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衆院選
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Ulala(著述家) 「フランスUlalaの視点」 【まとめ】 ・仏、3歳からの義務教育は、女性を働きやすくするためではない。 ・義務教育前に、仏以外の文化・宗教思想の植え付けを抑制するため。 ・従来の教育システムは裕福層対象。移民家庭には教育格差につながり、若者の暴動の原因となった。 先日、自民党の女性局のメンバー38人がパリに研修旅行に行った件が炎上したが、いまだにおさまる様子がない。だが、この件が炎上するのも当然のこととしか言いようがない。SNSにフランスの豪華さを楽しんでいる様子をアップして、見ている方になんの価値も生み出さないような広報のやり方にも疑問を感じるが、それよりもフランスに行く価値を一番感じなかったのは、メインとされてる研修内容そのものだ。 研修内容で特に気になったのが「3歳から義務教育」である。あきらかに、「3歳から義務教育」を単なる女性の活躍、少子化対策の一貫ととら
Ulala(著述家) 「フランスUlalaの視点」 【まとめ】 ・仏で少年が警官に射殺され全国で暴動発生。 ・背景に「郊外」問題。 ・郊外の若者の失業率が増加し、暴力性が増す。 現在、フランスでは暴動が全国に広がっている。その暴動の流れはスイスにもわたり、ベルギーにも広がっている状態だ。 暴動の発端 6月27日火曜日、フランス首都パリから北西郊外に位置する街ナンテールで17歳の少年、ナエル・Mさんが警官に殺害され大きな批判が起きた。当初、警察関係者は白バイ2台に車両が突っ込んだと主張していたが、ソーシャルネットワーク上で拡散した動画では、警察官2人のうちの1人が運転手に銃を突きつけ、車が動き出した瞬間に至近距離から発砲したことが見て取れる。このことにより、「警察当局の一部が行為を隠蔽しようとして嘘をついた」と、警察への不信感が一気に高まったのだ。 現在、発砲した警官はその後すぐに拘束され、
Ulala(著述家) 「フランスUlalaの視点」 【まとめ】 ・仏で移民法改革のプロジェクトが2月にスタート。 ・共和党と連立与党では異なる移民法案を提出している。 ・国民の過半数は移民が「多すぎる」と感じている。 多くの移民を受け入れてきた歴史のあるフランスでは現在、移民法改革のための話し合いが始まっている。移民法改革のプロジェクトは2月にスタートし、5月、6月には上院と国民議会で決議が行われる予定だったが、年金改革の混乱が続き、国を二分しかねない繊細な配慮が必要な移民法案を検討する時期ではない、と延期されていたのだ。 ようやく年金改革の混乱も落ち着いたため、エリザベット・ボルヌ首相は、10月から上院での審議を始めるために7月までに法案が提出されることを希望している。 ■ 複雑な問題を多く含む、移民法の改革 2月1日にプロジェクトが始まった移民法改革。その時点で、フランス国内の労働関連
清谷信一(防衛ジャーナリスト) 【まとめ】 ・P-1哨戒機は高コストで低性能であり、完全な失敗作である。 ・P-1は旧式の他国のP-3Cにも及ばず、米海軍のP-8が示した敵役の米原潜の場所すら探知できなかった。 ・P-1は機体もエンジンも、システムも専用だから、生産・維持整備費コストは極めて高い。 失敗作、P-1哨戒機の調達は中止すべきだ。 海上自衛隊の哨戒機、P-1は完全な失敗作である。低性能で信頼性も低い上に。元々高い調達コストや維持費は跳ね上がっている。調達は停止すべきだ。 先ごろ防衛省が発表した「防衛力整備計画」では5年間で海自のP-1哨戒機19機を調達することになっている。P-1の調達価格は取得初年度の2012年度は157億円だった。来年度の防衛予算案ではP-1は3機、914億円、1機あたり304.7億円で要求されている。P-1の機体単価にこれまでの初度費を合わせて機数で割ると1
