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買ってよかったもの
d.hatena.ne.jp/fusshii
大学でシンガポール人の教授の卵としばし議論。いろいろとシンガポールの特殊性に関してこっちがもっている仮説をぶつけてそれを検証したかったのだが、少々イメージが異なる部分があって、混乱をもよおした。 日本の一部ではシンガポールの政策を参考にすべき、といった議論がかつてよくなされていた。今でもいる。その多くは、両者の違いを無視した暴論であったりするのだが、確かに、かの国の開発独裁政はいろいろな意味で興味深い。 たとえば、かの国のエリーティズムは徹底されていて、小学校の時点の試験の結果、超エリート、普通のエリート、一般人、それ以外、という感じのコースで子供の教育コースが分けられてしまう。中学では試験の結果、成績順に確か4コースに分けられて、もちろんクラス間の敗者復活戦はあるのだが、大学にいける人間、そうではない人間が決められてしまう。人生の初期で人生のコースが決められてしまう、いわゆる早期選抜
民間企業でも、改革の錦の御旗の下に安易に組織をいじって、結果、大失敗、ということはよくあるわけで。何のために組織をいじるのか、まず大事なのはas is, to beの現状分析と将来課題解決に向けた目的設定ありきの話であって、その結果としての組織改変の議論が出てくるのならともかく。課題設定そのものが組織改変になる、つまり手段が目的になりがち、というより、政治的に絶対にそうなる課題なだけに、どこからその政治的ニーズが出てきているのか、誰が仕掛けている(得するのか)に留意。 現在の行政機構の問題を考えた場合に、まず議会、政党、行政機構の役割分担、さらには司法の問題、そしてそれを支える労働市場の改変(人材市場の流動化)とその裏にある雇用問題、そこらの因数分解から出てくる行政官に求められる役割ってあたりが第一段階の議論の対象となるべき。最後の各論として組織論、公務員労働市場の改変、といった課題が出
■[統治機構] 日米政策決定プロセスの比較 官僚バッシング、政官関係の見直し、政治家の資質、等々の議論は昔から喧しく、といったところで、その比較対照相手としては、やはり日本の場合は米国が多い、というところだろう。個人的には欧州各国のモデルの検討から入った方が近道なのでは、と思うところ大なのだが、やはりこういったあたり米国の影響力の大きさを相対化できるような立ち位置に日本はいない、という感じかと。若干横道にそれるが、アメリカからアジアに拠点を移した今感じることは、日本って東南アジアの国から見ると、やはり、遠い極東の異国、という感覚で、これは日本でアジア、というと中国、韓国、という印象が地政学的に強くなることの裏返し。大陸に中国、ロシア、太平洋隔ててアメリカ、という位置関係は地政学的思考の枠を作るもんだな、などと思考しつつ、アジアアジアとクチで言うのは簡単だけどさ、なかなか厳しいもんがあるぜ、
■[アメリカ生活][雑記] 歴史問題と留学生 あまり、このネタは書きたくないのだが。 これまでも書いてきたように、アメリカの大学院に留学するとアジア人が沢山いて、アメリカ人とアジア人、というようなクラス構成になることが多い。これはイギリスの大学院などとは大きく異なる点で、国際色、という点では、アメリカの大学院なんて、全然国際色豊かでもなんでもないと思う。学部による違いはあるだろうけれど。 一方で、イギリスは、国策の一つが教育機関を使った世界中の高度人材のイギリス囲い込み*1にあることは明白で、以前も書いたが、旧大英帝国の植民地のエリートがオックスブリッジやロンドンに集結してくるし、欧州大陸諸国からも多くの留学生が集まるから大変国際色豊かと思う。このあたりの世界支配の構造については色々と思うところはあるけれど。 で、それだけアジア人が多いアメリカの大学院では何が起きるかというと。以前からもよ
ちょっと備忘録。発音が綺麗で滑舌の良い英語をしゃべるアメリカ人であっても、それぞれの単語がつかめても全体として何を言っているのかが全く理解できない人がいる。授業なんかでこれをやられると、周りのアメリカ人は「成程成程」とうなずいてるのに、我々インターナショナルの学生は一様にポカーンとなっちゃう。で、皆、恐慌状態になる。自分の英語力は最悪だと。 そんなことないんじゃないの、あなた達ぐらいの英語力があれば、などと思って、聞き取りにくい理由を考えたことがあるのだが、一つの理由は、その人がメタ言語を多用していて、実はあんまロジカルに話をしていないから。こういうパターンの英語をしゃべる人の特徴は、頭の回転数、という点では非常に優秀な人であろう、ということ。頭に浮かぶ言葉が多すぎて実際の言葉が付いてこない、また、直観的に物事のフレームを捉えた話をするから、曖昧な論理の接合を比喩を使って力業でごまかし
■[IT][知財][産業政策] 国内的文脈からのみ知財を語っても無意味 その2 プログラム権法の挫折 85年 かつて、旧通産省が提唱していたものの、米国政府とIBMの圧力で日の目を見ることがなかったプログラム権利法構想というものが存在した。長らく一般には忘れられていたが、最近、プログラム権法の再評価が若干散見されるようになっている。 この法律の狙いとそれが潰された背景については、残念ながら一般に流布しているしっかりとした文献がほとんど存在しない。したがって、再評価の内容そのものが、大変フワフワしたものになる嫌いがある。一番まとまっているのは、前ICANN理事の富士通の加藤さんが英語で記している以下のアメリカの法律関連図書。法律の専門書に近いので淡々と、という感じもあるのだが、当時の日米通商摩擦の最前線にいた経験を踏まえた、「闘い」の雰囲気がよく伝わってくる結構熱い本。 Interfaces
