サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
大谷翔平
www.projectdesign.jp
帝国データバンクは2024年6月11日、同社が実施した、各市区郡における設立5年未満(2019年以降設立)の新興・スタートアップ企業の出現率の調査結果を発表した。それによると、北九州市の小倉北区・小倉南区が11.0%で最も高く、同市八幡西区(8.9%)や福岡市中央区(7.7%)といった福岡県勢の台頭が目立ち、全国(3.6%)を大きく上回った。また、愛媛県松山市(9.3%)や香川県高松市(8.9%)など西日本エリアも高く、横浜市中区(6.9%)や東京都渋谷区(6.8%)、同港区(6.6%)といった都心部も上位となった。 北九州市は「スタートアップの街北九州」「日本一起業家に優しいまち」を掲げ、国家戦略特区に指定されている強みを活かし、スタートアップを中心にスモールビジネスを含めた多様な支援策を展開しており、それが今回の結果に繋がったと言える。愛媛県松山市では「NEXTスタートアップえひめ」プ
未来が見えなくなったとき、僕たちは何を語ればいいのだろう― 震災後日本の「コミュニティ再生」への挑戦 ボブ・スティルガー(著) 豊島瑞穂(翻訳) 野村恭彦(監訳) 英治出版 本体2,000円+税 「私たちは未来が見えない時代を生きている」。それは、成功した古い構造はなくなりつつあり、しかし新しい構造も生まれていない、日本産業の現状を表しているのではないだろうか。 この言葉を発したのは、社会変革ファシリテーターのボブ・スティルガー氏。北米や南アフリカ、ジンバブエなど世界を舞台に、地域や組織にイノベーションをもたらす対話づくりを行っている。 「誰もが社会に対して不安を感じ、疑問を持つ時代になりました。現状の学校や教育、医療のシステム、インフラはこのまま維持できるとは限らない。今こそ未来を創造し、そこから社会変革を起こす時です」 2011年の東日本大震災の発災後は、たびたび来日し、復興のための対
昨冬、米ニューハンプシャー州にあるドーバー公立図書館は6週間にわたり、ファストファッションの代替として衣服を貸し出すサービスを提供した。 (※本記事は気候変動やよりよい未来に役立つ情報を掲載する非営利メディア『Grist』に2024年6月26日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています) 注目の取り組み、「衣服図書館」 今年初め、ニューハンプシャー州ドーバー市の図書館では、通常貸し出している本やCDの棚に加えて、衣服のラックが登場した。12月から1月中旬までの毎週日曜・月曜に、ドーバー公立図書館の講堂で新しいタイプの貸し出しサービス、「衣服図書館」の実証が行われたのだ。来館者は、1人5点までを2週間レンタルできた。レンタルできる衣類は冠婚葬祭など「特別な場で着る服」を中心に集められており、パーティーのドレスや結婚式の衣装、スキー旅行用の防寒具など、一度だけ着ることが多い服が対象だった。
学ぶ歓び 本居宣長の生きた一八世紀後半と現在とを単純に比較することはできないが、宣長の周辺を見ていてうらやましく思うのは、「学ぶ歓び」が横溢していることである。 身分制度の厳しい時代にあって、また庶民も旅を楽しむことができるようになったとはいえ、学ぶためには滞在も必要だろう。物見遊山と違って面倒なことも多かったはずだが、そのような困難を越えて、人々は宣長の住む松坂(松阪市)をめざした。 田中道麿は美濃国(岐阜県)、今の養老町の農家に生まれた人である。学問への思いを断ち切れず、放浪の後、名古屋で細々と古典教授を行っていた。ある時、宣長の本を読み、衝撃を受けてそのまま松坂を目指したという。その時の感動を、 此春、松坂より帰りて後は、誠に誠に其事しれる道丸(麿)と生れ替りたり と書き表している。 京都での宣長の講釈を聞いた伊予国(愛媛県)の二宮正禎は、 先頃、鈴屋大人在京の時、御講釈に毎日出席仕
