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ノーベル賞
yu-koba.hatenablog.com
「リベサヨ」という言葉は、hamachan氏がhamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)で使いだしたのだと思いますが、最近ではツイッターでもよく見かけるようになりました。とはいっても、hamachan氏が使いだしたときの意味とは、違う意味で使われているようで、どうもリベラルと左翼をいっしょくたにして「リベサヨ」と言っている人が多いようです。そもそも右とか左とか、イメージが先行して語られるので、人によってそのイメージにギャップがある。そこにリベラルまでくっついたので、ちょっと混乱してます。僕なんかより若い人は、左翼=リベラルというイメージがしっかり張り付いてしまっている人も多いようなので、たぶんhamachan氏が言わんとしたことが、いまひとつピンとこないのかもしれません。でも僕はこの言葉が、日本の政治思想の対立軸を考える上で、そしてヨーロッパの左翼を知る上でも、けっこういい切り口になる
前回に引き続いて、足立啓二『専制国家史論』を取り上げます。 専制国家史論―中国史から世界史へ (叢書 歴史学と現在) 作者: 足立啓二出版社/メーカー: 柏書房発売日: 1998/04メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログを見る前回は、この本の中で、日本の封建的な社会が、分業や商業の発達、資本の蓄積に有利に働き、近代を準備した、といった内容の部分を紹介しました。今回は、なぜ中国と日本で、このように異なった社会発展の経路を辿ったのか、という点についてです。実はこの部分は、著者の論の展開には、正直首肯できない部分があります。ですから、足立氏の考えを簡単にトレースしつつ、どちらかというと本の内容の紹介というよりは自分の考えを整理・紹介してみようと思います。ちょっとマニアックな話になります。 この本では、第3章「専制国家の形成」で、国家形成のアウトラインを追っています
ずっと放置してました。ものすごく久しぶりの更新です。 前回は、2011年の12月に與那覇潤『中国化する日本』という本を読んであれこれ思ったことを書きました。それからもう2年近くですが、今回も話はつながってます。中国史です。 専制国家史論―中国史から世界史へ (叢書 歴史学と現在) 作者: 足立啓二出版社/メーカー: 柏書房発売日: 1998/04メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログを見る この本は、與那覇さんの『中国化する日本』が話題になったときにも、何人かの人が言及していた本です。『中国化する日本』が、中国の共同体や中間団体が弱く、流動性が高くて自由なところを「進んでいる」としたのに対して、『専制国家史論』ではそこを逆にマイナス面としてみている、というのが、この本に言及があった理由だと思います。それで、『中国化する日本』との対比で紹介する、というのもアリだ
前回の続きです。 今回は、大塚久雄『共同体の基礎理論』において描かれた「ゲルマン的形態」を見ていきます。 共同体の基礎理論 (岩波現代文庫―学術) 作者: 大塚久雄出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2000/01/14メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 44回この商品を含むブログ (16件) を見る『共同体の基礎理論』の「ゲルマン的形態」で、大塚自身は広く中世ヨーロッパの封建性的共同体を想定しつつも、具体的には三圃式農業、開放耕地制の、典型的なゲルマン式の村落を描いています。 そもそも三圃式農業とは、農地を3つに分割して、冬畑・夏畑・休耕地を年ごとにローテーションさせて3年で一巡させる農法です。小麦やライ麦などの冬の穀物を栽培する冬畑、大麦など夏の穀物を栽培する夏畑、そして休耕地では家畜が放牧され家畜の糞尿が肥料となって土地を回復させます。この三圃式農業によって生産性は向上しまし
大塚久雄を代表する、まさに古典と呼ぶにふさわしい「共同体の基礎理論」。 共同体の基礎理論 (岩波現代文庫―学術) 作者: 大塚久雄出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2000/01/14メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 44回この商品を含むブログ (16件) を見る 1955年刊行。この本は東京大学大学院経済史課程での講義の草稿をもとに講義用テキストとして作成されたものだそうで、ようするに大学院生向けの教科書ですね。内容はというと、資本主義誕生に伴い、解体されてきた古い封建的な「共同体」。「近代化」を考える際には避けて通れない「共同体の解体」。その共同体に焦点を当てて、それがどのような変遷をたどってきたのか、どのような類型、発展の段階があったのか、考え方の軸を整理、提供するものです。そして「共同体」の基本的な発展諸段階、基本諸形態として、「アジア的形態」、「古典古代的形態」、「ゲ
