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複数のナイロン糸を創内に挿入し,毛細管現象でドレナージを図る方法を当サイトでは「ナイロン糸ドレナージ」として紹介してきた。これは主に動物咬傷では威力を発揮する治療法だが,動物咬傷以外にも応用が効く簡単な方法である。 【原法】 「3~5本の3-0ナイロン糸(縫合糸)を創内に入れ,抜けないように絆創膏固定する」という方法。今から10年ほど前に開発。ちなみに,ナイロン糸は未滅菌のものでいいし(創内は既に膿,つまり細菌で一杯なのだから,滅菌物を入れるのはそもそもナンセンス),釣り用のテグスでも代用可能。釣り用テグスでは3号くらいの太さのものがいいようだ。 【変法】 原法では「糸がチクチクしてちょっと痛い」という訴えがあり,それに対してきよすクリニックの伊藤先生が「ループ状にして入れれば痛くない」というシンプルな解決法を2008年に考案。これで「チクチク」はなくなった。 写真のように3-0ナイロン糸
患者さんは受傷年月日順に並べています。 大学病院で軟膏治療を受けた患者のみ,大学病院名を併記しています。 ティファール電気ケトルによる治療経験をお持ちの先生は,是非,治療経過などを教えて下さい。 ティファール電気ケトルの構造的欠陥 日本製電気ポットは 電気コードが磁石接続なので力が加わるとコードが外れてポットは倒れない 倒れても熱湯が出ない構造になっている ティファール電気ケトルは 電気コードが外れず,ケトルは倒れて落ちてくる 倒れたら必ず熱湯が外に出る構造になっている 【6歳6ヶ月女児】 2012年4月23日,テーブルの上においてあったティファール電気ケトルのコードに引っかかってケトルが落下し,熱傷受傷する。直ちに獨協医科大学形成外科に救急搬送され入院となる。入院後は軟膏とガーゼの治療を受け,5月25日に退院。 傷跡があまりにひどいため,もっと目立たなくできないかとネットで治療法を探し,
数口食べてから思いついて写真を撮ったので、食べかけ画像で失礼致します。左の皿が「おからケーキ」、右は「ソーセージとキャベツとセロリのスープ」です。普段は温めたソーセージやベーコンと野菜炒め、卵を気まぐれに調理(出汁巻きだったり茹で卵だったり目玉焼きだったり…)して朝ごはん(一日二食なので実質ブランチ)にしています。 便秘が気になる時や、どうにもパン的なものが食べたい時に「レンジでチン! おからケーキ」を作っているのですが、最近レシピが安定してきたので報告します。オーブンを使わないので、準備開始から「いただきます」まで15分程度になると思われます。 「レンジでチン!おからケーキ」の作り方 材料:内径11cmのココット一つ分 ~基本の材料~ おからパウダー…10g (重量の4倍の水で戻すタイプ) 全粒粉小麦粉…2g (グルテンパウダーの代用、無くても作れるが有った方が 纏まりが良い) 水…20
中国における砂糖の遺産がユニークなのは,中国人型のほとんどすべての民族と違って砂糖を食べ物として使って来なかったので,今も砂糖が大量消費される品目ではないからだ。中国人はサトウキビの茎をかじったり,熱い絞り汁を飲んだり,砂糖を薬または調味料として使ったり,果物や野菜を漬けたり,月餅に入れて焼いたり,動物をかたどった飴細工の飾り物などを作ったり,絞り汁や糖蜜を発酵させて酒を作ったりしている。だが,お茶に砂糖を入れる習慣はなく,外国から清涼飲料や砂糖菓子が入ってくるまで,食べ物にはあまり,または全く甘味をつけていなかった。 この記述を読んで,「でも,紹興酒に氷砂糖とか入れて飲んでるけど・・・」という疑問が生じ,調べてみたら,紹興酒に砂糖を入れるのは本来の飲み方でなかったことを発見。なんだ,私が物を知らなかっただけのことじゃないか。
