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パリ五輪
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授業担当者コメント よくまとめられていると思います。特に、漢字の持つ特徴を、長所と短所(言語の地域的差異を表現するのに十分ではないなど)から述べている点もよいです。 日本は表音文字を持ちながら、漢字の使用もやめられずに(やめずに)来ました。こういった特殊性も考慮に入れて、漢字の有効性についてさらに深めていってくれるとうれしいです。 授業担当者である押木は、漢字政策や比較言語学における文字研究を専門にしていませんが、文字を書くことに関連する問題としてWebに掲示させてもらいます。 Back 書写書道特論の二回目の授業で、文字ついての事を深く考え 始めた。大学時代に一年間、「文字学」を学んだ通じ、漢字の 起源を初め、漢字の作り方と漢字圏の国々における文字の使用 状況を概念化していた。日本語と接触し、漢字と仮名に出会っ た時の衝撃から、漢字の認知をもう一度確認することにより、漢字 圏の一員として
松任市立北星中学校講師 塩田由香 金沢大学大学院 田中有希子 金沢大学教育学部 押木秀樹 はじめに 筆跡と性格の関係については、古くから関心が寄せられてきた。西洋ではGraphology(筆跡学)が発達したことに、中国・日本では「書は人となりをあらわす」「字は人をあらわす」といった考え方に、象徴されるとおりである。客観性・科学性の高い研究成果として、日本では黒田・槇田らの研究が知られる。 一方、筆跡と性格の関係と、書写教育とは直接結びつかないように思われる。しかし、文字を美しく書きたいという欲求の元にこの問題が関わっていることを、見過ごすことはできない。1993年に金沢大学学生を対象に実施したアンケート結果を表 1に示す。美しい文字を書くことに意味があるかという問いに対して、95%の学生が、「非常にある」もしくは「ある」と答えている。また、読みやすい文字については同様に98
読み物・論文 資料 Main Menu 手書き文字/書字行為の研究・書写教育 論文 エッセイ的なもの 書に関して 論文 エッセイ的なもの 専門外のもの エッセイ的なもの 手書き文字/書字行為の研究・書写教育 書写教育に関しては、<書写教育を考える>のページも(かなり重複していますが、、)ご参照いただけますと幸いです。 論文(便宜上proceedingsなども含みます) 清水・押木, 中学生を対象とした書きやすく速く書く力を育成する実践的研究−動的学習要素のレベル化およびマルチメディア教材等の効果−, 書写書道教育研究 第22号, pp.59-68, 2008.03 押木, 書字における冗長と欠落に関する試論, 上越教育大学国語研究 第22号, pp.1-13, 2008.02 押木・迎・龍岡・前田・齋木, 中学生を対象とした学年別漢字配当表所収全字種の筆順調
-Z型運動とN型運動の問題- 押木秀樹 漢字は縦書きに適しているといわれます。これについては、さまざまな部分にその要素が見られるかと思いますが、私は扁旁構造の問題と、運動性の問題について注目しています。扁旁構造に関しては別項でお話ししていますので、そちらを参考にしていただくこととして、本稿では漢字の伝統的な運動性について、考えてみたいと思います。 ローマ字は横書きで、漢字は縦書きで成立してきました。このうち、漢字は横書きされることも多くなってきました。右図のように、ローマ字は垂直方向の動きをともなって進行し、漢字は水平方向の動きをともなって進行すると考えて良さそうです。すなわち、筆記する進行方向と直角の運動をしているということになります。この点は、兵庫教育大学の小竹先生をはじめとする先生方が、認識(読む)の際の視線の運動と直角に線分があることが、認識のしやすさにつながるという説を出していま
先日、ベテランの高校の先生とお話ししていて、次のような話題が出ました。「はね」という名称は、適当と言えるだろうか? この名称のおかげで、生徒たちはうまく書けないのではないか、というのです。右の図をご覧下さい。先生は、「折れ」「曲がり」という名称も適当だろうか?とおっしゃいました。 この話をうかがいつつ、私の授業に出席している学生が、(特に毛筆で)はねがうまく書けないといっているのを思いだし、賛同しました。先生は、半分冗談で、「おしきさん、この名称変えるようにしてくれませんか!?」とのこと。残念ながら、私の力ではここまで普及している名称を変えることはできそうにありません。 しかし、気になることがあるのです。それは、「はね」は「はねるように書く」ということなのでしょうか?、ということです。先生も、「勢いのある字」を書くときには、必ずしも「勢いよく書く」とは限りませんね、とのことでした。ここで私
