今から100年前、アインシュタインが「一般相対性理論」の中で存在を予言しながら、誰も観測できなかった物理現象「重力波」。ことしに入り、アメリカの研究チーム「LIGO」が相次いで観測に成功したと発表し、世界に衝撃が走っています。実はこの研究チームがまだ生まれたばかりのころ、一人の日本人研究者が大きな役割を果たしたことはあまり知られていません。重力波観測の「カギ」を握ると言われるその功績とは、どのようなものだったのでしょうか。 研究者が見つめるのはノイズ? ことし3月、その研究者の姿は岐阜県飛騨市の山の中にありました。地下200メートルの鉱山跡を利用して作られた、日本の重力波観測装置「KAGRA」。 川村さんが見ていたモニターには、装置から出る不要な信号「ノイズ」が大量に写っていました。実はこのノイズが、重力波観測の大きなカギを握っています。 重力波はどんなもの? その話をする前に、そもそも重