【30分バージョン】:2018年3月5日作成 【45分バージョン】:2019年7月1日作成 【60分バージョン】:2018年3月5日作成 【80分バージョン】:2018年3月5日作成 【市民向け講座】:2018年3月5日作成 【褥瘡勉強会:30分バージョン】:2018年3月5日作成 【褥瘡勉強会:60分バージョン】:2018年3月5日作成
私は経済学はド素人だ。だからこの本の内容が正しいかどうかは判断のしようがない。だが,私の山勘が正しければこの本の内容は絶対に正しい。こんなに多くの歴史的事実を理路整然と,しかも矛盾なく,少数の原理から説明できているからだ。こういう説明ができるのは,ベースにしている理論が正しいからと考えるしかないはずだ。もちろん,間違っている理論でも一つや二つの事実を説明することは可能だが,「すべての事実」となると話は別で,勘違い理論ではすべてを矛盾なく統一的に説明することは不可能だ。 そしてこの本は良い本だ。科学系の本で「良い本」の条件とは,それまでゴチャゴチャしてよくわからなかった分野についてわかりやすく説明し,読み終えた時に頭の中の霧が晴れてスッキリ見通しが良くなった気分に浸らせてくれることだ。要するに,読んだだけで頭が良くなったような気分にしてくれるのがいい本だ。本書は私にとってまさに「頭が良くなっ
その他いろいろ 【いろいろな情報や小ネタ系】 人間の平均寿命が延びているのは「長生きできる年齢の限界が上がったから」ではないという研究結果 「早死する人が減ると平均寿命が伸びる」という研究結果です。まぁ,以前から知られていたことですけど,他の哺乳類・霊長類のデータも参照にして分析しているところが新しいかな? ゼロリスク原理主義の浸透は社会壊滅を招く 日本人はネガティブ思考で考えて行動する人が多く,ゼロリスクの考えを当たり前のように受け入れがち,という記事。まさにその通りです。この世の中,「ゼロリスク馬鹿」が多くて困ります。リスクゼロなんて単なる幻想ですから。 米、過去1200年で最悪の干ばつに見舞われる恐れも —— 専門家が警鐘 「地球温暖化はフェイクニュースだ」とさんざん喚き散らした大統領がいなくなって半年を経過しましたが,大統領が誰であろうと北米大陸は毎年のように大規模な旱魃に襲われて
京都 高雄病院理事長の江部康二先生が提唱されている糖尿病の治療療法ですが,実は糖尿病の治療だけでなく,お手軽ダイエット法としても極めて効果的な食事療法。特に,私のようなメタボ体型の中年男性では短期間に驚くほどの減量効果と体型変化が見られています。何より,一番最初にメタボ腹の腹囲が小さくなるのがすごいです。 ちなみに,当サイトでは「糖質制限をしている人」の意味で「糖質セイゲニスト」なる語句を使ったりしますが,私の勝手な造語です。 詳しくは下記の江部先生の本をご参照いただきたいのですが,食事の中の糖質,つまり主食である穀物(コメ,パン,うどんなど),根菜類(イモやレンコンなど),糖類(ショ糖,ブドウ糖など)を除くだけです。やってみるとわかりますが,米を食わなくても人間は生きていけるし,それどころか驚くほど体調が良くなります。 おまけに,カロリー計算もカロリー制限もなし,好きなだけ肉も魚も食って
ヒルドイドソフトという塗り薬がある。主成分はヘパリン類似物質であり,効能書きを見ると「保湿効果による皮膚乾燥症状の軽減。塗布部位の血行促進」とあり,皮脂欠乏症,角化症、凍瘡(しもやけ)、ケロイドなどが適応疾患としてあげられている。しかし以前からこの薬は本当に保湿効果があるのか,本当に乾燥肌の治療効果があるのか疑問なのである。 まず,ヒルドイドソフトの成分を詳しく見てみると「ヘパリン類似物質,グリセリン,流動パラフィン,白色ワセリン,サラシミツロウ,グリセリン脂肪酸エステル」とある。 ヘパリン類似物質というのは何かというと,「構造式がヘパリンと似ている物質」の総称であり,これについては金沢大学のサイトが一番よくまとまっている。要するに,ムコ多糖の多硫酸化エステル,すなわち「D-グルクロン酸とN-アセチル-D-ガラクトサミンからなる二糖を反復単位とする多糖体をSO3-で多硫酸化したもの」とのこ
