彌永信美『歴史という牢獄 ものたちの空間へ』青土社,1988年 前回(2月8日)少しふれたように,研究室の引っ越し準備のために,何かしら生活が落ち着かず,この日記も放置してしまいました。 少し期間をおいてしまうと,なかなか本の紹介モードになることができず,どのように書いたものかと,思いあぐねる始末。 この日記のコンセプトは,良いと思う本の中の言葉を紹介すること。ともかく,読んで啓発された言葉,ものを考えていくために心にとめておきたい言葉を,引き続き引用していきたいと思います。 さて,冒頭の彌永信美(いやなが・のぶみ)氏の著作。引っ越し作業の中で,本棚に埋もれていたのを再発見した。 彌永氏は,1948年生まれの仏教学者,評論家。パリ高等研究院歴史・文献学科を中退。仏教神話の伝承史的研究,ヨーロッパ文化史,宗教史,神秘思想などの,広範な知見をもとにした評論活動を展開している(渋沢・クローデル賞