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パリ五輪
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昨日は、『日本の巨大ロボット群像』展の記者発表だった。 五十嵐浩司さんの記事がいちばん正確だと思うので、それをリンクしておこう(■)。1年ぐらいだろうか、ずーっと取り組んできた。今がいちばん苦しい時期と思う。 ■ 記者発表は朝10時半が集合で、打ち合わせ後に晩御飯……という流れもあり得るので、朝は近場でモーニングすることにした。 こういう場合、荷物が多ければ家から近くて駅まですぐのA店にする。B店は、家から7~8分ぐらい。駅まで行くには、10分かかる。しかし、それだけ手間をかけて行くだけの魅力がある。 というより、「わざわざ徒歩圏内へモーニングセットを食べに行く」ことには、時間を自分のコントロール下に置くという意味がある。ぎりぎりに家を飛び出し、目的地にまっすぐ直行では、どんどん精神的に枯渇する。 よって、B店にした。この店へ行くときは、バス通りから路地のような細い抜け道を2本ほど通る。そ
アニメスケールの「1/460 古代ロボ ゴダイガー」(アオシマ)を知っているか? 連載初、アニメ未放映のオリジナルロボを決死の覚悟で組み立てろ!【80年代B級アニメプラモ博物誌】第12回(■) 各方面で大反響だった「寿司プラモ」のその後とこれからの展開を、秋東精工さんに聞いて、ついでに金型で成型させてもらった!【ホビー業界インサイド第71回】(■) 2日連続で、アキバ総研に連載記事が掲載されました。「B級プラモ」は、無事に連載一周年を迎えることができました。 ■ さて、都議会議員選挙。三鷹市に転居してきてから十数年、選挙には欠かさず行くようにしているけど、今回はあまり関心がなかった。 金曜朝から選挙カーの音が響き、「すぐに通りすぎるだろ」と二度寝しようとしたら、マンションのかなり近くで演説会が始まった。これがウルサイ。司会の女性が「続きまして……」「続きまして……」と、ゲスト(というか応援
メカデザイナーズサミットVOL.08 3月21日(土曜日)14:00~16:00(■) 上記のとおり、私が司会進行を務めさせていただきます。昨年、トークイベント【模型言論プラモデガタリ】を続けていて、ちゃんと認めてくださる方がいらっしゃった。嬉しいことです。 ■ 『宇崎ちゃんは遊びたい!』のポスターを環境型セクハラだと批判した次は、『ラブライブ!サンシャイン!!』のJAなんすん(南駿農業協同組合)とのコラボが、標的になっているという(■)。例によってTwitterの中での罵りあいで、キャンペーン自体は上手く進んでいるようです。だって、違法行為じゃないもん。 「気持ち悪い」「けしからん」「性的搾取だ」とWEBサービスの安全圏から喚いてないで、現行法の中で訴訟を起こすなりして、正々堂々、公平に戦ってください(「欧米では違法です」って誇らしげな意見が散見されるけど、日本国内では合法なので無意味で
「イデオン」のメカニック・デザイナー、樋口雄一さんが教える“敵をつくらず生きる自由放埓な創作人生”【アニメ業界ウォッチング第56回】(■) 毎月開催している【模型言論プラモデガタリ】のゲストとしてお呼びして、その前に個展に挨拶に行って……と、三度しかお会いしていないのに、樋口さんの磊落な性格のおかげで、気安く海外旅行の話などもできました。 ■ 『ぼくらの七日間戦争』を見た翌日、戦車と廃墟と立てこもりなら『うる星やつら2 ビューテイフル・ドリーマー』だろう、と思ってAmazonプライムでレンタルした。高校時代に「フィルムコミックを読みながらドラマ編LPを聴く」という変な視聴体験をして、大学に入ってから1回、卒業してから1回見ていると思う。 「ロマンアルバム イノセンス押井守の世界」によれば、この映画は、前作『うる星やつら オンリー・ユー』を「ただのテレビのでかいもの」と反省した押井守監督が、