何より着眼点のいい本である。なぜ昭和天皇と今上天皇は「生物学」の研究をしているかという疑問を発端に,ヨーロッパの王侯貴族と学問の関係を解き明かし,さらに顕微鏡開発の歴史,スポーツの歴史と階級社会の関係,そして国家戦略としての生物学・博物学の存在など,実に多彩な知識が披露されるのだ。ページを開くたびに,それまで全く知らなかった知識に出会える本を読むのは本当に楽しいことである。 さて,「天皇と生物学」である。昭和天皇がヒドロゾアという刺胞動物の研究をしていたことはよく知られているし,今上天皇が魚の研究をなさっていることも有名だと思う。とはいっても,それがどの程度の研究なのか,研究者としてどのくらいのレベルなのかは国民には知られていないと思うし,かく言う私も知らなかった。それどころか,「素人の余技とか趣味で暇つぶしに研究している程度なんじゃないの」くらいに思っていた。だって,天皇陛下である。日々
紫雲膏は,中国の明代の潤肌膏をもとに華岡青洲(世界最初の全身麻酔を行った江戸時代の医師)が創案した軟膏であり,現在,漢方の軟膏としては最も有名なものである。成分は 胡麻油(ゴマユ) 100.0 紫根(シコン) 10.0 当帰(トウキ) 10.0 黄蝋(オウロウ。蜜蝋のこと) 38.0 豚脂(トンシ) 2.5 であり,効能効果としては「ひび、あかぎれ、しもやけ、ただれ、外傷、火傷、痔核による疼痛、肛門裂傷、かぶれ、あせも」があるオールラウンドの軟膏である。創面にこの軟膏を使用した場合,どのような変化が生じるかを科学的に追跡した研究が見当たらなかったため,我が身を犠牲にして人体実験することにした。 【Material and Method】 実験部位は筆者自身の右下腿内側近位。 ここに5×1.5cmの範囲を決め,強力な荷造り用テープ(ガムテープ)を「貼っては剥がす」作業を50回繰り返し,皮膚損
科学とは何か,科学の報道はどうあるべきかについて,5人の論者がそれぞれの視点と立場から解き明かしていく良書だ。個人的には非常に満足できた本だが,5人の書き手のスタンスの違いから,5つの章の論調と立脚点は微妙に(?)違っている。個人的に非常に面白かったのは「第1章 科学と科学ではないもの」,「第3章 報道はどのように科学をゆがめるのか」,そして「付録 放射性物質をめぐるあやしい情報と不安につけ込む人たち」の3つである。様々な問題を膨大な証拠と批判精神から一刀両断していく様は圧倒的で爽快そのものだ。逆に「第2章 科学の拡大と科学哲学の使い道」と「第4章 3.11以降の科学技術コミュニケーションの課題」は私個人の趣味には合わなかった。科学的な議論としてはちょっと行儀が良すぎた感じである。 まず第1章。冒頭から面白いぞ。ここではまず1枚のグラフが提示される。縦軸は日本の女性の平均寿命,折れ線グラフ
前述のように,皮膚常在菌で最も数が多いのはPropionibacterium属に分類される細菌群で,これらは嫌気性菌である。そしてそれ以外にも好気性細菌や好気性真菌が皮膚で生活していて、皮膚とはまさに多種類の微生物が生息する生態系なのである。 なぜ皮膚という好気性環境に嫌気性菌が優勢菌として生きていけるのか。これはバイオフィルムで説明したように,細菌は自分の周囲のミクロン単位の環境で生きていて、バイオフィルムの中では嫌気性菌から好気性菌まで多種類の細菌が共同で生活が可能になっているのだ。つまり細菌にとっては、自分の周囲数ミクロンの範囲の物理的・化学的環境が問題らしいのだ。これは皮膚の嫌気性菌も同じで,皮脂に含まれるワックス成分の薄い膜が覆う嫌気性の環境さえあればその下で増殖できるのだ。当然,ワックスの膜がない部分は好気性条件になるから,そこには好気性環境を好む常在菌(表皮ブドウ球菌など)が
