静岡県沼津市の精神科病院「ふれあい沼津ホスピタル」で2021年、入院患者の武田一昭さん(当時80歳)が重度の褥瘡(じょくそう)(床ずれ)を発症して転院後に死亡したのは、入院中に必要な処置を受けられなかったのが原因として18日、遺族が病院側に慰謝料などを求める訴訟を静岡地裁沼津支部に起こした。併せて、業務上過失致死などの疑いで沼津署に告訴状を提出した。【最上和喜、丘絢太】 訴状などによると、武田さんは脳梗塞(こうそく)の後遺症でせん妄症状があり、21年10月2日に同病院に任意入院した。2日後、「混乱がひどい」との理由で強制的に患者を隔離する「医療保護入院」に移行したが、本来必要な家族の承諾はなく、後日、日付をさかのぼって同意書に署名させられたという。