清谷信一(防衛ジャーナリスト) 【まとめ】 ・減少する就労人口から万人単位を自衛官に割くならば、その分利益を生み国家を支える労働基盤が脆弱になる。 ・自衛隊では少子高齢化を見越しての省力化や合理化はこの30年間ほとんど進んで来なかった。 ・隊員数を増やすよりも、理不尽な理由でやめる隊員を減らし、正しい合理化で人件費を抑えつつ高い防衛力整備を目指すべき。 昨年以来、自民党安倍派や国防部会の議員らや、いわゆる「保守派の論客」は防衛費の大幅増額、それと自衛隊の大幅な増員を要求している。 現在の自衛官の定員は24万7,154名であり、実際の人数、実員は23万3,341名であるが、これを万人単位で増やすことはファンタジーに過ぎない。 それにはいくつか理由がある。まず我が国が少子高齢化によって、若年層の減少が挙げられる。15歳~64歳の就業可能人口は平成12年が8,530万人だったのに対して、令和6年
楊井人文(弁護士) 【まとめ】 ・岸田首相は質問権の行使を指示し、永岡桂子文科相は行使基準を明確にするための有識者会議を立ち上げへ。 ・先に結論を指示するのは順序が逆で、首相が内閣支持率急低下に焦って政治判断を下しているように見える。 ・旧統一教会を袋叩きにして溜飲を下げるのが目的でないのだとしたら、冷静に宗教法人制度のあり方の議論を開始すべき。 旧統一教会をめぐって宗教法人法に基づく解散命令請求をすべきか否かが議論されている。その前提となる事実の調査のため、質問権を行使するよう、岸田文雄首相が10月17日、永岡桂子文科相に指示を出した。衆議院予算委員会で年内にも行使するとの方針も示した。 ところが、永岡文科相はこれから質問権の行使の基準を明確にするとして、有識者会議を立ち上げるという(NHK)。先に行使するという結論を指示し、所轄庁に行使の基準を作らせるというのは、順序が逆ではないだろう
文谷数重(軍事専門誌ライター) 【まとめ】 ・ウクライナ侵攻によりロシア脅威論が再燃している。 ・ロシアには日本に攻め込む余力はない。 ・むしろ北海道の陸自戦力は削減すべきである。 ウクライナ侵略によりロシア脅威論が再燃している。平和への挑戦、帝国主義的行動、膨張主義への警戒感が高まった結果である。 日本においても北方脅威論が再燃する兆しが見える。 すでに右派紙には北方警戒論が出現している。夕刊フジWEB版の『ZAKZAK』では飯田浩司氏が北海道増強論を主張している。「中国を念頭に置いた南西諸島方面への防衛力のシフト」は「ウクライナ侵攻で完全に過去のものになりました。」と明言し、その上で陸自を筆頭とした北海道での戦力増強を主張している。*1 また陸上自衛隊も尻馬に乗ろうとしている。トップの陸幕長はロシアについて「極めて強い危機感を持って見ている」と述べた。これはロシア脅威提示で北方重視つま
文谷数重(軍事専門誌ライター) 【まとめ】 ・日本政府は北京冬季五輪に事実上の外交的ボイコットを選択した。 ・日本はタダで中国から得点できるチャンスを見逃した形である。 ・本来なら五輪担当相を送るべきであった。 日本は北京冬季オリンピックに閣僚を派出すべきであった。 岸田政権は北京冬季五輪への閣僚不派出を決めた。これは米国に倣った形である。中国における人権問題は是認できない。そのためオリンピック行事には政府代表を送らない。そのような米政権の判断を支持した形である。 ただ、同時に中国との関係悪化の回避も図った。決して外交的ボイコットの語は使わなかった。また新疆問題ほかの具体的な理由も提示せず「普遍的価値について中国でも保障されることが重要だ」と述べるだけとした。その点では穏当妥当な選択である。 この事実上の外交的ボイコットは正しい判断だったのだろうか。 次善の判断に留まる。なぜなら日中関係改