シャンプーの使用に関して前回書きましたが,次のような質問をいただいた。それへの私の解答です。 【洗髪後にはヘアーリキッドなどの油は使わないのでしょうか。使わないとパサパサしますが・・・】 こういう問題を考える際には,「シャンプーをして何も塗らないとパサつくので・・・」というような「常識」はすべて忘れ,そもそも皮膚とはどういう臓器なのか,どういう機能を持っているのか,というあたりから攻めていく必要があります。 皮膚は皮膚常在菌が生息する生態系で,皮膚から皮膚常在菌を除去することはできないし,除去すると感染が起こり,皮膚の状態は悪化します。つまり,皮膚とは皮膚常在菌あっての臓器,皮膚常在菌は皮膚あっての生物であり,常在菌なしの皮膚,皮膚なしの常在菌はありえません。人間と常在菌は共生体というのはこういう意味です。 その皮膚常在菌の唯一のエネルギー源は皮脂で,これは毛孔から分泌されます。 シャンプ
【11ヶ月の子供が手のひらにヤケドしました。湿潤治療で皮膚は再生しましたが,十分に伸ばせない状態です。大学病院形成外科では手術が必要と言われましたが,本当に手術が必要でしょうか?】 1歳6ヶ月より小さい乳幼児の手掌,手指の熱傷では瘢痕拘縮による進展障害は,ほぼ全例に起きます。これは治療の巧拙,治療法の違いというより,人間の手の構造によるものです。[1歳6ヶ月以前で,手掌や手指の深めの熱傷]では,完璧な湿潤治療をしても,どんなに予防をしても,残念ですが瘢痕拘縮がほぼ必ず起こります。 残念ですが,手指の瘢痕拘縮は自然に治ることは絶対になく,マッサージや装具もほとんど効果がないことが多いです。ステロイド軟膏もステロイドテープも効きません。 唯一の治療法は瘢痕拘縮形成術(場合によっては皮膚移植を追加)となりますが,手術をすれば間違いなくて指は正常の動きができるようになります(よほど下手な手術をしな
岡崎先生から「釣り針のはずし方」という動画をいただきました。一つは返しの部分が完全に付きぬけている場合,もう一つは返しが皮膚の中に入っている場合で,糸を針の根元に巻きつけて一気に抜く方法で釣り人の間では結構知られている方法のようです。 959_1.mpg 959_2.mpg 後者の方法について,岡崎先生からのメールです。 教えてもらった先生に、針を引っ張る道具は「ペアンなどでなく糸がいい」と聞いていたのでその通りやっているだけです。ただこのやり方で行うとほとんど痛がりません。痛んでも一瞬の痛みのようです。患者さんに聞いた印象では26Gの針で同じ部位を刺されたより痛くないようです。 またなぜか分からないのですが、返しがあるにもかかわらず、傷ははじめの刺し傷とほとんどかわりないようです。もともとフライフィッシングの現場で抜くために考えられた方法なので、現場にある材料は限られているというのも糸を
皮膚の再生が完了(=上皮化が完了)した後でも,実は創は変化途上なのである。一般に,創の状態が安定するのは上皮化完了/抜糸終了から3ヶ月くらいかかり,それまでは刻々と変化するものである。 例えば,擦過創やヤケドが上皮化した直後はこのようになっている。浸出液が出ていなくて,ピンク~赤い皮膚で覆われていれば上皮化完了である。 これを見ると 「まだ治っていない」 と一般の方は思うだろうが,実はこれで 「上皮化は完了」 しているのだ。再生した直後の皮膚というのはこのように赤い色をしているからだ。要するに 「できたてホヤホヤの赤ちゃん皮膚は赤い」 ものなのだ。人間の皮膚はこの状態から数週間~数ヶ月かかって周囲の皮膚と同じ色調にゆっくり戻ってゆくが,この期間は直射日光を避けたほうがいい。紫外線で色素沈着が起こるとされているからだ。 だから,上皮化が完了してから3ヶ月くらいは直射日光を避けたほうがいいとい
