暗い室内。 窓から遠慮がちに指す街灯の明かりで完全な闇ではない。 しかしその部屋で一人呆けるオレの胸はどす黒い完全な闇に侵されていた。 自らの考えなき行動で一生の後悔を背負う事になった。 そしてその夜から毎晩狂気の時間を味わう事になった。 今夜も彼女が来る。 自分が狂うまでか氏ぬまでか。 それとも氏して魂となった後も未来永劫か。 そろそろ自分は狂う。 恐怖に耐えられるのはあと数日だろう。 嫌だ。 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ… 今朝郵便受けに放り込まれていたこのビラ。 『不可解な出来事に関する相談承ります』と冠した怪しさ全開のビラにさえ頼ろうとしている自分はもう正気ではないのかもしれない。 しかし1厘でもこれをどうにかしてくれる可能性があるなら頼ってみよう。 今彼女が来た。 今夜の恐怖が終わってまだオレがオレなら頼ってみよう。