Ulala(著述家) 「フランスUlalaの視点」 【まとめ】 ・世界第二位のマンガ大国フランスで日本のマンガは半分以上の売上高を占める。 ・人気の背景として尾野栄一郎氏独自の完成された世界観が挙げられる。 ・大人社会だったフランスに日本の「マンガ」は良い影響を与えうる。 尾田栄一郎氏による大人気マンガ「ONE PIECE(ワンピース)」の第100巻初版25万部が、12月8日、フランスで発売された。世界で第2位のマンガ大国と呼ばれるフランスである。発売当日は、フランス各地でマンガ専門ショップやFnacなどマンガを扱う店の前に、開店前から長蛇の列ができ、フランスでの『ワンピース』の人気の高さに誰もが驚いた。 ・フランスでのマンガと『ワンピース』の人気の高さ 現在、フランスのマンガ・BD(注1)市場では、日本のマンガが半分以上の売り上げ高を占めている。GFK研究所によれば、2020年全体で22
文谷数重(軍事専門誌ライター) 【まとめ】 ・国産超音速ミサイルASM-3の開発の先行きが暗い。 ・海自に加えて空自からも見放されている ・防衛省の興味も別のミサイルに移っている 国産超音速ミサイルは見限られたのではないか。 日本はASM-3の国産開発を続けている。これは飛行機から軍艦を攻撃する武器でありマッハ3の超音速で飛行できるミサイルだ。 だが、その先行きは暗い。なぜなら空自戦闘機への搭載からの排除が決まったためだ。ほかにも海自が装備に冷淡である。そして開発計画の露出も減っている。 まずは打切りとなる。形だけ開発を終え20発程度を生産して終わるだろう。 ■ 戦闘機搭載からの排除 ASM-3の先行きは怪しい。 その理由の一つ目の理由は戦闘機搭載からの排除だ。つまり空自からも愛想をつかされているのである。 F-15の改修報道からそう窺える。*1 改修事業では米国製対艦ミサイルLRASMへ
安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト) 「編集長が聞く!」 【まとめ】 ・離婚後単独親権という構造を変えなければ、子どもの幸せは確保できない。 ・単独親権派のロビイングパワーは強大。 ・法務省に親権制度改革は大きく期待できない。政治が動くしかない。 離婚後の親権について日本は、父母のどちらか一方に行使を認める「単独親権」制度をとっている。120年以上前の明治民法の規定だ。これに対して欧米の多くの国では、離婚後も両親が共同で親権を行使する「共同親権」制度をとる。主要先進国のうち「単独親権」制度のみをとるのは日本のみ。国連の「児童の権利委員会」や欧州議会をはじめとして国際的な非難を浴びている。毎年約80万人しか生まれない日本の子どもの約4人に一人が毎年片親ロスになり経済的貧困やなどに追い込まれる。 「共同養育支援議員連盟」に所属する嘉田由紀子・参議院議員は、単独親権を定
安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト) Japan In-depth編集部 【まとめ】 ・ヴィンセント・フィショ氏、骨折した指の手術でハンスト中止。 ・欧州連合(EU)加盟国の駐日大使ら9人がフィショ氏を訪問 ・駐日仏大使「日本当局に領事保護の支援をお願いしており、これからも当局にコンタクト続ける」 仏人男性ヴィンセント・フィショ氏の命をかけたハンガーストライキが21日目の今日終わった。昨日29日に倒れた時に小指を複雑骨折し、その手術が今日行われたからだ。 フィショ氏は、3年前妻が子どもと家を出てから会えていない2人の子どもとの再会を求めて、国立競技場側の千駄ヶ谷駅(JR東日本総武線:東京都渋谷区)構内で3週間にわたりハンストを続けていた。 フィショ氏は30日夕方、Facebookにこう投稿した。 「21日前にハンガーストライキを開始したとき、私の目的は、(私が)危