「きみと、波にのれたら」の愛らしいキャラたちの秘密を、キャラクターデザイナーの小島崇史が明かす【アニメ業界ウォッチング第55回】(■) 昨夜遅く、『きみと、波にのれたら』が上海国際映画祭で最優秀アニメ作品賞(金爵賞)を受賞したニュースが入ってきました。 宣伝会社を通すと、いつも複数社の囲み取材にされてしまうので、小島さんに直接取材を申し込みました。 ただ、宣伝会社が『きみと、波にのれたら』の試写会に招いてくれなければ、そもそも取材を思いつきもしなかったので、僕から担当窓口に連絡して、原稿を見せてから掲載しました。修正は何も入らず、小島さんの若くて貪欲な姿勢が読みとれる記事になったと思います。 出演俳優や主題歌アーティスト中心の宣伝がなされていますが、『きみと、波にのれたら』に関しては正解だと思います。 監督やアニメーターの名前や作風を気にするのは、一部のマニアックな人たちだけで十分。オタク
アマゾンプライムで借りて観たドキュメンタリー、『VHSテープを巻き戻せ!』……甘酸っぱくも、厳粛な気持ちにさせられる映画だった。 誰もが、時代の流れとともに確実に何かを喪失していく。喪失にどう対峙するのか。別れを惜しむだけなのか、物理的手段で喪失を最小限度に押しとどめるのか? 根性と気合だけでは何も出来ないぞ、と言われたような気もする。 インターネットをはじめて間もない20年前は、僕はもっと喪失と正面から向き合っていたと思う。僕はもっとナーバスで、ちょっとしたことでよく泣いていた。 『VHSテープを巻き戻せ!』は、フィギュア・ブームの渦中に製作された劇映画『ブリスター!』のエンドロールに付け加えられたコレクターたちのドキュメント・パートを思い起こさせる。僕も、『ジャイアント・ロボ』のジャンボ・フィギュアと一緒に出演している。あのフィギュア・ブームのことなら、まだまだ現実に書き残せるチャンス
ようやく時間ができたので、『きみと、波にのれたら』のマスコミ試写会へ。試写会へ二度以上も足を運ぶなんて、それこそ『マイマイ新子と千年の魔法』以来ではないだろうか。 隣に女性が座ったのだが、映画が始まって30分ほどで鼻をすすりあげはじめ、とうとう映画が終わるまで泣きっぱなしであった。確かに前半、主人公の女子大生と若い消防隊員がぐんぐん仲良くなっていく描写には、不思議と胸がしめつけられる。「自分にもこういう過去があった」とか「こういう恋愛に憧れる」ってことではない。理由が分からないので、戸惑ってしまう。 ティザーにも使われている、主役2人が鼻歌のように主題歌をうたう、あのBGMが効果的(……って、何に対してどう効果的なのか?)なのは、間違いない。 だけど、こんなにもシンプルでストレートな恋愛モノに、どうしてもこうも惹きつけられているのか、まるで説明できない。少なくとも、「感情移入」なんていう、
今回はインタビューはありませんが、『ひそねとまそたん』にかこつけたヒコーキ模型カタログを構成しました。次号は、かなり意外な人物にインタビューしますので、楽しみにお待ちください。 ■ 21日夜、新宿ピカデリーで『マイマイ新子と千年の魔法』9周年記念上映。一晩寝て、朝から広島へ行き、広島で一泊してから『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』の進捗が語られる広島国際映画祭の片渕須直監督のワークショップへ。 前売り券は東京で買ってあったが、朝11時からの整理券配布に30分並んだ。ところが、開場の一時間前から「整列開始」と書かれており、受付の人に確認すると、整理券配布と同じ場所に立ったまま一時間並んでもらうという。 そこまでの苦痛を強いられる理由はないので、ワークショップには参加せず東京へ引き返した。2日前の『マイマイ新子』の時から考えはじめた送り手と受け手の関係について、新幹線の車内で考えをまとめ
