サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
大谷翔平
www4.ocn.ne.jp/~murakou
欠損データ分析 (missing data analysis) -完全情報最尤推定法と多重代入法- 村山 航∗ 1/16/2011 調査研究,特に縦断調査などを行うときには,欠損値 (missing data, missing value) は頭の痛 い問題である。伝統的に欠損値はリストワイズ法 (list-wise deletion) やペアワイズ法 (pair-wise deletion) などを用いて対処されてきた。また,平均値や回帰による代入法などを用いる場合もあ る。しかし,こうした伝統的な方法は,後述するように,欠損値が完全にランダムに生じるような 状況でない限り,推定値にバイアスが生じることが分かっている。 一方,近年では伝統的な方法に代わる方法として,完全情報最尤推定法 (full information maximum likelihood method, FIML)
信頼性について 1.信頼性係数のお話…その定義と注意点 信頼性(reliability)とは,テストにおける回答の安定性・一貫性を指していると考えてもらえればよいでしょう.信頼性係数とはその信頼性を数値化した指標で,古典的テスト理論という理論では「テストから得られる分散のうち,真の得点(分からない人は読み飛ばしても大丈夫です)の分散の比率」という定義になっています.さらに,このことを言い換えると,「テストから得られる分散のうち,誤差の分散を除いた部分の比率」ということもできます.このように考えると「真の得点の分散」もしくは「誤差の分散」が分かれば信頼性はすぐに求められるような気がします.しかし,実際上「真の得点」というのは理論上のもので,実際に直接は計算することはできないところがポイントです.従って,いくつかの方法を使って推定することになります。 この推定方法ですが,一定の期間を置いて
相関係数について 相関係数の注意点(1)…散布図を見て分かること 相関係数がどのようなものであるか、これに関しての説明は別に必要ないと思います。どの統計の教科書にも、それなりに分かりやすく書いてあると思うので、ここでは省略します。以下ではとりあえず相関係数を出してみたけれどそれに関して注意してみることは何なのか、これについて述べてみたいと思います.相関係数は因子分析など多変量解析の一番根幹をなす統計量です.しっかりとその問題点を弁えておく必要があると思います. まず、相関係数を取ったときの基本は「散布図を見ること」です。案外これを行っていない人がいます。統計ソフトでは散布図を出力するのが少し面倒くさいことも一因でしょう。しかしながら、散布図を見ない限り得られた相関係数が本当に意味のあるものか、判断することは非常に困難です。相関をとったら絶対に散布図をみるクセをつけましょう。もちろん多変
Department of Clinical & Social Sciences in Psychology, University of Rochester
妥当性について 妥当性研究をやや詳細にまとめたレジュメを作成しました. ここをクリックしてください. 妥当性のお話(1)…妥当性の分類と測定 妥当性(validity)のお話に入ります.妥当性の定義ですが,「尺度が測りたい対象を正確に測れているか」という意味になります.信頼性と妥当性について混乱する人もいるみたいですが,ダーツのアナロジー を使えば理解しやすいのではないでしょうか?ダーツの的に人が繰り返しダーツを投げて当てる姿を想像してください.ある人が一貫して同じ所に当てる時,その人は信頼性が高い(妥当性はともかく)という状態です.逆にいくらなげても場所が定まらない人は信頼性が低いという状態です.また,一貫して同じ場所に当てたとしてもそれがずっと的の外である場合,信頼性は高いが妥当性が低い状態だと言えます.そして,一貫して的に当てつづける場合を信頼性,妥当性ともに高い状態だということ
重回帰分析について 1.単回帰・重回帰分析における基本的な注意点 単回帰分析とは,ある従属変数を1つの独立変数で予測するための分析で,独立変数が2つ以上の場合は重回帰分析となります.以下両者を回帰分析と呼びます.具体的にどのような数式で求められるかなどに関しては,ある程度分かっているものとして,この節ではその使用上の実際的な注意点などに触れていきたいと思います. 回帰分析で最も押さえておかなければならないポイントは,変数間の「相関関係」(正確には分散と共分散)によって回帰係数が決定されているという事実です.つまり本質は「相関係数(の関数)」なのです.独立変数,従属変数を標準化した上で算出される回帰係数を標準回帰係数といいますが,単回帰分析の場合,これはまさに独立変数と従属変数の相関係数そのものです.重回帰分析によって算出される(標準)偏回帰係数も,独立変数と従属変数,そして独立変数間の相
