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「アジア平和構築イニシアティブ(Asian Peacebuilding Initiative, APBI)」プロジェクトは、アジア各地の紛争の状況や和平の動きについて調査・分析した結果を本サイトを通じて幅広い読者に提供していきます。 地域研究や国際関係の専門家による分析記事、コメンタリーなどを掲載するとともに、現地の最新の動向も掲載していきます。当面は、フィリピン南部、タイ南部、ミャンマー、バングラデシュの4つの地域を主に取り上げます。 【フィリピン南部】 フィリピン南部では、過去45年以上にわたって武力紛争が展開されている。キリスト教徒の移民入植に伴って、政治的、経済的権利を奪われ、不満を強めたムスリムを中心とした南部の住民が、1970年前後にモロ民族解放戦線(Moro National Liberation Front: MNLF)を結成し、独立(のちに自己決定権)を求める分離運動を開
出典:Ramsbotham et al. (2011, pp.175-176)を参照し作成。 「文脈的変質」とは、紛争が置かれている社会的・地域的・国際的文脈が変化する事によって紛争が激化・沈静化する事を意味する。例えばラムズボサムらは、冷戦の終結という国際環境の変化によって、主に冷戦下で生じていた南部アフリカや南米での紛争が収まったと述べている。 「構造的変質」とは、紛争の構造、すなわち紛争を構成している関係者(アクター)、彼らの相容れない目的や利害(争点)、あるいはその力関係(関係性)という一式が変化する事で生じるものである。変質の形態はさまざまであるが、例えば紛争の要因が集団の関係性に依拠するものであった場合に、強者と弱者の関係に変化が生じる事で紛争が解決に至ったり、激化・再発したりする。 「関係者の変質」は、紛争当事者集団における支配的アクター(指導部)やその支持層などが変化する事
*表1、2いずれも1983年に実施されたセンサスに基づく。ビルマでは本年(2014年)、31年ぶりに人口調査が行われる予定である。(Chart 1 and 2 are based on the 1983 census. This year (2014) a new census is due since the last one 31 years ago) 誰が土着民族か:「1823年」という幻想 ビルマでは政府公認の135民族が「土着民族」として認められ、国籍を自動的に付与されている。「土着」であるか否かは、1982年施行の国籍法(ビルマ市民権法)に基づき、第一次英緬めん戦争(1824-26)が始まる前年にあたる1823年以前からビルマに住んでいたかどうかで決められ、1824年以降にビルマへ移住して住みついた人々は「非土着」扱いされている。 同国籍法では、この135民族が1823年以前か
はじめに 今日世界各地で見られる紛争は、国家の中央政府とその国内の民族集団との間で起きているものが多い。民族集団は独立ないしは自治を求めるが、中央政府はそれを許そうとしない。こうした民族紛争を国際社会はどう考えるべきだろうか。中央政府の主張と民族集団の独立・自治要求をどのような基準でどのように評価したらいいのか。中央政府の主張する領土保全はどこまで絶対的なものなのか。民族集団にはそもそも独立・自治を要求する権利といったものがあるのか。 こうした問いにはっきりとした解答はない。しかし、近年自決と分離に関する議論は盛んになってきており、とりわけ冷戦後に頻発した民族紛争の解決を通じていくつもの事例が生み出され、自決に対する考え方も変わってきた。本稿ではこうした近年の動向をふまえて民族集団の主張がどう評価されるべきかを考えてみたいと思う。 自決とその主体 自決(self-determination
すっかり定着していた軍事独裁政権から民主主義誕生へというミャンマーの変革のストーリーは多くの観測筋を驚かせた。しかし、2012年の秋から2013年末にかけて発生した仏教徒によるムスリムへの暴力的攻撃がこの前向きな動きに影を投げかけている。 現在起きている仏教徒とムスリム間の紛争は、ラカイン州で仏教徒の女性がレイプされ殺害された2012年に始まった。この事件に対する非難の矛先がロヒンギャ民族に向けられ、ラカイン民族仏教徒は報復としてバスを攻撃し、10名のムスリムを殺害した。仏教徒とロヒンギャ民族との衝突は瞬く間に広がり、暴動と集団暴行の大きな波を引き起こした。双方に死傷者が出ているものの、多くの観測筋では、ロヒンギャ民族側の方が過度に人命や財産を失っているとの見方で一致している。250名以上が殺害され、更に多くの人々が負傷し、25万人のムスリムが住む場所を追われたが、その多くはラカイン州に住
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