前回のエントリー『POSSE vol.8「マジでベーシックインカム!?」』の話の続き。 POSSE vol.8 マジでベーシックインカム!? 作者: POSSE出版社/メーカー: 合同出版発売日: 2010/09/15メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 31回この商品を含むブログ (8件) を見る 前回は、POSSEの特集をもとに、ベーシックインカムにまつわる言説を、制度面からと理念面から、思った事を書いたんですが、今回は「経済」、それも「労働市場」に絡む話を。 POSSEの特集に、「経済成長とBIで規制のない労働市場をつくる」と題して経済学者の飯田泰之さんへのインタビューが載っています。 飯田泰之さんはベーシックインカム肯定派ですが、現状ベーシックインカムは財源的にも難しいので「負の所得税」というものを提案しています。が、そんなことよりも気になるのは、最低賃金制度のくだり。飯田泰
さてさて今回は、長期においてどのようにして総需要と総供給が均衡するのか、現在の主流派の経済学における考え方を、取り上げてみたいと思います。 3つ前のエントリーで、現在の主流派の経済学では、「セイの法則」(供給はそれ自身の需要を創造する)が長期においては成立すると考えられていることを紹介しました。 マクロ経済学において、供給(総供給)っていうのは、国全体での財やサービスの生産のことを言っていて、それらが販売されることで、最終的には個人または法人の所得(総所得)になり、そして所得は需要(総需要)になる(供給→所得→需要)。だから「供給はそれ自身の需要を創造する」ってことになるんだろうけれども、まあでもよく考えると、供給→所得→需要→供給っていうようにぐるぐる回っていて、実は総需要と総供給っていうのはコインの裏表みたいな感じもするんで、やっぱりなんだか混乱します。 マクロ経済での「需要」と「供給
ずいぶんと更新をご無沙汰していました。前回、ゲルマン的形態と日本の村落共同体の比較をすると予告しておいたんですが、その後いろいろ関連本を読み始めたら、これが実に奥が深い、簡単じゃない...それで、すっかり歴史の面白さにはまってしまいまして、近所の大学図書館にお世話になりつつ、歴史本読みまくりの日々です。 それで、ひさしぶりの更新にあたって。まあ予告通り共同体の歴史について書こうという意思はあるのですが、これはもうちょっと脳内で熟成させたい、という思いもある。そんな折、ちょっとネタにするのによさげな本があったので、今回はその本の感想などを。 中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史 作者: 與那覇潤出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2011/11/19メディア: 単行本購入: 12人 クリック: 193回この商品を含むブログ (113件) を見る これはネタなのか?マジなのか?と随所で
前回のエントリーで、「新古典派経済学」について書いたのだけれど、何か書き足りないなあ...と思ってしまいました。そう、新書なんかでは「新古典派経済学」を説明する際に必ず紹介される考え方です。 1870年代に誕生した新しい経済学の考え方、今日の用語法でいえば新古典派の経済理論をもっとも整合的な形で展開し、現在にいたるまでもっとも基礎的な理論の枠組みを提供しているのは、レオン・ワルラスの一般均衡理論である。 (宇沢弘文著 「経済学の考え方」 岩波新書) ということで、今日はタイトルの通り、レオン・ワルラスの「一般均衡理論」について。 「一般均衡理論」を説明する前に、まずは「均衡論」とは何か?を整理してみます。 右上がりの供給曲線と右下がりの需要曲線。交差した点で価格と量が決まる。高校の政治経済の授業でも習ったような気がしますが、経済学と言えば、たぶん多くの人はこれを思い出すのではないでしょうか
本当に久しぶり、9か月ぶりの更新です。まあとにかく仕事が忙しくて混乱していたのですが、ようやくブログを更新できる物理的精神的余裕が生まれました。 このブログでは確か大塚久雄の経済史ネタを扱っていて、その途中だったんですが(実は大塚久雄の「前期的資本」の話とか、少しは原稿書きすすめてはいたんですけどねえ...)、今回は復帰一発目ということでマニアックネタは避けて、POSSE vol.8の特集「マジでベーシックインカム!?」について。 POSSE vol.8 マジでベーシックインカム!? 作者: POSSE出版社/メーカー: 合同出版発売日: 2010/09/15メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 31回この商品を含むブログ (8件) を見る去年の9月刊行ですね。今頃このネタか、とも思うんですがいいんです。いつも旬の時期は逃すので。POSSEはもう既にvol.9が出ていて、こっちはブラ