安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト) Japan In-depth編集部 【まとめ】 ・ヴィンセント・フィショ氏は7月21日、日本外国特派員協会が主催したオンラインで会見に出席した。 ・親権をめぐる日本の問題は、法ではなくその適用にある。 ・日本の司法システムが、子供の連れ去りを助長している。 ヴィンセント・フィショ氏は7月21日、日本外国特派員協会(FCCJ)にて行われた会見にオンラインで出席した。(「Press Conference: A hunger strike with diplomatic implications by Vincent Fichot(記者会見:ヴィンセント・フィショ氏による外交問題を提起するハンスト)」フィショ氏は、3年前、妻が2人の子どもを連れて家を出て以来会えていない。現在、子どもたちとの再会を求め、国立競技場近くの千駄ヶ谷駅(東
Ulala(著述家) 「フランスUlalaの視点」 【まとめ】 ・アジア人への暴力誘導ツイートを投稿した4人の若者に有罪判決。 ・4人の学生は2日間の市民コース受講と賠償金支払いが命じられた。 ・フランスにおけるアジア人の地位向上の歴史的第一歩となった。 フランス・パリの裁判所は、5月26日水曜日、新型コロナウイルスの流行は中国人のせいであるという考えから、アジア人への暴力誘導ツイートを投稿した4人の若者に対し、「人種差別主義的な内容の公然侮辱および犯罪行為への扇動」をしたとして、有罪判決を下した。この裁判は、アジア人差別に対する「歴史的な」裁判とも呼ばれ(参考記事:仏でアジア人差別に対する裁判開始)、注目されていた裁判でもある。 ■ アジア人への暴力扇動のツイートに対する裁判 人種差別からくる暴力扇動のツイートは、2020年10月28日エマニュエル・マクロン大統領が2度目の外出制限を発表
古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授) 「古森義久の内外透視」 【まとめ】 ・「強制連行」示す物証は日韓ともにない、と政府が国会で明言 ・慰安婦問題の核心の不当性、虚構性が明白に ・日本非難の客観性は否定され、河野談話の虚構を再び提起 日本の慰安婦問題は虚偽の証言や報道にハイジャックされ、長年の間、日本を貶める政治プロパガンダとして悪用されてきたが、その虚構の核心だった「強制連行」が国会の公式の場で日本政府の代表により改めて正面から否定された。 日本の官憲による一般女性の強制連行という事実はどこにも根拠はないという日本政府当局者の公式の言明だった。その結果、この「強制連行」を否定せずに、にじませた1993年の河野談話の虚構が再度、提起される結果ともなった。 この慰安婦問題の新たな論議は3月22日、参議院の文教科学委員会の公式の審議の場で起きた。議題は慰安婦問題だった。問題を提起したの
Ulala(著述家) 「フランスUlala の視点」 【まとめ】 ・コロナ外出制限でアジア人差別に拍車。エリートも複数被告に ・声を上げ始めた移民第2、3世代。#MeTooや#BLM運動が触発も ・SNSで差別発言すれば、IPアドレス特定され、最長で懲役3年に フランス・パリでアジア人差別に対する「歴史的な」裁判が始まった。 フランスでは、新型コロナウイルスの流行が始まった時期から外国人に対する人種差別が増加している。感染拡大を受け、2020年10月28日、エマニュエル・マクロン大統領が2回目の外出制限を発表したが、その外出制限がさらに人種差別に拍車をかけた。特に中国が感染の発生源としてとらえられていることから、中国人が実際に暴行される事件や、中国系レストランに「国から出て行け」と落書きされる事件が起きている。さらにSNS上ではなんの考慮もなく増悪の言葉が拡散されていたのだ。例えば、ツイッ
文谷数重(軍事専門誌ライター) 【まとめ】 ・中国海警法には「強制力を行使し武力使用も可能」と読み取れる部分あり。 ・しかし中国はそのような行動はせず、海警法よりも国際法を優先する。 ・このような死文化される法が作られる背景に中国の国内事情あり。 中国海警法が2021年2月1日に施行された。これは日本の海上保安庁法に相当する法律である。沿岸警備隊にあたる海警局の機能や運用を規定する内容だ。 この法律は国際法との矛盾が指摘されている。本来ならどの国の軍艦や政府公船は不可侵性をもつ。また他国領海内でも軍艦や商船は無害通航できる。それにもかかわらず中国海警は強制力を行使し必要があれば武器使用もできる。条文にはそうとも読み取れる部分があるからだ。 中国は国際法に背く行動をするのだろうか? 中国はそのような行動はとらない。海警法よりも国際法を優先する。そう判断する理由は次の3つである。 第1は中国は