フードテックの領域は幅広く、経営資源との掛け算で、様々な新規事業のチャンスが生まれる。豊かで健康的な食生活を実現するAIヘルスフードテックサービスや、食品工場の効率化に貢献する人型協働ロボット、廃棄野菜を有効活用した防災備蓄品など、注目すべきフードテックを紹介する。 ウェルナス 個別栄養最適食「AI食」 ウェルナスは信州大学発のフードテックスタートアップ。これまで、信州大学の研究成果に基づいた世界初となるナス由来コリンエステルを関与成分とするサプリメントの販売を行ってきたが、新たに、食の機能を個々人ごとに個別最適化する「AI食」事業を始動している。 2023年1月にリリースしたアプリ「NEWTRISH」は、利用者が設定した目標(健康・美容・運動機能・学力など)に関連する生体データと、摂取した食事に含まれる栄養素データを日々記録し、独自の解析アルゴリズムで生体データに影響する栄養素を分析、生
歴史ある山岳信仰の世界を現代的に展示している富山県[立山博物館]。目玉の施設であるまんだら遊苑の写真撮影が可能になり、SNSでの拡散が始まった。国内からのみならず、北陸地方を訪れる海外の観光客の誘客にも力を入れる。 SNSは現代においては、即効性のある情報伝達、発信の手段だ。観光においても、ツイッターやフェイスブック、インスタグラムを介して、個人が情報を拡散することで、世界的に有名な観光スポットが生まれるケースが増えた。富山県[立山博物館]は、これまでは撮影禁止だったが、2019年春に写真撮影を解禁し、観光客の人気を集めるようになっている。 立山信仰の世界を展示 富山県立山町にある富山県[立山博物館]は、立山山麓の芦峅寺(あしくらじ)に複数の施設を持つ広域分散型の博物館である。開館は1991年で、以来、富山県のシンボルである立山の歴史と立山信仰、立山の自然を紹介してきた。 山岳信仰の対象で
キャッシュレス決済を基盤にしたフィンテック事業を展開するネットスターズが、宿泊事業者向け決済サービス「StarPay-Biz for Hotel」をリリースした。インバウンドのさらなる増加が見込まれる今、海外のオンライントラベルエージェントや旅行代理店との取引拡大につながるサービスとして注目されている。 滝島啓介 ネットスターズ 執行役員兼事業統括本部決済事業部事業部長 観光客のニーズに応える QRコード決済を日本に導入 もはや日常的な支払方法となっている「QRコード+スマートフォン」の組み合わせ。このキャッシュレス決済を日本に広めたのがネットスターズだ。 2009年創立。2015年から決済事業をメインに手掛けている。「2015年当時はまだ、QRコード決済は普及していませんでした。しかし、コロナ前のこの時期は、中国からの観光客の『爆買い』や『インバウンド』という言葉が注目を集め始めていた頃
女性専用パーソナルトレーニングジムをフランチャイズ展開するFURDI(ファディー)。トレーナーがいなくても、利用者が自分だけのために生成されたプログラムで運動ができるAI搭載フィットネスマシンを導入し、利用者数を伸ばしている。代表の浅野忍土氏に話を聞いた。 動きのチェックや計測も AIが効率よい運動を提供 2018年に第一号店を開業したファディー。現在の店舗展開について「営業中の店舗は全国で66件ですが、フランチャイズ(FC)契約は100を超えていますので、店舗数も間もなく100を超える見込み」と話すのが、代表の浅野忍土氏だ。 365日予約不要で好きなだけ通える定額制で、しかも月額利用料1万円以下という低価格だ。最大の特徴はドイツで開発されたAI搭載のフィットネスマシンを使用していること。大きなスマートフォンのようなマシンの画面に必要な動きが表示され、それを見ながらエクササイズを行う。1回