先日の全日本模型ホビーショーで、初めてランナーが展示されたプラモデル「PLAMAX Naked Angel 1/20 天使もえ」(■)。僕は、業者招待日の9/28に拝見しました。 当日は、オールヌードの組み立て見本の乳首はシールで隠してあったけど、ランナー状態には、特に目かくしはなし。 上記リンク先に明記されているように「裸体verは性器をあからさまに描写するものでなく、法律及び条例などに反したり、それらの適用を受けるものではありません」。メーカーの法務部とよく相談して問題なしと判断されたので、全年齢向けに発売すると、会場で担当者から聞きました。 9/28の午後から予約受け付けが開始されたので、帰宅してからAmazonで予約しました。その時点でもう、「ベストセラー」のアイコンが貼られていて、「えっ、そんなに売れてんの?」とランキングを調べたところ、「プラモデル・模型 の 売れ筋ランキング」
映画公開から31年――。「王立宇宙軍 オネアミスの翼」展を前に、山賀博之監督の心境を聞く【アニメ業界ウォッチング第48回】(■) 記事中に出てくる“1987年、僕は渋谷の映画館で「王立宇宙軍」を見たのですが、外に出たら見慣れているガードレールや横断歩道が、まったく新しいものに見えました”、この一言に同意してくれたのは、なんと今回の山賀監督だけでした。31年間、『王立宇宙軍』についてはずっと孤独だったとさえ言えます。 何かコネがあったわけではなく、例によってぶっつけで取材依頼しました。 ■ 取材も打ち合わせもない平日なので、立川シネマシティで『ペンギン・ハイウェイ』。 Twitterでは、「おっぱい」「オネショタ」ばかり言われていて、森見登美彦さんのアニメ化作品は生理的に苦手なところがあって、「つまんなかったら途中で帰ってもいいや」って気分だった。 1/3ぐらいしか座席の埋まっていない劇場で
野球大会で、稲村亜美さんが中学生選手たちに揉みくちゃにされた件。現場にいた選手たちの、あまりに無反省な下卑たツイートが許せず、昨日夜、大会を中止するよう改めて日本リトルシニア中学硬式野球協会関東連盟にメールした。 今朝になっても返事がなかったため、東京駅日本橋口すぐ、サピアタワーにある日本リトルシニア~関東連盟の事務所へ行ってきた。もちろん、アポなしである。 ■ オフィスエリアの受付で、「アポはないのですが、メールの返事を聞きたい」とお願いしたところ、関東連盟事務局長の三木慶造さんという方が、「事務所はごった返しているので、受付までうかがいます」と降りてきてくださった。 ビルの二階に座れる場所があるというので、ベンチで少しだけ話をすることが出来た。 単刀直入に「大会を中止にできないのでしょうか?」と聞いてみた。 ちょうど昨日、事務局内で今後の対応を協議していたそうで、「中止すべき」との意見
レンタルで、『スポットライト 世紀のスクープ』。 僕は、映画がなぜ映画でいられるのかを問いかける、駆動原理がむき出しになった作品が好き。だけど、『スポットライト』のように題材に社会的意義を見出し、世の中に広めて歴史に残すことも商業映画の大きな機能だと思う。 この作品はアカデミー主要賞はじめ、各国で賞をとりまくった。そうでもしなければ、埋もれてしまいかねない作品だが、「カトリック教会の神父による児童性虐待と組織的隠蔽」という衝撃的なモチーフが、そうはさせなかった。映画批評家たちの良心が、この作品に光を当てた。 カッティングや構図の分析なんて後回しにして、妻と別居するほど仕事熱心な新聞記者を演じたマーク・ラファロと一緒に、激怒すべきだ。 いつも貧乏ゆすりしていて、資料の山の中で食事するマーク・ラファロはじめ、ひとりひとりの人物の描き方は念が入っており(特に飲み物や食べ物の使い方が上手い)、まっ