ちょっと、マクロ経済学ネタで、ものすごーく基本的なお話を。 デフレは困るとか、日銀の量的緩和だとか、インフレターゲットだとか、貨幣供給を増やすだとか、まあなんといいますか、マクロ経済学の、それも金融政策にまつわるお話が、あちらこちらから聞こえてきます。このブログも、まさにそんなネタを扱ったりもしています。ただいろいろなブログ記事や、コメント、はてブなんかのコメントもそうなんですが、経済学の基礎知識をあまりよくわかっていないで、リフレだ、いや生産性アップだ、国際競争力だ、なんていうような話をしている人も多々おられるようです。 そこで、今回は「古典派の二分法」と「貨幣中立説」についてです。まさに基本中の基本。これはしっかりとおさえておきたいところなので、僕自身用のメモとしても、まとめておきます。よく耳にする「長期」とか「短期」といった話も、この貨幣の中立性の問題と大きく絡みます。 ということで
asahi.com(朝日新聞社):新規国債53.5兆円 今年度税収36.9兆円 財務相 - 政治 ものすごい赤字です。おそらくこれで鳩山内閣の支持率は下がるんでしょう。でも、これほどまでの赤字をつくらなければ、今度は逆に経済の停滞、失業率の増大によって、やっぱり鳩山内閣の支持率は下がっちゃうんでしょうね。 そこで、ふと思ったんです。 国の赤字がこれほど多いということは、当然どこかがものすごく黒字だということ。 日本という国全体(マクロレベル)で考えると、国家財政が赤字だということは、国家財政以外のどこかが黒字だということでもあるわけです。当たり前ですね。みんなが赤字だったら、日本経済全体が赤字になるはずだけれど、日本は黒字国です。 で、日本は歴史的に家計部門がずっと黒字。家計貯蓄率の高さは、他の先進国を圧倒します。とはいっても、ここ10年くらいは、この家計の黒字は大幅に減ってきました。貯蓄
ちょうど今、確定申告のために、領収書の整理をしているんですけど、その際ちょっと思ったことを... 自営業者っていうんですか?個人経営とか、家族経営のような仕事の仕方、なんかパッとしないというか、淘汰されていくようなイメージがあるんです。 僕が子どもの頃は、寿司屋とか、豆腐屋とか、床屋とか、ホルモン焼き屋とか、いわゆる個人でお店やっている家の子供が同級生にいました。でも、娘が通っている小学校や習い事のママさんたちの話を聞いていると、今はあまりいないですよね、そういう親。たしかに近所では個人商店って、ものすごく減ってしまいました。まあ地域によっても違うんでしょうけど。ちなみに僕には縁のない私立の小学校では、医者やら弁護士やら、いわゆる高収入資格系の個人経営の親御さんたちは多いみたいです。 また、僕が仕事上関わったことのある自営業者?は、フリーのライター、デザイナー、カメラマン、イラストレーター
最近は、知識の吸収にはまり込んでいて、あまり吐き出すネタはないのですが、とりあえず週1くらいの頻度では更新していきたいと思っているので、ちょっと前に読んだ本の感想なんぞを。 KYなんて言葉が流行ったためか、この山本七平の著作があらためて注目されるようになったのでしょう。僕のアンテナもビビッと反応して、気付いたらアマゾンのカートに入っていました。 「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3)) 作者: 山本七平出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1983/10メディア: 文庫購入: 84人 クリック: 673回この商品を含むブログ (200件) を見る 僕はいわゆる日本的?なる組織だの関係性だのの話になったとき、まあやっぱりそうだよなあと思うのは「自立した個人」がない?といったような話です。そして、そういった「個人」が欠如した関係性みたいなものの力学としての「空気」なるものに興味があったんで
僕もこの話題に乗せてもらいます。 2009年2月にエルサレム賞を授与される、ということ - モジモジ君の日記。みたいな。 村上春樹を読まずに批判してるって? - モジモジ君の日記。みたいな。 そもそもmojimoji氏は、村上春樹の作品については一切語るつもりはないようです。村上春樹の「作品」と「作家本人の政治性」は切り離して、その「政治性」についてのみ「どうするんでしょうね?」ってな話をしただけです。 でも、「作品」と「作家本人の政治性」の切り分けが理解できていないのか、「作品も読まずに、語らないで!」ってな感じの反応が返ってきたようです。 で、気がついたら、村上春樹ファンの「心性」とか、村上春樹の作品における「政治性」なんてものが語られ始めちゃった。 村上春樹はエルサレムで語ることができるか? - キリンが逆立ちしたピアス 村上春樹氏 エルサレム賞受賞−村上春樹という問題 - 無造作な
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