ヤマップ(福岡市、関連記事参照)は、シリーズDラウンドで融資も含め総額20.4億円を資金調達し、その資金をもとにグループ会社となる「株式会社ヤマップネイチャランス損害保険」(沖縄県名護市)を設立した。2024年5月28日に発表した。ネイチャランス損保はアウトドア保険を提供する企業で、ヤマップは代理店として損害保険を販売。損害保険代理業を通して得られた収益の一部は、登山者の人命救助や遭難防止活動など登山道保全活動に充当する。 ネイチャランス損保では、YAMAPプラットフォームに蓄積されたビッグデータを活用した、新しい損害保険商品とサービスを提供する予定だ。日常のケガからアウトドア活動中の遭難救助費用までを幅広く補償し、万が一の場合には目撃情報収集サービスが付帯された「外あそびレジャー保険」をリリースする。同時に、家財とアウトドア道具を補償する「アウトドア家財保険」もラインナップする。ヤマップ
愛媛県西条市で公民共創によるまちづくりに取り組むNTT西日本と地域創生Coデザイン研究所。地域ポイントや地域活動の貢献を見える化する仕組みをパートナーと創り上げ、住民の行動変容を促し、地域コミュニティ活動と地域経済活動の両輪によるWell-beingの向上をめざしていく。 シビックプライドの醸成がカギ 人口約11万人を擁する愛媛県西条市は、西日本最高峰の石鎚山や瀬戸内海に囲まれた温暖で風光明媚な地域だ。多種多様な農作物の一大産地でありながら、多くの製造業が立地し、四国最大規模の工業地帯を成している。また、「住みたい⽥舎ベストランキング」(宝島社)若者世代部門で3年連続の全国1位を獲得するなど、近年は暮らしやすさも魅力の一つとなっている。 一方、少子高齢化が急速に進行しており、いかに関係人口を創出し地域の力に変えていくかが課題になっていた。そこで、西条市は以前から移住促進に注力しており、その
コスモエネルギーホールディングスのグループ会社であるコスモ石油マーケティングと岩谷産業の出資会社である岩谷コスモ水素ステーションは、2024年4月8日、「岩谷コスモ水素ステーション平和島」をオープンした。小型、大型燃料電池トラック(FCトラック)への短時間での充填が可能な水素ステーションだ。 日本自動車ターミナルが運営する京浜トラックターミナル内で営業中の、コスモエネルギーグループ系列・京浜トラックターミナル平和島SS(運営会社はキタセキ)に併設している。トラックターミナル内での水素ステーション設置は国内初のケース。供給方式は液化水素貯蔵・オフサイト型、供給能力は毎時60kgで、FC大型トラックにも短時間で水素の充填が可能だ。 東京都大田区平和島に位置する京浜トラックターミナルの貨物取扱量は国内最大であり、そこで水素ステーションを設置することは、FC商用車の国内実証の拠点としても重要だとい
プロジェクトニッポン 佐賀県 農業や窯業などの良質な地域資源・ブランドを保有する佐賀県。一方、地域に根ざして発展を遂げ、県経済をリードする大企業は少ない。佐賀県の課題とポテンシャルを分析し、今後の成長の方向性を探る。 文・嶋田淑之 自由が丘産能短大・教員、文筆家 変革期に強い県民性 「武士道と云うは死ぬことと見つけたり」 江戸中期の1716年頃、肥前国佐賀鍋島藩の藩士・山本常朝の話を、田代陣基が筆録したとされる、「葉隠」の最も有名な一節である。 生きるか死ぬか、という切迫した場面においては迷うことなく死を選ぶべし。二者択一を迫られた時には、即、より困難な方を選択することを尊しとする。 こうした「葉隠」の精神が根付いているのだろうか、佐賀県は明治維新前後の激動期において日本近代化の礎を築いた「佐賀の七賢人」(大隈重信、江藤新平ほか)を輩出。さらに、その後、重要戦機に指導的な役割を果たす陸海軍
