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アメリカ大統領選
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<トランプの側近中の側近、スティーブン・バノンの経済観は、「オルト・ライト・ケインズ主義」とでもいうべきものである。その特質と問題点とは> オルト・ライトすなわちもう一つの右派(Alt-right)とは、ドナルド・トランプが大方の予想を覆して米大統領選を勝利したとき、その政治的スタンスを表現するものとして、アメリカのメディア等で用いられるようになった概念である。それは政治的には、白人至上主義、反リベラル、反ポリティカル・コレクトネス、反エスタブリッシュメント等々によって特徴付けられる。そして経済的には、反移民や反貿易といった反グローバリズム傾向が顕著である。 そのオルト・ライトの政治スタンスを代表する人物とされているのが、大統領選挙ではトランプ陣営の選対本部長としてあの驚くべき勝利を導き、その後成立したトランプ政権では首席戦略官・大統領上級顧問に就任した、トランプの側近中の側近、スティーブ
<日銀が昨年9月に導入した長期金利操作政策が、結果として想定以上の効果をもたらした理由とは...。そして、「トランプ・リスク」をいかに抑止するか> 昨2016年は、日本銀行にとって、まさに試練の年であった。1月末には、中国を初めとする新興諸国の減速、2014年4月の消費税導入以来の国内消費の落ち込みを背景に、民間銀行の日銀当座預金の限界部分に対して0.1%のマイナスの金利を適用する政策を導入した。このいわゆるマイナス金利政策は、各種金利のさらなる低下を通じて住宅ローンや社債発行を拡大させる一方で、一部金融機関の収益悪化をもたらした。 そこで日銀は9月に、10年物国債の金利をゼロに誘導する、長期金利操作政策を導入した。これは、マイナス金利政策の導入以降にマイナスの領域に落ち込んでいた長期国債金利を引き上げ、イールドカーブをスティープ化させること狙ったものであることから、イールドカーブ・コント
トランプはなぜあれほど強かったのか──経済政策でもたらした最大のインパクトとは <アメリカの有権者の多くは、トランプの「人格」に対しては眉をひそめていたにしても、少なくともトランプ政権の経済的な実績に関しては一定の評価を
<長きにわたって経済的に「痛めつけられてきた」若年層。その負のトレンドもようやく反転する兆候が見られる。雇用条件の改善は、デフレが克服されてマイルドなインフレが定着すれば、自ずと実現される将来だ> アメリカの格差と日本の格差 2016年11月のアメリカ大統領選挙は、共和党候補ドナルド・トランプの想定外の勝利となった。その背景の一つは、この20〜30年の間に拡大してきたアメリカの所得格差であろう。その経済状況に対する白人低所得者層の積もりに積もった不満が、その驚くべき選挙結果をもたらしたということである。これは、予備選でヒラリー・クリントンと民主党候補の座を最後まで争った「社会主義者」バーニー・サンダースの躍進、さらには所得分配の不平等をテーマとしたフランス人経済学者トマ・ピケティの大著『21世紀の資本論』が2014年に英語版が出版されるとアメリカでベストセラーになったことと同根の現象である
<「日本経済はおそらくあと2年程度で完全雇用を達成する」と考えている。ここでは、その根拠を示す> 本稿は、「黒田日銀の異次元金融緩和は『失敗』したのか」(11月4日付)と「黒田日銀が物価目標達成を延期した真の理由」(11月25日付)の続編である。日銀は11月1日の金融政策決定会合で、物価2%目標の達成時期について、5回目の延期を決定した。11月25日付拙稿で論じたように、その最大の理由は、日銀が当初想定していた「完全雇用と考えられる失業率」が、現実の完全雇用よりも高すぎたためである。 筆者はまた、11月4日付拙稿で、「物価2%目標を2018年度中に達成という日銀の新たな約束が今度こそは実現される蓋然性は高い」と述べた。物価2%目標が達成されるということは、完全雇用が達成されるということとほぼ同義であるから、筆者は要するに、「日本経済はおそらくあと2年程度で完全雇用を達成する」と考えているこ
<黒田日銀は、完全雇用の実現という最終的な政策目標を、約束の期限内に達成できなかった。しかし、それは「失業を減らして雇用と所得を拡大させる余地が事前の想定以上に残されていることが明らかになった」という、よい意味で想定外の事態だった> 筆者は11月4日付けの拙稿「黒田日銀の異次元金融緩和は『失敗』したのか」の最後で、「異次元金融緩和政策が成功していることは明白である。唯一問題があるとすれば、それは、完全雇用の実現という最終的な政策目標を、約束の期限内に達成できなかった点のみにある。それをどう考えるべきかについては、稿を改めて論じたい」と述べた。本稿は、その目的を果たすためのものである。 本来的に困難な不確実性下の「期限の約束」 日銀に限らず、現代世界の中央銀行の多くは、インフレ目標という枠組みを用いて金融政策を運営している。それは、「消費者物価指数のような何らかの物価指標の上昇率に2%程度の
<減税と公共投資を中心とするトランプノミクスが額面通りに現実化されたときに、世界経済に何が生じるかは、短期的にはきわめて明らかである> 「トランプ・リスク」に踊らされた市場 2016年11月のアメリカ大統領選挙は、大方の予想を裏切って、共和党候補ドナルド・トランプの勝利に終わった。 マーケットではこれまで、アメリカ有権者の意識調査等でトランプ有利の結果が出るたびに、市場はいわゆるリスクオフの状態となり、日米とも株価は下落し、為替市場ではドル安円高が生じていた。投票日の直近では、民主党候補ヒラリー・クリントンの電子メール問題に一応の決着が付いたということもあり、クリントンの勝利はほぼ確実視されていた。その証拠に、マーケットではその結果を見越して、株高とドル高円安が進んでいた。 ところが、最終的な結果は事前の予想とはまったく逆であることが、開票が進むにつれて否応なしに明らかになっていく。そこで
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