サンフランシスコの閑静な住宅街、景観保存地区に建つビクトリア様式の美しい集合住宅を購入し、改装して車庫を付け貸し出すことにしたオーナー。車社会となった現代のアメリカでは、車庫は賃貸物件を探す際の重要な条件の一つとなり、特に駐車場が少なく駐車代が高いこの地区では、建物内にガレージがあることはほかの物件と差をつける大きな魅力となります。しかし、歴史的な建築物の外観を大きく変えるような工事には自治体の許可がおりません。 「何としてもガレージを作りたい、しかし、物件の魅力である歴史的建築の美観を損なうわけにはいかない……」と悩めるオーナーに匠が提案したのは、何と1階のファサードをそのままガレージの扉としてパカッと開くようにリフォームしてしまうこと。完成したガレージがギギギ……と開く様子は、世界征服をたくらむ秘密結社のロボットが格納された基地のような、あるいは忍者のからくり屋敷のような、見事な隠れ身