観光局という名前を持つが、阿智昼神観光局は8年前に設立された一般企業だ。長野県は南信州の阿智村で、ツアーの企画運営や情報発信など様々な観光事業を手掛ける。なかでも日本一と称される星空をテーマにしたナイトツアーは他にない体験型コンテンツとして人気を集めている。 わずかでも見たい人はいる 星空に観光経済を託す決意 「阿智村には昼神温泉郷という温泉地があり、地域の観光資源としては絶対にはずせない地域経済の柱になっています。この温泉郷を世の中にもっと認知してもらうために設立された企業が当社の前身です」と話すのが、阿智昼神観光局の代表取締役、白澤裕次氏だ。その企業は基本的に昼神温泉郷を中心にした観光振興を手がけていたが、阿智昼神観光局が設立され、白澤氏が代表となった時に方向転換をした。 2023年に出湯50周年を迎えた昼神温泉郷 「昼神温泉郷は出湯50年という若い温泉地。コレ、というポテンシャルはな
安倍政権の規制改革の一つとして「健康食品の機能性表示」の解禁が発表された。トクホは費用がかかりすぎ、中小企業の参入障壁となっているからだ。農産物にも機能性表示ができ、農業分野も注目の動きである。 2013年7月の参議院選挙において与党は過半数を超え、アベノミクスによる経済活性化が評価され、6年ぶりにねじれを解消した。アベノミクスは、いわゆる三本の矢からなる経済再生に向けての処方箋である(右図)。 大胆な金融緩和である第一の矢、機動的な財政政策である第二の矢により、足元の経済と雇用を固め、円安とインフレターゲットで輸出産業の振興を図る。その後第三の矢として、新規産業の創出・育成のステージに移り、規制改革とベンチャー育成という将来の経済発展に向けた施策が実施されることになる。私は安倍総理の諮問会議である規制改革会議委員であり、本稿ではアベノミクスと規制改革の行方について議論したい。 2013年
米国も英国同様、統一的な国民識別番号制度を持たない国だが、2001年の同時多発テロ以降、IDによる管理を強化している。もとは社会福祉制度のために導入された1人1つの社会保障番号(SSN)が、その利便性の高さから流用され、セキュリティ上の問題を引き起こしている。 3億3300万人、世界第3位の人口を抱える米国だが、統一的な身分証明システムはなく、複数のIDが存在している状態にある。例えば、米国連邦政府は国籍を証明する方法としてパスポートと「パスポートカード」を発行している。「パスポートカード」は、カナダやメキシコ、カリブ海諸国との国境のそばに住んでいる市民のために発行されるカードだ。 また、米国の各州が発行する運転免許証も身分証明書として使用される。運転はできないが身分証明が必要な市民に向けて、「運転許可なし運転免許証」を発行する州も多い。この他にも、一部の州・準州では、自主的な身分証明書を
ユニクロ・楽天・セブン-イレブン・今治タオル。日常的に目にするこれらのブランドは、佐藤可士和氏がクリエイティブディレクターを務め、躍進を遂げてきた。特徴的なのは、デザイン、ロゴにとどまらず、事業そのものが社会に大きな影響を与えている点だ。同氏の哲学に迫った。 聞き手:事業構想大学院大学学長・田中里沙 佐藤 可士和(クリエイティブディレクター) 事業はひとつのメディアである 田中 可士和さんは多種多様な企業に事業のアイデアを提示されています。新たな事業を構想していくには、その企業の経営資源の生かし方を考え、見極めていくと思うのですが、発想・着想の視点、アイデアを形にするプロセスはどんな風に進むのでしょうか。 佐藤 事業はコミュニケーションのひとつのメディアだと捉えています。全ての活動をコミュニケーションとして捉えており、企業やブランドの本質を掴んで、それをピカピカに磨いて社会に提示することで
現代アートからECビジネスへ転身、60歳を過ぎて地域おこし会社を立ち上げた中巳出理氏。能登半島を舞台に、商品開発から観光振興、人材育成まで...。「やるならとことん」が信条の中巳出氏が実践する地域おこし術とは。 奥能登・珠洲で500年の歴史を持つ伝統的な塩づくり『揚げ浜式製塩』。Anteは今年、製塩の技術継承を目的に塩田事業をスタートした "付録"の人生は地域とともに 2009年、石川県に創業したAnte(アンテ)。石川・能登の食材や伝統技術を利用した商品開発、限界集落でのカフェ建設、技術継承に向けた塩田事業の立ち上げなど、独創性の高い取り組みで、過疎の地に常に新しい話題を創りだしている。 創業社長の中巳出理(なかみで・りい)氏は幼少期、厳格な母のもと、お茶、お花、日本舞踊など、様々な伝統芸能をたしなんだ。その反動で現代美術の世界に惹かれ、現代アート彫刻家の道をめざす。世界的な彫刻家を夢見