今からたった150年前まで「手術に痛みは付き物」「傷は化膿することで治る(=化膿は正常な治癒過程)」というのが,医学の常識だった。世界中の全ての医者,全ての研究者がそれを当たり前と考えていた。これらは「人は何時かは死んでしまう」というのと同じくらい当たり前のこととして考えられていた。 当時の外科学で最大の問題は外傷の治療であり,相次ぐ戦争でのけが人,街中での交通外傷患者(馬車に轢かれて受傷)はそこらに溢れていた。その多くが敗血症(当時はそういう概念すらなかったが・・・)で死んでいったが,唯一,命を助ける方法は怪我をした四肢を切断する事だった。なるべく傷から遠い場所で四肢を切断できれば患者は死なずに済むのである。 問題は,四肢の切断を麻酔なしに行なわなければいけない事だ。意識のある患者の四肢を切断するのは大事(おおごと)である。皮膚を切っただけでも痛いのに,筋肉を切断し,神経を切り,骨を離断
【目 的】 前回の実験で10%尿素含有ハンドクリームの皮膚に対する破壊作用を観察したが,それが基剤のクリームによるものなのか,尿素によるものかは判断できなかった。そこで,10%尿素含有クリーム(アトリックス尿素10%クリーム)と20%尿素含有クリーム(ケラチナミンコーワ軟膏(R))を正常皮膚に作用させ,どのように変化するかを調べる。 【Material and Method】 自分の左前腕尺側近部部に近接した2箇所の直径1センチの部位を決め,ここを実験部位とした。各々に10%尿素含有クリームと20%尿素含有クリームを塗布してフィルム材のパーミロールで密封した。 一日に2回から4回,クリームを洗い落としてその部位を実体顕微鏡Dino-Lite Plusで観察し,再度クリームを塗布してパーミロールで閉鎖した。 【結 果】
この実験から,油(ワセリン)とクリームを混ぜると両者は容易に混ざり合い,乳化することがわかる。 写真には撮っていないが,ワセリン単独と,クリームで乳化したワセリンをそれぞれ手背の橈側と尺側に塗り,お湯で洗って落ちるかどうかも実験してみた(お湯を使ったのは水が冷たいため)。 結果であるが,ワセリンはお湯でしつこく洗っても落ちないが,クリームと混ぜたワセリンはお湯で洗い流せた。 以上から,皮膚にクリームを塗ると,皮膚の油分(皮脂)はクリームで乳化し,お湯で洗い流されると予測できる。 【ワセリンを塗るとどのくらい水をはじくのか】 以前紹介した方法に従って両手の手掌,手背,手指をワセリン・ワックスがけした。コツは,十分に時間をかけてくまなく揉み込むことと,余分なワセリンをペーパータオルなどで十分にふき取り,ベタつきを完全に除去すること。ま,要するに,車のワックスがけ,床のワックスがけと同じである。
この程度の熱傷なんて大したことはない,この程度を「広範」と言うのは笑止千万,もっとひどい症例を見せてもらわないと「熱傷の湿潤治療」を評価できない,という声が全国各地の大学病院・熱傷センターの「海原雄山先生」方面から聞こえてきますが,100床程度の地方病院で形成外科の医者が一人しかいないところでは,このくらいの熱傷が限界です。それに何より,このくらいの熱傷だと私のところでなく大学病院に直接運ばれちゃいますしね。 というわけで,とりあえず海原雄山先生をほっといて話を進めます。 症例は78歳男性。本人が詳しいことを言わないためよくわからない点もあるが,ゴミ焼きをしていてそれが衣服に引火し(?),熱傷を受傷したらしい。その日の午後,家族がやけどしていることに気がついて近医を受診。翌日,当科を受診した。直ちに整形外科入院となり(形成外科はベッドを持っていないため),卒後5年目の医師(それまで主に内科
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