって、日本は欧米諸国と恒常的に外交をおこなう必要に迫られ、幕府は安政5年(1858)外国奉行(外国方)を創設します。一方、開港された横浜には神奈川奉行が置かれることになりました。 外国奉行と神奈川奉行の研究・展示は、これまでほとんどおこなわれてきませんでした。外国方(外国奉行)は外務省の前身にあたる組織で、幕末の厳しい国際環境のなか、幕府外交のかじ取りを担います。一方、神奈川奉行(所)は神奈川県(庁)の前身機関で、開港場周辺の行政をおこないつつ、居留地で外国人との折衝も担当したのです。このふたつの組織の検討は、近代の日本外交のルーツを考えるうえでひじょうに重要です。 今回の展覧会では初公開となる歴史資料も展示しつつ、ふたつの組織に関係した幕末の「外交官」たちの姿や開港都