利便性と安全性に優れた次世代の公衆Wi-Fi基盤「オープンローミング(OpenRoaming)」が注目されている。シスコシステムズはオープンローミングの日本での普及を目指して、自治体との連携を推進している。その特徴や地域での活用余地について担当者に聞いた。 1度の設定だけで世界中の 対応Wi-Fiに自動接続 オープンローミング(OpenRoaming)とは、公衆Wi-Fiサービス関連事業者の業界団体であるWireless Broadband Alliance(WBA)による国際的なWi-Fi相互接続基盤のことを指す。高い安全性と利便性が特徴であり、1度設定するだけで世界中のオープンローミング対応のWi-Fiスポットに、セキュリティを確保した上で自動接続することができる。 オープンローミングの仕組みは2019年にCisco OpenRoamingとしてシスコシステムズが開発したものがベースに
バブソン大学は、マサチューセッツ州ウェルズリーにあるアントレプレナーシップ教育に特化した大学。US News & World Reportの分野別ランキングで、アントレプレナー部門のナンバーワンに30年連続で輝くなど、その教育は高く評価されている。実業界を牽引する大経営者を数多く輩出しており、その中にはトヨタ自動車の豊田章男会長やイオンの岡田元也社長もいる。 そのバブソン大学で絶大な人気を誇る授業を書籍化したのが本書だ。「遊び」「共感」「創造」「実験」「省察」の5つの実践に沿って、43もの演習が収録されている。何より「実践」に重きが置かれているのは、「アントレプレナーは、不確実性や曖昧性の高い状況下で行動を起こす自信と勇気を得るために、アントレプレナー的になる実践を行っている」という考え方に基づいているためだ。 それぞれの演習には、誰を対象にどのように行えばよいかという利用例、学習目標、教
2024年2月13日、「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律案」(水素社会推進法案)と「二酸化炭素の貯留事業に関する法律案」(CCS事業法案)が閣議決定された。現国会に提出される予定だ。 水素社会推進法案は、低炭素水素などの供給・利用を促進するためのものだ。基本方針の策定、計画認定制度の創設、計画認定を受けた事業者に対する支援として、「価格差に着目した支援」、「拠点整備支援」や規制の特例措置を講じる。同時に、水素の供給事業者が取り組むべき基準も策定する。 CCS事業法案は、2030年までに民間事業者が国内におけるCCS事業を開始するための環境整備のための法律案だ。貯留事業と試掘に係る許可制度、貯留権・試掘権の創設、貯留事業者および二酸化炭素の導管輸送事業に関する事業規制、保安規制を整備する。 ■事業構想大学院大学出版部 編集/ライター経験者
JA全中や市役所、畜産農協、商社などでキャリアを積んだのち、故郷の秋田県大館市で2023年1月に農業事業体「桃源の杜」を設立した北林諭氏。地域課題である耕作放棄地の利活用や循環型農業の確立を目指す事業構想の実践と、大学院の研究から得た気づきについて聞いた。 地区の全耕作放棄地を 草地活用することが目標 桃源の杜が拠点を置く秋田県の大館市(旧田代町)。北林氏はここで耕作放棄地を草地に転換し、馬と牧草を育てて販売する農業を営んでいる。地区の耕作放棄地は、農地全体の9割を超える。今も次々と放棄地所有者から活用を依頼されているという。「私が住む地区の農地はほぼ全てが耕作放棄地です。5年後には50ヘクタールの耕作放棄地を草地にすることが目標」だと話す。 桃源の杜で耕作放棄地を改良した草地 掲げているのは「草と生きる事業」という言葉。これについて「難しいことではなく普通のこと」だと北林氏は考えている。