昨夜は、小学校時代の旧友2人と『シン・ゴジラ』鑑賞。 前回のエントリーで、「日本映画は感情にまかせて、怒鳴ってばかり」といったようなことを書いた。 『シン・ゴジラ』の主人公も、実は一度だけ激昂して怒鳴る。ところが直後に、「まずは君が落ち着け」と、同僚から水の入ったペットボトルを胸に押しつけられ、「すまん」と謝る。 そのペットボトルは、緊急時用に保管されていたものなのだろう、ラベルなどはない。主人公は都心でゴジラの引き起こした大火災から逃れてきたので、背広は汚れているし、怪我も負っている(医療キットが不足している、という短いセリフが入る)。 ガイガーカウンターで放射線量をはからないと、施設に入ることはできない。その時点で、総理大臣をはじめとする中心人物は消息不明となっている。それでも主人公は、仕事をしなければならない。 同じ規格のノートパソコンが、次々と机の上に並べられていく。会議室に仕事場
シン・ゴジラWalker 22日発売 庵野秀明総監督の作品、という視点からコラムを書きました。ひさびさに『トップをねらえ!』ラスト2話、『新世紀エヴァンゲリオン』第6話、『激動の昭和史 沖縄決戦』を、参考用に見返しました。 書いてもいい刻限になったので書きますが、このコラムのためにラッシュ試写を見ました。 ラッシュ試写会は複数回おこなわれており、同行した編集者によると、「試写のたびに完成に近づいている」とのこと。 僕が見たのは、エンドクレジットまですべて入った、完成に近いバージョンでした。 ■ ラッシュ試写のあいだ、僕は声なき声を出して泣いていました。この映画は理性と客観によって支えられているので、お涙ちょうだいのシーンはありません。 では何に泣かされたのかというと、「日本映画って、本気になってつくれば、こんなに面白いじゃないか!」という驚き。それに尽きます。 ハリウッド映画を対置させて、
人生4冊目の単行本、『我々は如何にして美少女のパンツをプラモの金型に彫りこんできたか』(■)の販売が、告知されています。 ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、「プラモデル」という商品に「美少女キャラのパンツ」が彫られるようになったのは、いつ頃なのか?については、当ブログでも7年前に語りましたし、同人誌でも特集しましたし、マチ★アソビのトークショーでも話しました。 今までは笑い話にしてきましたが、今回は関係者に取材しています。バンダイでラムちゃんシリーズのプラモを企画・開発した松本悟さん、キャラコレやラムちゃんの木型を作った、人類史上初の美少女フィギュア原型師とも呼ぶべきベテラン木型職人・諸星亮一さんにも、ご登場いただきました。何しろ金型にパンツを彫った当事者の方たちのお話ですから、いろいろと新事実が発覚しました。 また、プラモデルの登場以前に「美少女フィギュア市場」を開拓したモデラー、
レンタルで、ティム・バートン監督『ビッグ・アイズ』。 60年代、“ビッグ・アイズ”というシリーズを描いた画家のマーガレット・キーンと、彼女の作品を「自分が描いた」と偽って世界中で売りさばいた夫、ウォルターの対立劇であり、家庭の崩壊、夫婦の破滅と反比例するように、女性が権利と自尊心を獲得していく過程を描いていく。 ■ 映画冒頭、元夫のもとを逃げ出したマーガレットは、車の運転席から、後ろに座る娘へと手をのばし、2人は手を握りあう。 同じ構図が、後半でくり返される。ラジオに出演し、「“ビッグ・アイズ”を描いたのは、私です」と、初めて告白するマーガレット。その背後、スタジオのガラス窓の向こうに、誰かが座っている。ピントが合うと、すっかり成長した娘であることが分かる。 もう一度、夫との公判中、マーガレットの後ろの傍聴席に、やはり同じ構図で娘が座っている。そして、冒頭シーンと同じように、2人は手を握り