■[IT][知財][産業政策] 国内的文脈からのみ知財を語っても無意味 その1 知財計画2006とやらが世の中にはあって、少し議論をしている向きを見ることがある。 自分は、この計画が最初に作られたときに、前文を見て吐き気がしたので、その時点で関心を失っている。「我々は80年代のアメリカを真似て、知財を使った国際的通商保護政策を展開します。ヤングレポートを意識してます。」と堂々と書いてある。 英語でも全世界に発信していて、おいおい、と。ま、海外では余程の人でない限り誰も読んでないけどね。残念ながら。*1 こういうことは、思っていても露骨に書くべきでもないし、そもそもの認識が的ハズレなので、センスわりぃ作文だな、と思う。 ヤングレポートなんて知っているアメリカ人、専門家でもほとんどいない、って。また、国際的通商保護政策、と構えてるくせに、実際に大企業や著作権者がやってることは、裏で乱発されてる
■[雑記] 僕の中のオウムの記憶 詳しくは知らないけれど、色々と議論を呼んだようで。そこいら辺の立ち位置についての議論とは関係ない。その話を少し聞いてよみがえってきた自分の中で生きている記憶の話。 「彼」は、その塾で一番の秀才だった。その塾は大手の進学塾ではなくて、サイパン玉砕戦で奇跡的に生き残った老教師が地元の子供達を集めて開いていた小さな私塾だった。わけもわからずに、そこに入れさせられた僕だったが、そのうち、その塾に通うことがとても楽しみになってきた。集まっていた子は、自分の小学校にはいない、とても大人びた奴等で、そういった違う小学校の子たちと友達になれるのが僕は単純に嬉かった。みんなのギャグセンスもヒネリが効いいたし、女の子も大人っぽくて僕は勝手にドキドキしていた。 それに、「彼」と会えることも楽しみの一つだった。彼は変わった奴だった。小学生なのに、絶対に半ズボンをはいてこない。いつ
■[ロースクール][雑記] 大学院からみたアジアの少子化、晩婚化 実感ベースの雑感 昨日、とある台湾関係者から、台湾の出生率は日本を下回っていて国家的問題になっている、といわれ、ちょっと調べてみたら、少し昔の数字だが、確かに、台湾だけ、というよりアジアの新興国で軒並み同じような問題が起きていると、一時話題になっていたらしい。 最新の合計特殊出生率をみると、タイが1.80(2002年)、韓国が1.19(2003年)、台湾が1.24(2003年)、シンガポールが1.26(2003年)、香港が0.94(2003年)となっている。タイを除けば、わが国(2003年に1.29)の水準を下回っており、特に香港は同じ年の東京都(0.9987)の水準をも下回っている。こうした低出生率に各国政府も危機感を持ち始め、シンガポールで顕著であるが、出生率回復のための政策が積極的に講じられるようになっている。 〜平成
■[政治]橋本元首相死去、雑感 噂は聞いていた。一般には過去の人になっているようだが。ネットの言論を見ると、経済政策の失敗以外にもかなりネガティブな評価が多い。それについては根拠がはっきりしないところも若干あるのだが。首相登板時しばらくは、小泉首相ばりの国民的人気を誇っていたもんだけど。 橋本首相は政策通を自認していただけあって、かなり細かい案件でも、自分で数字まで中身を突っ込む、突っ込むことができる人で、日本の総理としては、かなり変わった人だったと思う。それがいいのかどうか、含めて、そのあたりの実像は、「総理の器」を考える際によく分析されるべきことと思う。総理候補に対する各種見解を見ていると、もやもやしていて、何が「器」の要件として求められているのか、さっぱり理解できないことが多い。 一般には経済失政、ということなんだが、小泉政権と同じで、党内基盤の弱さを国民的人気でカバーする、というア
■[IT][知財][産業政策] グーグル独占対抗? 研究会もやっていたし、昨年からニュースになっていたけれど、プロジェクト自体の方向性はリーク記事にありがちな、「観測気球」ネタでしょ、と思っていたら、ご冗談を。。。 「Google独占にはさせない」--国産検索エンジン開発へ、産学官が一致団結 http://japan.cnet.com/news/media/trackback/0,2000056567,20143827,00.htm 検索エンジンといって、真っ先に思い浮かぶのはどんな企業だろう。検索の王者であるGoogleや対抗するYahoo!、Microsoftなど、大手はほとんど米国企業であるのが現状だ。ここに危機感を抱いた経済産業省が、産学を巻き込んだ一大プロジェクトを始動させる。 プロジェクトの名前は「情報大航海プロジェクト・コンソーシアム」。7月設立予定で、国産の情報検索・解析
■[政治] 松井議員雑記 第一弾のジャブはこの辺りから牽制ってことかな。 日経 民主党松井議員、村上ファンド関連先から受託・私設秘書の給与 民主党の松井孝治参院議員は20日、京都市内で記者会見し、村上世彰容疑者と共通の知人が社長を務める経営コンサルタント会社、フューチャーネットから本人と私設秘書2人が給与を受給していたことを認めた。秘書2人が受け取った合計153万3900円については政治資金規正法に基づき修正報告するという。今後の出処進退については、「職責を全うしたい」として議員辞職を否定した。 村上ファンドには、1999年10月に500万円を出資した。2001年3月に元本の返金があり、同年6月に最終分配として121万3725円を受け取ったという。 給与については私設秘書の1人が01年10月―02年7月に106万1900円、もう1人が01年11月―02年2月に47万2000円を受け取った。
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