Ulala(ライター・ブロガー) 「フランスUlala の視点」 【まとめ】 ・2月10日、パリで日本人3人が何者かに塩酸をかけられる。 ・仏でスリ・ひったくりを含む事件に巻き込まれる可能性もある。 ・情報収集を心掛け、危険なことを遠ざけて行動していくことが大事。 在フランス日本国大使館領事部から送られたフランス在住者宛てのメールによれば、2月10日(水)の夕方、パリ17区の公共空間に被害者である日本人が友人と3人でいたところ、塩酸をかけられ、顔をガードするために覆った掌に火傷するという傷害事件があったという。 この事件については日本のメディアでは一切報じられておらず知らない人も多いが、在フランス日本国大使館領事部からのメールでは、「フランスでは暴力を伴う犯罪の発生が絶えないため、犯罪に巻き込まれることのないよう、公共交通機関を利用したり屋外を移動する場合は、周囲の状況に常に注意を払い、人
Ulala(ライター・ブロガー) 「フランスUlala の視点」 【まとめ】 ・仏では、これまで職場での食事は労働法で禁止されていた。 ・しかし感染防止の一環で職場での食事を許可する新労働法が発効。 ・規則も法律も時代や環境によって変化していくべき。 日本について考えてみれば、食堂などで昼食を取らない場合、お弁当を持っていったりコンビニで買ったりしたつつ、お昼ご飯を自分のデスクに広げて食べることはよくある光景の一つだろう。だが、なんと、フランスではそんな光景は普通ではなかった。それもそのはず。実はフランスでは職場で食事することは労働法で禁止されていたのだ。 ■ 職場で労働者が食事することは禁止 フランスで労働者が職場で食事することの禁止については、フランスの労働法Article R4228-19に、しっかりと明記されている。もし、この労働法に違反した場合、雇用主は労働監督官が作成した報告に
石井正(時事総合研究所客員研究員) 「石井正の経済掘り下げ」 【まとめ】 ・第3次補正予算、コロナ克服の名の下で、予算の大盤振る舞い。 ・コロナ対策以外にも財政法の原則とかけ離れた支出が並んだ。 ・20年度一般会計予算は、175兆6878億円。 今年度の第3次補正予算と2021年度の本予算案の編成が終わった。コロナ禍からの脱出という錦の御旗の下に、財政膨満問題を解決する方途は示されず、将来世代に大きな荷物を背負わせる結果になった。 コロナ克服の名の下で、1年以内の総選挙を意識した予算の大盤振る舞いが断行された。また、「15カ月予算」とする大方針に沿って補正予算が無原則に膨れ上がったことも問題だった。財政規律は弛緩し、財政をめぐって戦後政治が維持してきた規範は吹き飛んで跡形もなくなってしまった。 国家財政について日本は、その年度における税収・歳入に見合う歳出とするよう求める財政単年度主義(歳
文谷数重(軍事専門誌ライター) 【まとめ】 ・ 火力発電電力でもEV化でCO2は7割減らせる。 ・ 火力発電所は車よりも高熱効率で低CO2のLNGを使っている。 ・ 30年には電力構成のうち1/4以上は再エネとなる。 CO2対策により電気自動車(EV)が普及する見込みである。政府はCO2削減のため2030年代でのガソリン車製造中止を決めた。以降、自動車はEV等に代わる見込みである。 しかし、その効果を疑問視する意見もある。日本は火力発電を主流としている。車をEVに変えても火力電気を使う限りはCO2排出は減らせない。そのような主張だ。最近では17日にトヨタ社長が強調した旨が報道されている。*1 これは本当だろうか? 正しくはない。なぜなら熱効率、燃料、電源構成の影響を反映していない。これらを加味すればEV化でCO2排出は7割減少する。 ▲写真 アリア。ガソリン車をEVに置換するとCO2発生量