昨日3月28日、「フィギュア趣味は、犯罪ではありません。」(■)署名を、東京都港区の愛宕警察署に届けてきました。 1,215人分の名前と郵便番号を印刷した名簿、コメントを印刷したもののニ通を「愛宕警察署御中 抗議署名」と書いた封筒に入れ、受付で「こういう意図の署名を集めたので、受け取っていただきたいのですが」と説明しました。「名刺かなにかお持ちですか?」というので、名刺を渡しました。 僕は受付で追い返されると思ったのですが、「ちょっとお待ちください」とソファに座るように言われ、数分後、まだ20代ぐらいの若い署員が受付に現れました。 ■ その署員の方に、5階にある小さな部屋へ通されました。ドアは開けっ放しなので、抑圧的な雰囲気ではありません。 その署員の方に所属を聞くと、「生活安全課」とのこと(仮にAさんと呼びます)。Aさんは、事件の担当者ではありません。というか、どういう事件なのか知らない
吉祥寺オデヲンで、『オデッセイ』。僕はケチなので、試写会で見られなかった映画に、あまりお金を払いたくないのだが、今月は誕生月なので、割引サービスで見られた。 リドリー・スコットといえば、西欧文化と対極にある異文化を対置させるのが好きな監督なので、中国国家航天局が出てきた理由は、そうした嗜好から推察すべきではないかと思う。 だが、『ブラック・レイン』では好奇心旺盛に大阪までロケしに来ていたリドリー・スコットは、いまや毎年超大作を公開する大御所ヒットメーカーだ。火星まで日帰りで、さっとロケしてきたようなラフさが漂う。もっとも、その人懐っこさがヒットの要因だろう。 ノストロモ号から、「南極管制センター」に機械的に呼びかけをつづける、リプリーの冷たい声。『エイリアン』の絶望的な距離感覚は、はるかに遠くなってしまった。 ■ エイブラムス監督、『スター・ウォーズ』に同性愛者も(■) 『スター・ウォーズ
ホビー業界インサイド第2回:個人作品からプラモデルへ~メカトロウィーゴの起こした小さな奇跡 プロモデラー、小林和史インタビュー(■) アキバ総研さんの連載、第2回となります。 1/35プラキットとして人気を得た「メカトロウィーゴ」を、その発祥までさかのぼる形で、原作者である小林和史さんに、取材させていただきました。 おそらく、小林さんが「儲ける」目的ではなく、「ウィーゴは俺のもの」と主張するでもなく、「みんなでシェアする」スタンスに立ちつづけていることが、ウィーゴの受け入れられた理由ではないかと思います。 また、僕は「1/35のプラキット」という部分に注目して手にとったわけですが、まったく別のチャンネルから「ウィーゴ」に触れた方、たとえばドール趣味の女性がいらっしゃる。そのユルさにも、学ぶべきところがあると思います。 たとえば、初音ミクの公式プロフィールって、みんな知らないと思うんです。そ
深夜アニメが終わったり始まったりする時期なので、夜中にぼんやり見ていた『響け!ユーフォニアム』最終回。山下敦弘監督の映画のラストのように、登場人物の存在感にまかせた、ふっきれた、抜けた感じの20数分間(絵コンテは、山田尚子さん)。 そうでありながら、演奏シーンは、繊細なカッティングも含めて、ずっしりとした見ごたえがあった。吹奏楽というテーマに、最後まで真摯に挑みきったアニメーションだった。 ……と、偉そうなことを書いているが、僕は、この作品を半分ぐらいしか見ていない。後半は、声優の聞こえよがしな演技にたえられず、いつも途中で消してしまっていた。そこで、消音モードで見てみると、カメラワークの意図、BGオンリーの狙いが、とてもよく分かった。キャラからBGに大きくカメラを振って、会話に余韻を与えて感情をBGによって膨らませ、そこでAパート終了とか。セリフがなくても、「決意」とか「落胆」とか、気持
平成22年9月7日、高松高等裁判所において、「児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」違反について、ひとつの判決が下りました(添付資料参照)。 被告人は当時6歳だった女児を公園の公衆トイレに閉じ込め、下着を脱がせて写真を撮影しました。この際、被告人は女児の頭に射精し、それを写真に収めています。ところが、この性暴力写真は、高松高裁では「児童ポルノ」には該当しないと、判断されました。 平成26年、児童ポルノ規制法が改正され、平成27年7月15日から単純所持の罰則化が始まります。しかし、6歳女児の頭に射精した性暴力写真は「児童ポルノ」ではないと判断されましたから、所持も自由ならインターネットに掲載するのも自由ということになってしまいます。顔の映った写真を取り締まれないようでは、被害女児の苦痛を取り除くことができません。被害女児は、今現在も人権をないがしろにされ続けてい