信号検出理論 (Stanislaw & Todorov (1999, Behavioral Research Methods, Instruments, & Computers) を参照 /* H=hit rate, FA=false alarm rate */ /* d'の算出(正規性,等分散性の仮定必須) HやFに0があるときは,試行数(分母)に1を,hit数,false alarm数(分子)に0.5を足して,HやFを求める */ DPRIME= PROBIT(H)-PROBIT(F)< /FONT> /* βの算出(SN比によるresponse bias) */ BETA= EXP((PROBIT(F)**2-PROBIT(H)**2)/2) /* lnβの算出(βに自然対数をとっただけ) */ LNBETA= (PROBIT(F)**2-PROBI
分散分析について 1.分散分析の前提について 分散分析(analysis of variance; ANOVA)は,複数の群間の平均値を比較するための手法です.実験研究で特に多く扱われます.2群間の平均値を比較するのであれば,t検定というものがあります.分散分析は,この分析をさらに複数群間(そして複数要因間)の比較に拡張したものだというイメージを持つと分かりやすいと思います.実際,2群間の平均値差を分散分析にかけると,t検定とまったく同じ結果を生みます. 「群間の比較」というと,「群の違い」→「従属変数の違い」といった説明・因果のイメージを抱きやすいですが,これは正しくありません.例えば調査研究で,成績が高い人と低い人に分けて動機づけ得点の比較をする場合を考えてみましょう.このとき,群間に差があると,「成績が高い人ほど動機づけが高い」という説明をしがちです.この説明は間違っていないので
論文レジュメ集 このページは村山航が研究会で発表したり,またはどうしても覚えておきたくて簡単なレジュメ形式っぽく整理した英論文を並べています.教育系,社会心理系から脳やコネクショニスト系までいろいろあります.もし万が一興味がある方がいたりしたらどうぞご利用ください.英語の誤訳などに関しては一切責任を負いません.また,ダウンロードなどした方は私にとりあえずメールをくれると嬉しいです. ※ 下の方のレジュメは修士のはじめの方のレジュメなので,とても読みにくいです.ご容赦ください. Daw, N., O'Doherty, J. P., Dayan, P., Seymour, B., & Dolan, R. J. (2006). Cortical substrates for exploratory decisions in humans. Nature, 441, 876-879.
因子分析について 細かいことを書いていますが,個人的に一番大切だと思うことは,「2.(0) 何よりもまず押さえておくべきこと」です.ある程度分かっている方は,その部分だけ読んで頂いてもいいと思います. 1.因子分析の手順と様々なパラメータの意味 因子分析。心理学をやっているなら、そして質問紙調査をやるのなら、必ず一回はぶつかる壁でしょう。そのやらんとするところは分かるのだけれども、出力が多すぎて何を見たらいいか分からない。回転って何? 共通性の推定値? よく分からないからこそ、統計ソフトのなすがまま、デフォルトの設定で行っている人も多いでしょう。この章では、そのような因子分析に関し、分析が行われる手順をできるだけ平易に解説しながら、様々な言葉の意味を記述していきたいと思います。 (1)測定変数の相関行列を求める: 因子分析を行う時、最初に行われるのは、測定変数間の相関行列(もしくは
シンポジウム・研究会での発表 シンポジウムや研究会などで発表したパワーポイントファイルをいくつかアップしています.
こころの適応と心理学〜進化心理学入門 「進化心理学とは人間の精神活動の遺伝的な構造(architecture)が 進化的な産物であるという事実に立脚する心理学である」 読みやすいWord文書版はこちら(57kb) 【目次】 1. 進化の理論とその誤解 (1) 進化とは (2) 進化理論に多い誤解 2. 進化心理学とは (1) 基本的コンセプト (2) その特徴 (3) 心理学で受け入れてこられなかった要因 3. 進化心理学に関するトピック (1) 協力行動(�T)〜囚人のジレンマゲームを通して (2) 協力行動(�U)〜4枚カード問題 (3) 恋愛,嫉妬,性的魅力〜人は匂いで恋人を選ぶ? (4) 臨床からみる進化心理学〜抑うつ,フロイト,殺人,性役割 注:本文中の(別表)というのは都合により掲載していません。欲しい方はメールを下さい。 1. 進化の理論とその誤解
The Social Brain Hypothesis Robin I. M. Dunbar Evolutionary Anthropology, 6(5), 178-190, 1998 ・本稿の目的 社会脳仮説(マキャベリ的知能仮説)とは,生態学的環境ではなく,集団内における複雑な社会的環境が脳を急速に進化させたという仮説である.だが,この仮説に関する実証的データは得られていない.本研究では霊長類間における「脳のサイズの予測」という観点から,この仮説の妥当性を吟味していきたい. ・ 対立仮説について 脳のサイズに関し,社会脳仮説を含め,4つの仮説が考えられる(Tale1).epiphenomenal仮説は,脳のサイズは身体サイズの進化の副産物という考えである.すなわち,身体サイズと脳のサイズは比例するとする.また,発達仮説(developmental hypothesis)は
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『www4.ocn.ne.jp』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く