フィンランドにある「ヘルシンキ中央図書館 Oodi(オーディ)」。子どもが遊ぶスペースの奥に本が並ぶ=ヘルシンキで2024年6月3日午後0時3分、田中理知撮影 白を基調にした建物に入ると、壁一面の窓から街並みが一望できる。キッズスペースでは子どもたちのにぎやかな声が響き、そばのカフェからコーヒーカップや皿が触れ合う音が聞こえてくる。ふと足元を見ると本を載せたロボットが通り過ぎていった。 「図書館じゃないみたい……」。そんな言葉が思わず口をついて出た。 日本から約8000キロ離れた北欧の国、フィンランド。今年6月、首都ヘルシンキにある「ヘルシンキ中央図書館 Oodi(オーディ)」を訪れた。館内を見渡せば普通の図書館と同様に本を読んだり、勉強や調べ物に没頭したりする人たちの姿もあった。「建物の構造上、子どもたちの声が響いてこないようになっているんです」。スタッフがそう教えてくれた。 私にとって