『Gのレコンギスタ』最終話「大地に立つ」、もちろんリアルタイムで視聴。 やっぱり、ベルリが大地に立つまでの物語であって、あの26話の中で起きた歴史というのは、2クールには収まらない。最終カットで、トワサンガやビーナス・グロゥブが同じぐらいのサイズで並んでいたけど、思想も信仰も微妙にズレていて、好戦的な人たちもごっちゃに住んでいる中で、何とか妥協点を見つけながら、うまく回していくしかない。 その妥協点を見つけながら上手に生きていくのは、今の年寄りには無理だから、物語の中でも大国の大統領には死んでもらうしかなかったんだと思う。 ■ 放送中はいろいろなことを思ったけど、敵味方の関係図をコンパクトにしたがる人が多かったような気がする。目の前で動いている歴史はコンパクトにならないし、「問いには必ず答えを用意してもらえる」インターネット的な短絡に物語を封じ込めようとする態度は、とても危険だと思った。
社会や家庭の闇で多発する性暴力や虐待を真正面から描く映画『月光』、その『月光』を勝手に応援するサイトのポッドキャストに出演しました。⇒■ 滑舌が悪くて、自分でも聞きづらいですけどね。まだ撮影も始まってない映画なので、応援というよりは、自分の来し方を振り返るような内容になりました。かつて関わった映画脚本のこと、『マイマイ新子と千年の魔法』、母親の死、東日本大震災と原発事故……。 2011年は、福島県いわき市に救援物資を運ぶのを手伝ったり、同地で『マイマイ新子』の上映会をやったりする一方、反原発活動にも積極的に参加した。 日本映画専門チャンネルの「24時間岩井俊二映画祭presentsマイリトル映画祭」で、初めて『friends after 3.11【劇場版】』を見た。あの当時、僕が支持していた人たちばかり出てくるので、恥ずかしかった。自分がどう見えていたのか、今あらためて見せつけられたような
アキバ総研 【懐かしアニメ回顧録第3回】セルアニメ版「アップルシード」。唯一の実写映像付きOVA!!(■) さて、第3回ですが、どうでしょうか。誰もが心からガッカリしたOVA版『アップルシード』です。あの、ぜんぜん見たこともないキャラが出てきて「うわ、どうしちゃったのコレ?」って、悪い意味で驚くセルアニメ版ね。 前回が『プラトニックチェーン』だったので、何となく方向性が見えてきたでしょ? そうでもない? 懐かしアニメというより、「あんまりよく覚えてないアニメ」再評価です。この連載は。 ■ 『Gのレコンギスタ』第22話「地球圏再会」、良かった。 月のコロニーで、自分の生家を見てきたベルリが、育ての母と再会する。もちろん会話はかみ合わないが、母に抱きしめられたベルリをゆっくりとPANするカットが残酷なようでいて、ベルリの心情に寄り添うような手つきで、ゾッとするほど上手い。殺伐と哀しくもあり、な
プレス試写で、『花とアリス殺人事件』。 実は、予告を見て美術が良かったので、美監さんにはインタビューずみ。美術は、文句なしに素晴らしいです。「背景動画は無い」と聞いていたけど、けっこうあります。 で、『惡の華』のメイキング・ブックまで作った僕としては、『惡の華』と比較せざるを得ないじゃないですか。 『花とアリス~』は、「たまたまセル・ルックに映る新型カメラを使用した実写映画」という趣き。「アニメとしてのアイデンティティ」は、驚くべきことに皆無に近いと思う。 だからこそ、ラストに近づくにつれてセル・ルックの「絵」であることが気にならなくなって、小憎らしいほど「いい話」に泣かされるわけ。「アニメとしてのアイデンティティ」が欠落しているからこそ、「実写映画的な満足感」を得られたのではないか……という気がする。 ■ 『惡の華』って「性」がテーマで、だからこそ、絵の裏側に俳優の身体を想像させられ、緊