Ulala(ライター・ブロガー) 「フランスUlala の視点」 【まとめ】 ・16歳少女がSNSでイスラム教批判。レイプ・殺害予告受ける事態に。 ・「ミラ事件」は子供同士の〝言い争い〟が政府を巻き込む大問題に。 ・イスラムが絡むことで事態が複雑化する仏社会の苦悩を映す事件。 10月にフランス・パリ郊外で歴史教師サミュエル・パティさん(47歳)が首を切断されて殺害された事件は、日本にも衝撃を与えた。 (※事件詳細はこちら) 実はフランスではこの他にも日本ではあまり知られていないイスラムに関する事件が1月に起きていた。「ミラ事件」である。未成年者がイスラム教を批判する動画をSNSに上げたところ大きく炎上した結果、脅迫された事件だ。そしてほぼ一年経った現在でも解決していない。 ■ 「ミラ事件」の概要 「ミラ事件」というのは、当時16歳の高校生だったミラさんが、自分が「同性愛者」であるとネット上
Ulala(ライター・ブロガー) 「フランスUlala の視点」 【まとめ】 ・仏ホームレス10人に4人は女性だが、その存在はなかなか見えない。 ・レイプにあわぬよう女性らしさを消し、姿を隠すため支援が届かず。 ・ようやく女性専用施設ができ、つかの間の休息も、苦難は続く。 手厚い補助も受けられる女性たちが華々しく働いているイメージがあるフランスだが、実はフランスには人目に触れないように隠れて生活している女性たちがいる。それはホームレスの女性たちだ。 ■ 隠れて生きるフランスの女性ホームレスたち 12月2日に France2にて、ドキュメンタリー『女性たち、路上から避難所に』が放送された。番組冒頭で話はじめるのは、「哲学の修士卒で、高校で教師をしたこともあるホームレスの女性」だ。高学歴を取得していてもある日住む家がなくなることもある。女性であってもホームレスになることは誰にでも起こること。そ
Japan In-depth編集部(石田桃子、坪井恵莉) 【まとめ】 ・国際人権NGO、取調べへの弁護人立ち会いに関する勉強会開催。 ・法務省、これまで認められていなかった弁護人立ち会いは「可能」とする見解を発表。 ・専門家は試験的に弁護人立会いを導入を目指している。 法務省は今年7月に「法務・検察行政刷新会議」(以下、刷新会議)を立ち上げ、司法制度改革に向けた議論を進めている。刷新会議での主な検討事項に「刑事手続きについて国際的な理解が得られるようにする方策」がある。 これは「ルノー・日産・三菱アライアンス」の元社長兼最高経営責任者、カルロス・ゴーン被告が2019年年末にレバノンへ逃亡し、世界各国のメディアを前に日本の司法制度を批判したことを受けての対応だ。 ゴーン被告の国際社会へのアピールも手伝い、長期間の勾留、取調べへの弁護人の立ち会いを認めない日本の刑事裁判手続きが、国際的に批判さ
清谷信一(軍事ジャーナリスト) 【まとめ】 ・頓挫したアショア、拙速導入方針はSPY7採用ありきだったか。 ・アショアは法律面・防御面で不備。SPY7は規定の試験も経ず。 ・調達経緯不透明なSPY7は違約金がかかっても解約すべきだ。 河野太郎前防衛大臣はミサイル防衛用のイージス・アショア配備の中止を決定した。これによってその代案が検討されているが、政治問題にもなって混迷を深めているばかりだ。だがメディア、特に記者クラブメディアはその問題の根源を無視し、自民党国防部会などのリリースを吟味せずに、まるで広報のようにそのまま報道している。 そもそもアショアの導入、レーダーとしてのSPY7の「お手つき採用」まで、防衛装備としては、経緯はかなり異様としか言いようがない。 ▲写真 SPY-7 出典:ロッキード・マーチン社筆者が取材した限りではアショアの導入はグローバルホークやオスプレイ同様に首相官邸の