埼玉県深谷市のROSE LABOは、自社農園で農薬不使用の食用バラを栽培している。「『食べられるバラ』で美しく、健康に、幸せに」をコンセプトに、規格外といわれるロスフラワーを加工して食品や化粧品も製造。環境にも人にもやさしいモノづくりや事業を展開している。 バラ農家で泊まり込みの 修行を積み、22歳で起業 ROSE LABOは農薬不使用の「食べられるバラ」を水耕栽培し、生産・出荷・商品の企画・販売までを自社で行う6次産業企業だ。1000坪の農園で、オリジナル品種「24(トゥエンティーフォー)」を含む3品種のバラを栽培している。 独自開発したバラ「24」 代表取締役の田中綾華氏は2015年に深谷市でROSE LABOを設立し、バラの栽培を開始した。この地域に住んだ経験などもなかったが、いくつか検討した候補地のなかでも深谷市はバラ栽培に適した環境だった上に、新規就農者に対する市の手厚いサポート
岩手県紫波町は国の補助金に頼らない公民連携の「オガールプロジェクト」で注目を集め、年間約100万人が訪れるまちになった。プロジェクトでは採算性や効率化だけでなく、循環型社会の構築に向けた様々な工夫が取り入れられている。 岡崎氏のおすすめは、エリア中央に位置するオガール広場。芝生を敷いた憩いの空間だ 町有地活用した公民連携事業 岩手県盛岡市と花巻市の間に位置する人口約3万300人の紫波町は、国の補助金に頼らない公民連携の「オガールプロジェクト」で注目されてきた。「オガール」という名前は「成長する」という意味の方言「おがる」と、フランス語で駅を意味する「Gare(ガール)」を組み合わせた造語だ。このエリアを出発点に、町が持続的に成長していくことへの願いが込められている。 紫波町では1998年3月にJR紫波中央駅が開業し、町は再開発に向けて駅前の10.7haの土地を28億5000万円で取得した。
「自助・共助・公助」という言葉は、1990年代から議会質問等に登場するようになったが、主に自然災害に関連して使われてきた。「共助」の中に「家助」を組み込む自治体もあり、3つの「助」の意味と活用方法を、各自治体は改めて検討する必要があるだろう。 菅義偉・内閣総理大臣は、「自助・共助・公助、そして絆」を掲げている。自然災害を例にとり、それぞれの意味を考える。自助とは「自分の命と財産等を守るために、自分で防災に取り組むこと」である。共助とは「災害に関連して、近所や地域の方々と助け合うということ」になる。公助とは「市町村をはじめ警察・消防等による公的な支援」と捉えられる。 菅内閣総理大臣は「自助・共助・公助」を強調している。この概念は1990年代から見られる。今回は都道府県議会の議会質問等から、「自助・共助・公助」の経緯を確認する。 議会質問等における 「自助・共助・公助」の動向 図表1は「全国4
別府温泉や湯布院温泉などの名湯があり、「おんせん県」として知られる大分県は、温泉の源泉総数と湧出量が日本一。地熱発電発祥の地で、地熱発電電力量と再生可能エネルギー自給率も日本一だ。製造業では、非鉄金属製造業、輸送用機械器具製造業、化学工業の出荷額が上位となっている。 温泉の源泉総数・湧出量が上位の都道府県(2021年度) 大分県内16市町村に温泉が湧出しており、源泉総数は5,093、湧出量は298,264ℓ/分で、ともに全国第1位。大分県内では別府市に源泉の半数以上があり、由布市、九重町が続く。