はじめに 字形を整える際にその外側のおおよその形、すなわち概形に着目するという考え方は、現行の小学校低学年用書写教科書に必ず採用されているばかりでなく、古典的文献にも見られる。これらから、文字の認識・美感等において概形が重要な要素となっていることが予想される。ただし、書写教科書などにおける概形の捉え方は必ずしも一定とは言えず、またそれに関する研究も決して多いとは言えない。 本研究では、コンピュータにより手書き文字の概形を分類する手法について提案する。これを用い、印刷用字形および規範とされる手書き文字の字形について、学習指導要領*1における学年別漢字配当表より「一」を除いた1005字を分析することにより、書写指導の基礎としての手書き文字の概形特徴について考察する。 概形に関する考え方 概形に関する過去の記述 「概形」という用語自体の登場を別に考えれば、文字の概形に着目した考え方は古くからみら
金沢大学教育学部 押木 秀樹 HIDEKI OSHIKI Faculty of Education, Kanazawa University この論文は、1992年課題研究としておこなった論考です。webに掲載する時点において見直したとき、他分野の先行研究を十分に踏まえたとは言えず、非常に未熟な部分があって、気になります。いずれ書きなおしたいと考えています。しかし、多少なりとも役立つであろう部分もあり掲載することとしました。その点をご了承いただきたくお願いいたします。(1999.02) 本稿は、千葉大学久米 公・二松学舎大学浦野俊則・静岡大学平形精一・山梨大学宮沢正明の諸先生をはじめとする仮称書字学研究会のメンバーとの討議の過程において、筆者が述べさせていただいた意見を中心として作成したものです。また、数年前から現在にいたるまでの過程で、ご指導をいただいた情報処理等の諸分野の先生方のご助言
1.はじめに 手書きされた漢字の字形には、個人間に差異が存在する。ある個人の筆記する字形は、ある年齢において一程度決定すると仮定し、個人の字形の確立過程を図 1のように想定した。この図のように考えたとき、明朝体・教科書体といった印刷用字形の影響、推測によって生じる字形素の淘汰の可能性、書きやすさ・形の取りやすさによる要素などを把握することにより、手書き漢字字形の多様性を把握できるのではないかと考えた。教育においても、これらを把握することで、より必要性の高い学習内容を精選することができるであろう。 これらの要素のうち、印刷用文字に関する研究は、数多くなされている。原田1・2は、明朝体と筆写文字の間に見られる差異について、阪本3は子供と明朝体の関わり方についての問題点を上げている。また、柘植4のように、明朝体と実際書かれている筆写文字の字形上の違いを述べているものもある。ただしそれらは、現代の
押木秀樹 小学校でシャープペンシルを使ってはいけないというのはなぜですか? というご質問をいただきました。それには様々な理由があることと思います。シャープペンシルが出始めた頃には、高価だからなどという理由もあったでしょう。また、芯が折れて飛ぶと危険だから、などという意見も聞かれます。 とりあえずここでは、筆記具の回転と接地面の形状という問題を取り上げてみたいと思います。この問題は、上條信山『新書写書教育事典』(木耳社)にも「鉛筆の持ち方」という項において「文字を書きながら適当に軸を回転させつつ書き、一定の太さに保つ。」などのように記されています。また、最近セーラー万年筆から「書き方鉛筆 おてほん」という商品が売り出されています。この説明書にも広島の西河内先生という方の、筆記具の持ち方と回転についてのコメントが付されています。さて、この問題は、 チョークで字がうまく書けません! 一画ごとに硯
2001.09.07 押木秀樹 Back ひらがなの字形について、質問をいただきました。 いま私たちが書いているひらがなの字形は、いつごろできたの?というご質問です。 ただし、平安後期に成立したというような話でないようで、ごくごく近い近代についての質問です。 「一般に用いられているひらがなの字体・字形は、何に基づいているのか」というご質問、了解いたしました。歴史に関しては、特に苦手とするところでして、あまり有効なことが書けませんが、とりあえずのものを送らせていただきます。 手元の資料から考察したものが以下になります。十分な検討を経ていませんので、誤りがあるかも知れませんが、一つの考察としてご理解を、またお許しを願います。 江戸期の一般のひらがなについては、御家流という書き方で、現代のひらがなというには、違和感を感じます。これであれば、平安中期から後期にかけてのひらがな、その連綿をとったもの