上昌広(医療ガバナンス研究所 理事長) 「上昌広と福島県浜通り便り」 【まとめ】 ・日本のコロナ対策、専門家約40%「科学的」、25%「非科学的」と回答。 ・世界各機関で無症状感染者に関する研究報告が次々と発表される。 ・厚労省、無症状者の「実証研究」について議論されていない可能性がある。 新型コロナウイルス(以下、コロナ)の感染拡大が続いている。人命、経済ダメージ、いずれにおいても被害は甚大だ。果たして、日本の対策は妥当なのだろうか。本稿では、この問題を論じたい。 コロナ対策の目的は、死者を減らし、経済的ダメージを少なくすることだ。表1は、東アジア4カ国の人口10万人あたりの死者数、GDPの前年同期比を示したものだ。直近の7~9月期の場合、死者数は0.5人、GDPはマイナス5.8%だ。東アジアで最低である。 ▲表17~9月期は、コロナが猛威を振るった欧州の多くの国より、経済ダメージは大き
Ulala(ライター・ブロガー) 「フランスUlala の視点」 【まとめ】 ・マクロン氏、表現の自由を擁護し「冒涜する権利がある」と発言。 ・イスラム諸国で反フランスデモが激化。 ・「表現の自由」を巡り、仏国民とムスリムの歩み寄りが必要。 新型コロナウイルスの新規患者が急増し、フランスは2度目となるロックダウン(都市封鎖)に入った。しかしながら、コロナの感染拡大も心配ではあるが、それよりも、今、一番気がかりなのが頻発するローンウルフ(一匹オオカミ)型テロだ。 パリ近郊でおきた、中学の歴史教師サミュエル・パティさん(47歳)が首を切断されて殺害された事件(参考記事:仏、18歳が中学教師の首切断)を皮切りに、ニース、アヴィニョン、リヨン、パリ15区で未遂も含む、5件の攻撃が発生している。 それらの攻撃は、「表現の自由」を擁護するフランス政府とイスラム教徒との深い溝が原因の一つになっているのは
Ulala(ライター・ブロガー) 「フランス Ulala の視点」 【まとめ】 ・中学教師が首を切断された。容疑者は18歳のチェチェン系難民男性。 ・「表現の自由」の授業で「シャルリー・エブド」のムハンマド風刺画使ったことが原因。 ・2015年にも「シャルリー・エブド」の本社でテロ、12人死亡。 10月16日の夕方に流れたニュースは、フランス中を震撼させた。パリ郊外のイブリヌ県で中学の歴史教師サミュエル・パティさん(47歳)が首を切断されて殺害されたのだ。殺害したとされる容疑者はロシア国籍で18歳のチェチェン系難民の男性。その後、容疑者はすぐに駆け付けた警官に射殺された。容疑者の行った殺害方法も残虐であったが、実はこの事件は、教師が担当した「表現の自由」の授業において「シャルリー・エブド」に掲載されたイスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を使ったことが原因になっており、そのことは、さらに多く
古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授) 「古森義久の内外透視」 【まとめ】 ・野党ヒアリングで日本学術会議元会長広渡清吾氏、菅首相の対応批判。 ・広渡氏、かつて反自民党政権街頭集会で安倍首相に対し「ウソをつくな」「恥を知れ」と糾弾。 ・国費投入公的機関が政治活動家により運営されてきた現実に違和感。 日本学術会議はおかしな国家機関だとこの連載コラムですでに書いた。(日本学術会議メンバー9割超は首相任命ではない 2020年10月8日掲載) だがその奇妙な特徴はこの会議の元会長が自民党政権を一貫して攻撃する政治活動家であり、安倍晋三首相に「ウソつき」とか「バカ」という侮蔑の言葉を公開の場で何度も浴びせてきた人物であることにも象徴される。日本政府はその依って立つ自らの政権を全面否定する活動家をもこの政府機関の会長として認めてきたほど寛容なのだ。 日本学術会議をめぐっては菅義偉首相が新会員候補
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