コロナ禍により非対面型サービスのニーズが高まる中で、「スマートミラー」への注目も高まっている。それは、人との接触を減らしながら顧客の体験価値を高め、百貨店やアパレルのDXを実現するとともに、医療・健康や美容、フィットネスなど、多様なシーンで新サービスを生み出す可能性を秘めている。 スマートミラーは、自分の姿を映し出せるミラー型モニターにセンサー等を組み合わせたIoTデバイスであり、人との接触を減らしながら双方向のコミュニケーションを実現する。 2016年2月設立の企業、ジーエルシーが開発した『スマートミラー2045』は、Android OSを標準搭載した等身大サイズのタッチパネル式ミラーだ。コンセプトは「ミライにさわれるミラー」。商品名に冠した「2045」という数字は、AIが人間の知能を超え、シンギュラリティが起こると予想される2045年にちなんで付けられた。 Android OS標準搭載
新事業立ち上げ・起業時に知っておくべき「知財」の基礎知識を、知財啓発の第一人者である稲穂健市氏が解説する本連載。最終回となる今回は、対象外になりそうな知財を守る手法を考える。複数の権利を複合させて戦略を立てることが重要だ。 ポートフォリオ化・知財ミックスで守る 本誌における6回シリーズの連載も、いよいよ最終回となりました。今回は、知財保護の対象外となりそうなものをどう守るかについて取り上げます。 第1回でご説明した通り、それぞれの知的財産権には権利の存続期間が定められています。それでは、権利の存続期間が満了すると、法的な保護もそこで終了となってしまうのでしょうか? 実は存続期間の満了後であっても、他の権利を活用することで、引き続きその対象を保護することは可能です。たとえば、特許権については、コアとなる基本特許の周辺を関連特許で固めておき、複数の特許をポートフォリオ化することで、基本特許の存
2023年度補正予算案が2023年11月29日、参議院本会議で可決、成立した。補正予算案は政府が進める総合経済対策の裏付けになるもので、総額13兆1992億円を計上している。 その内訳は、まず「人口減少を乗り越え変化を力にする社会改革を起動・推進する」に1兆3403億円。この中にはデジタル田園都市国家構想推進交付金735億円、自治体情報システムの標準化・共通化に5163億円、地域公共交通の維持・活性化の推進に279億円などが含まれる。 「国土強靭化、防災・減災など国民の安全・安心を確保する」政策には4兆2827億円が計上され、国土強靭化対策の公共事業関係費1兆3022億円、自衛隊などの安全保障環境の変化への適切な対応に8080億円、災害復旧に4259億円などが予算を得た。 またスタートアップ支援策では5068億円が計上されたが、そのうち3000億円が宇宙戦略基金に、581億円がグローバル・
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は新潟を拠点に「脱炭素農業によるGX推進」の新たな取り組みを開始した。プロジェクトの中心を担う藤井敬大氏は、にいがた2km新規事業創出プロジェクトの修了生だ。地域と自社の経営資源を活かした事業構想のヒントを探る。 農地の温室効果ガス排出量を 測定し、データを可視化 CTCと新潟大学は農地の温室効果ガス排出量を正確に測定し、データを可視化する共同研究に産学連携で取り組む。 その際、将来的なカーボン・クレジットとしての取引を目指し、排出削減に貢献した生産者の活動実績を、データの改ざんが困難な NFT(代替不可能なデータ)に変換することにも取り組んでいく。これらの仕組みを使ったグリーントランスフォーメーション(GX)で、農業の収益を増やし「強い産業」に成長させることを目指す。 このプロジェクトを担当しているのは、CTC金融NEXT企画部ビジネス企画課主任の藤
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『PROJECT DESIGN - 月刊「事業構想」オンライン トップページ』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く