2001.09.07 押木秀樹 Back ひらがなの字形について、質問をいただきました。 具体的には、「さ」「き」は明朝体などでは、はねでなくつながっているわけですが、書写のときは一度はねてから書くようになっている、、この差についてのご質問です。 やりとりの形のまま、(プライバシー情報等の削除と若干の整理はしてありますが)、掲示させてもらいます。 > 「さ」「き」は書写のときは一度はねてから書くので3画と4画ですね > それに、教科書であれば、1年生の算数タイトル「さんすう」も > はねてありますし、国語でも字の練習のときは離れている活字が > 使われています。 はい。教科書の場合、離れていることが多いと思います。 > でも、一般の活字はつながっています。また、教科書の中にも、つながって > いる字形を使っている場合もあるようです。 はい。多くの一般印刷用フォントではつながっていると思いま
左利きの筆記具の持ち方と筆順の問題 言語系国語コース **** ※青字は、授業担当者のコメントです。 1. 左利きの筆記具の持ち方について 現在アルバイトで家庭教師をしている。その家庭教師先の子どもは、いつも問題などの回答欄の余白に対し、かなり大きな文字を書いている。大きな文字は小さな文字に比べれば読みやすそうなものであるが、たいへん読みにくい。何の字なのか判別しにくいときでさえある。 また書字しているところを見ると、大変書きにくそうにしているのである。もちろん文字自体が右手で書けば自然なようにできているので、左手で書きにくいのは分かる。しかしそれを考慮しても、書きにくそうなのである。 なぜかと思って注意深く見ると、筆記具の持ち方がいわゆる正しい持ち方ではないのだ。示指と筆記具の間に空間をつくらない持ち方をしている。 講義で説明があったように、正しい持ち方でない場合、筆記具に接する指の位置
はじめに 本稿は、ずいぶん以前に書いたもので古いですが、お役に立ちそうなら、どうぞご覧下さい。また、以下にまとめたものなどや、比較的新しいものがありますので、必要に応じてご参照下さい。 持ち方が悪いといわれましたが、なぜいけないのでしょう? 論文として読む(研究者向け)「望ましい筆記具の持ち方とその合理性および検証方法について」 口頭発表を読む(一般向け)「望ましい筆記具の持ち方とその合理性および検証方法について」 旧版(一般向けですが古いです):筆記具の持ち方と姿勢 研究者により筆記具の持ち方に関する見解が違うのですが。 → 『現代筆跡学序説』についての質問(持ち方について) 持ち方を直す用具を教えてください。 → 2003 疲れにくい筆記具と持ち方を直す用具(旧版:持ち方の直し方を教えてください) → 2003 こんな筆記具をご存じですか? ~持ち方に起因する疲れやすさの軽減のために~
1 はじめに 書写教育およびその研究の場面において、経験や主観を補強するものとして「科学」が必要であるという考え方が提示されてから、筆者の手元の文献1を見る限りでも、既に20年以上が過ぎている。この間、書写指導を教科教育学として捉えるという点と、書写指導の「方法論」は進展していると言えよう。しかし、「内容論」に不可欠な、基礎としての手書き文字研究はまだまだ不足していると言えそうである。 先に押木2・3は、現代日本における手書き文字研究の分野を概観した。さらに、手書き文字研究のための基礎概念について考察し、字形間に生ずる差異に着目した手書き文字研究のモデルを提案した。これらに対する声として、前者については海外における研究状況の把握の必要性が聞かれた。また後者については、差異に着目するだけでは不十分であるという声と、研究のための視点が必要であるという声が聞かれた。当然、手書き文字研究全体を、
(『書写書道教育研究』第13号 p.69-80,1999) 教科書体フォントの状況及び小学校用コンピュータへの同フォント導入の必要性について 金沢大学教育学部附属中学校 礒野美佳 信州大学教育学部中学校教員養成課程 五十嵐啓一 上越教育大学言語系 押木秀樹 はじめに 研究の全体像 小学校教科用図書に、手書き文字の学習を意識した教科書体が多く用いられていることは周知の通りである。堀ら*1は、明朝体など日常目にする字形が、手書き文字の字形に影響を与えている可能性について述べている。この報告は書字学習時に参照する字形に限らず、文字を学習する年齢層において目にする字形一般が、書字学習に与える影響の大きさを示唆していると考えられる。この報告からも、小学校教科用図書に、手書き文字の学習を意識した書体が用いられていることの必然性が理解できよう。 一方、教師が作成する資料類や児童自
A.行書を歴史的に見た場合-行書とは何か- B.行書の現代的意義-今、なぜ行書なのか- C.行書の指導と学習項目-既存の解釈- D.行書の本質について-押木的解釈- なお本稿は、書写教育研究者ではない一般の国語教師を視野に入れ記すこととする。そのため、すでに衆知の内容を整理した部分、前記項目のA・Cを含むことと、冗長な部分があることをお許しいただきたい。本稿における独自性の高い部分は、B・Dとなる。このうち、Bは押木の研究方法論に提示されている内容から、行書について焦点化したものである。さらに、項目Dは筆者の仮説によっており、仮説→検証型の論文ではないことをあらかじめおことわりしておく。その意味で、本稿は行書の検証型研究のテーマを提示するものであるともいえよう。 2.行書を歴史的に見た場合 時たま、「楷書をくずしたのが行書、その行書をもっとくずしたのが草書」といった理解をしている場合が見ら
