タレントの中居正広さん(52)と女性のトラブルを巡り、フジテレビ社員の関与が報じられた。関与を否定するフジの港浩一社長は記者会見で、調査委員会の設置などを盾に詳しい説明を避けた。一方、70社以上の企業がCM放送を差し止めるなど影響が広がる。フジはどのように対応を誤ったのか。企業の危機管理はどうあるべきか。日本リスクマネジャー&コンサルタント協会副理事長の石川慶子さんに聞いた。 「被害者を尊重」は単なる自己弁護 ――フジの対応をどう見ますか? ◆港社長は2度、致命的な失敗をした。2023年6月に事案を知った時点で放置したことと、今月17日の会見で説明責任を果たさなかったことだ。 昨年12月に「女性セブン」や「週刊文春」の報道で事態が明らかになった当時、フジは「社員は一切関与していない」とコメントを出した。全面否定から入ったのも、ありがちな失敗だ。「問題について調査をする」と言うべきだった。