熊本の慈恵病院の赤ちゃんポストの運用が始まった。 官房長官が「保護者が子どもを置き去りにする行為はあってはならない。自らの手で親が育てるのが基本だ」と批判的なコメントをしたと報じられている。 しかしねぇ。 慈恵病院の院長が、今回のような窮極の救済手段をぶちあげなければ、望まない妊娠や、喜びだった妊娠の後に人生の流転があって育てるのに厳しい状況に陥った人やその子をどうしていく、なんてだれもまじめに考える機会をつくらなかった。おっと「まじめに考える」とは、この社会ではそういう人をスポイルするようなニュアンスで表現してきた。 それこそ、ふだんは男女平等を党是とするリベ系のエリート女たちでさえ、よほど徹底した女権運動をやっている人でもなければ、その大半は「よく考えもしないで」「自業自得」と言った言葉を本音では吐く。 慈恵病院が、こうして社会に衝撃を与えるまで、「子どもを捨てさせないために相談を充実