これまで、あちこちの文章の中で「横書きへの移行」問題についてふれてきました。具体的には以下になります。 漢字とローマ字の運動性の問題 扁旁構造と横書きの問題 はねの機能性と装飾性について ここでは、横書き問題だけ読みたいという人のために、これらの内容を抜粋しておくとともに、 横書きによるZ型運動の中断 筆順と横書き問題 について、補足しておきたいと思います。 まず最初に、漢字の運動性の特徴であるZ型運動(押木研用語か?)という考え方と、横書きの問題を整理しておきます。書字する際には、進行方向と垂直な方向の運動をしているのではないかということは、別項に書いたとおりです。参考のために、下の左に図を載せておきます。これが、横書きになるとどうなるでしょうか? もちろんZ型運動が基本になっているとしても、それ以外の運動も当然多く含まれます。たとえば、扁から旁に移る際には、必ず右上方へ移る運動をしてい
押木秀樹 Back このところ、私はあちこちでまた様々な文章で、行書の重要性を説明するとともに、中学校における行書指導の欠如から生ずる問題などについて、お話ししています。そんなこともあってか、次のような質問を受けることも少なくありません。 行書って、楷書をくずしたんじゃないの? 行書って、どうしたら書けますか? これに対して、どのような答えをしたら良いか、その時その時の質問者にあわせてお答えしている次第です。ここでは、多少回り道になるかも知れませんが、順を追って説明していきたいと思います。次のような順番でお話ししましょう。 行書とは何か-歴史的に見た場合- 行書の現代的意義-今、なぜ行書なのか- 行書の指導と学習-楷書が先か、行書が先か- 行書の学習項目-何を学べば書けるのか- 行書の押木的解釈-本当は、こう考えるべきでは!- これでも要約していますので、どうぞ最後までおつきあい下さい。行
2002.08-2003.12 押木秀樹 Back はじめに ひらがなの「そ」の字形について、3件ほど質問をいただき、そのつど返事を書いていましたが、それらをまとめておくことにしました。1件はテレビ局からの質問であり、2件はお子さんの指導に関する質問でした。 質問はいずれも、「そ」を一筆で書くか、二筆で書くか、いいかえれば、最初の点と次の左下への線とをつなげて書くかどうかという問題です。具体的には、「二筆で書いたら間違いなのか?」という疑問に置き換えても良いかも知れません。 ここでは、 一筆で書く・点と左下へ線は分離できない = つながるパターン 二筆で書く・最初の点と左下への線が離れる = 離れるパターン としておきます。 なお、関連するひらがなに関する問題について、以下もご参照いただけるとわかりやすいかと思いますので、先に書いておきます。 ひらがなの字形はどう教えたらよいのでしょう?-
書写の授業をどうおこなうかという話に入る前の基礎知識として、「文字に関する基礎知識」を踏まえておくことにしましょう。 先日、学生と雑談をしていたのですが、学生が教育実習の感想を聞かせてくれました。小学校一年生のクラスで実習を経験したその学生は、教室の片隅でノートに記録をとっていたところ、一年生の児童から「先生、漢字をたくさん知っているんだね。すごいね」と言われたそうです。頭ではわかっていたものの、小学校一年生の目から見ると大人が知っている漢字の量はものすごく見えるということを実感したそうです。 その後別の学生が、小学生って何字ぐらい漢字を知っているんだろう?、といい出しました。500字くらい?、1000字くらい?、などと言っています。小学校で習う漢字に関する知識は、書写とか国語科科といった専門の知識と言うよりも、どの教科にも関係する基礎的な知識ではないかと思うのです。たとえば、小学校三年生
Back 手で文字を書くという行為、手で書かれた文字を見る読むという行為は、極めて日常的なものですね。にも関 わらず、手書き文字に関する研究というのは驚くほどに進んでいないのです。たとえば、 なんで筆順をうるさく言うの? 読めればいいんじゃない? 「字は人をあらわす」というが、本当? 字のうまい下手は遺伝するのだろうか? なんで「木へん」をはねるとバツになるの? 字なんて読めればいいだけだ、、そう思わない? その他 学生や友人との会話から などという質問は、大学生からもまた小中学校の先生方を通して子どもたちからも良く聞かれるものです。これに対して、私自身も明確な答えをできるとは限りません。 もちろん、手書き文字に関する研究がおこなわれていないわけではありません。東洋の伝統としての書道史や書論研究、西洋のGRAPHOLOGYの流れを汲む筆跡学・筆跡心理学・筆跡鑑定など、そして新しい分野として
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