「お受験で下剋上」が起きたとの報道でクローズアップされているのが、6年前に開校した世田谷区の東京農業大学稲花小学校。日本初の私立小で例年絶大な人気を誇る慶應義塾幼稚舎よりも志願者倍率が高かった。だが、慶應OBOGはそうした新興の動きを歯牙にもかけていないという。ジャーナリストの田中幾太郎さんがリポートする――。 「幼稚舎をしのぐなど100年早い」 「稲花とうかという小学校を意識したことなど一度もありません。そもそも、名前を耳にしたのも今回が初めて」 と話すのは慶應義塾幼稚舎のOG。中学生の一人息子も幼稚舎からの塾生(慶應在学生)だ。 彼女が東京農業大学稲花小学校(東京・世田谷区)の存在を知ったのは先日、「日経ビジネス電子版」で「お受験で下剋上 開校わずか6年目の私立小、慶応幼稚舎しのぐ人気」(5月8日配信)という記事を読んで。そこでは同校の躍進ぶりをレポート。志願倍率などを比較し、幼稚舎に