先日、アメリカでの長期勤務から帰国したクリエイターさん(アニメ業界の方ではありません)へのインタビュー後。編集者が「いま一番、オススメのアニメ」として、『Gのレコンギスタ』を薦めていたので、すっかり嬉しくなってしまった。 ただ、『G-レコ』は、僕らファースト・ガンダム世代のオジサンたちは、それぞれの立場から「支える」作品であって、僕らがメイン消費者になってしまうのは、結果的に(作品にとっても僕らにとっても)幸福ではないだろうと思っています。 僕は子供のできないまま生涯を終えそうなので、「ファースト・ガンダムを見ていた年ごろの自分(13歳)」を、勝手に『G-レコ』の視聴者だと決めつけているんだけど(笑)、その世代の子たちは、ネットゲームやLINEが楽しみなんでしょうか。 『G-レコ』のプラモデルにしても、もっと簡単に組み立てられるものが出ないものだろうか……と、オモチャ好きの編集者と話したり
自民党の土屋正忠議員、日本ユニセフ協会へ取材を行いました。「表現規制派ばかりじゃないか!」と怒られそうですが、まずは規制したい側の言い分ぐらい聞けないと、話し合いもできないと思います。 最後に、規制推進も反対も関係ない児童保護施設に取材したのですが、そもそも、創作物の対立図式に巻き込まれるのが迷惑らしく、取材後に掲載を断られました。 ですから、記事の最後には、そうした経緯も書いてあります。僕は、「規制派vs反対派」なんて構図から、何か建設的な議論が生まれるとは思っていません。児童保護の最前線では、「漫画? アニメ? 私たちは生身の子どもたちを相手にしているのですよ」と、必ず言われます。 ■ ……と、地道に取材活動していこうと考えていたのですが、思わぬ議論の場に出ることになってしまいました。 漫画家・小林よしのりさんの『ゴー宣道場』というイベントで、10日開催です(■)。ツイッターで「危ない
改正児童ポルノ禁止法が、来週火曜(15日)から施行される。多くの国民は、まさか自分の本棚やパソコンの中が捜査対象になり得るとは、考えてもいないだろう。それどころか、児童ポルノの定義すら知らない国民が大多数だと思う。 『となりのトトロ』テレビ放映時、無邪気に「パンチラや入浴シーンがあるから、児童ポルノだ」とネットで騒いでいた人たちを見れば、認識のレベルが分かる(「バルテュスの絵画には実在のモデルがいるから、やはりポルノだ虐待記録物だ」と誇らしげに語っているインテリ崩れも、『トトロ』で騒いでいた大衆と程度は同じである。) 「漫画やアニメの研究が付則から外れた」とホッとしているのは、この改正案の行方を見守ってきた一部のファンだけだろう。新聞の社説は、あいかわらず「わいせつなアニメ」を「児童ポルノ」と絡めて語ろうとする。 僕は先週までに、三つの児童保護団体を回り、性虐待の実態を知ろうと試みた。共通
改正児童ポルノ禁止法が参議院で可決された昨日、新宿で『たまこラブストーリー』を見てから、上野・東京都美術館のバルテュス展へ向かった。 大阪府立大学の森岡正博教授は、バルテュス展の広告を見て「芸術の名を借りた児童ポルノ絵画」とツイート(■)。【児童ポルノ】という言葉が「少女をモチーフにしたエッチっぽいもの、ワイセツっぽい表現ジャンル」として定着してしまっている、端的な例ですね。 僕がバルテュスを知ったのは、「夜想」という雑誌なんだけど、種村季弘や澁澤龍彥を読んでいた時期なので、もともとタブーを踏破する怪しい作家という認識だった。巨匠なんていうイメージは、もちろんなかった。 昨日は65歳以上が無料のサービスデーだったので、その世代の人たちで場内は大混雑。日本は、なんと文化的に豊かな国なのだろう。 ■ それでも少なからず驚かされたのは、晩年のバルテュスがスケッチ代わりに少女たちを撮影したポラロイ
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