のざりんさんのサイトに出てた議論を見て,わたしが「議論の前提」だと思うことが,未だにまったく「常識」になってはいないんだよな……ということを痛感させられた。ここに書くようになって2ヵ月半を過ぎたけど,そういえば,ちゃんとわたしの「中絶問題」観を書いたことがなかったような気もする。 そこで簡単に,わたしの問題意識を書いておこう。まず「胎児vs.女性」という枠組みで中絶問題を見ることで,いったい誰の責任が隠蔽されるのかという点に目を向ける必要がある。また,上記の枠組みの中で女性の行為を罪悪視することによって,女性が被害者でもあるという中絶のもうひとつの側面が見えなくなることも問題だ。 わたしが中絶問題をリプロダクティヴ・ヘルスの枠組みのなかで見ているのは,以下の2つの点に目を向けるためである。第一に,リプロダクティヴ・ヘルスは“女性のみ”の問題ではない。男性や社会にも関わる問題でもある。第二に